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ししょまろはんのLOD(Linked Open Data)に関する取組み―Web NDL Authoritiesの利活用事例紹介

是住 久美子(京都府立図書館)


NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2015年3号(通号34号)

【はじめに】

私たちは職場の仲間で自主学習グループ「ししょまろはん」を結成し、2013年から活動しています[1]。ししょまろはんが取り組んでいる活動のひとつに、地元の京都が出てくる文学作品やマンガ、ライトノベル等の情報をLOD(「京都が出てくる本のデータ」)として公開しているものがあります[2]

データの中身は、作品のタイトルなどの書誌情報のほか、おすすめ度や心境(ワクワク、しんみりなど)、京都度(京都が出てくる割合)、140字程度の内容紹介文、作品に出てくる京都のスポットの名称、位置情報(緯度・経度)、そして国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)の著者名典拠URIが含まれています。現在240件ほどのデータを、クリエイティブ・コモンズライセンスの「表示(CC BY)」という、クレジットの表示だけで自由に使っていただけるライセンスで公開しています。

【「京都が出てくる本のデータ」を公開して】

「京都が出てくる本のデータ」を公開してすぐ、このデータを使ったアプリがいくつか作成されました。データには作品に出てくる京都のスポット情報として、緯度と経度も含まれていますので、スマートフォン用のアプリでは地図上にピンが立ち、スポットをタップして作品のデータを見ることもできます。また、リストから作品を選択し、作品の舞台となったスポットへのルート案内を表示させるなど、いわゆる「聖地巡礼」のように利用してもらうこともできます[3]

図書館員が作ったオープンデータが新たな地域の観光資源として活用されているとして、地元の新聞にも取り上げてもらう[4]など、予想外の展開にメンバー全員驚きつつ、反響があったことに力を得て、現在もデータの登録を続けています。

【つながるデータ】

オープンデータは誰もが利用でき、改変や再配布もできるというライセンス上の特徴のほかに、機械可読形式で公開されることが望まれています。LODは、Web上のデータをつなぐことで新しい価値を生みだそうという考えで、データをURIで表すことで、外部のデータとつなげることができます。詳しくは、国立国会図書館のホームページ「使う・つなげる:国立国会図書館のLinked Open Data (LOD)とは」でわかりやすく解説されていますのでご覧ください。

「京都が出てくる本のデータ」には、Web NDL Authoritiesの著者名典拠URIも加えています[5]。LODは、多くの事物を発見できるよう、データに外部へのリンク(URI)を含めることが推奨されています[6]。そこで、作品の著者にほかにどんな著作があるか調べられたり、Wikipediaから著者の情報を閲覧することのできるWeb NDL Authoritiesの著者名典拠URIを加えることにしました。Web NDL Authoritiesは、バーチャル国際典拠ファイル(VIAF)[7]ともつながっていますので、これにより、「京都が出てくる本のデータ」が世界中のデータともつながることを期待しています。将来的には京都を訪れる外国人観光客がアニメ等の舞台を巡りながら、作品や作者について、さらに広がって、日本の文化について知ることができるアプリなどができるかもしれません。


図「京都が出てくる本のデータ」とWeb NDL Authoritiesの典拠データ

【おわりに】

私たちは技術的な知識がまだまだ足りないため、LODとして適切な共通語彙の選択や、事物の名前に誰でもアクセスできるhttp URIを用いたデータの公開ができていないなど、課題も多くあります。ただ、これからは私たちのような非エンジニアが比較的簡単にLODを公開できる仕組みもできてくると思われます。

図書館員はさまざまなデータを構造的に整理したり、テーマによっていろいろな情報を再編集して提供するということは得意分野ですよね。何より、そうやって作ったものは世の中に使われてこそ価値があるのだから、自分たちの著作権を主張するという発想は、図書館員にはほとんどないと思われます。何の根拠もありませんが、いろいろなデータとつながって新たな価値が生み出される可能性が広がっていくLODと図書館員の仕事とは親和性が高いと感じています。

LODは始まったばかりで、成功事例も少ない状況ですが、「Open by Default(原則オープン)」を念頭において、また、つながりやすい形での公開を意識する、たとえば、すでに提供されている国立国会図書館や国立情報学研究所のLODとつながるような形で提供することで、多くの人にとって価値のある情報に進化していくのだと思います。

是住 久美子
(これずみ くみこ 京都府立図書館)

[1]ししょまろはんラボ. http://libmaro.kyoto.jp/, (参照 2015-08-05).

[2] 「京都が出てくる本のデータ」はLODチャレンジ2014のデータセット部門で最優秀賞を受賞しました。LODチャレンジ2014については以下のページをご覧ください。
・LOD Challenge 2014. http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2014/index.html (参照 2015-08-08).

[3] LinkData. “京都が出てくる本のデータ”. CityData.
http://citydata.jp/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%B8%82/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%81%8C%E5%87%BA%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF/rdf1s1294i/kyotobook_list.html, (参照 2015-08-05).

[4] 『京都新聞』(2014年3月28日 朝刊20面)「本に出る京都 司書「案内」 地図、説明文 ネットで公開」

[5] Web NDL Authoritiesの典拠データについては、本誌2015年1号(通号32号)の「コラム:書誌データ利活用(6)―Web NDL Authorities解読講座 その1―ウェブでつながる典拠データ」をご覧ください。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2015_1/article_04.html, (参照 2015-08-05).

[6] 5つ星オープンデータ. http://5stardata.info/ja/, (参照 2015-08-05).

[7] VIAFは、各国の国立図書館等から典拠データの提供を受けて、個人、団体といった同一の実体に対する典拠レコードを同定し、相互にリンクさせるシステムです。


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2015年3号(通号34号) 2015年9月25日発行

編集・発行 国立国会図書館収集書誌部

〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1

メールアドレス:bib-newsアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー(ニュースレター編集担当)