おわりに

今回の本の万華鏡では、日本の文献における「菓子」の登場から中国・ヨーロッパの食文化の影響、現在知られるような「和菓子」の成立とその後の発展を当館所蔵資料からご紹介しました。
古代以来菓子を愛でた人々は、様々な文芸作品にそのことを書き残しています。江戸時代に考案された和菓子のデザインや菓銘の多くが古典に題材を求めたことも、そうした歴史と無縁ではないでしょう。和菓子が擬人化された物語は江戸時代以降創作されましたが、これも描かれた菓子がその時代において広く知られ、親しまれていたことを示唆しています。
今日、和菓子はその造形の美しさと味わいを海外でも評価されるようになりました。外国の食文化を取り入れつつそれと異なる独自の発展を遂げた和菓子の世界を、今回の展示を通して味わっていただければ幸いです。