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世界図書館・情報会議(第82回IFLA大会)とVIAF評議会会議に参加しました

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2016年4号(通号39号)

【はじめに】

2016年8月13日から19日にかけて、「世界図書館・情報会議(WLIC)―第82回国際図書館連盟(IFLA)大会」が米国オハイオ州のコロンバスで開催されました。2001年のボストン以来の米国開催です。国立国会図書館代表団は7名で、筆者は書誌分科会(Bibliography Section)常任委員会へ常任委員として出席するとともに、関連する分科会の常任委員会やオープン・セッションにも参加しました。また、IFLA大会前の8月12日には、OCLCの本拠地ダブリンで開催されたバーチャル国際典拠ファイル(VIAF)評議会会議にも出席しました。

以下に概要を報告します。


市立図書館のコロン「バス」

1. 世界図書館・情報会議(WLIC)-IFLA第82回年次大会[1]

IFLAの書誌分科会、目録分科会(Cataloguing Section)、分類・索引分科会(Classification and Indexing Section)の三つは、UBC(Universal Bibliographic Control)グループと呼ばれています。これらの分科会の活動は密接に関わっており、各分科会の常任委員が互いのさまざまなワーキンググループに参加しています。次回のIFLA大会では、このUBCグループで、ジョイントセッションを実施することも決定しています。

(1)書誌分科会常任委員会

全国書誌登録簿の拡充

書誌分科会のウェブサイトには、“National Bibliographic Register”(「全国書誌登録簿」)というページがあり、世界各国の全国書誌の現況が簡便に把握できるよう、全国書誌作成機関からの情報をとりまとめて公開しています。未登録の機関や更新が滞っている機関もあるため、分類・索引分科会と連携して、各国の全国書誌作成機関に対してアンケート調査を行うことを決定しました。年内を目途に、当館にもアンケートへの回答依頼が寄せられる予定です。

全国書誌に係る指針の改訂

書誌分科会では、2009年刊行の全国書誌に係る指針 “National Bibliographies in the Digital Age: Guidance and New Directions”(「デジタル時代の全国書誌:指針および新しい方向性」)[2]について、近年の電子資料への対応やLinked Open Dataとしての全国書誌提供の動きなどに対し、必要な改訂に取り組んでいます。改訂作業中の“Best Practice for National Bibliographic Agencies in a Digital Age”は、すでに分科会のウェブサイトに掲載されています。

今回は、改訂の方向について議論があり、「全国書誌」というものの在り方について、「こうすべき」「こうあるべき」という指針を立てるのは各国のさまざまな事情や制度から困難であること、IFLAの書誌分科会で作成するガイドラインとしては、各国のユースケースの充実に注力すべきことを確認しました。その充実に向け、上記「全国書誌登録簿」の拡充、更新を連動させていく想定です。

会議では、第3章「Purpose and Value(全国書誌の範囲と価値)」の改訂作業を担当したスウェーデンから案が提示され、検討を行いました。残りの章についても、それぞれの担当者が改訂作業を継続しています。

その他の検討事項

書誌分科会の新しい名称について検討しました。現在の名称“Bibliography Section”は分科会の現在の活動の範囲や対象と一致していないのではないかという意見が、昨年来あがっています。書誌分科会は「全国書誌」をおもな対象としていますが、分科会の参加資格が全国書誌作成機関に限定されるわけではなく、また“Bibliography”という語が紙を連想させること、分科会の取組みに対してデータとサービスの視点が必要なこと等から、“Bibliographic Data & Service Section”を最有力候補として検討中です。

オープン・セッション「全国書誌の開放:データへのアクセスの変換と繋がりの構築」

8月18日に開催されたオープン・セッションでは、ドイツ、イラン、スウェーデンから3本の発表が行われました。

2015年7月からクリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)のライセンスのもと、すべての書誌データの無償提供を開始したドイツ国立図書館(DNB)からは、提供開始までの経緯やその後の課題等について報告があり、非常に険しい道のりであったと紹介されました。まず、2010年に5年後のCC0提供方針を決定しました。2012年、先にすべての典拠データをCC0で提供開始した一方で、書誌データに関しては直近2年分を除いた分だけCC0で提供を行うという段階を踏みました。その後2015年7月、ようやくすべての書誌データのCC0提供が実現しました。1,100万件の書誌データ、1,400万件の典拠データをCC0で提供することによって、データ利用者の増加と、社会からのDNBに対する好意的な反応が得られました。ただし、第三者から提供されたデータもDNBが作成したデータも同じ扱いで無償提供の対象としているため、DNBは提供データの品質を保証しないという姿勢をとっています。また、利用者ニーズの把握のため、「誰がどのデータを利用しているか」の情報がDNBにとって引き続き必要であることから、データ利用に関する契約が不要になった現在でも、新規のデータ利用者に、DNBへの連絡を求めています。より広くデータが利用されることと、利用の痕跡を見失わないこととの両立の難しさを実感したDNBは、顧客管理システムやトラッキング・ツールの実装を検討しています。さらに、MARC 21フォーマットでの提供など、メニュー別の有償サービスも継続しています。

そのほか、イラン国立図書館からは、作成・提供している書誌データが検索エンジンの中でどのような位置を占めているかについての調査結果の報告がありました。スウェーデン王立図書館からは、書誌データを用いたさまざまな統計情報を可視化する方法により、書誌データ全体に占める自費出版の割合や成長度を示した事例が紹介されました。

(2)目録分科会

UBCグループの中では目録分科会が最も規模が大きく、さまざまなワーキンググループを抱え、外部の関連団体のリエゾン(連絡員)も多く参加しています。各分科会の常任委員会はWLIC会期中に2度開催されます。筆者は2度ともオブザーバとして参加しましたが、いずれも大変活気があり、大勢の聴講者が部屋にあふれ、椅子を持ち込んだり床に座ったりする人も見られました。

常任委員会では、FRBR(書誌レコードの機能要件)、ISBD、ICP(国際目録原則覚書)、Namespaceなどの各ワーキンググループやアメリカ図書館協会のリエゾン等から、1年間の活動報告が行われました。続いて、今年4月にパリで開催された中間会合における、各国の目録作成状況に関する報告が紹介され、典拠レコードのガイドラインGARR(Guidelines for Authority Records and References)の大規模な改訂作業のためのワーキンググループ設置の提案につき、議論が行われました。なお、このGARRについては、後述のVIAF評議会会議での提案とも連動しています。そのほか、PRESSoo(ver.1.2)の確定と公開、日本も今年初めに更新作業を行ったNames of Personsの進捗等について、各ワーキンググループから報告が行われました。

FRBR、FRAD(典拠データの機能要件)およびFRSAD(主題典拠データの機能要件)の三つの概念モデルの整理統合作業(consolidation)の成果であるFRBR-LRM(FRBR Library Reference Model)については、今年2月から5月にかけて行われたワールドワイドレビューの結果と、ドラフト改訂作業の今後の進め方について報告がありました。大会中に連日ミーティングを開いてドラフトの修正案を固め、大会後はFRBRレビューグループでの検討に付し、続いて目録分科会、書誌分科会、分類・索引分科会に修正案が提示される予定です。このFRBR-LRMの策定は、目録規則をはじめとするさまざまな書誌関連の基準類に大きな影響を与えるものと思われます。

分科会および各ワーキンググループの次期の活動内容について検討するにあたり、IFLA標準委員会(Committee on Standards)から、各分科会で継続して改訂・維持管理している基準類につき見直し検討のうえ、改めて分科会からrecommendationを提出するよう指示がありました。目録分科会が管理する基準の一つであるISBDについて、改訂の方向性や見直し自体の必要の有無につき、激しく議論が交わされ、その結果、当分科会としてはFRBR-LRMの反映を中心にISBD改訂に引き続き取り組み、担当するISBDレビューグループに1名増員することを決定しました。


目録分科会の様子

目録分科会オープン・セッションでは、“Let's make IT usable! Formats, systems and users”をテーマに、目録作成と情報技術の進歩との関係について概観した後、North Texas大学図書館のデジタル化プロジェクトや、フランスの3機関によるDOREMUS(音楽のメタデータの改善を目指すプロジェクト)の事例報告が行われました。また、RDA運営委員会の議長であるGordon Dunsire氏から、RDAによる目録作成の研修に使用されているオープンソースのツールRIMMFについて紹介がありました。

(3)分類・索引分科会改め「主題分析・アクセス分科会

分類・索引分科会では、分科会の新名称“Subject Analysis and Access Section”が全会一致で認められ、正式にIFLA事務局に提出されました[3]。各ワーキンググループの活動報告があり、ジャンル/形式用語の検討を行っているグループからは、各国の実態調査の今後の進め方が議題としてあげられ、前述のとおり書誌分科会と連携して広くアンケートへの回答依頼を行うことが決定しました[4]。来年のオープン・セッションについては、前半・後半に分けて、それぞれ書誌分科会および法律図書館分科会との合同企画を検討することになりました。

8月16日に開催されたオープン・セッションでは、“Reclaiming subject access to indigenous knowledge”のテーマのもと、先住民に関する主題や先住民の間で使用される概念等について、どのように主題アクセスに取り込んでいくかとの観点から、4本の発表が行われました。

2. VIAF評議会会議およびサテライト・ミーティング

コロンバスの隣、ダブリンにあるOCLCカンファレンスセンターで開催されました。評議会にはOCLCスタッフを含め、30名弱の出席がありました。IFLA目録分科会と共催のサテライト・ミーティングには、42名が参加しました。

現在の議長は米国議会図書館(LC)のBeacher Wiggins氏ですが、次期議長にはPat Riva氏(Concordia大学)がすでに選出されています。さらに、その次の議長候補として、スペイン国立図書館のRicardo Santos Muñoz氏が全会一致で選出されました。


OCLCカンファレンスセンター

(1)現況報告

2016年現在、VIAF に典拠データを提供する各国の機関は44にのぼります。昨年から新たに参加した機関は、チリ、韓国、ルクセンブルク、ケベック、ロシア、モロッコの図書館等です。また、日本の国立情報学研究所(NII)のデータが、テストデータとして掲載されるようになりました。

2016年8月時点でVIAFに収録されている典拠データ数は約5,500万件、そのクラスター(人物等を同定したグルーピング)数は約3,300万件にのぼります。この1年に力を入れた事項として、クラスターのマッチングの精度向上をはじめ、APIや、JSON形式での出力へのサポート、桁数を増やしてVIAF IDをより安定化させたこと、データの週次更新を行うようにしたこと、ダンプデータの提供などが、OCLCから報告されました。

最後に、参加各国から現況報告を行う機会があり、日本からは、当館がLinked Dataとして典拠データを提供していること、その提供サービスであるWeb NDL Authoritiesについて、検索・表示画面やヘルプ画面などの英語版の公開を進めていることを紹介しました[5]

(2)今後の展開等

今回の評議会では、VIAFの今後のサービスの在り方、VIAFの将来について話し合いが行われました。フランス国立図書館(BnF)と英国図書館(BL)から、国際標準名称識別子(International Standard Name Identifier:ISNI)[6]とVIAFの連携の在り方について提議されました。Authority Metadataの持続的戦略の構築の必要性から、相互運用の強化を検討すべきではとの意見に対し、サービス提供元のOCLC、典拠データを提供しているVIAF参加機関との間で活発に意見が交わされました。国際規格(ISO 27729:2012)であるISNIがメンバーの基金で維持管理されているのに対し、VIAFは参加機関からのソースをもとにOCLCによって無償で提供されるサービスです。今後の連携の在り方が変更された場合の将来的な経済モデルや各機関の負担の有無等につき、VIAF参加機関から懸念が示されるとともに、両者の目的やデータ利用者層の明確化が必要だとの声がありました。OCLC幹部からは透明性を重視すると発言があり、この件については今回の会議を議論のスタートとして、今後も検討を継続することとなっています。

そのほか、GARRの大幅な改訂について提議されました。GARRとは典拠レコードのためのガイドラインで、用語、構造、事例についてまとめられたものです。GARRの対象は名称典拠だけで、件名典拠は含まれていません。GARRが改訂されたのは2001年が最後ですが、それ以降の大きな動き、たとえばWeb of Dataの潮流や、FRBR、FRAD、FRSADと、その統合版モデルFRBR-LRM などの策定を反映した大幅な改訂を目指し、特にデータ、リンク、関連(relationship)、識別子等について焦点をあてて内容を厚くする予定です。この件は、今年4月にパリで開催されたIFLA目録分科会の中間会合で最初に取り上げられたものであり、典拠データの提供サービスであるVIAFとは関係が深い議題であるため、今回の会議でも提示されたものです。IFLA目録分科会が主導でワーキンググループを設置し、各分科会からの参加が見込まれています。

なお、OCLCでVIAFの技術的な面を担当してきたThom Hickey氏が、今回の会議を最後に退職されることが発表され、これまでの貢献に対して評議会メンバーから感謝の言葉が述べられました。

(3)サテライト・ミーティング

VIAF評議会会議と同じ会場で、同日の午前に開催されたサテライト・ミーティングにも出席しました。「Authority on the Web(ウェブ上の典拠)」をテーマに行われ、BLからはVIAFとISNI両者の役割や目的の比較について発表がありました。さらに、アーカイブ資料を用いて過去の人物のソーシャルネットワークを構築するプロジェクト「SNAC」のDaniel Pitti氏から「ソーシャルネットワークとアーカイブのコンテキストにおけるVIAFの活用」、米・ネットワーク連合(CNI)のClifford Lynch氏から「典拠データはどのようにウェブと学問の世界を強化するか」のタイトルで、VIAFの活用について講演が行われました。続いてのスペイン国立図書館からのユースケース発表も含め、Linked Data化した典拠データの活用可能性について、質疑応答が行われました。


OCLC外観

【おわりに】

昨年、今年とIFLAに参加する機会を得て、IFLAの各分科会の常任委員会では、具体的な活動を通した国際的な書誌調整への寄与、貢献が求められることを強く実感させられました。今後、常任委員として責任のある活動を着実に行いながら、IFLA年次大会等においても、もう少し積極的に議論に参加できるようになりたいと思います。

新名称の議論からうかがわれるように、書誌分科会では、現在の議長のもとで、データをどのように作るかではなく、作成したデータをどのように使ってもらうかという観点が、より明確に意識されています。使いやすいフォーマットでの提供やAPI対応などの技術的な面だけでなく、DNBからの報告にあるCC0ライセンスでの提供のように、制度的な面における整備も各国にとって喫緊の課題です。当館もその面についてはまだまだ検討途上であり、国際的な動向も注視していきたいと思います。

VIAFについては、当館は2012年に東アジアから初めて参加した機関であり、評議会メンバーとして毎年VIAF評議会に出席を続けています。VIAFが多様な典拠データを提供している事例の一つとして、必ず当館が作成した日本の典拠データが紹介されるのを見ると、ラテン文字以外のデータとして、初期にデータを提供した当館のVIAFにおける存在感を感じました。VIAFへの参加国が増えていく中、同じ非ラテン文字圏からの参加機関として、韓国や台湾の機関、何より同じ日本からデータの提供を開始したNIIとも連携協力しながら、VIAFを通じて国際的な典拠データの持続的戦略の構築に寄与していければと思います。

津田 深雪
(つだ みゆき 収集・書誌調整課)

[1] 今回の大会プログラム、発表ペーパーの一部については、以下に掲載されています。
http://2016.ifla.org/, (参照 2016-11-18).
http://library.ifla.org/view/conferences/2016/, (参照 2016-11-18).
また、昨年2015年のIFLA大会およびVIAF評議会については、本誌2015年4号(通号35号)の記事をご覧ください。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2015_4/article_01.html, (参照 2016-11-18).

[2] 収集書誌部訳「デジタル時代の全国書誌:指針および新しい方向性」を国立国会図書館デジタルコレクションで公開しています。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9454266, (参照 2016-11-18).

[3] 9月26日付けで、IFLAのウェブサイトも新しい名称“Subject Analysis and Access Section”に変更されました。

[4] ジャンル/形式用語の各国の使用状況等については、以下の記事を参照。
柴田洋子. ジャンル・形式用語の動向 -米国議会図書館の取組みをはじめとして-. カレントアウェアネス. 2016, (327), CA1869, p.20-23, http://current.ndl.go.jp/ca1869, (参照 2016-11-18).

[5] 12月15日に、「Web NDL Authoritiesについて」等のページの英語版が公開されました。
http://id.ndl.go.jp/information/about_en/, (参照 2016-12-15).

[6] 知的創作物やコンテンツに関連する個人および組織に付与される国際的かつ分野横断的な識別子。ISNIについては、以下の記事でも解説しています。
福山樹里. 識別子の架け橋:国際標準名称識別子ISNI. カレントアウェアネス-E. No.299. 2016.03.03,
http://current.ndl.go.jp/e1773, (参照 2016-11-18).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2016年4号(通号39号) 2016年12月22日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
発行 国立国会図書館

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