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トップ > 刊行物 > びぶろす > 77号(平成29年7月)

びぶろす-Biblos

77号(平成29年7月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
6. 【各国在日図書室紹介】
境界を越えた出会いと学び ~ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センター図書館紹介

ゲーテ・インスティトゥート東京図書館 元館長 バーバラ・リヒター

ゲーテ・インスティトゥートについて

ゲーテ・インスティトゥート(Goethe-Institut)は1951年以来、ドイツ連邦共和国の文化センターとしてドイツ語への扉を開き、国際的な文化協力を促進し、ドイツの現状を世界へ発信しています。世界98ヶ国に159の支部を持ち、ドイツの文化・教育の橋渡しを行うドイツ最大の文化機関です。学びと出会いの場として世界にある98の図書館で、視聴覚資料、書籍、ドイツの新聞や雑誌、教材、ゲーテ・インスティトゥート独自の出版物などの様々なメディア情報を提供しています。

1962年、ゲーテ・インスティトゥートは日本での活動を開始しました1。ドイツ語学習コースを提供し、日本とドイツの両国に係るテーマを扱った文化プログラムを実施し、専門家を招いて講演会などを開催しています。

オンラインライブラリー

ゲーテ・インスティトゥート東京図書館(以下、「当館」という。)では、2011年より、デジタル環境の整備により、目録2の国際標準化が図られました。同年秋からは、デジタルメディアコンテンツをダウンロードすることによって一定期間利用できる電子図書館サービス、「オンラインライブラリー(Onleihe3」が導入されました。

Onleiheの日本語トップページ

徐々に提供できるメディアの数を増やし、現在では、ドイツ語学習者やドイツ文学作品の愛読者の期待に応えることができる豊富なコレクションを揃えるまでになりました。書籍の他に、新聞や雑誌、オーディオブック、音楽、映画なども提供しています。タブレットやスマートフォン用のアプリも提供しており、手軽に読書を楽しむことができます。

ゲーテ・インスティトゥート東京図書館

当館は、一般利用者のために火曜から日曜まで週6日4開館しており、利用無料です。2016年時点で、書籍やCD、DVDなど計8,500点以上を所蔵しており、477人の利用者が貸出サービスを利用しています。さらに11,137人の方が、図書館で行われる様々な催し物に興味を持ち来館されています。

出会いと学びの場の醸成

当館では、ヨーロッパの公共図書館と同様に、物理的な図書の貸出数が減少していました。貸出サービスを中心に行う従来の図書館に対する人々の関心が薄れてきており、具体的な対策が必要になりました。そのため2011年以降、従来の図書館としてのサービスに加えて、様々な催し物を積極的に行い、出会いと学びの場としての役割を高めてきました。

入口から見た閲覧室内の様子

当館はドイツ語やドイツ文化、ドイツ社会に興味のある全ての方のために、快適さを追求した魅力的な玄関口であることをコンセプトとしています。当館で開催される朗読会などの催し物の関連図書やドイツで話題の図書、来館者にご紹介したい図書を入口の展示スペースに並べています。当館は現代ドイツ文学を重点的に所蔵しており、約8割がドイツ語の資料です。雑誌・新聞のタイトルは40以上あります。国際十進分類法にゲーテ・インスティトゥート独自のアレンジを加えた分類法を使用しています。学習室としての長時間利用や読書などは、これまでと変わらず歓迎しつつ、映画鑑賞、リラックス、勉強、同じ目標を持つ仲間との出会い、あるいは新しい発見に驚き刺激を受ける場所として開放しています。

また、図書館はドイツ語やドイツ文化に興味のある人、翻訳家、芸術家などの新たな利用者を呼び込むことを目的とし、ゲーテ・インスティトゥート東京が主催する様々なイベント(インタラクティブな朗読会、ゲーム学習、ドイツ文学を読む会、映画の上映会、デジタルワークショップなど)を図書館で開催しています。

この中で2016年に開催し、大変好評を博したイベントをご紹介いたします。10月に第2回メルク「かけはし」文学賞5授賞式が行われ、受賞者のイルマ・ラクーザ氏による挨拶「芸術としての翻訳」では、翻訳は意味のみならず、メロディー(音楽)を吹き込むというお話に観衆は引き付けられました。11月に詩人のモニカ・リンク氏を迎えてドイツ語と日本語の詩の朗読会が行われ、ワークショップでは、同氏と日本語翻訳者に対し、詩の解釈や翻訳についての疑問を直接ぶつけることができる機会を設けました。また、2017年の初めに行われた「デジタル・ヒューマニティーズ」をテーマとした日本人とドイツ人の研究者による講演では、人文科学と情報科学が知の向上のために互いに作用し合っていることが示されました。

今後の展望

ドイツ文化機関の図書館の将来にとって、図書館が知識の市場、新しい技術のメーカースペース(共通の興味を持つ人々が交流して協働できる場)、学習室そして出会いの場であることは大事なことです。ゲーテ・インスティトゥート東京は、これからも日々新しい発見をもたらすために挑戦を続けていきます。

(ばーばら・りひたー)

(本稿は、筆者が図書館長在任中に執筆したものである。)
  1. 日本国内のゲーテ・インスティトゥートの拠点は、東京・横浜・大阪・京都にあるが、現在図書館があるのは東京と京都のみ。貸出サービスを行っているのは東京のみ。(編集部注)
  2. ゲーテ・インスティトゥートの目録は、バーデン・ヴュルテンベルク図書館サービスセンターの南西ドイツ総合目録を参考に作成されている。
  3. ゲーテ・インスティトゥート東アジア地域図書館が提供するデジタル方式のサービスで、日本全国の全ての利用者に向けたサービス。概要と利用方法は、ゲーテ・インスティトゥートホームページ中、「オンラインライブラリー」を参照。
  4. 火-金:10:00–19:00、土・日:11:00–17:00
  5. 優れたドイツ現代文学作品を発見するために2013年に設立された賞。1年おきに賞が授与され、日本語翻訳者が自ら選んだドイツ語の推薦図書を日本語に翻訳し、それを日本で出版することを目的としている。

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