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びぶろす-Biblos

80号(平成30年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412

4. 【支部図書館紹介】
支部財務省図書館見学記―創意と工夫

支部公正取引委員会図書館 岩澤 知栄子

1.はじめに

平成29年度国立国会図書館行政・司法各部門支部図書館職員特別研修「支部財務省図書館見学」が平成29年11月17日に行われ、当日は、各支部図書館から30名を超える多数の参加者が集まりました。

また、見学後には、予定時間を過ぎるほど多数の質問が寄せられていました。

2.図書館の概要

財務省図書館の歴史は古く、明治4年に現図書館の前身である大蔵省記録寮記録部が設置されたことにより始まりました。大正12年9月の関東大震災に罹災し、約20万冊あったとされる開設以来のほとんどの蔵書を焼失してしまいましたが、震災被害を受けていない出先機関からの通達・統計書・書籍等の収集、同省諸先輩方からの手持ち資料の寄贈等を受けながら、再建されました。平成13年1月の中央省庁再編により、それまでの大蔵省文庫から現在の財務省図書館に名称変更し、現在に至ります。

同館では、二層式の書庫等に和書155,500冊、洋書22,000冊の合計177,500冊の蔵書が収められています。

3.図書館の見学

図書館に入る前に目を引いたのは、廊下に掲示してある複数の本のカバーです。これは、新着図書のカバーで、業務で図書館を訪れる人以外にも同館を利用してもらおうとの趣旨から、従来は捨てていたカバーを利用して掲示しているそうです。同館を入ったところに掲示するという案もあったそうですが、それでは落ち着いて見られないのではないかとの配慮から、また、蔵書や図書館への関心を高めてもらうためにも図書館に入らないと目にすることができないのでは意味がないとの理由から、中ではなく外に掲示しているとのことです。更に、この新着図書のカバーは、より多くの職員の目が向くようにとの理由から財務省本館内で最も多くの職員が利用する同館3階の食堂にも掲示されています。

財務省図書館前の掲示板。新着図書のカバーと図書館案内

図書館に入ると、右手の書庫入口付近に同館の案内板が設置されていて、蔵書の種類により色分けされたカラーパネルとなっており、見やすくなっています。書庫の入口に掲げられている「大蔵省文庫」の看板は木製で温かみが感じられます。入口の天井が低めになっているため頭をぶつける人が多いそうですが、その防止策としては、単に「頭上注意!」等の貼り紙をするのではなく、入口にレースの暖簾をかけ、利用者が暖簾をめくることにより、自然に少し腰をかがめて入るよう工夫がされています。このような細やかな心配りには同じ図書業務を担当する者として文字どおり頭が下がる思いです。入ってすぐ広めの閲覧スペースがあり、入口右手に「MOF文庫(MOF(モフ):Ministry of Financeの略称)」と称する同省のOBの方や職員の方が執筆した本が陳列されている書棚があります。以前、ここには法令集等を陳列していたとのことですが、職員からの要望により、平成21年から22年頃に設けられたそうです。

財務省図書館書庫入口横の案内図。書庫入口には暖簾。

書庫の間には、閲覧用に一人用の机が置かれており、ゆっくりと本を閲覧できる工夫がされています。二階では柱に設置された扇風機が回っていましたが、湿気等による図書のカビ防止のため、24時間、365日稼動させているとのことでした。

また、日常の清掃・メンテナンスも、庁舎管理による月一回の一斉床清掃のほか、図書館職員が毎週金曜日の夕方に書棚や図書のホコリや汚れをとるための拭き掃除を行っているとのことで、古い図書が並んでいる棚も清潔な状態になっていました。

図書館の隣に閲覧室がありますが、職員の方々が設置してある新聞を自由に閲覧したり、図書館の資料を調べながらパソコンを持ち込んで仕事をしたりと思い思いのスペースとして利用されているそうです。また、この部屋の入口には、「ご自由にお持ちください。」と記載されたプレートが置いてある通称「ご自由ボックス」が設置されています。これは、図書館に寄贈されたものの既に図書館に所蔵されているものと同じ図書だったり、蔵書としては不要となった図書等で、そのような図書を単に捨てるのではなく、貴重な資料として有効に活用する取組で、人気のある図書などは置くそばからなくなってしまうそうです。

閲覧室内。歴代大蔵省の看板が掲示されている。

4. おわりに

財務省図書館の職員の皆様が、日頃から図書の管理・保管に細かく配慮されているほか、より多くの職員の方々に図書館を利用してもらおうと様々な工夫されているところには、今後の業務に参考とさせていただける点が数多くありました。

今回は、お忙しい中、丁寧に御対応いただきました財務省図書館の皆様と見学会を企画していただいた国立国会図書館の皆様に心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。

(いわさわ ちえこ)

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