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韓国国立中央図書館セミナー「韓国と日本における全国書誌の動向と課題」参加報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2017年4号(通号43号)

【はじめに】

2017年9月4日、韓国国立中央図書館で「韓国と日本における全国書誌の動向と課題」(Trend and Challenges of the National Bibliographies in Korea and Japan)と題するセミナーが開催されました[1]

両国では現在、書誌レコードの機能要件であるFRBRを基盤として、目録規則の改訂が進行しています。韓国では、韓国図書館協会が「韓国目録規則」(KCR)の改訂作業を進めています[2]。日本では、本誌でもお知らせしているとおり、2013年10月から日本図書館協会目録委員会と国立国会図書館(NDL)収集書誌部が連携して、「日本目録規則 2018年版」(仮称)(以下、新NCRといいます)の策定を進めています。

セミナーには、日本の取組みにおける経験と課題を共有したいという韓国国立中央図書館からの招請により、日本図書館協会目録委員会委員長の渡邊隆弘帝塚山学院大学教授と筆者が参加しました。

本稿では、セミナーの概要と、両国の新しい目録規則に共通する方向性と課題を簡単に紹介します。


韓国国立中央図書館の正面を見上げる

1. セミナーの概要

セミナーには、韓国国立中央図書館職員、韓国図書館協会目録委員会委員、大学図書館職員など、目録作成に従事する韓国の図書館関係者40名の参加があり、3時間半にわたり、発表と質疑応答が行われました。

発表は、韓国側、日本側各2名が行いました。そのテーマは、発表順に次のとおりです。渡邊教授は、新NCRの策定の経緯や特徴を中心に紹介し、筆者は、最近のNDLにおける全国書誌データの作成や提供に関する取組みと、新NCRの適用の意義と課題について述べました[3]

  1. 日本における新しい目録規則(新NCR)(渡邊教授)
  2. 国立国会図書館における全国書誌データの現状と課題(筆者)
  3. 「韓国目録規則」(KCR)の改訂と将来計画
    (キム・ジョンヒョン(김정현)全南大学校教授(韓国図書館協会目録委員会委員長))
  4. 韓国国立中央図書館の新KCR適用戦略
    (チェ・ユンギョン(최윤경)韓国国立中央図書館国家書誌課事務官)

2. 新しい目録規則に共通する方向性と課題

両国の目録規則の改訂の背景や方向性は共通しています。

FRBRを基盤とする目録規則にはRDAがあり、すでに国際的に普及しています。しかし、RDAは英米圏を中心に策定された目録規則です。言語、造本、長年培われてきた目録作成の方法や慣行などに相違があるために、独自の規則が必要であるという事情は、韓国も日本も同じです。

改訂KCRの特徴については、キム教授の発表のなかで、典拠コントロールの重視、資料の内容的側面と物理的側面の整理、関連の規定、従来は注記として扱ってきた事項のエレメント設定、構文的側面(エレメントの順序や区切り記号など)を規定しないこと、排列を規定しないことなどが挙げられていました。これらの点は、これまで説明されてきた新NCRの特徴と共通します[4]。また、記述(属性の記録)、アクセス・ポイント、関連という3部構成を基本としていることは同じです。これらの共通性は、国際動向をふまえ、FRBRを基盤とするならば当然の帰結ともいえますが、両国ともに新たな目録規則の方向性が妥当であることを、具体的に確認できたのではないかと思います。

また、新しい目録規則を適用した場合の課題の一つに、過去に作成した書誌データとの整合性の問題が挙げられます。チェ事務官は発表のなかで、KORMARC(韓国国立中央図書館が作成する全国書誌の機械可読目録「韓国文献自動化目録」)における、改訂KCRの適用にあたっての課題や、自動変換アルゴリズムの開発を含む遡及修正の対応案などを採り上げていました。筆者も発表のなかで、新NCR適用における遡及修正の対応については今後の課題として触れましたが、韓国国立中央図書館の取組みや考え方を参考にできればよいという感想を持ちました。

【おわりに】

活発に行われた質疑応答では、特に典拠データ作成についての関心が高い様子がうかがえました。両国ともに、新しい目録規則では典拠コントロールが要となります。韓国では、その経験の蓄積が豊富というわけではないようです[5]。一方、日本ではNDLを含めて、「著作」の典拠コントロールはほとんど初めての経験といえます。新しい目録規則の適用にあたっては、ほかにも大小を問わず、両国に共通する課題があると思います。

今回のセミナーに参加し、韓国の図書館界のみなさんの熱意を大いに感じることができました。両国における新しい目録規則に関する取組みについて情報交換や交流が進み、互いの発展に生かすことができればよいと思います。

田代 篤史
(たしろ あつし 収集・書誌調整課)

[1] 本稿執筆時点(2017年10月31日)で、本セミナーに関連するウェブページ等は見当たりません。

[2] 改訂KCRの完成時期については、セミナーでは明確に述べられませんでしたが、新NCRの完成より後になる見込みです。

[3] 筆者は新NCRの適用の意義と課題について、平成28年度書誌調整連絡会議における以下の説明を基に発表しました。
田代篤史. 新しい『日本目録規則』の内容~具体例から規則の要点と目的を考える. 2017.3.16, http://www.ndl.go.jp/jp/data/basic_policy/conference/bib_h28_resume5.pdf, (参照 2017-10-31).

[4] 日本図書館協会目録委員会. 「日本目録規則 2018年版」(仮称)の完成に向けて. 図書館雑誌. 2017, 111(2), p. 98-101.
http://www.jla.or.jp/Portals/0/data/iinkai/mokuroku/article201702.pdf, (参照 2017-10-31).

[5] 韓国国立中央図書館の典拠コントロールについては、本誌2012年4号(通号23号)でも紹介しました。
収集・書誌調整課. 日韓業務交流報告「国立中央図書館の人名典拠コントロールの現況及び課題」.
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_4059584_po_2012_4.pdf?contentNo=1#page=2, (参照 2017-10-31).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2017年4号(通号43号) 2017年12月26日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
発行 国立国会図書館

〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1

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