報道発表資料 令和元年11月19日 国立国会図書館 マラケシュ条約に基づく読書困難者のための書籍データの国際交換サービスを開始 マラケシュ条約(Q&A参照)の日本での発効を受け、国立国会図書館は、視覚障害、上肢の障害、発達障害などの理由で読書に困難のある方(以下、「読書困難者」という)のための書籍データ(録音図書データ、点字データ、テキストデータなど)の国際交換サービスを開始しました。 【国内向けのサービス】 外国で製作された録音図書などの読書困難者向けデータの取寄せ 【外国向けのサービス】 日本で製作された録音図書などの読書困難者向けのデータの、外国の図書館等への提供  サービス開始にあわせて、国立国会図書館は、読書困難者のための書籍データの世界的な総合目録サービスであるAccessible Books Consortium (ABC) Global Book Service(Q&A参照)に加入しました。ABC Global Book Serviceを通じて、76言語・約54万タイトルのデータを、読書困難者個人や国内の図書館からのリクエストに応じて取り寄せることができるようになりました。国内で製作されたデータの国外提供も、ABC Global Book Serviceを通じて行います。 これにより、国内外の読書に困難のある方々の読書機会の拡大に貢献してまいります。 表 ABC Global Book Serviceの主な言語の収録タイトル数(令和元年11月12日時点) 英語 140,878 タイトル フランス語 92,681 タイトル スウェーデン語 88,522 タイトル オランダ語 64,867 タイトル デンマーク語 37,488 タイトル 韓国語 25,786 タイトル ヘブライ語 18,151 タイトル ノルウェー語 15,595 タイトル ドイツ語 12,808 タイトル ポーランド語 12,657 タイトル ■国内からの相談の受付について 国立国会図書館は、読書困難者個人からの直接のご相談だけではなく、使い慣れた図書館等を通じたご相談も受け付けます。 <相談受付窓口> 国立国会図書館 関西館 図書館協力課 障害者図書館協力係 e-mail:syo-tky@ndl.go.jp / TEL:0774-98-1458 (HP)日本国外で製作された視覚障害者等用データの国内(日本)への取寄せについて https://www.ndl.go.jp/jp/support/marrakesh_im.html ■本件に関する報道機関の方のお問い合わせ先 〇 国立国会図書館 総務部 総務課 広報係 03-3506-5103(直通) 参考URL: 【国内向けのサービス】https://www.ndl.go.jp/jp/support/marrakesh_im.html 【外国向けのサービス】https://www.ndl.go.jp/jp/support/marrakesh_ex.html Q&A Q 「マラケシュ条約」とは何ですか。 A 正式には「盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」といいます。録音図書データなどの読書困難者のためのデータを、国境を越えて交換することを可能にする国際条約です。日本では2018年に批准し、2019年1月に発効しました。 参考: http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/marrakesh/ Q 「ABC Global Book Service」とは何ですか。 A Accessible Books Consortium (ABC) Global Book Service は、世界知的所有権機関(WIPO)の下に設立されたABC が運営する、読書困難者のための書籍データに関する国際的な総合目録サービスで、加盟機関にのみ公開されています。 11月12日現在、46か国から61の図書館等が参加しており、マラケシュ条約に基づく書籍データの国際交換のプラットフォームとしての役割が期待されています。 参考: https://www.accessiblebooksconsortium.org/globalbooks/en/