国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ
収集書誌部国内資料課 木下 路子
主な経歴
- 平成17年4月 入館(Ⅱ種)、資料提供部雑誌課
- 平成20年7月 主題情報部参考企画課(平成24年7月~副主査)
- (平成23年10月 利用者サービス部サービス企画課に組織再編)
- 平成25年4月 総務部会計課
- 平成30年4月 関西館文献提供課(平成30年4月~副主査、平成30年7月~主査、平成31年4月~主査兼係長)
- 令和4年10月 収集書誌部国内資料課(令和4年10月~主査、令和5年4月~課長補佐)
はじめに
大学・大学院では、日本近代史を専攻していました。その際、大学図書館や公共図書館をよく利用しており、図書館の仕事なら馴染み深いと思ったため、当館を志望しました。また、当時の業務説明会に参加して女性が多く働きやすそうな印象を持ったのも、志望動機のひとつです。
現在担当している業務
私が現在所属している国内資料課は大きく二つの部門に分かれており、国内出版物を集める担当(収集部門)と、集めた国内出版物の書誌データを作成する担当(書誌部門)があります。私が担当しているのは収集部門の業務で、全国から集まった出版物のうち、国内で刊行された単行の出版物(図書や地図、CDやDVDなど)を図書館資料として受け入れる作業を行っています。
また、出版物を納入してくれるよう出版者に働きかけることも担当しています。出版情報や他館の所蔵情報をチェックし、当館に未所蔵の出版物があれば納入を依頼します。当館や納本制度の認知度を上げるため、パンフレット送付や出張なども行っています。
担当業務のやりがい・魅力
当館では、納本制度によって国内出版物を網羅的に収集しています。全国各地から多くの出版物が送られてきますが、当課はそれらの入り口となって最初に接する部署になるため、さまざまな本に出会うことができます。日々届けられる本たちは内容や形態も本当に多様で、そうした幅広い本を目にすることができることは、日々の業務の魅力になっています。
また、出版物の収集は、当館の根幹を支えるものです。当館では多岐にわたるサービスや事業を行っていますが、収集した資料がなければそれらも成り立ちません。国民共有の文化的資産として後世に伝えるという役割を果たすため、国内の出版物をできるだけ幅広く収集すること、また、送付された出版物を速やかに蔵書として受け入れることは、当館業務のスタート地点であるという気持ちで取り組んでいます。
展示業務
以前の部署では、ミニ電子展示や関西館で開催する資料展示も担当しました。当館での展示はいくつか種類があり、そのうちミニ電子展示や関西館資料展示は、その時所属している部署にはあまり関わりなく、若手職員を中心に部局横断的にチームを組んで担当します。
自分たちで展示のテーマやタイトルを決め、展示する資料を選び、資料の解題を書くといった作業の中で、一般の方に興味を持ってもらえるように試行錯誤し、わかりやすく伝えられるよう工夫したことは、よい経験になりました。普段接点のない他の部署の職員と一緒に取り組めたことも楽しかったです。
当館職員を目指す方へ
当館には「国立」で「国会」の図書館として多様な業務があり、幅広い経験ができることは、とても魅力的だと思います。多様な業務だからこそ相互につながりあっていて、私自身、どの業務であっても、過去の業務で経験したことや学生時代に学んだことが何らかのかたちで活きていると感じています。
また、職場の雰囲気としては、フラットで緩やかなつながりのところが多いかと思います。日々、気軽にフォローしあったり、相談しあったりしながら業務に当たっています。皆さんと仲間になり、一緒に働ける日を楽しみにしています。