びぶろす-Biblos:80号(平成30年4月)|国立国会図書館―National Diet Library

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びぶろす-Biblos

80号(平成30年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412

5. 【各国在日図書室紹介】
インスティトゥト・セルバンテス東京図書館 :スペインとラテンアメリカ文化への開かれた扉

インスティトゥト・セルバンテス東京 フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館館長 ダビ・カリオン

インスティトゥト・セルバンテス

インスティトゥト・セルバンテスは1991年にスペイン政府により設立された文化機関でスペイン語の振興と教育、そしてスペイン及びスペイン語圏文化の普及を目的としています。本部はマドリード及び偉大なる文学作品である『ドン・キホーテ』の著者であるミゲル・デ・セルバンテスの生誕地アルカラ・デ・エナーレス(マドリード自治州)に置かれています。

五大陸に70以上の支部を持つインスティトゥト・セルバンテスの中でも、東京支部は最大の規模を誇ります。2007年9月に活動を開始し、2008年、当時のファン・カルロス国王、ソフィア王妃、高円宮妃殿下、文化庁長官にご参列いただき、正式に開館しました。インスティトゥト・セルバンテス東京は、DELE試験(外国語としてのスペイン語検定)の実施、スペイン語コースやスペイン語教員養成コースの運営、スペイン語圏に関わる研究者への援助活動、博物館、美術館、劇場、出版社、図書館などの幅広い外部組織と連携しながら、スペイン及びスペイン語圏に関わる文化・学術・文芸活動を振興しており、さらには、これらの事業をスペインや他の国の文化組織とも協力して行っています。東京の学術の中心である半蔵門、四ツ谷、市ヶ谷駅から近く、数多くの大学、高校などの教育機関とも隣接している立地にある地上7階・地下1階の拠点のビルには、200人近くを収容可能なホール、18の教室、2つの展示室があり、またスペイン語書籍専門店やスペイン料理レストランが営業しています。

インスティトゥト・セルバンテス東京 フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館

閲覧室内の様子

インスティトゥト・セルバンテス東京 フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館(以下、「当館」という)は、グラナダ出身の作家、フェデリコ・ガルシア・ロルカ1の名を冠しています。

当館には約14,000点のスペイン及びスペイン語圏諸国の書籍、CD、DVDがあります。これらの多くはスペイン語の資料ですが、スペインのその他の公用語や日本語の重要な文献、音楽、映画も取り揃えています。

中でもスペイン及びスペイン語諸国の文学作品と外国語としてのスペイン語教育の分野の蔵書は特筆すべきものですが、数多くの素晴らしい映画や音楽(フラメンコに関するものも多数)も取り揃え、子供から大人まで様々な人にご利用いただけるようになっています。

日本特有のコレクションとして、スペインとスペイン語圏諸国の文化と文学作品に関係する日本語文献や、スペイン語に翻訳され出版された日本文学、日本文化の本も取り揃えております。

図書館サービス

当館は32席の広々とした読書スペース、音楽や映画を楽しむことができる視聴覚スペース、豊富な雑誌の閲覧スペースがあります。

閲覧スペースからみた書架の様子

どなたでも無料で閲覧でき、会員登録すると、館内閲覧のみの書籍を除き、当館の全ての書籍、CD、DVDの貸出サービスやデジタル図書館(後述)を利用できます。

スペインで出版され、スペインの図書館に所蔵されている全ての本、論文を対象とした、図書館間貸出サービスも行っており、特に研究者及び他の教育機関の方々には興味深いものと思われます。

さらに当館ではスペイン及びスペイン語圏諸国に関するどのような質問にも対応しており、電話、メール、郵便、FAXにてスペイン語、日本語の両言語で受け付けています。ほか、高校、大学、一般のグループの方向けに、ガイドツアーも行っています。

デジタル図書館

当館のデジタル図書館では、デジタルブック、デジタルオーディオブック、また科学的・学術的に有用性の高いデータベース、辞書、百科事典、ディレクトリ、音楽、映像資料を提供しています。

24時間、365日、どんな場所でも、インターネットに接続されたAdobeのDRMと互換性を持つ全てのデバイス(タブレット、テレビ、個人用パソコン、電子書籍デバイス)からアクセスすることができます。

図書館イベント

また、当館は、利用者にインスティトゥト・セルバンテス東京で一般向けに行われる講演会、映画、コンサート、展示会等に加え、幅広いイベント情報も提供しています。

イベントの様子

当館では、ある作家の作品及び関連資料、あるテーマに基づいた文献資料を展示したり、スペイン語交流クラブ、子供のための読み聞かせ、図書館主催の文化コース2、様々なスペイン及びスペイン語圏諸国の文学をグループで読む読書倶楽部を開催したりすることを定期的に行っています。そこで興味を深めた人は、デジタル図書館を通してマドリードの本部が世界中にある図書館と協力し運営するClub Virtual de Lectura3に参加できます。

読み聞かせ会の様子

インスティトゥト・セルバンテス図書館のネットワーク(RBIC)

RBIC(Red de Bibliotecas del Instituto Cervantes)は、世界30か国以上の国にある60のインスティトゥト・セルバンテスの図書館のネットワークです。スペイン及びスペイン語圏諸国の文学作品及び文化について参照できる唯一の場所となっています。2017年のRBIC全体での利用者は、合わせて約70万人にのぼりました。

RBICの蔵書は100万点を超えており、資料や情報を共有し、歴史、地理、芸術、哲学、科学、政治、社会、音楽、映画を通じて、包括的でバランスの取れたスペイン及びスペイン語圏諸国の全体像を提供する役割を担っています。

一部の図書館は、より良い環境を整え、また、利用者や公的な研究者の要望に応えるために蔵書を専門性の高い資料にまで広げました。

他の図書館や教育機関との連携

RBIC内での連携同様、日本の図書館や教育機関との協力はとても大切なことです。

当館は日本のあらゆる形態の図書館(公立図書館、大学図書館、学校図書館等)と協力の輪を広げたいと考えています。また、在日EU加盟国文化機関(EUNIC Japan4を通じて、その他のヨーロッパ諸国の図書館と協力し、プログラムを拡大することにも努めています。

その成果の一つとして、ゲーテ・インスティトゥートアンスティチュ・フランセイタリア文化会館上智大学ヨーロッパ研究所の図書館と協力し、2017年の「ヨーロッパ言語の日」(9月26日)と「ヨーロッパ文芸フェスティバル2017」に、駐日欧州連合(EU)代表部により運営されたイベントに参加しました。

当館は、これからも日本におけるスペイン語圏の文化の普及に努めてまいります。



インスティトゥト・セルバンテス東京 フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館

〒102-0085 東京都千代田区六番町2-9 セルバンテスビル6階

http://tokio.cervantes.es/jp/where_is_instituto_cervantes.htm

開館時間

火~金:11:00~19:00

土:11:00~17:30

(日・月は閉館)

どなたでも無料で閲覧できます。

貸出及び電子書籍を利用する場合は、図書館会員証を作る必要があります。

(だび・かりおん)

  1. 「27世代」(1927年前後に起こった文化ムーブメント)の一人として、スペイン及びヨーロッパの20世紀文学に大きな影響を与え、その作品は日本語、その他多くの言語に翻訳されている。
  2. 2018年4月現在のテーマは「ドン・キホーテを読む(前篇)」他。
  3. インスティトゥト・セルバンテスの支部の図書館(たとえばインスティトゥト・セルバンテスのサン・パウロの支部)がモデレーターとなり、参加者がオンライン上で共通文献を読み、アクティビティに参加したり、チャットで意見を交換したりしている。
  4. 欧州連合(EU)加盟国の在日文化機関を統合している組織。

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