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第25回 関西館小展示「人体ワンダーランド ~からだをめぐる冒険いまむかし~」

第25回関西館小展示チラシ
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ひとの身体は不思議に満ちています。古代から、人間の身体が何でできていて、どうして動くのか、病の原因は何か、ということが探究されてきました。

昔の知識は現代の私たちから見ると荒唐無稽と思えるものもありますが、そうした人々の試行錯誤が積み重ねられた結果、現代の知識にたどり着いています。現代では、未来に向けて研究がすすめられ、医療をはじめとしたさまざまな分野に還元されています。

第25回の関西館小展示は「人体ワンダーランド ~からだをめぐる冒険いまむかし~」と題し、「人体のしくみ」「骨・筋肉」「神経・脳」「免疫」「治療・療法」の5つのトピックに沿って、人体に関する歴史的な本から最新の成果まで、本や雑誌約100点をご紹介します。

また、関連イベントとして、PD-1の発見者である石田靖雅氏(奈良先端科学技術大学院大学准教授)による講演会「PD-1とがん~免疫療法の新境地を開いた分子~」も実施します。ぜひご聴講ください。

展示資料紹介

※【 】内は当館請求記号

人体のしくみ
(1) 『美しい人体図鑑 : ミクロの目で見る細胞の世界』コリン・ソルター 総編集, 奈良信雄 日本語版監修, 三村明子 訳. ポプラ社, 2014.11.【SC71-L155】

長さわずか2㎛(マイクロメートル=0.001 ミリメートル)といわれる結核菌、どのような形をしているかご覧になったことはあるでしょうか。細胞、細菌、ウイルスなどは、私たちの体を形づくったり、その中でさまざまな働きをしたりしていますが、肉眼で詳細に観察することは困難です。本書は、思いがけないほど複雑で魅力的なそれらの姿を、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いてフルカラー写真に収めています。各写真に添えられた解説やコラムでは、なぜそのような形をしているか、体内でどのように働くのかも記されています。

骨・筋肉
(2) 『筋トレのための人体解剖図 : しくみと動きをビジュアル解説』石井直方, 肥田岳彦 監修. 成美堂出版, 2018.1.【FS13-L235】

スクワットによって鍛えられる筋肉は?答えは、大殿筋、大腿四頭筋、腓腹筋内側頭など…ですが、名前を聞いただけでどの筋肉なのかすぐ分かる方はおそらく少数でしょう。本書は、主な筋力トレーニングとそのトレーニングによって鍛えられる筋肉を、精密なイラストとともにひとつひとつ解説したユニークな一冊です。それぞれのトレーニングにどのような筋肉が関わるかを、楽しみながら一目で理解することができます。

(3) 『体操図 : 文部省正定』師範学校 [編].浜田県, [明治-]【特53-833】

体操図第十一から第十四

体を操る、と書く「体操」は、心身の健康に寄与するものとして、明治期に学校教育に取り入れられました。「文部省正定」と付けられた本書は、1870年代にアメリカで刊行された体操指導書の挿絵を基にして師範学校で編纂され、小学校の教材として使われたと推測されています。さまざまな体操の方法が図を用いて平易に示されており、初期の体操教育の一端を知ることができる資料です。

神経・脳
(4) 『ネウロン説か網状説か?』カハール 著, 福田哲雄 訳. 永井書店, 1960【491.17-cR17n】

ネウロン説か網状説か?の標題紙と著者ラモン・イ・カハールの横顔左の肖像写真のページ

ニューロン説を提唱したラモン・イ・カハールが、それまでの自身の研究を総括した著作の邦訳です。原典はカハールの晩年に執筆され、死後の1933年に公表されました。
神経のしくみについては、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ニューロン説と網状説という二つの説の間で大きな論争になっていました。ニューロン説は、神経は独立したニューロン(神経細胞)という単位が多数連なって成り立っているというものでした。それに対して網状説は、神経は切れ目なくつながる網状であると主張していました。
カハールは神経系の構造研究によって、1906年にノベール生理学・医学賞を受賞しましたが、同時に網状説を主張したカミッロ・ゴルジも受賞しました。その後、電子顕微鏡の発明によって細胞間に隙間があることが確認され、ニューロン説が正しかったことが明確になりました。

(5) 『芸術と脳 : 絵画と文学、時間と空間の脳科学』近藤寿人 編. 大阪大学出版会, 2013.3 【K27-L1】

芸術や脳の研究者が、それぞれの立場から世界認識、芸術、脳のはたらきについて論考を投げかけあった著作です。成立した時代を問わず、異なる言語や翻訳された言語であっても、地域や民族を超えて、私たちに感動を与える芸術が成立するのは、それらを受容する脳(心)の反応が人間の脳の基本的なはたらきを反映しているという観点から、芸術の表現と需要に直結する脳(心)のはたらきを掘り下げていきます。

免疫
(6) 『牛痘の原因及び作用に関する研究-種痘法の発見』エドワード・ジェンナー著;長野泰一, 佐伯潔訳編. 大日本出版, 昭和19.【61-675】

かつて人類に甚大な被害をもたらした天然痘ウイルスのワクチンを開発したジェンナーの歴史的論文を翻訳・解説した本です。論文内では23例の実験内容が記述されており、一度かかった病気はかからない、もしくは症状が軽くなるという免疫の機能が見て取れます。なお、天然痘はその後、WHO(世界保健機関)により天然痘根絶計画が行われ、昭和55(1980)年には天然痘根絶宣言が発表されました。

治療・療法
(7) 『益軒文庫 第2篇 養生訓(伊藤菰村注)』貝原益軒著.隆文館, 明43.【特61-443】

江戸前・中期の儒学者、貝原益軒が書いた養生書です。腹八分や体を動かすことなど庶民でも実行できる具体的な方法が書かれており、江戸時代から多くの人に読まれてきました。身体的な側面のみならず、心の養生の必要性も説かれています。他人への酒のすすめ方や、両親の養生など周囲への生活態度まで述べられており、300年以上経った現代でも参考になる内容が含まれています。

日時 2019年 2月21日(木) ~3月19日(火) 9:30~18:00 ※日曜・祝日を除く
会場 国立国会図書館 関西館 閲覧室
参加費 無料
お問い合わせ先 0774-98-1341 (関西館資料案内)