国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ
関西館電子図書館課 西村 佳樹
主な経歴
- 平成26年4月 入館(一般職)、関西館文献提供課
- 平成29年10月 関西館総務課
- 令和3年4月 関西館収集整理課(令和3年7月~副主査、令和4年4月~係長)
- 令和6年4月 関西館電子図書館課(係長)
- ※令和2年10月 育児休業
はじめに
私は学部では生命科学を、大学院では経営学を専攻していました。公務員と民間企業を併願しており、就職活動の当初は国立国会図書館について知らない状態でした。調べるうちに、国会の活動を補佐するための調査業務や所蔵資料のデジタル化等、自分がイメージする「図書館」よりも広範な事業が行われていることを知って、ここでしかできない仕事に興味を持ったのが当館を志望した理由です。
現在担当している業務
関西館電子図書館課は、所蔵資料のデジタル化(スキャニング)や公的機関等のインターネット資料(Webサイト等)の収集など幅広い業務を行っています。私が所属しているオンライン資料収集係は、オンライン資料(電子書籍・電子雑誌等)と電子版博士論文の収集に関する業務を担当しています。いずれも平成25(2013)年度に開始された、当館内では比較的新しい事業です。次項では、主にオンライン資料に関する業務についてお話しします。
担当業務のやりがい・魅力
みなさまは電子書籍を利用したことはあるでしょうか。国立国会図書館では紙の書籍だけでなくオンライン資料(電子書籍・電子雑誌等)も文化的資産として収集・保存しています(オンライン資料収集制度(eデポ))。オンライン資料収集係の具体的な業務は、収集窓口として出版者(出版社等)とやり取りを行うことや、収集したオンライン資料の整理(タイトルや著者名など、資料に関するデータの作成)、「国立国会図書館デジタルコレクション」を通じた利用提供などがあります。
上述のとおり、オンライン資料の収集は新しい事業であり、特に電子書店で販売されているような有償オンライン資料の収集は令和5(2023)年から始まったばかりです。オンライン資料は、収集対象としてファイル形式などの要件を制度で規定していますが、流通単位やファイル形式、公開方法が一様でなく、収集や登録の取扱いに迷う事例が日々発生します。これらの事例や課題を一つ一つ整理し対応することには困難も伴いますが、その分チャレンジし甲斐があります。また、電子出版の比率がますます高まる中で、当館にしかできない「電子書籍のアーカイブ」という事業に携われること自体が貴重な経験です。永続的に保存されることになる資料をシステムに登録したり、日々の課題対応に当たる中で改めて制度の在り方を考えたりするときは、当館の未来につながる仕事をしているというやりがいを感じます。
当館職員を目指す方へ
当館にご関心をお寄せいただきありがとうございます。入館して自分が最も感じるのは、働きやすい、ということです。仕事上で周囲からサポートを受けてきたことや、急な事情でも休暇が取れることから、そのように感じるのだと思います。当館職員を目指される方には、専門知識や経験を生かしたいと思われる方から、何となく興味を持たれた方まで様々いらっしゃると思いますが、資料と人を大切にできる方であれば、一緒に当館の事業を推進できるはずです。未来の図書館をみなさまと築いていくことを楽しみにしています。