図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会 令和3年度報告書 令和4年5月 国立国会図書館 図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会 内容 本報告書の概要 4 はじめに 6 1. 検討会 6 1-1. 背景 6 1-2. 課題 7 1-3. 目的・参加メンバー 8 1-4. 検討範囲 8 1-5. 検討会各回の経緯 12 2. 図書館関係者へのヒアリング(令和3年8月) 14 2-1. ヒアリング対象館と導入されている電子図書館 14 2-2. 電子図書館の一般的な提供状況 14 2-3. 視覚障害者等の図書館・電子図書館の利用状況 16 2-4. 課題 16 2-5. 図書館関係者へのヒアリングのまとめ 18 3. 電子図書館のアクセシビリティ対応状況 19 3-1. 国内の電子図書館の調査(令和3年10〜12月) 19 3-2. 海外の電子図書館 23 3-3. 電子図書館のアクセシビリティ対応状況のまとめ 30 4. 視覚障害者等に対する調査 32 4-1. 読書困難者に対するアンケート調査(ウェブフォーム)(令和3年2〜3月) 32 4-2. 障害者団体に対するアンケート調査(郵送、メール、ウェブフォーム)(令和3年9月〜10月) 37 4-3. 視覚障害者等に対する調査全体のまとめ 48 5. 課題整理とロードマップ 50 5-1. 課題整理1 調査結果及び参加メンバー意見 50 5-2. 課題整理2 ビューアのアクセシビリティ機能と障害種別の対応 56 5-3. ロードマップ(令和4年度の想定) 59 おわりに 59 別紙1)図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会関係者名簿 60 別紙2-1)図書館における電子図書館の障害者対応について(電子図書館全般) 61 別紙2-2)図書館における電子図書館の障害者対応について(障害者サービスとしての電子図書館) 64 別紙3-1)電子図書館事業者へのヒアリング結果(全般・コンテンツ) 66 別紙3-2)電子図書館事業者へのヒアリング結果(アクセシビリティ機能1) 68 別紙3-3)電子図書館事業者へのヒアリング結果(アクセシビリティ機能2) 69 別紙4)電子書籍サービスの本文の音声読み上げのパターン 70 別紙5)電子図書館に対する障害者団体からの意見 72 別紙6)読書困難者に対するアンケート調査(ウェブフォーム)単純集計表 88 別紙7)障害者団体に対するアンケート調査(郵送、メール、ウェブフォーム)単純集計表 96 本報告書の概要  本報告書は、令和3年度に開催した「図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会」において報告した内容を基に、アクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスの図書館への導入の推進に当たっての課題や今後検討を進める上で踏まえるべき事項を整理したものである。 1. 検討会開催の経緯  令和元年6月、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(令和元年法律第49号。以下「読書バリアフリー法」という。)が施行された。令和2年7月には、同法第7条の規定に基づき、文部科学省及び厚生労働省において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」(以下「基本計画」という。)が策定された。同基本計画では「音声読み上げ機能(TTS)等に対応したアクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスについて、関係団体の協力を得つつ図書館における適切な基準の整理等を行い、図書館への導入を支援する。」という施策の実現が求められている(「V. 施策の方向性」>「4.アクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等」>「(4)その他」)。関係省庁との協議の結果、本施策は、国立国会図書館が中心となって進めることとなり、令和3年度に計4回「図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催した。 2. 報告書の構成  報告書は、以下の5章と、別紙からなる。  第1章では、図書館で提供される電子書籍にアクセシビリティ対応が求められるようになった国内外の背景を整理し、国内の電子図書館の導入率の低さ及びアクセシビリティ対応の遅れという課題を踏まえ、検討会の目的と扱う範囲及び検討会各回の内容を明確にした。  第2章では、図書館において視覚障害者等が電子図書館を利用する上での課題を把握するために行った調査の結果をまとめた。調査は、令和3年8月に、公立図書館、大学図書館、学校図書館の職員へのヒアリングによって行った。  第3章では、国内外の図書館に既に導入されている電子図書館のアクセシビリティへの対応状況を把握するために行った調査の結果をまとめた。国内の事業者には、令和3年10月から12月にかけてアンケートを実施した。海外の事業者については米国のOverDrive社に令和4年1月にヒアリングを実施し、イタリアのMediaLibraryOnLine及び米国のVitalSourceについては、ホームページ等で提供されている情報を調査した。  第4章では、視覚障害者等に対して行った二つのアンケート調査の結果をまとめた。一つ目の調査は、調査会社にモニター登録をしている20歳以上を対象に令和3年2月から3月にかけてオンラインで行ったものである。電子図書館のアクセシビリティが向上することで読書が容易となる主体は、重度の障害者にとどまらない。日常的には特段の配慮を必要としない軽度の障害者も、その恩恵に浴することになることが想定されるため、障害の有無で限定せず、読書に困難を感じている者を対象に調査を行った。二つ目の調査は、令和3年9月から10月にかけて障害者団体の加盟者を対象に郵送等の方法により実施したものである。オンライン調査で把握できなかった、ICT技術を持たない層及び若年層も含む視覚障害者等の読書ニーズについて把握することを目的とした。  第5章では、令和3年度の検討会の内容から、令和4年度以降の検討の際に踏まえるべき点をまとめ、施策実現のための今後のロードマップを示した。短期的目標としてまずは音声読み上げについて取り組むこととし、その他のアクセシビリティ機能については、中長期的目標とすることとした。令和4年度以降も検討会を継続開催し、令和4年度には令和3年度の検討を踏まえ基準(ガイドライン)の素案を作成、令和5年度は素案を適宜見直し、成案として一般公開、令和6年度は基準(ガイドライン)を更新というスケジュールを想定している。スケジュールは今後も見直しつつ進めていくこととする。  巻末には、別紙として電子図書館事業者へのヒアリング結果やアンケート調査の単純集計表等を掲載した。 はじめに  令和元年6月、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(令和元年法律第49号。以下「読書バリアフリー法」という。)が施行された。令和2年7月には、同法第7条の規定に基づき、文部科学省及び厚生労働省において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」(以下「基本計画」という。)が策定された。基本計画では「音声読み上げ機能(TTS)等に対応したアクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスについて、関係団体の協力を得つつ図書館における適切な基準の整理等を行い、図書館への導入を支援する。」という施策の実現が求められている(「V. 施策の方向性」>「4.アクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等」>「(4)その他」)。関係省庁との協議の結果、本施策は、国立国会図書館が中心となって進めることとなり、国立国会図書館は令和3年度に計4回「図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催した。  本報告書は、令和3年度に開催した検討会の内容を基に、アクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスの図書館への導入の推進に当たっての課題や今後検討を進める上で踏まえるべき事項を整理したものである。 1. 検討会 1-1. 背景  電子書籍は、音声読み上げや文字の拡大が可能である等、視覚障害者に加えて発達障害や肢体不自由のある者でも利用しやすく、障害者の読書環境整備の推進に資するものとして、その発展に大きな期待が寄せられている。令和元年6月に成立・施行された読書バリアフリー法では、視覚障害者等が利用しやすいように図書館の整備を行うことが求められ、基本計画においては、「音声読み上げ機能(TTS)等に対応したアクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスについて、関係団体の協力を得つつ図書館における適切な基準の整理等を行い、図書館への導入を支援する。」(V4(4))という施策の実現が求められている。  また、障害者基本法(昭和45年5月21日法律第84号)第11条に基づいて策定される障害者基本計画(現在は第4次で、期間は平成30年から平成34年)には、「各府省における情報通信機器等の調達は、情報アクセシビリティの観点に配慮し、国際規格、日本工業規格への準拠・配慮に関する関係法令に基づいて実施する」とある。また、障害者基本法の第11条第2項及び第3項によって、都道府県及び市町村は、障害者基本計画を基本にそれぞれ障害者計画を策定することが義務づけられている。  一方、海外では、欧州において、2019年6月、製品やサービスを対象に、具体的なアクセシビリティ要件を定める「製品及びサービスのアクセシビリティ要件に関する2019年4月17日の欧州議会及びEU理事会指令(EU)2019/882」が公布され、電子書籍サービスもその対象となった1。2025年以降に新たにEU市場で利用可能となる製品にはアクセシビリティに対する対応が求められることになり、日本から電子書籍サービスを輸出する場合にも同様に対応が求められることになる。 1-2. 課題  電子出版制作・流通協議会の調査2によれば、「電子図書館(電子書籍貸出サービス)」を導入している自治体の数は、平成22年4月1日の91から、令和4年1月1日の272へと増加し、コロナ禍において電子図書館導入は加速している。しかし、図書館を持つ1,380の自治体のうちの導入率は19.7%にすぎず、未導入の自治体の方がはるかに多い。大学図書館では466館(令和元年度3)、学校図書館では50校程度(令和元年度4)であり、十分に普及しているとは言えない状況である5。  また、令和2年度に国立国会図書館で国内の電子書籍サービスについてスクリーンリーダーへの対応状況の調査を行ったところ、アクセシビリティは十全とは言えない状況であった。サービスによってアクセシビリティ上の問題が生じる箇所は異なり、電子書籍コンテンツだけでなく、閲覧用アプリケーション、電子書籍ストア(ウェブサイト)の全てにおいて配慮が必要であることが確認された6。 1-3. 目的・参加メンバー  上記の背景、課題を踏まえ、国立国会図書館は、基本計画が求める「音声読み上げ機能(TTS)等に対応したアクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスについて、関係団体の協力を得つつ図書館における適切な基準の整理等を行い、図書館への導入を支援する。」(V4(4))を実現するため、図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する適切な基準(ガイドライン)を作成することを目的に令和3年度に検討会を開催した。適切な基準(ガイドライン)が、公立図書館、大学図書館、学校図書館がアクセシブルな民間の電子図書館を調達・導入する際に参照し、電子図書館事業者がサービスを開発する際に参照しうるものとなるよう、参加メンバーは、有識者、図書館関係者、障害者団体、出版関係者とした。参加メンバー名簿は別紙1のとおり。 1-4. 検討範囲  視覚障害者等にアクセシブルな電子書籍等7が届くまでには複数のルートがあり、様々なシステム、規格・ガイドラインが関係する。視覚障害者等によるアクセシブルな電子書籍の利用が十分に進むためには、各ルートの中で提供されている全てのサービスがアクセシブルになる必要がある。その認識を踏まえ、以下では、電子書籍サービスの種類、ルート、システムにつき、検討会の対象とした範囲等を整理する。あわせて、検討の対象として想定されるアクセシビリティ機能も整理する。 1-4-1.電子書籍サービスにおける範囲  基本計画が、アクセシブルな電子書籍等を提供する民間電子書籍サービスの図書館への導入の支援を求めていることから、検討会の検討範囲は、民間事業者が図書館を通じて提供する電子書籍サービスとなる。つまり、商用の電子書籍を図書館を通じて提供するサービスが対象である。以下では、これを単に「電子図書館」と記す。 1-4-2. ルートにおける範囲  アクセシブルな電子書籍が視覚障害者等の手元に届くまでには、大まかに5つのルートがある。 @紙の本を購入した視覚障害者等が、出版社に連絡してテキストデータを提供してもらう A図書館に所蔵されている紙の本や視覚障害者等が購入した紙の本から、図書館やボランティア等によってデイジー図書・点字・テキストデータ等の特定電子書籍8が製作され、視覚障害者等に届く(国立国会図書館の視覚障害者等用データ送信サービスやサピエ図書館を通る場合もある) B出版社から提供された書籍のデータを基に、図書館やボランティア等によりデイジー図書・点字・テキストデータが作成され、視覚障害者等に届く(国立国会図書館の視覚障害者等用データ送信サービスやサピエ図書館を通る場合もある) C書籍が、版元、電子書籍制作会社、電子取次を経由して、BtoBの電子図書館として図書館で導入され、視覚障害者等に届く D書籍が、版元、電子書籍制作会社、電子取次を経由して、BtoCの電子書籍サービスとして視覚障害者等に届く  以上の@からDのルートを図に示すと次のとおり。(*テキストデータ校正者注:図は、上記@からDをフローチャートで示したものである。内容は上の記述と同じであることから、テキストデータでの説明を省略する)  このうち、本検討会の検討範囲はCの一部(上記の表で赤く囲った部分、つまり電子図書館を通じて書籍が視覚障害者等の手元に届くまで)である。  ルートのうち、ABにあたる図書館等による視覚障害者等用資料の製作の促進及び視覚障害者等用データ送信サービスやサピエ図書館の活用については国立国会図書館において別途取組を進めている。  また、@Dのルートのうち、アクセシブルな電子書籍市場の拡大等と出版社からのテキストデータ提供に関する課題については、経済産業省(読書バリアフリー環境整備のための電子書籍市場等の拡大に関する検討会)が取組を進めている。 1-4-3. 電子図書館のシステムにおける範囲と関係する規格・ガイドライン  電子図書館はウェブサイト、ビューア、コンテンツからなる。電子図書館がアクセシブルなものとなるには、ウェブサイト、ビューア、コンテンツがアクセシブルである必要がある。このうち、コンテンツについては、経済産業省の検討会において議論が進んでいるため、本検討会の直接的な検討範囲とはせず、ウェブサイト及びビューアのアクセシビリティを主な検討の対象とする。なお、障害のある図書館員が電子図書館の管理システムを操作することも考えられるが、読書バリアフリー法が視覚障害者等の読書環境の整備を推進することを目的とするものであることから、本検討会の対象とはしない。  関連する規格やガイドラインは以下のとおり。 ウェブサイト ビューア 電子書籍コンテンツ 国際 ・WCAG[9] ・ISO/IEC 40500:2012[10] ・UAAG[11] ・EPUB Accessibility[12] ・ISO/IEC 23761[13] 国内 ・みんなの公共サイト運用ガイドライン[14] ・JIS X 8341-3:2016[15] ・経済産業省作成予定の基準[16] ・検討中のEPUBアクセシビリティJIS[17] 1-4-4.関連するアクセシビリティ機能  電子書籍のアクセシビリティ機能としては、以下が想定される。 * 音声読み上げ:テキストをコンピュータの合成音声で読み上げること * 詳細読み:表示されている文字を1文字ずつ確認するため、音読みと訓読みの組み合わせで説明して、音声読み上げすること。例えば、「高」という漢字は「タカイのコウ」と読み上げられる。 * ナビゲーション:目次から各章や節にとんだり、一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする機能。 * 文字拡大:文字を大きく表示すること * 色反転:背景を黒、文字を白抜きにする等、文字と背景の色を変更すること * フォントの変更:規定のフォントから読みやすいフォントに変更すること * 文字間・行間の調整:文字と文字の間、行と行との間のスペースを変更すること * 縦横切り替え:縦書きの書籍を横書きに、横書きの書籍を縦書きに変えること * ルビ付与:漢字に読みかなをふること * 分かち書き:文節単位等、語の区切りにスペースを入れて表示すること * ハイライト:紙の本に蛍光ペンで線を引くように、特定の箇所に色を付けること * 点字ディスプレイ表示:点字を表示する専用のディスプレイに文字を表示すること 1-4-5. 関連事項  視覚障害者等による電子図書館の利用を進めるためには、図書館における障害者サービス全般や図書館のウェブサイトのアクセシビリティ対応、電子図書館の広報等様々な領域での改善の取組も必要となる。それらについても、適切な基準(ガイドライン)を作成、普及を図り、視覚障害者等の読書環境を整備・推進するために不可欠な要素であることから、関連事項として整理する。 1-5. 検討会各回の経緯  検討会は以下の日程・議題で開催した。   第1回(令和3年6月22日)  ・ 検討の方向性について ・ 検討範囲等 ・ 情報行動アンケートについて 第2回(令和3年10月5日) ・ 図書館における電子図書館の利用状況と視覚障害者等が利用するに当たっての課題 ・ 海外におけるアクセシブルな電子図書館の調査について ・ 令和3年度読書及び情報行動に関するアンケート調査の実施について   第3回(令和4年1月25日) ・ 読書及び情報行動アンケートの結果報告 ・ 電子図書館事業者へのヒアリング結果 ・ 海外におけるアクセシブルな電子図書館について   第4回(令和4年3月11日)    ・令和3年度検討会の報告書案  次章からは、検討会の資料を基に、図書館へのヒアリング調査の結果、電子図書館事業者に対する調査結果、視覚障害者等に対するアンケート調査の結果を詳述する。 2. 図書館関係者へのヒアリング(令和3年8月)  図書館において視覚障害者等が電子図書館を利用するための課題を把握するため、公立図書館、大学図書館、学校図書館に、電子図書館の利用状況等についてヒアリングを実施した。ヒアリングは、オンライン会議ツールを使用し、令和3年8月中に館種別のグループごとに行った。以下、ヒアリングの概要と視覚障害者等が電子図書館を利用するに当たっての課題と思われる点を報告する。ヒアリング事項と回答全体については別紙2-1, 2-2参照。 2-1. ヒアリング対象館と導入されている電子図書館  公立図書館は全国公共図書館協議会、大学図書館は国公私立大学図書館協力委員会、学校図書館は全国学校図書館協議会に依頼し、電子図書館の導入館のうち障害者サービスが充実している図書館の紹介を受けた。推薦された館の中から、電子図書館の種類や運営方式(直営・指定管理等)が偏らないように選定した。ヒアリングを行った図書館及び各館で導入されている電子図書館は以下の表のとおり。 図書館名 館種 電子図書館の種類 運営方式 ヒアリング実施日 明石市立図書館(兵庫県) 公立 LibrariE & TRC-DL 指定管理 2021/8/25 尾道市立図書館(広島県) 公立 OverDrive Japan 指定管理 高知県立図書館 公立 LibrariE & TRC-DL 直営 北海道大学附属図書館 大学 Maruzen eBook Library, KinoDen 直営 2021/8/6 筑波技術大学附属図書館 大学 Maruzen eBook Library, LibrariE 直営 立命館大学図書館 大学 Maruzen eBook Library, KinoDen 直営 矢板市立矢板小学校(栃木県) 学校 LibrariE & TRC-DL 直営 2021/8/26 *矢板市では自治体一括で電子図書館を契約しているため、教育委員会と矢板市立矢板小学校から参加。 *Kinodenを導入している公立図書館、LibrariEを導入している学校図書館とは都合が合わず、ヒアリングに至らなかった。 2-2. 電子図書館の一般的な提供状況 2-2-1. 導入経緯・導入の目的  いずれの図書館においても電子図書館の導入は比較的最近のことで、最も早い立命館大学図書館においても導入からまだ10年経っていない。高知県立図書館は平成29年に翌年のリニューアルオープンに先立って、中山間地域へサービスを提供するために、尾道市立図書館は令和3年新型コロナウイルス感染症の流行により、非来館型サービスを充実させるために導入した。矢板市では、もともと読書推進に力を入れていたが成果が伸び悩んでおり、GIGAスクール構想が持ち上がった際に、端末の配付と同時に電子図書館のアカウントの配付も行うこととした。導入前から教員に対する研修を開始し、令和3年4月から6月にかけては週一回のペースで電子図書館の利用方法を含め、タブレットの操作について集中的に研修を行った。端末の不具合等については委託している業者が対応している。LibrariE & TRC-DL又はLibrariEを導入している公立・大学図書館は、音声読み上げ機能があることを当該電子図書館の選定理由として挙げていた。 2-2-2. 提供タイトル、利用動向  副読本、参考書は、いずれの電子図書館においてもほとんど提供されていない。公立図書館では、もともと紙の図書の選書基準があるが、同基準では副読本や参考書は内容の刷新が早い等のために選書対象となっておらず、それが電子図書館の書籍の選書にも適用されていることが理由として挙げられた。 立命館大学では、講義指定教科書は電子での購入を優先するという方針があるが、購入した電子書籍は教科書全体の数パーセントしかないこと、また、矢板市では副読本を独自資料として自ら登録し、配信していることが紹介された。  公立図書館には、小説等の読み物の利用が多いという図書館と、提供コンテンツに小説の新作が少ないために紙の図書に比べて小説の利用が少ないという図書館があった。料理レシピ等の家政学関係の本についてはいずれの公立図書館においても頻繁に利用されている。学校図書館においては音声や動画コンテンツ(音の流れる本、動く絵本等)の利用が最も多く、その次に読み物が多い。 2-2-3. 利用場所による制限の有無、館内のインターネット接続環境の有無  いずれの図書館においても、館外(キャンパス外)でも利用できるようになっており、非来館型サービスとしての特徴を生かすように提供されている。また、館内(校内、キャンパス内)では無線LANが提供されている。  矢板市では、家庭にインターネット環境がない児童生徒のために、モバイルWi-Fiを貸し出している(令和2年度補正予算「GIGAスクール構想の実現」における「家庭学習のための通信機器整備支援」による)。 2-3. 視覚障害者等の図書館・電子図書館の利用状況 2-3-1. 視覚障害者等の電子図書館の利用  公立図書館では、障害者サービスの登録時に電子図書館の案内をしているが、障害者サービスに登録している利用者のうちの1割未満(高知県立図書館)あるいは半数程度(明石市立図書館)しか電子図書館への登録がなく、登録後の反応もほとんど得られていない。筑波技術大学附属図書館ではスクリーンリーダーを使用した電子図書館の使い方の説明を学生向けに行ったが、その後の反応は得られておらず、教科書が電子図書館で提供されるようにならないと利用は伸びないのではないかという意見があった。  矢板市立小学校の特別支援学級では授業の教材として電子書籍を利用したり、課題が終了した後の自由時間に児童自ら活用したりと、利用が伸びている。 2-3-2. 障害者サービス全般と電子図書館の利用の関係  高知県立図書館では同じ建物の一階にある「声と点字の図書館」において、デイジーの案内とあわせて、アマゾンキンドルや電子図書館の案内もされている。  北海道大学では、アクセシビリティ支援室(障害学生支援室)と附属図書館が連携しており、附属図書館が支援対象の障害学生からテキストが欲しいとの依頼を受けた場合、まずは既にアクセシブルなデータが入手可能な状態で存在しているかを調べる。その際、アマゾンキンドルや電子図書館も調査対象にしているが、電子図書館に音声読み上げ機能付のコンテンツが存在したのは一件にとどまり、結局のところ、出版社にテキストデータの提供を依頼することが多い。出版社がテキストデータの提供を承諾してくれることが徐々に増えてきているが、依然として、附属図書館でデータを作成することが多い。 2-4. 課題 2-4-1. 電子図書館の管理者用システム  総じて電子図書館を提供する上での職員のICTスキルが問題になることはないとの回答であったが、一部の図書館からは選書と発注については、一定のスキルが必要であるとの意見があった。このような意見の出た図書館は同じ電子図書館を導入していることから、その電子図書館固有の問題とも考えられる。電子図書館が普及するには、利用者だけではなく職員にとっても使いやすいシステムとなることが必要と思われる。 2-4-2. 図書館の障害者サービスのPR  高知県立図書館からは、眼科医会と連携して図書館の障害者サービスの案内をしているというPRの事例の紹介があった。電子図書館を利用してもらうには、まずは図書館の障害者サービス全般のPRをすることが必要と思われる。 2-4-3. 支援技術の利用  高知県立図書館では、障害者サービスの登録者に電子図書館の案内を行っているが、支援技術の説明を行う余力はないことから、同じ建物の一階にある「オーテピア高知声と点字の図書館」にそれらの説明を任せている。また筑波技術大学附属図書館では、教員からの依頼によって、視覚障害者の支援担当の職員がスクリーンリーダーを利用した電子図書館の閲覧方法の案内を学生に行ったという事例が紹介された。支援技術に関する専門技能を有する機関との連携や支援担当者養成の有効性が示唆される。 2-4-4. 音声読み上げに対応するコンテンツの少なさ  音声読み上げに対応するタイトルが少ないことが指摘された。電子図書館のPRや電子図書館システムのアクセシビリティが改善されたとしても、コンテンツがアクセシブルでなければ利用はされない。システムのアクセシビリティの改善はコンテンツのアクセシビリティの改善と同時に進めていく必要がある。 2-4-5. アクセシビリティ機能の改善  視覚障害者等が電子図書館を利用できるようにするために、具体的なアクセシビリティ機能として以下が求められた。 【音声読み上げ関係】 * 全盲の者にはスクリーンリーダーでの音声読み上げが好まれるかもしれないが、弱視、中途失明、ディスレクシアの者にとっては、ビューアの音声読み上げボタンをクリックする方法の方が使いやすい。両方の機能が必要である。 * 音声読み上げを開始できるところが固定されており、途中から読むことができない。開始位置を文節単位で選択できるとよい。 * 音声読み上げがあるのかないのかが、利用者には分かりづらい。 【操作関係】 * 音声入力ができるとよい。 * 本文検索と表示をできるようにしてほしい。 * ショートカットキーの割り当てが、電子図書館によって、また、ブラウザによって異なるので、各社共通にしてほしい。 * スクリーンリーダーを使用しての検索、資料を選択して音声読み上げまでいく全体の流れが難しい。 * 漢字ではなく絵のボタン(ピクトグラム)があったり、ルビがふってあったりするとよい。 【その他】 * 読む部分だけ見せて、あとは全部隠すという読み方をしている児童がいるので、ハイライト機能が役立つだろう。 2-5. 図書館関係者へのヒアリングのまとめ  電子図書館の全体的な提供については、各館様々な工夫が行われており、電子図書館の特徴を生かす充実したサービスが提供されていた。しかし、電子図書館をアクセシブルなものとして提供できているかについては、課題があることも分かった。  ウェブサイトについては、ピクトグラムやルビ等、漢字だけではない表示の必要性が示された。特に教育場面での利活用においては、発達障害がある利用者への対応にとどまらず、小学低学年の児童生徒の利用のためにもこれらの必要性が考えられる。  メタデータについては、音声読み上げが可能かを利用者が検索結果から判別できないという不便さが示された。これは、メタデータの未整備によるものと考えられる。  ビューアについては、音声読み上げをする部分の移動等のナビゲーション機能の必要性が示された。また、スクリーンリーダーによる音声読み上げが可能であることに加えて、電子図書館システムが音声読み上げ機能を持つことの必要性が示された。本報告書別紙6、7のアンケート調査結果にも表れているように、音声読み上げをする方法として、視覚障害者等からは、スクリーンリーダーによる音声読み上げを求められる傾向にある。しかし、弱視、中途失明、ディスレクシア等のスクリーンリーダーを所持していない、あるいは利用に習熟していない利用者にとっては、電子図書館システムによる音声読み上げの方が利便性が高いとも考えられ、この両者へのニーズがあることが分かった。  電子書籍コンテンツについては、教科書、副読本、参考書等の教育関連図書の必要性及び音声読み上げ可能コンテンツの少なさが示された。また、これらの図書の少なさが、出版社からのデータ提供や著作権法第37条に基づく複製物の制作へと繋がっていくことが示された。  その他、電子図書館と障害者サービスとの連携、また視覚障害者等の利用については、各館とも試行錯誤の状態といえ、現時点では、必ずしも視覚障害者等に十全に利用されているとは言えない。視覚障害者等による電子図書館の利用を質量いずれの面でも充実させていくためには、これら多岐にわたる課題を解消し、また電子図書館のアクセシビリティ対応を改善していくことが求められる。 3. 電子図書館のアクセシビリティ対応状況 3-1. 国内の電子図書館の調査(令和3年10〜12月)  国内の図書館に導入されている電子図書館のアクセシビリティへの対応状況を把握するため、サービス提供事業者を対象に調査を行った。調査は令和3年10月から12月にかけて、アンケート方式で実施した(各事業者への質問紙の送付と回収、追加質問はメールで実施)。  調査結果は以下のとおり。詳細は別紙3を参照。 3-1-1. 調査対象  対象は、植村八潮、野口武悟、電子出版制作・流通協議会の調査18において、提供可能なタイトル数が10,000以上である以下の4サービスとした。 ・ KinoDen(株式会社紀伊國屋書店) ・ LibrariE & TRC-DL(株式会社図書館流通センター)(以下「TRC-DL」という。) ・ Maruzen eBook Library(丸善雄松堂株式会社)(以下「MeL」という。) ・ OverDrive Japan(株式会社メディアドゥ) 3-1-2. 各サービスの概要  導入先については、MeLが大学図書館中心であり、他の3サービスは複数の館種、機関と幅広い。4サービスともにブラウザでの閲覧が可能であり、KinoDenとOverDrive Japanはモバイル端末用のアプリケーションも提供している。いずれも様々な形式のコンテンツを提供している。 3-1-3. アクセシビリティへの対応状況  以下、各サービスのアクセシビリティへの対応状況をまとめる。OverDrive Japanについては、アクセシビリティに対応しているタイトルが米国OverDriveから提供されているタイトルのみであることから、米国OverDrive提供タイトルを閲覧した際の挙動を示す。TRC-DLは通常版サイトとテキスト版サイトを提供しており、両者を調査対象とした。 3-1-3-1. ウェブサイト  ウェブアクセシビリティの規格には、国内規格・国際規格が存在する。そのうち、TRC-DLはJIS X 8341-3:2016のAAに準拠19、OverDrive JapanがWCAGに適合していた。他の2サービスは対応を検討中であった。なお、JIS X 8341-3:2016は、WCAG2.0が標準化されたISO/IEC 40500の一致規格である。 3-1-3-2. ビューア  以下では、読書障害がある者のニーズに則した利用を幅広く実現できる可能性が高いコンテンツの形式という観点からテキスト情報を持つコンテンツ、具体的にはEPUBリフロー及びPDF(画像+テキスト)を閲覧する場合のビューアのアクセシビリティ対応の状況をまとめる。 3-1-3-2-1. アクセシビリティ機能全般  音声読み上げ、文字拡大、色反転・文字背景の色変更、ハイライトの機能は、4サービスいずれにおいても備えていた。一方で、ルビ付与、分かち書きは、実装されているサービスがなかった。点字ディスプレイへの表示は、KinoDen、OverDrive Japanにおいて可能だった。  また、実装されているアクセシビリティ機能であっても、モバイル端末用アプリ及びブラウザの両者で利用できるようにはなっていなかったり、一部のコンテンツでしか利用できなかったりという状況であった。つまり、アクセシビリティ機能は実装されていても、それが全てのコンテンツに対して、提供されている利用環境の全てにおいて利用可能という状態にはなかった。 3-1-3-2-2. 音声読み上げ機能  植村八潮、野口武悟、電子出版制作・流通協議会による調査20等を参照すると、民間の電子書籍サービスに求められるアクセシビリティ機能として音声読み上げ機能が中心に取り上げられていることから、本項目及び次項では音声読み上げ機能を中心に調査した。  声質の変更と読みの速さの変更は、4サービスいずれにおいても可能であった。  目次から各章や節への移動の機能は、4サービスで実装されていた。一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする機能は、KinoDen及びTRC-DLが実装していた。またOverDrive Japanにおいてもスクリーンリーダーによって可能であった。  詳細読みは、4サービスいずれも実装していなかった。しかし、KinoDenとOverDrive Japanにはスクリーンリーダーによる音声読み上げが可能なコンテンツがあり、それらについてはスクリーンリーダーの機能によって、KinoDenでは詳細読みが、OverDrive Japanではフォネティック読み21が可能であった。  また、音声読み上げの方法は、各サービスそれぞれに異なる技術を用いて実装されていた。類型化すると、6パターンになる。詳細は別紙4のとおり。 3-1-3-2-3. スクリーンリーダーによる操作  メモを付ける、しおりを付ける、検索する機能は、4サービスいずれも実装している。これらの機能をスクリーンリーダーで操作できるかについて確認したところ、しおりについてはTRC-DLのみに実装されていた。メモと検索機能は、4サービスいずれもスクリーンリーダーでは操作できなかった。 3-1-3-3. コンテンツ  コンテンツのデータ形式については、4サービスいずれも数種を有しており、配信方法については、データ形式や出版社からの許諾の状況によって、ストリーミングあるいはダウンロードで行われている。  提供可能な全タイトルのうち、EPUBリフローであって音声読み上げ可能なタイトルは、TRC-DLで約5分の1、KinoDenで約10分の1、MeLで約30分の1と、ごく一部にとどまっていた。なお、音声読み上げに対する許諾は、4サービスいずれも、サービス事業者又は電子取次が出版社からとっていた。また、KinoDenとMeLには、PDF形式でダウンロード可能なタイトルがあり、このPDFはスクリーンリーダーによる音声読み上げが可能である。ただし、ウォーターマークのテキストやページ番号をスクリーンリーダーが読み上げてしまう。  利用者が検索画面においてアクセシビリティ機能に対応しているタイトルに絞った検索が可能かについては、TRC-DL、MeLは可能であり、KinoDenは対応を検討中であった。 3-1-3-4. 管理機能のアクセシビリティ  本検討会における検討対象外ではあるが、障害のある図書館員が電子図書館を操作することについても考慮する必要があると考えられることから、管理機能に対して図書館からアクセシビリティに関する改善を求められることがあるかについても調査した。その結果、4サービスのいずれもが要望を受けたことがあり、そのうちKinoDenとOverDrive Japanでは対応を行ったとのことであった。 3-1-4. 利用者 3-1-4-1.アクセシビリティ機能を利用できる者  4サービスいずれにおいても、電子図書館の利用者登録をしている者の全てが上記のアクセシビリティ機能を利用できるとしていた。 3-1-4-2.視覚障害者等の利用  TRC-DL、MeL、OverDrive Japanは、電子図書館導入館から、視覚障害者等が利用していると聞いているとのことであった。 3-1-5. まとめ  以上の調査から、4サービスいずれにおいても、既に様々な形でアクセシビリティに対応するための取組が進められていることが分かった。今後さらなるアクセシビリティ向上のために取り組んでいくべき課題として以下が挙げられる。  ウェブについては、総務省が「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」において、国及び地方公共団体等の公的機関のホームページ等に対して、2017年度末までに、JIS X 8341-3:2016のAAに準拠することを求めている。電子図書館を公立図書館、国公立大学図書館に導入する場合には、同ガイドラインが適用されることになるが、対応が遅れているサービスがあった。  ビューアについては、実装されているアクセシビリティ機能であっても、モバイル端末用アプリ及びブラウザの両者で利用できる状態ではなかった。また利用できる機能はコンテンツによって異なっていた。また、電子図書館の機能としては提供しているものであっても、スクリーンリーダーで操作できない機能があった。ルビ付与と分かち書きは、ディスレクシアの者の読書には重要な機能であるが、これらの機能を実装しているサービスはなかった。  コンテンツについては、4サービスいずれも様々なデータ形式で提供しており、サービスの充実を図っている。しかし、その結果、画像PDFのようにアクセシビリティ対応が困難な形式のコンテンツについては、アクセシビリティ機能を利用することができない状態となっている。また、アクセシブルな形式といわれるEPUBリフローのコンテンツであっても、その全てがアクセシビリティ機能に対応しているわけではなかった。また、タイトルの検索画面において、アクセシビリティ機能に対応したコンテンツに絞った検索を可能にするための対応が遅れており、メタデータの整備も必要と考えられる。  なお、電子図書館事業者及び検討会に参加する障害者団体の協力を得て、4サービスのトライアルを実施した。トライアル実施後、障害者団体から寄せられた意見は別紙5のとおり。 3-2. 海外の電子図書館  海外の電子図書館のうち、アクセシビリティの改善に注力し、それについて積極的に情報発信しているサービスとして、OverDrive、MediaLibraryOnLine、VitalSourceが挙げられる。前節の調査結果から、株式会社メディアドゥが提供するOverDrive Japanにおいて、米国OverDrive社から提供されているサービスのアクセシビリティが非常に高いことが分かった。そこで、米国OverDrive社へのヒアリングを企画し、株式会社メディアドゥの仲介によりヒアリングが実現した。  また、MediaLibraryOnLineとVitalSourceについては、ホームページ等から得られる読書バリアフリーに関する取組を要約する。 3-2-1. OverDrive 3-2-1-1. OverDriveの概要 * 1986年にアメリカに創設されたOverDrive社により2000年から提供されている電子図書館。現在90ヵ国7万6千の図書館(公共図書館、学校図書館、専門図書館、企業図書館)に導入されている。 * 三種類のアプリケーション(公共図書館向けLibby、学校図書館向けSora、公共・学校対応OverDrive)が提供されている。これらのアプリケーションに加え、ウェブサイトを通じて電子書籍を閲覧することが可能。 * アクセシビリティ対応に積極的に取り組んでおり、アプリケーション及びウェブサイトで利用できる機能等をウェブサイトにまとめている22。 3-2-1-2.ヒアリング結果(令和4年1月)  以下、令和4年1月6日に行ったヒアリングの内容をまとめる。OverDriveからの参加者は副社長、グローバル・プロダクト・サポート・マネージャー、アシスタント・ジェネラル・カウンシルの3名であった。 3-2-1-2-1.ライセンス契約について  4種類の契約形態がある。 @One-Copy/One-User (OCOU) 物理的な資料の提供方法に最も類似しており、一度図書館が契約したコンテンツは期限なしで提供することが可能。一つのコンテンツを同時に利用できるのは一人のみ。 AMetered Access (MA) 従量制契約。出版社の希望に応じて貸出上限回数が設定される。 Bサブスクリプション 同時アクセスが可能。一定期間において、コレクション、あるいは特定のタイトルに対して、同時アクセス権限が提供される。 CCost-Per-Circulation (CPC) 利用するごとに図書館がコンテンツの利用料を支払う。  出版社は一つのタイトルに複数のライセンスモデル(組み合わせルールはあり)を設定することができ、OverDrive社はそれを推奨している。@がOverDriveの基本となるライセンスモデルであり、出版社の99%がこのモデルを使っている。図書館は規模も予算も様々であるため、タイトルごとに契約の形式をかえて契約する。 3-2-1-2-2.WCAGへの適合について  提供している3種類のアプリケーションとウェブサイトのアクセシビリティには、社内のアクセシビリティチームで取り組んでいる。既にWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG)2.1のAAに、95%適合している。アクセシビリティ対応は継続的な取組が必要であり、これ以上の改善が不要となることはない。  2021年5月に公開されたWCAG2.2の草案23では、肢体不自由の者等への配慮も求められることが記載されており、モーションセンサーやボイスコントロール、バイブレーションモード等の新しい機能が計画されている。  このように基準がアップデートされ、また、新しい技術も出てくるため、OverDriveのサービスも変化していかねばならない。 3-2-1-2-3.EUのアクセシビリティ指令への対応  WCAG2.1のAAへの適合を進めており、実現すればEUのアクセシビリティ指令の求める基準に適合できていると考えるため、特別な対応を取る予定はない。 3-2-1-2-4.アクセシビリティ機能の検証について  社内にアクセシビリティチームがあり、そのチームで検証を行っている。また、外部の視覚障害者等と協力関係にあり、アップグレードの前後にフィードバックを得ている。2021年には視覚障害者が関わっているプラットフォームであるFable24の協力を得た。視覚障害者だけでなく、ディスレクシアや、肢体不自由の者からの意見も得ている。視覚障害者等からのフィードバックは、その改善がニーズを満たすものとなっているかを確認するための重要な過程である。  スクリーンリーダーのアップデートに対応して、サービスのアクセシビリティ機能のアップデートも行っている。  Libbyは、2021年に、スクリーンリーダーのサポート、文字サイズの変更、オーディオブックの読みの速さの変更等の機能の提供を行い、2022年にも新機能の提供を行う予定である25。 3-2-1-2-5.DRMと支援技術について  OverDrive社では、コンテンツの保護を的確に行うと同時にアクセシビリティを保障するために、独自のデジタル著作権管理措置(Digital Rights Management: DRM)を開発している。その上で、DRMの適用されていないコンテンツを収集し、出版社の許可に基づいてDRMを適用している。99%の出版社がDRMを希望している。  コンテンツにDRMが適用されていてもスクリーンリーダーでの音声読み上げ及びフォントの変更(ディスレクシックフォント等)は可能である。  点字ディスプレイでの表示は、現状ではできない。しかし、アクセシビリティチームは、その必要性を認識している。  画像の代替テキストは、出版社が作成していれば、OverDrive社も受け取っている。  出版社から、海賊版の出現や、図書館への配信の収益が失われるのではないかという懸念が寄せられることがある。コンテンツの配信において安全性がどのように担保されているのかを説明し、何年もかけて信頼を勝ち取ってきた。 3-2-1-2-6. メタデータの設定について  メタデータは、出版社から提供されたものを利用しており、OverDrive社が編集することはない。メタデータに間違いがあった場合は、出版社に修正を依頼する。 3-2-1-3. OverDrive社へのヒアリングのまとめ  以上のヒアリングから、OverDrive社のアクセシビリティ対応の取組について、以下の点が明らかになった。  ウェブとアプリケーションについては、WCAG2.1のAAに概ね適合しているが、今後も継続的に改善を行っていくということであった。その際に、社内のアクセシビリティチームで対応するだけでなく、視覚障害者等が関係する外部機関との協力も行うということであった。  また、支援技術の利用を阻害しないDRMを開発し、DRMを適用した状態でスクリーンリーダーによる音声読み上げ等を可能にしていた。これらに対して出版社から懸念を寄せられることがあるが、安全性を説明し、信頼を勝ち取ってきたとのことであった。  一方で、メタデータについては、出版社から提供されたものを利用しており、OverDrive社がコンテンツのアクセシビリティに関する記載を追加するようなことは行っていなかった。 3-2-2. MediaLibraryOnLine 3-2-2-1. 概要  1993年にイタリアに創設されたHorizons Unlimited社によって2009年から提供されている電子図書館である。イタリア国内の公共・大学図書館約約6千館及びその他10ヵ国のイタリア関係文化機関に導入されている26。また、Fondazione Libri italiani accessibili(LIA財団)に参加している(LIA財団については後述)。 3-2-2-2. ウェブサイト  MediaLibraryOnLineは、LIA財団の行った研修で得た知見を基にウェブサイトを検証し、WCAG 2.1の Level AA準拠を目指してウェブサイトを修正している27。 3-2-2-3. メタデータ  MediaLibraryOnLineでは、LIA財団がアクセシブルな電子書籍であると認証した書籍に絞り込んで検索を行うことが可能である。メタデータに文字の拡大・文字や背景の色の変更、コントラストの変更の可否、論理目次の有無、ナビゲーション機能の有無、構成どおりの読み上げの可否、注番号のリンクの有無、代替テキストの有無、発音や音節どおりの音声合成の可否といった詳細なアクセシビリティ情報が記載されている。 3-2-2-4. 電子書籍コンテンツ  国際的なアクセシビリティの基準(WCAG 2.1, EPUB Accessibility 1.0, Onix for Books 328, Schema.org29)に合致しているEPUBあるいはPDFのコンテンツに対してLIAが認証を与えている30。 3-2-2-5. 参考:LIA財団  LIA財団31は、Associazione Italiana Editori(イタリア出版協会)が2014年に創設した。会員は、大手・中小出版社(47社)、取次、電子図書館事業者、電子書籍制作会社であり、銀行等が協賛している。  また、認証したボーンアクセシブルな電子書籍(26,000冊)のカタログをオンラインで提供している。  その他、電子出版物の作成・制作、ウェブサイトやアプリケーションの開発に携わる専門家への研修、企業のアクセシビリティ向上のためのコンサルティング、アクセシブルな電子書籍の認証を行っている。参加する出版社は、マラケシュ条約やEUのアクセシビリティ指令等新しい規制への対応方法を学ぶことができる。 3-2-3. VitalSource 3-2-3-1. 概要  1994年にアメリカに創設されたVitalSource社によって提供されているオンライン書店である。アクセシブルな電子教科書を購入/レンタルできる32。 3-2-3-2. ウェブサイト  購入/レンタルした書籍を保存するBookshelfのページはWCAG 2.1の Level AA基準を満たしており、JAWS, NVDA, TalkBack, VoiceOver等のスクリーンリーダーでの読み上げが可能である33。 3-2-3-3. メタデータ  資料のメタデータにアクセシビリティについての詳細な記述があり、利用者はスクリーンリーダーでの読み上げの可否、代替テキストの有無、コントラストの変更の可否等を確認した上で書籍を購入することができる。 3-2-3-4. 電子書籍コンテンツ  後述のBenetechによるEPUBのアクセシビリティの認証であるGlobal Certified Accessible(GCA)34を受けたアクセシブルな資料が提供されている。 3-2-3-5. 参考:Benetech  Benetechは、Bookshareを運営するアメリカの非営利団体である35。  Benetechによる認証は最初のワークフローのチェックと毎年の更新の二つのステップに分かれている。最初に電子書籍作成のワークフローのチェックが行われ、基準を満たしたものには1年間有効な認証が与えられる。その後は最新のアクセシビリティ基準に合致しているかのチェックがなされ基準を満たせば1年ごとに認証を更新することができる。ワークフローの認証を受けた出版社は、このフローに基づいて作成したEPUBをオンラインで販売する際に、GCAのスタンプとメタデータを表示することができる。  ワークフローの認証を受けている出版社は、令和4年3月時点でMacmillan Learningやミシガン大学出版局等23の出版社である36。 3-3. 電子図書館のアクセシビリティ対応状況のまとめ  以上の調査から、電子図書館におけるアクセシビリティに関する取組は、国内外で進められていることが分かった。まず、ウェブサイトについては、JIS X 8341-3:2016、あるいはWCAGといったウェブアクセシビリティ基準への適合が進められている。しかし、国内の電子図書館を障害者団体の加盟者がトライアルしたところでは、多くのサービスにおいて、スクリーンリーダーを利用してログイン、資料検索、貸し出し、閲覧をスムーズに行うことはできなかった。OverDriveについては、米国OverDrive社へのヒアリングによればWCAGへの適合を進めているとのことであったが、使用するスクリーンリーダーの種類や言語の違いが影響を与えているのか、日本版をトライアルした際には、やはりスムーズに利用できない者がいた。確実に利用できるシステムを提供するためには、電子図書館事業者が社内外の支援技術の専門家や利用者である視覚障害者等と協力して開発に取り組むことが重要である。  メタデータについては、今回、調査を実施した国内4事業者及び米国OverDrive社は、アクセシビリティに関する情報の整備を行っていなかった。一方、今回はヒアリングを実施できなかったが、MediaLibraryOnLineとLIA財団、VitalSourceとBenetechは、メタデータにアクセシビリティに関する記述があり、利用者が必要とするアクセシビリティ機能を持った電子書籍の購入・貸出を可能にしている。EPUB アクセシビリティの国際規格であるISO/IEC 23761は、アクセシブルなEPUBの要件を規定すると共に、利用者が検索においてアクセシブルなEPUBを見つけることを可能にするためのメタデータの要件を規定している。様々なニーズを持ち、様々な支援技術の利用が想定される電子図書館においては、今後、アクセシビリティメタデータの整備が求められる。  コンテンツについては、MediaLibraryOnLineとVitalSourceに、アクセシビリティに関する認証を取り入れているという特徴が見られた。また、その認証は、両者ともLIA財団とBenetechというように別機関から受けていることも特徴であった。LIA財団は製作された電子書籍コンテンツに対して認証し、Benetechは電子書籍コンテンツを製作するワークフローに対して認証するというように、両者は異なるアプローチを採用している。コンテンツのアクセシビリティの認証は本検討会の対象外ではあるが、アクセシブルな電子書籍が確実に視覚障害者等の手元に届くようにするためには必要な取組であると考えられる。 4. 視覚障害者等に対する調査 4-1. 読書困難者に対するアンケート調査(ウェブフォーム)(令和3年2〜3月)  電子図書館のアクセシビリティが向上することで読書が容易となる主体は、重度の障害者にとどまらない。日常的には特段の配慮を必要としない軽度の障害者も、その恩恵に浴することになる。また障害者団体に加入していない障害者も多いと考えられる。加えて、電子図書館は、インターネットを通じて提供されるサービスであることから、その利用者は当然にインターネットユーザである。そこで、広く読書に困難を感じている者の読書ニーズを把握するために令和3年2月26日から同年3月1日までオンライン調査を行った。調査結果は以下のとおりである。単純集計表は別紙5参照。 4-1-1. 対象  読書に困難を感じている者を広く調査対象とするため、本人あるいは家族が、読書に当たって特別な形式の書籍(大活字本、点字資料、デイジー図書、カセットテープ図書)を読んだことがある者、あるいは何らかの機器(画面拡大ソフト、色反転機能、スクリーンリーダー、点字ディスプレイ、デイジー再生機器)を必要不可欠としている者が本設問に進むように、上記の観点によるスクリーニング質問を設定した。家族がそのような状況にあると回答した者については、その家族について本設問で回答するよう求めた。 4-1-2. 方法  株式会社クロス・マーケティングへの委託によってオンライン調査を実施した。モニター登録している20歳以上の日本在住者のうち約8万人に対してスクリーニング質問を配信し、条件に合致した回答を行った者のうち、先着で400名が本設問に進むように設定した。そのうち大きく矛盾する回答を行った者を除いた351名をサンプルとした。 4-1-3. 制約  調査手法としてオンライン調査を採用したことから、回答者には一定程度のICTスキルを有する者が多いと考えられる。電子図書館は、インターネットを通じて提供するサービスであるため、ICTスキルを持つ者に対して調査を行うことは適切と言えるが、本調査においてICTスキルを持たない者の読書ニーズは捉えられていない。また、本調査は20歳以上の者を対象としていることから、若年層のニーズは把握できなかった。ICTスキルを持たない者及び若年層を含めた視覚障害者等の読書ニーズについては、次節の郵送等による調査の結果を参照されたい。 4-1-4. 調査結果  以下、いくつかの興味深い点について述べる。国立国会図書館で令和元年度に行った一般向けの情報行動アンケートの結果とも対比する37。 4-1-4-1. 回答者の属性(Q1,2,3)  性別については、男性219人(62.4%)、女性132人(37.6%)であった。   年齢は、最小値20歳、最大値96歳、平均50歳であった。年齢構成をグラフにすると以下のとおりとなり、50代が最も多い。 年齢 人数 20-29 64 30-39 56 40-49 58 50-59 81 60-69 70 70-79 40 80-89 15 90-99 4  職業は、会社勤務(一般社員)124人(35.3%)が最も多く、続いて無職64人(18.2%)、専業主婦・主夫31人(8.8%)であった。本調査は20歳以上を対象としているが、年齢を64歳までに限ると、会社勤務(一般社員)120人(45.1%)、会社勤務(管理職)26人(9.8%)、パート・アルバイト21人(8.3%)となった。 4-1-4-2. 読書に困難を感じる理由(Q12)  「読書に不自由を感じる理由は以下のいずれですか?(複数回答可)」という質問への回答は、多い順に「視覚障害」43.9%、「その他」23.4%、「手や腕が不自由」20.5%、「ディスレクシア」16.5%となった。「その他」を選んだ者に自由記入欄への記入を求めたところ、その多くが「視力の低下」「老眼」「乱視」「遠視」等の視覚に関する理由を記入していた。「視覚障害」を自認してはいないものの、視力の問題を理由に読書に困難を感じている者が半数近くとなった。 4-1-4-3. 障害者手帳の取得状況(Q13)  「障害者手帳を持っていますか。持っている場合は、取得してから何年になりますか?」という質問に対しては「持っていない」の回答が74.4%を占めた。本アンケート調査の回答者は読書に当たって特別な形式の書籍を読んだことがあるか何らかの機器を使用している者であるが、障害者手帳を取得していない者が2/3程度を占めていることになる。本アンケートの回答者は、白杖や車いすの利用者のように、「障害者」という言葉で漠然と想起される特徴を持った者は少ないと考えられる。 4-1-4-4. 読書量(Q8)  「この1年間どのくらいの冊数の本や雑誌などを読みましたか?」という質問に対しての回答は「読んでいない」23.1%、「1冊」7.1%、「2〜3冊」19.7%、「4〜5冊」12.0%、「6〜10冊」13.4%、「11〜20冊」8.8%、「21冊以上」16.0%となった。  令和元年に行った一般向けの情報行動アンケートでは、1年間で、本も雑誌も1冊も読んでいない者が33.5%であったことと比べると、読書を行う者は今回の調査回答者の方が多いことになる。 4-1-4-5. 図書館の利用(Q15,16,17)  「この1年間で、公共図書館を利用しましたか?」の質問に対して「利用しなかった」と答えた者は全体の49.6%だった。令和元年度に行った一般向け情報行動アンケートでは1年間で一度も公共図書館を利用していなかった者が58.6%を占めていたことと比べると、読書に困難を持つ者の方が図書館の利用が多いということになる。  利用の目的としては、「本を借りるために利用した」32.2%、「調べ物をするために利用した」13.7%、「音楽CDを借りるために利用した」11.1%、「デイジー図書またはカセットテープ図書デイジー図書またはカセットテープ図書を借りるために利用した」7.7%の順に多い。割合としては多くはないが「対面朗読をしてもらうために利用した」という回答も2.8%あった。  一方で「この1年間で、点字図書館を使ったことがありますか?」という質問に対しては76.9%が「利用しなかった」と回答し、「サピエ図書館の本を利用したことはありますか?」という質問には「ない」の回答が53.8%、「それが何かわからない」が35.9%となり、9割近くの者が利用していない。  読書に困難を覚えつつも、点字図書館やサピエ図書館等の福祉サービスではなく公立図書館等の一般サービスを利用する者の方が多いという結果である。 4-1-4-6.読書の目的(Q11)  「どういう目的で本を読みたいと思いますか?」という質問への回答で多かったのが「趣味・娯楽のため」57.5%、「日常生活に必要な情報を得るため」42.5%であり、逆に1割台と低かったのが「学校の勉強のため」「資格取得のため」「友だちや知人と話題を共有するため」「調査・研究のため」であった。  この結果からは、教育・学習関係のニーズが低いことが示されたことになるが、本調査の対象をアンケート調査の対象を20歳以上に限定していることが影響しているとも考えられる。 4-1-4-7.読書の形式(Q19,20)  「今後、本をどの形式で読みたいですか?(複数回答可)」という質問への回答で多かったのが「紙に印刷されている本」69.2%、「電子書籍(EPUB等)」41.3%であった。回答者は読書に当たって特別な形式の書籍を利用したことがあるか何らかの機器を必要不可欠としている者であるにもかかわらず、紙の資料で今後も読みたいと考えている者が多いという結果であった。この点を確認するために「紙に印刷されている本」と答えた者のうち、必須としている機器が何であるかを確認したところ「画面拡大ソフト」とした者が圧倒的に多く65.8%であった。小さい文字が読みづらいという程度の状況であれば、依然紙で読むことの需要が高いということが推測される。  一方で、「これまでにどのような形式で本を読みましたか?」という質問に対しては40.5%が「電子書籍」と回答していた。一般の情報行動アンケートでは、この1年に電子版の本・雑誌・マンガを読んだことのない者が76.2%を占めていた。「この1年」という限定があるため正確な比較は成り立たないが、一般の情報行動アンケートよりも電子書籍を利用している者が多いことが推測される。 4-1-4-8.読書を諦めた経験と電子書籍に求める機能(Q9,14)  「これまでに、自分が読むことができる形式(紙、電子書籍など)で本が入手できずに読むのを諦めたことはありますか?」という質問に対して、「よくある」と「ときどきある」が合わせて50.7%、「まったくない」と「ほとんどない」が合わせて49.3%であり、諦めた経験のある者とない者はほぼ同数であった。  「電子版の書籍に備えてほしい機能はどれですか?」という質問に対しては、全体では「文字の拡大」の回答が最も多かったが、読書を諦めた経験についての質問の回答とクロス集計してみると、諦めたことが「よくある」と答えた者では「文章を音声で読み上げる機能」の回答が最も多く、次点で「文字を一文字ずつ説明する機能(詳細読み)」「文字の拡大」となっていた。 4-1-5.まとめ  これまで、視覚障害者を対象にIT機器の使用や読書の方法についての調査を行った例はあるが、今回は読書に何らかの困難を感じている幅広い層に調査を行った。電子図書館のアクセシビリティ機能に対しては、障害者団体等から高い期待とニーズが表明されている。今回の調査の結果は、そうしたニーズに応えることが、読書に困難を感じてはいるが、障害とは自認していない多くの人々にも便益をもたらすものであることを示唆するものとなった。また、これらの人々には、福祉サービスよりも一般のサービスを選好する傾向が見られた。電子図書館のアクセシビリティ向上が、広義の読書困難者の読書の機会の充実のために重要であることが改めて確認されたと言えるだろう。  一方で、本節の冒頭で述べたように、オンラインでの調査であることから、ICT技術を持っている者のみが回答していることや、20歳以上の者が対象となっていることから、若年層のニーズを捉えられていないという限界がある。その限界を補うものとして、次節では、ICT技術を持たない層及び若年層を含む障害者団体に対して行った調査の結果を詳述する。 4-2. 障害者団体に対するアンケート調査(郵送、メール、ウェブフォーム)(令和3年9月〜10月)  ICT技術を持たない層及び若年層を含む視覚障害者等の読書ニーズについて、障害者団体を対象とする調査を、令和3年9月23日から同年10月29日まで実施した。作業のうち、調査票の印刷、点訳、発送、回答の入力を「社会福祉法人AJU自立の家 わだちコンピュータハウス」に委託して行った。調査結果は以下のとおりである。なお、調査票における各質問(Q1, Q2…)の質問項目、回答数及び割合については別紙6の単純集計表を参照。 4-2-1. 対象  日本視覚障害者団体連合、日本弱視者ネットワーク、日本身体障害者団体連合会、DPI日本会議、日本発達障害ネットワークの加盟者(傘下団体の加盟者を含む)のうち、目が見えない者(全盲)、目が見えにくい者(ロービジョン)、手や腕が不自由な者(上肢障害や全身性障害等)、読字が困難な者(ディスレクシア)を中心に回答いただいた。 4-2-2. 方法  郵送及びメールで行った(DPI日本会議はメールのみ)。  郵送分の総配布数は793部である。弱視者ネットワークについては、委託業者から弱視者ネットワークに調査票を一括送付し、同ネットワークが加盟者に送付した。それ以外の団体については、各団体が作成したリストに従って委託業者が各団体の傘下団体に一括送付した。傘下団体から個別の会員への配布については、各傘下団体に委ねた。  メールによる配布については、各団体がメーリングリストを使って配信した。メーリングリストの配信先には、個人による登録だけでなく、団体名での登録もあり、受信者数を把握することはできなかった。  団体ごとの送付方法・送付物は下表のとおり。 日本視覚障害者団体連合 ●メール 送付方法 メーリングリスト 調査票の形式 【本文】・ウェブフォームURL ・質問。【添付】・大活字ファイル ・点字ファイル(BES ●郵送 送付方法 加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付 調査票の形式 ・点字(回答用紙つき) ・大活字 日本弱視者ネットワーク ●メール 送付方法 メーリングリスト 調査票の形式 【本文】・ウェブフォームURL ・質問 【添付】・大活字ファイル ●郵送 送付方法 団体に送付、その団体が会報の送付先に別途送付 調査票の形式 ・大活字 日本身体障害者団体連合会 ●メール 送付方法 メーリングリスト 調査票の形式 【本文】・ウェブフォームURL ●郵送 送付方法 加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付 調査票の形式 ・通常活字 DPI日本会議 ●メール 送付方法 メーリングリスト 調査票の形式 【本文】・ウェブフォームURL ●郵送 送付方法 不要 調査票の形式 不要 日本発達障害ネットワーク ●メール 送付方法 メーリングリスト 調査票の形式 【本文】・ウェブフォームURL ●郵送 送付方法 加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付 調査票の形式 ・大活字 *大活字は22ポイント、角ゴシックの調査票、通常活字は12ポイント、角ゴシックによる調査票を指す。 4-2-3. 調査結果  総回収数は739票であった。回答方法は、多い順に、郵送(紙)371人(50.2%)、ウェブフォーム230人(31.1%)、メール71人(9.6%)、郵送(点字)65人(8.8%)、メール(点字)2人(0.3%)であった。郵送分の総配布数は793部あり、回収率は55.0%となる。一方で、メールの受信者の総数は上述のとおり把握できないため、メール及びウェブフォームによる回答の回収率を求めることはできない。 なお、質問項目によって無回答のものもあった。以下、特記する場合を除き、割合(パーセンテージ)を算出する際、総回収数(739)を分母としている。 4-2-3-1. 回答者の属性(Q1,2,3,4)  このアンケート調査に回答している者が読書に困難がある本人であるかについて、「本人」が549人(74.3%)と最も多く、続いて「家族」が144人(19.5%)であった。  性別については、男性478人(64.7%)、女性256人(34.6%)であった。 年齢 人数 0-9 6 10-19 59 20-29 78 30-39 47 40-49 76 50-59 119 60-69 157 70-79 136 80-90 21  職業(複数回答可)は、無職158人(21.4%)が最も多く、続いて児童・生徒・学生84人(11.4%)、専門職(弁護士・税理士等・医療関連)72人(9.7%)であった。年齢を15歳から64歳までに限ると、会社勤務(一般社員)55人(13.3%)、公務員・教職員・非営利団体職員48人(11.6%)、無職44人(10.6%)となった。 4-2-3-2. 障害種別等(Q8,9,10)  障害の種類(複数回答可)は、多い順に全盲251人(34.0%)、ロービジョン162人(21.9%)、上肢障害や全身性障害等118人(16.0%)、ディスレクシア103人(13.9%)であった。また、「その他」にチェックがあり、自由記入欄に障害の内容が記載された場合の記載内容を大きく分類すると、自閉症等の発達障害系が58人、下肢障害等の肢体不自由系が14人、眼球使用困難症等の視覚障害系が12人、知的障害が8人、聴覚障害・盲ろうが3人であった。  障害が発生した年齢は、最小値0歳、最大値69歳、中央値6歳、最頻値0歳(219人、29.6%)であった。  障害者手帳を持っている場合、取得してからの年数は「21年以上」453人(61.3%)が最も多く、続いて「11年〜20年」81人(11.0%)、「6〜10年」50人(6.8%)であった。なお、「持っていない」は98人(13.3%)であった。 4-2-4. 情報入手及び読書 4-2-4-1. 情報入手の手段(Q11)  情報を得るために重要としている手段(複数回答可)は、テレビ(一般放送)529人(71.6%)が最も多く、続いてパソコン490人(66.3%)、スマートフォン・タブレット端末473人(64.0%)であった。  総務省が毎年一般の世帯を対象として行っている『通信利用動向調査』の令和2年の結果によると38、過去1年にインターネットを使用した者は全体の83.4%で、そのうち、スマートフォンを利用してインターネットに接続した者は68.3%であった。つまりスマートフォンによってインターネットに接続した者は全体の約6割弱となる。この結果と比較すると、本調査の回答者はスマートフォンによる情報入手を健常者よりもやや重視していると言える。 4-2-4-2. 読書量(Q12)  この1年間で読んだ本や雑誌等の冊数は、「21冊以上」が189人(25.6%)と最も多かった。「読んでいない」と答えた人は153人(20.7%)で、令和元年度に国立国会図書館が行った一般向けの情報行動アンケート39では、この1年間で「読んでいない」と回答した者が33.5%であったことと比較すると、本調査の回答者の方が読書を行っている者が多い。 4-2-4-3. ジャンルと目的(Q13,14)  今後読みたい本のジャンル(複数回答可)は、「小説・エッセイ」が450人(60.9%)で最も多く、続いて「趣味・実用」305人(41.3%)、次が「歴史・地理」と「医学・自然科学」が同点で231人(31.3%)であった。18歳未満の回答に絞ると、「マンガ・コミック」が最も多く、続いて「小説・エッセイ」「趣味・実用」となった。  どういう目的で本を読みたいかについては、「趣味・娯楽のため」548人(74.2%)が最も多く、続いて「日常生活に必要な情報を得るため」418人(56.6%)、「友だちや知人と話題を共有するため」272人(36.8%)であった。 4-2-4-4. 読書を諦めた経験(Q15)  これまでに、自分が読むことができる形式(紙、電子書籍等)で本が入手できずに読むのを諦めたことがあるかについて、無回答を除いて算出した割合を比べてみると、「よくある」と「ときどきある」の合計が364人(59.8%)、「ほとんどない」と「まったくない」の合計は245人(40.2%)であり、諦めたことのある者の方が多かった。  障害種別ごとの人数と割合は以下のとおりである。 全盲(n=240) ロービジョン(n=156) 上肢障害や全身性障害等(n=114) ディスレクシア(n=99) 諦めたことがよくある/ときどきある 169 (70.4%) 103 (66.0%) 42 (36.8%) 50 (50.5%) 諦めたことがほとんどない/まったくない 71 (29.6%) 53 (34.0%) 72 (63.2%) 49 (49.5%)  障害種別ごとに、「諦めたことがよくある・ときどきある」者の割合と「諦めたことがほとんどない・まったくない」者の割合を比べると、前者の割合が最も高いのが全盲の者であり、7割を超えている。 4-2-4-5. 読書の形式(Q16,17)  これまでに読んだ本の形式と、これから読みたい本の形式を比較したものが次の表である。 これまでに読んだ形式 これから読みたい形式 割合の差分 紙に印刷されている本 439 (59.4%) 299 (40.5%) -18.90% 電子書籍(EPUB等) 223 (30.2%) 347 (47.0%) 16.80% オーディオブック 135 (18.3%) 204 (27.6%) 9.30% 紙の点字 218 (29.5%) 156 (21.1%) -8.40% 点字データ 132 (17.9%) 123 (16.6%) -1.20% 音声デイジー 339 (45.9%) 339 (45.9%) 0.00% テキストデイジー 158 (21.4%) 152 (20.6%) -0.80% マルチメディアデイジー 82 (11.1%) 112 (15.2%) 4.10% テキストファイル・ワードファイル 159 (21.5%) 152 (20.6%) -0.90% PDF 141 (19.1%) 105 (14.2%) -4.90% その他 41 (5.5%) 22 (3.0%) -2.60%  「紙に印刷されている本」「紙の点字」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べて、今後この形式で読みたいと答えた人数が少ない一方で、「電子書籍(EPUB等)」及び「オーディオブック」については、今後この形式で読みたいと答えた者の方が多い。このことから、紙媒体で読みたい者が減少し、オーディオブックを含む電子媒体で読みたい者が増えていると言える。特に、「紙に印刷されている本」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べて、この形式で読みたいと答えた者が140人(18.9%)少なく、「電子書籍(EPUB等)」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べてこれからこの形式で読みたいと答えた者が124人(16.8%)多く、差が大きい。障害者の読書形態のニーズは紙から電子に移行していることがうかがえる。  一方で、著作権法第37条に基づいて製作される「点字データ」、「音声デイジー」、「テキストデイジー」、「マルチメディアデイジー」については差がわずかであり、ニーズには大きな変化がないことがうかがえる。 4-2-5. アクセシビリティ機能、機器 4-2-5-1. アクセシビリティ機能(Q18)  電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち、電子書籍に備えてほしいものは(複数回答可)、音声読み上げが509人(68.9%)と最も多く、続いて詳細読み212人(28.7%)、文字拡大209人(28.3%)であった。障害種別ごとの求める機能は次の表のとおり。 全体(n=739) 全盲(n=251) ロービジョン(n=162) 上肢障害や全身性障害等(n=118) ディスレクシア(n=103) 音声読み上げ 509 (68.9%) 215 (85.7%) 124 (76.5%) 72 (61.0%) 64 (62.1%) 詳細読み 212 (28.7%) 138 (55.0%) 45 (27.8%) 13 (11.0%) 15 (14.6%) 文字の拡大 209 (28.3%) 4 (1.6%) 85 (52.5%) 49 (41.5%) 45 (43.7%) 色反転 91 (12.3%) 7 (2.8%) 56 (34.6%) 3 (2.5%) 16 (15.5%) 読みやすいフォントへの変更 193 (26.1%) 14 (5.6%) 71 (43.8%) 25 (21.2%) 50 (48.5%) 文字間・行間の調整 170 (23.0%) 14 (5.6%) 51 (31.5%) 29 (24.6%) 53 (51.5%) 縦横の変換 75 (10.1%) 6 (2.4%) 27 (16.7%) 9 (7.6%) 20 (19.4%) 単語へのルビの付与 125 (16.9%) 35 (13.9%) 19 (11.7%) 16 (13.6%) 41 (39.8%) 分かち書き 76 (10.3%) 30 (12.0%) 12 (7.4%) 6 (5.1%) 24 (23.3%) ハイライト 49 (6.6%) 6 (2.4%) 18 (11.1%) 4 (3.4%) 17 (16.5%) 点字ディスプレイへの表示 124 (16.8%) 103 (41.0%) 16 (9.9%) 4 (3.4%) 2 (1.9%) その他 50 (6.8%) 6 (2.4%) 2 (1.2%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)  アクセシビリティ機能ごとに見ると、全ての障害種別において、音声読み上げが最も多かった。次点は障害種別によって異なり、全盲では詳細読み、ロービジョン及び上肢障害・全身障害では文字の拡大、ディスレクシアでは文字間・行間の調整となった。全体的にはニーズが高くない機能(ハイライト、縦横の変換、分かち書き、点字ディスプレイ等)であっても、特定の障害種別においては一定の割合でのニーズがあることには注意が必要である。  また、読書を諦めた経験についての質問の回答とクロス集計してみても、諦めたことが「よくある」と答えた者で「文章を音声で読み上げる機能」の回答が最も多かった。  障害種別ごとに見ると、全盲では音声読み上げの割合が高いのは当然であるが、ロービジョンにおいても高い割合を示していた。上肢障害・全身障害では、備えてほしいアクセシビリティ機能として特に高い割合を示したものはなく、電子図書館の普及自体が図書館利用のハードルを下げるものとして望まれているものと考えられる。また、ディスレクシアでは、専門家等からディスレクシアの読みの支援になるとされている機能のいずれもが中程度の割合であった。これは、これらの機能が実際には読みの支援としてそれほどには必要とされていない可能性、ディスレクシアの者の個別性の高さのために一つ一つの機能については必要とする者の割合が低くなる可能性、これらの機能の認知度が低く読みの支援になることが認識されていないために回答において選択されなかった可能性等が考えられる。 4-2-5-2.支援機器(Q19)  本や文書等を読む際に不可欠にしている電子機器について(複数回答可)、デイジー再生機器(プレクストークやブレイズET等)294人(39.8%)が最も多く、続いてスクリーンリーダー274人(37.1%)、いずれも利用しない233人(31.5%)であった。 4-2-6. 図書館の利用 4-2-6-1. 利用しなかった者の割合(Q21,22,23)  図書館(公共図書館・大学図書館・学校図書館)も点字図書館も、この1年間で利用しなかった者の割合が利用した者の割合よりも多かった(無回答者を除くと、図書館を利用した者は329人(47.8%)、利用しなかった者は359人(52.3%)、点字図書館を利用した者は275人(39.3%)、利用しなかった者は425人(60.7%))。  サピエ図書館の本を利用したことがあるかという質問に対しては、「ある」と答えた者が280人(37.9%)であり、「それが何かわからない」が216人(29.2%)、「ない」が200人(27.1%)であり、やはり利用したことがある者よりもない者の方が多い。 4-2-6-2. 読書量と図書館の利用経験の関係(Q12,21,22,23)  1年間での読書冊数と図書館の利用経験をクロス集計した表は以下のとおり。読書冊数ごとに、それぞれの種別の図書館を利用した者の回答数と割合を示す(無回答者は除く)。なお、公共図書館・大学図書館・学校図書館及び点字図書館はこの1年間での利用経験について、サピエ図書館はこれまでの利用経験について質問している。 公共図書館・大学図書館・学校図書館の利用経験あり 読んでいない(n=152) 28 (18.4%) 1冊(n=38) 12 (31.6%) 2〜3冊(n=108) 54 (50.0%) 4〜5冊(n=57) 28 (49.1%) 6〜10冊(n=89) 48 (53.9%) 11〜20冊(n=61) 41 (67.2%) 21冊以上(n=181) 117 (64.6%) 点字図書館の利用経験あり 読んでいない(n=148) 17 (11.5%) 1冊(n=36) 5 (13.9%) 2〜3冊(n=105) 17 (16.2%) 4〜5冊(n=55) 17 (30.9%) 6〜10冊(n=88) 34 (38.6%) 11〜20冊(n=56) 25 (44.6%) 21冊以上(n=182) 132 (72.5%) サピエ図書館の利用経験あり 読んでいない(n=151) 22 (14.6%) 1冊(n=38) 6 (15.8%) 2〜3冊(n=107) 25 (23.4%) 4〜5冊(n=58) 20 (34.5%) 6〜10冊(n=90) 34 (37.8%) 11〜20冊(n=62) 34 (54.8%) 21冊以上(n=186) 136 (73.1%)  いずれの館種においても、読書冊数が多い者ほど図書館を利用している。 4-2-6-3. サピエ図書館の認知(Q8,23)  サピエ図書館の認知と障害種別をクロス集計した表は以下のとおり(無回答者は除く)。 全盲(n=237) ロービジョン(n=155) 上肢障害や全身性障害等(n=114) ディスレクシア(n=101) 利用したことがある 185 (78.1%) 83 (53.5%) 6 (5.3%) 6 (5.9%) 利用したことがない 48 (20.3%) 49 (31.6%) 49 (43.0%) 28 (27.7%) それがなにかわからない 4 (1.7%) 23 (14.8%) 59 (51.8%) 67 (66.3%)  全盲の者で、「それが何かわからない」と回答した者が1.7%であったことに比べて、ディスレクシアの者では66.3%と圧倒的に多かった。 4-2-6-4. 電子図書館(Q25)  図書館で提供されている電子図書館を使ったことがあるかについて、「ある」79人(10.7%)、「ない」461人(62.4%)、「それがなにかわからない」147人(19.9%)であった。 4-2-7. まとめ  本調査の回答者における読書ニーズは、一般の調査結果と比べて高かった。比較的読書ニーズの高い層に対するサービスをどのように提供していくかは、読書推進の観点からも検討していくべき課題であると考えられる。  これから読みたい本の形式について、紙に印刷されている本、紙の点字と回答する者の割合は減少傾向に、逆に電子書籍(EPUB等)、オーディオブック等と回答する者の割合は増加傾向にある。障害者の読書形態のニーズは紙から電子に移行していることがうかがえる。また、障害者のスマートフォンの利用率が、健常者と同等かそれ以上に高いことを鑑みると、電子図書館は、PCだけでなくスマートフォン・タブレットでも利用できることが望ましい  自分が読むことができる形式(紙、電子書籍等)で本を入手できずに読むのを諦めたことがあるかの割合を障害種別に見ると、諦めたことがあるという回答は全盲の者で最も多かった。また、電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち、求められるアクセシビリティ機能は障害種別によって異なるものの、全ての障害種別において音声読み上げの割合が最も高かった。このことから、電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち最重要視すべきは音声読み上げであると考えられる。  一方、ハイライト、縦横の変換、分かち書き、点字ディスプレイ等のように、全体としては求める者の割合が高くない機能であっても、特定の障害を持つ者には不可欠というものもある。これらの機能については、その機能を求める者の割合が低かったとしても、重視しなくてよいということを意味しないことに注意する必要がある。  視覚障害等を持つ児童や生徒にとってアクセシブルな教科書や学習参考書が必須であることは言をまたないが、本人の欲求としては、マンガ・コミック、小説・エッセイ等を読みたいと思っているものが多かったことにも注意を払いたい。  以上から、障害者の読書形態のニーズが紙から電子に移行しつつある状況において、電子図書館のアクセシビリティ機能は、読書バリアフリー推進のために重要であることが分かる。 4-3. 視覚障害者等に対する調査全体のまとめ  4-1、4-2節にまとめたそれぞれの調査の概要を比較すると次の表のとおりとなる。障害者手帳の取得率が大きく異なり、4-2の調査の回答者の方が圧倒的に高い。 調査期間 方法 対象 サンプル数 年齢 障害者手帳取得の割合 4月1日 R3年2月26日〜3月1日 ウェブフォーム 調査会社にモニター登録しているもののうち、読書に当たって特別な形式の書籍(大活字本、点字資料、デイジー図書、カセットテープ図書)を読んだことがある者、あるいは何らかの機器(画面拡大ソフト、色反転機能、スクリーンリーダー、点字ディスプレイ、デイジー再生機器)を必要不可欠としている者 351名 最小値20歳、最大値96歳、平均50歳 25.60% 4月2日 令和3年9月23日〜10月29日 郵送・メール・ウェブフォーム 日本視覚障害者団体連合、日本弱視者ネットワーク、日本身体障害者団体連合会、DPI日本会議、日本発達障害ネットワークの加盟者(傘下団体の加盟者を含む) 739名 最小値6歳、最大値87歳、平均57歳 86.70%  前節までにまとめたそれぞれの調査の結果を比較すると、読書をしなかった者の割合は、4-1では23.1%、4-2では20.7%であり、令和元年度に国立国会図書館が行った一般向けの情報行動アンケート40でこの1年間で「読んでいない」と回答した者が33.5%であったことと比較すると低かった。つまり、今回の調査の回答者の方が、読書率が高かった。  同様に1年間で図書館を利用した者の割合は4-1では49.6%、4-2では47.8%となっており、一般向けの調査では利用した者の割合が41.4%であったことと比べると、4-2の調査の回答者の方が、図書館を利用している率が高かった。  点字図書館を1年間で利用した人は4-1では23.0%、4-2では39.3%であった。サピエ図書館の本をこれまでに利用したことがある者の割合は、4-1で10.3%、4-2では40.2%であり、点字図書館もサピエ図書館も4-2の回答者の方が圧倒的に多く利用していた。  これまでに読んだことのある本の形式と、今後読みたい本の形式について、紙に印刷されている本と、電子書籍(EPUB等)について比較してみると、次の表のようになった。 これまでに読んだ形式 今後読みたい形式 差分 4月1日 紙の本 70.40% 69.20% -1.20% 電子書籍 40.50% 41.30% 0.80% 4月2日 紙の本 59.40% 40.50% -18.90% 電子書籍 30.20% 47.00% 16.80%  4-1ではこれまでと今後を比較した時に、紙の本、電子書籍いずれにおいてもほとんと差がないのに対し、4-2では紙の本の減少分とほぼ同じ割合で、電子書籍が増加している。障害者団体に登録している者たちの中での電子書籍への期待の現れとして受け止められるのではないか。  電子書籍に備えてほしいアクセシビリティ機能については、4-1の回答者では「文字の拡大」が最も多く、4-2では「文章を音声で読み上げる機能」が最も多いという結果になった。読書を諦めた経験についての質問の回答とクロス集計してみると、いずれの調査においても諦めたことが「よくある」と答えた者で「文章を音声で読み上げる機能」の回答が最も多いことから、読書バリアフリーという観点からは音声読み上げの機能の重要度が高いと考えられる。 5. 課題整理とロードマップ  ここまで、図書館に対するヒアリングの結果、電子図書館事業者に対する調査結果、視覚障害者等に対するアンケート調査の結果を詳述し、各章の章末でそれぞれの調査結果から見えてきた課題をまとめてきた。今後、公立図書館、大学図書館、学校図書館がアクセシブルな民間の電子図書館を調達・導入する際に参照し、電子図書館事業者がサービスを開発する際に参照しうる基準(ガイドライン)を作成するに当たっては、それらの課題を踏まえる必要がある。本章では、それらの課題について、検討会において参加メンバーにより示された意見を加味し、適切な基準(ガイドライン)作成に当たって念頭に置くべき点として改めて整理する。さらにその整理に基づき、ビューアが持ちうるアクセシビリティ機能と、それによって利便を得られる障害の種別の一覧化を試みる。その上で、今後の検討のロードマップを示す。 5-1. 課題整理1 調査結果及び参加メンバー意見  本節では、図書館に対するヒアリングの結果、電子図書館事業者に対する調査結果、視覚障害者等に対するアンケート調査の結果から、適切な基準(ガイドライン)を作成する上で踏まえるべき要点をテーマごとに分類し、「調査結果」として記す。また、それぞれのテーマに関して、検討会において参加メンバーから出された意見を「参加メンバー意見」として記す。これらのうち、本検討会の検討の対象は、第1章で述べたとおり、システムのウェブサイトとビューアに関する事項であるが、その他の事項についても、適切な基準(ガイドライン)を作成、普及を図り、視覚障害者等の読書環境を整備、推進するために不可欠であることから、あわせて整理する。 5-1-1. ガイドライン全体について 【参加メンバー意見】 * ガイドラインは、音声読み上げのように多くの者から求められるアクセシビリティ機能から始めることはよいが、求める者の数は少なくても、強く求められる機能をどのように含めていくかを明確にしていく必要がある。学齢期の子どものニーズは、数は少ないが重要度は高いことに注意したい。 * 公的機関は、アクセシブルなものを調達するという姿勢を持ってほしい。 * ガイドライン策定の目的は、アクセシブルな電子図書館の普及の推進であることを念頭において、アクセシビリティ機能の開発に対する事業者のハードルが上がらないように、電子図書館システムに機能を実装する方法と、支援技術を組み合わせることで実現する方法とを検討したい。 * 入所施設で寝たきりで、図書館を使うことが非常に困難な人にも電子図書館の存在が理解されるように情報を広げていきたい。 5-1-2. システム全般 【調査結果】 * アンケート調査では、これまでに読みたい形式で読むことができずに読書を諦めた経験が「よくある」と答えた者で、電子書籍に求める機能として「文章を音声で読み上げる機能」と回答した者が最も多かった。 * 現在のシステムでは、電子書籍の検索、資料の選択、本文を開いて音声読み上げをするまでの導線に沿った流れに、スクリーンリーダーを使用した環境では、難しさを感じる。 * ショートカットキーの割り当てが各社それぞれである場合、利用者にとって学習コストが高い。 * 小学低学年の児童にとっては、漢字のみの表記では利用しにくいので、漢字の部分に、ピクトグラムやルビがあるとよい。 * ヒアリングを行った米国の電子図書館事業者は、社内にアクセシビリティチームを設置し、改善に向けた取組を継続していた。 【参加メンバー意見】 * 各電子図書館で用いられる項目名を統一してほしい。 * 発達障害の子どもにはルビが振ってないと読めない子どもがたくさんいる。発達障害の子どもに書類や図書を見せる上でルビは無視できない問題だ。 * TTS機能があってもビューアの種類やEPUBの仕様、PDF等によって、読める、読めないが決まってしまう。読み上げをするビューアの設定と対応するEPUBの仕様を決めてもらいたい。そうすると、どこの電子図書館にEPUBを提供しても、同じように読めるという環境ができる。 * アクセシビリティ機能の実装は、全てをビューアで行うのではなく、ビューア、TTS、スクリーンリーダーという全体で考えたい。 5-1-3. ウェブサイト 【調査結果】 * 総務省は、「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」において、国及び地方公共団体等の公的機関のホームページ等に対して、2017年度末までに、JIS X 8341-3:2016のAAに準拠することを求めている。この点についての対応は、電子図書館によって差があった。 * キーボード操作が苦手な者や、小学低学年の児童は、キーワード入力が困難であり、音声入力ができるとよい。 【参加メンバー意見】 * 「みんなの公共サイト運用ガイドライン」が求めるJISのAA準拠を基本に考えることが重要だ。 * 通常サイトとは別にアクセシブルなサイトを用意し、アクセシブルなコンテンツだけを提供する方法が推奨されるかについてガイドラインに記載してほしい。 5-1-4. ビューア 【調査結果】 * 現在の電子図書館に実装されているアクセシビリティ機能であっても、モバイル端末用アプリ及びブラウザの両者で利用できるようになっていないものがあった。 * メモを付ける、しおりを付ける、検索する機能等、電子図書館自体には当該機能が実装されていても、スクリーンリーダー等の支援技術を用いた環境では操作できないものがある。 * 全盲の視覚障害者は多くがスクリーンリーダーを使用するが、弱視、中途失明、ディスレクシアの者は、音声読み上げを必要としているとしても、必ずしもスクリーンリーダーを使用できるとは限らない。また、スクリーンリーダーが高額であるために有していない障害者もいる。だから、音声読み上げについては、スクリーンリーダーによる音声読み上げと、電子図書館のシステムに実装された音声読み上げの両方があるとよい。 * 音声読み上げには、文、分節、文字等、一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする機能がなければ、精読や、聞き逃しの確認等ができない。 * 詳細読みができなければ、同音異義語の判別や、音声読み上げの誤読の確認ができない。 * 読みに困難がある者の中には、読む部分以外を隠して読んでいる者がいるので、ハイライト機能があるとよい。 * 点字ディスプレイ表示を望む者の割合は必ずしも高くはないが、盲ろう者等にとっては、当該機能がなければ読書が不可能である。 * ルビ、分かち書きを望む者の割合は必ずしも高くはないが、ディスレクシア等の者の中には、当該機能がなければ読書が不可能である者がいる。 * 目次から各章や節へ移動するナビゲーション機能がなければ、利用者が読みたい部分に移動することが困難である。 【参加メンバー意見】 * アクセシビリティ機能が利用可能か不可能かには、ブラウザの種類やスクリーンリーダーの種類等、ユーザーの環境による違いが大きい。 * パソコンでもスマホでも、アプリケーションで利用できるようにしてほしい。 * スクリーンリーダーで音声読み上げする場合、音が出ればよいわけではなく、利用者の必要に応じた細かい調整ができることが重要だ。 * 音声読み上げの場合、同音異義語の判別や誤読の問題について考える必要がある。 5-1-5. 関連事項 5-1-5-1. コンテンツ 【調査結果】 * ヒアリングを行った米国の電子図書館事業者は、支援技術を阻害しないDRMの開発をして、出版社との信頼関係を構築してきた。 * 許諾を得られないために、EPUBリフロー形式のコンテンツであっても、音声読み上げが不可能なコンテンツがある。 * 利用できるアクセシビリティ機能が、コンテンツによって異なる。 * EPUBやPDF形式のファイルに、ウォーターマーク等として挿入されるテキストを、スクリーンリーダーが音声読み上げしてしまい、快適な読書を阻害している。 * 画像PDFのようにアクセシビリティ対応が困難な形式のコンテンツについては、アクセシビリティ機能を利用することができない状態となっている。 【参加メンバー意見】 * 出口がアクセシブルでもコンテンツそのものがアクセシブルでなければ使えないので、コンテンツについての何らかの技術的標準を共有していく必要がある。 * 音声読み上げに対する出版社の許諾の問題がある。 5-1-5-2. メタデータ 【調査結果】 * 電子図書館のうち、利用者が自分が必要とするアクセシビリティ機能に対応するコンテンツに絞った検索ができないサービスがあった。 * 電子図書館のうち、検索結果のリストにおいて、そのタイトルが音声読み上げに対応しているかを確認できないサービスがあった。 * 希望するアクセシビリティ機能を持ったコンテンツを検索できるようにするために、メタデータにアクセシビリティ機能の記述が必要。 5-1-5-3. 管理者用システム 【調査結果】 * 管理者用システムは、職員のICTスキルが問題になることがないように、職員にとって使いやすいシステムとなることが必要である。また、図書館には障害がある職員も勤務していることから、管理者用システムについてもアクセシビリティに配慮した設計が必要である。 5-1-5-4. 予算・ライセンス関連 【参加メンバー意見】 * ウェブサイト全般についての話だが、サイトの設計・アクセシビリティ対応を外部に委託した場合、その業者との契約が終了したあとに、次の業者に対応が引き継がれないということが起こってしまう。いかに継続するかが重要だ。 * 図書館員には、電子図書館は毎年お金を払わなければ貸せないことについての不満がある。だから、利用が少ないと止めてしまうところが出てくる。電子コンテンツに対する契約であることへの理解と、どのように利用を継続させるかが大切だ。この辺りは、日本図書館協会が、傘下の図書館にどのように意識を向けるかという仕事でもあるだろう。 * 最近、電子図書館におけるコンテンツのライセンスモデルが変わってきており、古くから電子図書館にコンテンツを提供してきた出版社は著者への説明が間に合わない。だから、電子図書館における導入タイトル数を増加させるためにどのような契約モデルが適切かをスコープに入れておかないと、アクセシビリティに関するルールが決まっても、アクセシブルな本が増えないという結果に陥ってしまう。 * 中学で電子図書館を提供しているところのほとんどが中高一貫校だ。私立の中高一貫校は、何年か前から生徒全員にタブレットを渡し、GIGAスクール構想を前倒しで実施してきたが、ここから次の広がりが見えない。GIGAスクール構想と関係づけて進めることが重要だ。 5-1-5-5. 選書、ジャンル 【参加メンバー意見】 * 紙の参考書や問題集は書き込みされてしまうということで選書しづらかったが、電子書籍ではそのような問題がないため、電子書籍ならではの選書基準の作成を促すとよい。 * 読みたい本のジャンルによって、便利と感じられる媒体が異なるだろう。 * 小説と専門書というようにジャンルによって、読書の行い方に異なったニーズがある。 * 単に電子化すればアクセシブルであるとは言えず、専門書にはテキストが必要だ。 5-1-5-6. 利用環境の整備 【調査結果】 * 操作支援担当者の養成が必要である。 * 国内の図書館へのヒアリングからは遠隔サービスであり、利用者からのフィードバックがないため、利用の実態が把握しづらいことがうかがえた。 【参加メンバー意見】 * 電子書籍コンテンツを利用するページだけでなく、図書館サイトからアクセシブルにすることが重要だ。 * 支援技術を利用した環境でのマニュアルを図書館が提示することが重要だ。 * マニュアルを動画でも提供してほしい。 * 電子図書館の利用に関する相談をする窓口の電話番号を記してほしい。 * 電子図書館の利用に関する支援として、職員が利用者の端末を遠隔操作できるようになると便利だろう。 * ICTに弱い人にも利用可能となるためには、図書館において人的サポートも提供することが重要だ。 * 子どものうちに電子書籍に親しめば、大人になっても電子書籍を読むだろうから、学校での電子図書館の利用をどう行うかが重要だ。 * 個々の障害種別や状況によって必要とするものが違うので、読書に困難がある人がどのように支援技術を使って本を読んでいるかのケースレポートを、電子図書館事業者と共有する機会があるとよい。 5-1-5-7. 広報 【調査結果】 * まずは図書館の障害者サービス全般のPRが必要である。 * 電子図書館を導入している図書館はそのことを広報する等、利用者に向けたPRが重要である。 【参加メンバー意見】 * 障害者と健常者とはグラデーションであり、その中で線を引いて障害者としてくくっているだけである。だから、その線の間際にいる人たちにもアクセシブルな本のニーズがあるということは、往々にしてありうることだ。上肢障害やディスレクシアの方には、読書に困っているから読書を諦めているという潜在的ニーズがある。潜在的ニーズに対して情報提供して、ニーズと繋ぎ合わせていくことが大切だ。 * コロナ禍によって電子図書館の利用が増えているというメディア報道によって、一般の方からの問い合わせが始まったが、電子図書館の認知度が低い。 5-1-5-8 他機関との連携 【調査結果】 * 支援技術に関する専門技能を有する機関との連携が必要である。 【参加メンバー意見】 * コロナ禍への対応として電子図書館を導入するのであれば、遠隔でのサポートに対応することが重要だ。地域のパソコンボランティアやITサポートセンターとの連携が重要になる。 * 最初の設計段階、そしてバージョンアップの段階等、絶えず障害者の意見を聞く仕組みを持ってほしい。 * 公立図書館におけるサポートとして、点字図書館等の他機関との連携が可能であることの周知が必要だ 5-2. 課題整理2 ビューアのアクセシビリティ機能と障害種別の対応  前節では、電子図書館システムのウェブサイトとビューアを中心に、調査結果と参加メンバー意見に基づいて、基準(ガイドライン)作成に当たって踏まえるべき点を整理した。ウェブサイトのアクセシビリティについてはJIS X 8341-3:2016が策定される等、標準化が進んでいるが、ビューアについては未整備である。そこで、本節では、前節の整理と文献調査に基づいて、ビューアが持ちうるアクセシビリティ機能と、それによって利便を得られる障害の種別の一覧化を試みる。当該障害種別において必須となるアクセシビリティ機能を「◎」、必須とまでは言えないが利便をもたらすアクセシビリティ機能を「○」で表す。必要性の判断には、第4章で示したアンケート調査の結果を参考にし、4-2-5-1.の表において割合が51%以上であったものを「◎」、11〜50%を「○」、10%以下を「―」とすることを基本とした。なお、今回十分な調査を行うことはできなかったが、これらのアクセシビリティ機能のうちには、視覚障害と聴覚障害(盲ろう)、聴覚障害、知的障害、精神障害を持つ者にも有用なものがあると考えられる41。  電子図書館が持ちうるアクセシビリティ機能は、その実現に向けて一つ一つにつき慎重な検討を要する。前述のように、アクセシビリティ機能のうち重要度、優先度において音声読み上げに対するニーズが最も高い。そこで、短期的目標としてまずは音声読み上げについて取り組むこととし、その他のアクセシビリティ機能については、中長期的目標とする。 音声読み上げ 詳細読み ナビゲーション機能 文字拡大 色反転 フォントの変更 文字間・行間の調整 縦横切り替え ルビ付与 分かち書き ハイライト 点字ディスプレイ表示 視覚障害重度(全盲) ◎ ◎ ○ ― ― ― ― ― ○ ○ ― ○ 視覚障害軽度(ロービジョン) ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ― ○ ― 上肢障害 ◎ ○ ○ ○ ― ○ ○ ― ○ ― ― ― 発達障害(ディスレクシアを含む) ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ― 5-3. ロードマップ(令和4年度の想定)  令和4年度時点で想定される、適切な基準(ガイドライン)作成のためのロードマップは以下のとおりとなる。ロードマップは今後も見直しつつ進めていくこととする。 令和3年度 * 「図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会」の開催 * 基準(ガイドライン)作成のための事前調査を実施 * 図書館関係者からの意見聴取(学校、公共、大学) * 視覚障害者等による情報行動に係るアンケート * 電子図書館事業者からの意見聴取 * 海外事例調査 令和4年度 * 「図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会」の継続開催 * 令和3年度の検討を踏まえ、基準(ガイドライン)の素案作成 * 基準(ガイドライン)の周知・普及方法について検討 令和5年度 素案を適宜見直し、成案として一般公開、周知・普及 令和6年度 基準(ガイドライン)を更新 おわりに  令和3年度に行った調査によって、図書館における電子図書館の提供の状況、電子図書館のアクセシビリティ対応の現状、視覚障害者等のニーズを把握することができた。それぞれの電子図書館において、既に一定程度のアクセシビリティ対応が進められていることが確認できたと同時に、現状では視覚障害者等のニーズを満たしていない点が未だ数多くあることも判明した。また、図書館において視覚障害者等に電子図書館を利用してもらうための取組にもなお改善が必要であることもヒアリングから見えてきた。  視覚障害者等のニーズに沿った電子図書館の基準(ガイドライン)を作成するだけではなく、各図書館の障害者サービスの充実や、電子図書館の認知度向上等の取組も継続的に行っていく必要があると考えられる。  障害者団体、電子図書館事業者、図書館関係者の間での密接な意見交換を通じて、より多くの者が電子書籍を図書館から借り、利用できる環境が整備されるよう、令和4年度以降の検討を進めていく必要がある。 別紙1)図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会関係者名簿 <参加メンバー> 阿部 一彦 日本身体障害者団体連合会会長 粟野 健一 日本発達障害ネットワーク理事 植村 八潮 専修大学教授 宇野 和博 日本弱視者ネットワーク教育担当役員 近藤 武夫 東京大学先端科学技術研究センター准教授 佐藤 聖一 日本図書館協会障害者サービス委員会委員長 鈴木 直人 電子出版制作・流通協議会事務局長 田中 敏隆 日本書籍出版協会AB(アクセシブル・ブックス)委員会委員 冨倉 由樹央 日本電子書籍出版社協会法務委員会委員長(第1回〜第3回)  一般社団法人デジタル出版者連盟協会法務委員会委員長(第4回) 三宅 隆 日本視覚障害者団体連合組織部長 見形 信子 DPI日本会議会員 <事務局> 国立国会図書館総務部企画課 <関係省庁等(オブザーバー)> 横井 理夫 文部科学省総合教育政策局地域学習推進課長(第1回、第2回) 根本 幸枝 文部科学省総合教育政策局地域学習推進課長(第3回、第4回) 三宅 隆悟 文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室長 高木 美香 経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課長 別紙2-1)図書館における電子図書館の障害者対応について(電子図書館全般) 公立図書館 ●高知県立図書館 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 導入経緯と目的 ・2017年に導入した。・高知市と共同のオーテピア高知図書館の開館に際し、県内中山間地域へのサービスとして電子図書館を検討した。・LibrariE & TRC-DLにしたのは、音声読み上げへの対応と、一般的な和書の提供という観点からだ。 提供タイトル ・副読本は提供していない。・参考書は、経年で古くなってしまうので、ジャンルに応じて考えたい。・絵本は、提供している。リッチコンテンツのものには音声が含まれているが、それ以外はフィックス型で、音声読み上げに対応したものは少ない。 利用場所 制限はない。 インターネット接続環境 ・有線は、インターネット閲覧用端末7台から電子図書館を閲覧できる。・無線は、館内全体にWi-Fiを提供している。 利用動向 ・利用頻度が高いのは、59( 家政学.生活科学)や4類( 自然科学)である。それ以外は所蔵数に応じた貸出状況である。・児童書は、読みものが多い。2類(歴史)が多く、歴史漫画の利用が多いと思われる。 貸出以外の活用 実績はない。 システム管理の方法 ・システム管理は電子図書館担当が行っている。・選書は、通常の選書担当が処理する。電子図書館担当がタイトルリストから購入済みのタイトルを除外し、選書担当に回している。・年に一回まとめて選書して発注する。新刊については電子図書館担当が毎月購入している。 職員のICTスキル ・職員のICTスキルが問題になることは、さほどない。・タイトルリスト中、購入済みと未購入のタイトルを照合するために、エクセルの関数を使うことがある。また、図書館と電子図書館とで別のIDとパスワードを発行しており、そのカードを作るときに名刺印刷ソフトを使う。これらにICTスキルが必要になり、属人化しやすい面がある。・視覚障害がある利用者からのスクリーンリーダーを用いた操作に関する質問に備えるには、ICTスキルを有する職員でも難しい。 求める機能 ・選書は、エクセルを使う形になっており、リストにあるタイトルのうち、既に当館が購入済みのものかの照合が煩雑である。・タイトルを発注しやすいようにしてほしい。いろいろな購入形式があるので、フィルタリングしてカートに入れるという機能があるとよい。 ●明石市立図書館 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 導入経緯と目的 ・非来館型サービスと、地域資料の発信を目的に導入した。2016年以降、音声読み上げ機能が付いたことから、視覚障害者の利用にも期待するようになった。 提供タイトル ・一般資料の選書に準じているが、副読本や参考書は、ほとんど提供していない。・参考書は、もともと数が少ない。専門的なものは、利用が見込めず、情報が古くなりやすいので、購入を控える傾向にある。・絵本は、動く絵本が好評を得ている。音声読み上げができるものは限られている。 利用場所 制限はない。 インターネット接続環境 ・有線は、インターネット閲覧用端末8台から閲覧可能である。・無線は、館内全体にWi-Fiを提供している。・館内Wi-Fi経由での閲覧用にタブレットを用意している。 利用動向 利用の8割以上が家政学関係である。その中でも料理が半数を占めている。・次は、3類(社会科学)が多く、中でも多いのは、経済学と社会学である。・次は、僅差で1類(哲学)と4類(自然科学)である。・紙の場合は、断トツで9類(文学)の利用が多く、続いて4類、2類となっている。電子図書館の場合は、9類の利用が少ない。これは、新作が少ないからだろう。 貸出以外の活用 ・イベントで作成したパスファインダーや、イベント用に撮影した動画を独自資料として公開している。 システム管理の方法 選書は、エクセルのリストから選書し、毎月メールで発注している。電子図書館のトップページに新しいタイトルが出るように、毎月新しいものを入れるようにしている。 職員のICTスキル ・手順どおりの操作は誰でもできる。・独自資料のアップロード等には、応用力が必要になり、パソコンの基本的な知識が必要になる。 求める機能 ・独自資料のアップロードが難しい。・電子図書館のシステム自体を洗練してほしい。 ●尾道市立図書館 電子図書館 OverDrive Japan 導入経緯と目的 視覚障害者専用サイトが立ち上がる予定であること、青空文庫等が無料で登録できること、海外出版社から教育利用の許諾を獲得済みで英語コンテンツの教育利用が可能であること、導入後のサポートが充実していること等を踏まえて指定管理から自治体に提案し、他社より経費の負担が少ないことがポイントとなって決定した。 提供タイトル ・参考書は、選書基準で提供していない。 利用場所 制限はない。 インターネット接続環境 ・有線は、インターネット専用端末から閲覧可能である。 利用動向 ・読み物が圧倒的に多い。 貸出以外の活用 実績はない。 システム管理の方法 ・選書は司書全員で行い、選書会で決定している。発注は、オンラインショップと同じように、カートに入れて購入する形である。 職員のICTスキル ・基本的にはICTスキルが高くなくても使える。 求める機能 ・導入時に事業者から説明されたことでも、引継ぎをする課程で分からなくなった部分があり、図書館側にノウハウの蓄積が必要な部分がある。 大学図書館 ●北海道大学 電子図書館 MeL Kinoden 導入経緯と目的 ・Meは、2013年以前に導入。・Kinodenは2019年から導入。 提供タイトル ・タイトル数は、MeLとKinoDenで合わせて6,000タイトル弱。 利用場所 ・キャンパス内のPCからは、利用可能。・キャンパス外からは、IDとパスワードを入力することで利用可能。 インターネット接続環境 ・Wi-Fiを提供している。 利用動向 ・コロナ特設サイトがあり、自宅学習支援として各図書館図書室で電子ブックのおすすめリストを作っている。ブクログの本棚にリンクするようになっている。 貸出以外の活用 システム管理の方法 ・大学全体での利用が可能な契約のものは、図書館で蔵書目録に登録する。・蔵書目録に登録することでOPACでの検索が可能になるが、それを保つには手間がかかる。 職員のICTスキル ・職員のICTスキルが問題になることはない。 求める機能 ●筑波技術大学 電子図書館 MeL LibrariE 導入経緯と目的 ・MeLは、2011年に導入。・LibrariEは2019年に導入。出入りの書店から、音声読み上げコンテンツがあると聞いて導入した。 提供タイトル ・教科書の電子書籍を探すことはしていない。・MeLのタイトル数は、142タイトル(視覚障害系図書館と聴覚障害系図書館とを合わせた購入数)。・LibrariEのタイトル数は、35タイトル(2019-2020購入数)。利用場所 ・MeLは、学内のPCから利用可能。学内で設定すれば、学外からも利用可能。・Librarieは、ID・PWの入力により学内外の制限なく利用可能。 インターネット接続環境 ・学内、寄宿舎ともに、有線ケーブル及び無線LANを提供している。オンライン授業用にWi-Fiルーターやノートパソコンの貸出も行っている。 利用動向 ・あまり使われていない。 貸出以外の活用 ・教員から学生に自分で選んだ電子ブックの1章以上を読み、書評をレポートにまとめる課題が出された。 システム管理の方法 ・選書は、MeLもLibrariEも、2019年から音声読み上げができるタイトルのリストを書店担当者より入手し、そこから選書している。 職員のICTスキル ・職員が音声読み上げ利用の操作に慣れていないので、操作方法を把握する必要がある。 求める機能 ・コンテンツの提供に当たり、拡大利用ができるPDF等のダウンロード利用と音声読み上げ利用の両方を提供してほしい。 ●立命館大学 電子図書館 MeL KinoDen 導入経緯と目的 ・MeLは、2012年に導入。・Kinodenは、2018年に導入。ともに、電子書籍の購入が主たる目的であり、障害者向けサービスとしての検討は行っていない。 提供タイトル ・デジタルコンテンツ委員会を立ち上げて、電子がある書籍は電子で購入する方針にしている。・教科書のうち電子版があるものは数パーセントにとどまる。・MeLのタイトル数は、16,000タイトル。・Kinodenのタイトル数は、45タイトル。 利用場所 ・学内からは、利用可能。・学外からは、VPN接続か学認で、学内のID認証で利用可能。 インターネット接続環境 ・Wi-Fiを提供している。 利用動向 ・傾向はない。・コロナ禍で図書館に来づらくなったときに、レポートのテーマのキーワードに関する資料へのアクセスが増えた。 貸出以外の活用 システム管理の方法 ・学内での管理は不要である。・選書は担当が定期的に行っている。 職員のICTスキル ・職員のICTスキルが問題になることはない。 求める機能 ・障害者用のインターフェース(テキスト表示等)があればよい。・PDFは透明テキストが埋め込まれたファイルであれば音声読み上げにも対応できる。(画像だけでは視覚障害者の方は読めない。) 学校図書館 ●矢板小学校 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 導入経緯と目的 ・矢板市は、子どもの読書に力を入れているが、結果が伸び悩んでいた。GIGAスクール構想が進み始めた折、電子図書館の話があった。一校ずつの導入には多額の予算が必要になるため、矢板市一括での導入を提案し、受け入れてもらった。GIGAスクール端末の導入を完了したのが2020年9月であり、電子図書館のIDとパスワードを同時に配付したので、スムーズに導入できた。・市内全校で、同じタイトルを利用できる。 提供タイトル ・最初は、電子図書館に慣れてもらうために、動く絵本や、音が出る本を中心に蔵書した。・副読本は、独自資料で入れている。・各学校間の交流になるように、図書だよりやビブリオバトルの記録を独自資料として入れている。 利用場所 ・校内では、GIGAスクール端末で利用可能。・校外からは、GIGAスクール端末でも、自宅の私物端末からも利用可能。・家庭への貸出用に、2020年度中にモバイルWi-Fiを220個導入した。 インターネット接続環境 ・無線は、2020年3月末までに、市内学校のWi-Fi環境の整備が終わった。 利用動向 ・利用が一番多い本は、音が出たり動いたりするものである。続いて多いのは、9類である。最初の予算で9類を多く入れたことも影響しているだろう。 貸出以外の活用 ・中学生より小学生の利用が多い。これは、小学生にはタブレットの説明と共に電子図書館の説明もするが、中学生は、説明がなくてもタブレットを使えるため、説明をしていないからだろう。・中高学年では、授業で活用している。低学年は、まだ自分で検索することが難しいので、調べ学習には使われていない。・低学年では、教員が授業で読み聞かせに使っている。 システム管理の方法 ・電子図書館の運営は、各学校の図書事務が行っている。・選書と事業者への注文は、各学校のリクエストを教育委員会が取りまとめて行っている。・電子図書館事業者との連絡は、基本的に教育委員会が担っている。トラブルの場合は、解決を最優先にすることから、各学校の図書事務から直接事業者に連絡し、教育委員会は事後報告を受ける。・電子図書館に関する問い合わせへの対応も、タブレットの故障等と共にGIGAスクール関連の業務委託に含めている。 職員のICTスキル ・教員と児童生徒のスキル不足には、課題がある。・電子図書館は、GIGAスクール端末だけでなく、自宅の端末でも利用できるのだが、それが保護者に理解されていない。一人一台のタブレットがあり、最初からIDとPWが設定されていたからこそ、ここまで広まったと思う。・各学校から図書だより等をアップロードしているが、独自資料の登録は難しい。図書事務間で交流して、ノウハウを共有している。得意な人とそうではない人がいる。・児童生徒へのガイダンスでは、タブレットの操作説明は担任教員が行い、電子図書館の説明は図書館担当が行った。 求める機能 ・検索ツールの利便性を上げてほしい。・ジャンル名に漢字が多く、児童には難しい。・学校図書館に図書事務員がいるように、電子図書館でのレファレンス機能の充実を求める。例えば、チャットのような機能で問答できれば、新しい生活様式への対応も十分可能である。・同時に複数の生徒がアクセスできるようにしてほしい。・学校向けパッケージを増やしてほしい。・予約システムにおいて、自分に順番がきたことのお知らせがあるとよい。現状は、一週間気づかずに放置すると次の人にまわってしまう。・図書室でパラパラとページをめくって本を借りる感覚で、簡便に開いたり閉じたりできるお試し読み機能があるとよい。・子どもたちに人気がある新しい本は、貸出回数が2年間52回のものに多いが、すぐに上限回数に達してしまう。学校では、期間と回数の両方の縛りがなくならないと使えない。・背景の色を変えられるとよい。・ルビがあればもっと読書量が増えるのにと思う。・漢字にルビを振る機能があるとよい。・独自資料の登録が難しい。・新任教員には、2か月間週一で、タブレットについて、電子図書館や他の機能、授業での使い方についての研修を行った。今後もそのような研修を継続しないと広まっていかないと感じている。・文字を読めなくても分かるようにピクトグラムがあるとよい。 別紙2-2)図書館における電子図書館の障害者対応について(障害者サービスとしての電子図書館) 公立図書館 ●高知県立図書館 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 視覚障害者等の利用 ・非来館サービスであるがゆえに実態が分からない。・障害者サービスの利用者のうち電子図書館の利用登録をしているのは、1割に満たない。対面朗読の利用者とは層が異なる模様。・テレビ報道や周りの方から紹介を受けて、登録はしたものの、常用している方はいないと推測している。 視覚障害者等の利用のための取組 ・利用登録のときには説明しているが、操作方法の説明等は手が回っていない。個別の支援技術の説明は、声と点字の図書館が行っているので、任せている。・機器に慣れないという方には、デイジー図書の再生機を貸出している。・アマゾンKindleやサピエ図書館と一緒に電子図書館も案内している。これらが並列になったとき、コンテンツ数の一番多いのがサピエ図書館であり、一番少ないのがが電子図書館である。・眼科医会と連携して、中途失明した方にサービスの紹介をしている。 電子図書館事業者に求めること ・本文の音声読み上げについて、出版社の理解を得て、スクリーンリーダーやOSの機能での音声読み上げを可能にしていただきたい。・本文の音声読み上げについて、全盲等もともとのスクリーンリーダーのユーザーにとっては、スクリーンリーダーで読める方が操作しやすいだろうが、中途失明やディスレクシアの方にとっては、ボタンを押すだけの音声読み上げの方が使いやすい。だから、両方の機能が必要だ。・音声読み上げを開始できるところが固定されており、途中から読むことができない。開始位置を文節単位で選択できるとよい。・本文検索と表示ができない。 視覚障害者等の図書館利用 ・声と点字の図書館と役割分担しており、点訳音訳は声と点字の図書館が行っている。・高知県立図書館では、紙の本を視覚障害者に貸し出しているが、どのような方法で読んでいるかは分からない。 部署間の連携 電子図書館担当も障害者サービス担当も、部署を横断して何人かに割り振られている。任命されている職員は、必ずしも同じではない。 ●明石市立図書館 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 視覚障害者等の利用 ・ユニバーサルサービスの登録者のうち電子図書館の利用登録をしているのは半数くらい。・登録後の反応はほとんどない。・音声読み上げ可能なコンテンツを利用しているかをカウントできない。 視覚障害者等の利用のための取組 ユニバーサルサービスの登録をされる際に、電子図書館も案内しており、その場で登録するという方には登録していただく。電子媒体が得意ではない方が多く、感触がよくない。イベントができた頃には、ICT関係の講習等もできて、電子図書館の案内もできたが、今は電子図書館の利用は伸びていない。 電子図書館事業者に求めること ・利用者の声が分からない。・それぞれのコンテンツにつき、障害のある利用者が使っているのか、健常な利用者が使っているのかが分かるとよい。・音声読み上げの速度調節がもう少し詳細にできるとよい。 視覚障害者等の図書館利用 ・ボランティアが点訳した本と、デイジー図書がある。・昨年度のデイジー図書の貸出実績は、ユニバーサルサービスの利用登録者1人当たり7.6冊(350冊/46人)である。・宅配サービスで貸し出すこともある。高齢者福祉施設等に入居している利用者にも、資料を宅配している。・コロナ禍で点訳・音訳ボランティア団体の活動も制限されているが、工夫して、昨年度と同じくらいおさめていただいている。 部署間の連携 電子図書館とユニバーサルサービスとで、それぞれ担当者が任命されている。頻繁に連絡を取って、業務を進めている。 ●尾道市立図書館 電子図書館 OverDrive Japan 視覚障害者等の利用 ・ハンディキャップサービスは、郵送サービスをメインに始め、電子図書館を導入したのはその後なので、電子図書館は使われていないと思われる。問い合わせもない。 視覚障害者等の利用のための取組 ・高齢者が多いので、小さい文字が読みづらい方への提供のために、電子図書館にはオーディオブックを多く入れている。 電子図書館事業者に求めること ・日本語タイトルには音声読み上げ機能がないので、利用しづらい。 視覚障害者等の図書館利用 ・CDは郵送貸出している。 部署間の連携 全員で電子図書館を担当している。連携はできている。 大学図書館 ●北海道大学 電子図書館 MeL Kinoden 視覚障害者等の利用 ・透明テキストがついているPDFをダウンロードして読み上げた例が一件あった。・ただし、ディスプレイ上での拡大で対応できるケースが多いため、テキストでの提供は多くない。 視覚障害者等の利用のための取組 ・障害学生から授業関連の図書としてリクエストを受け付けるが、電子図書館には音声読み上げに対応する本がほとんどない。 電子図書館事業者に求めること 視覚障害者等の図書館利用 ・学生からリクエストされたタイトルの電子ブック等が存在しなかった場合、出版社にテキストデータがないかを問いあわせる。テキストデータは、有料(本一冊分の代金)だったり、拒否されることもあるが、多くの場合で無償で提供いただける(読書バリアフリー法以降、状況が良くなってきた)。 部署間の連携 ・障害学生がアクセシビリティ支援室に来て、テキストデータやPDFが欲しいと要望をする。支援室で、障害のレベルを判断して、どこまで支援するかを判断する。・図書館にリクエストが回されてきた場合、そのタイトルを検索し、アクセシブルなものがあれば、有償でも無償でも、それを最初に案内する。音声読み上げ可能なKindleは、テキストデータを作成しない。 ●筑波技術大学 電子図書館 MeL LibrariE 視覚障害者等の利用 ・マウスを使える弱視の学生は、音声読み上げができる本がたくさん入ってくれば、使うようになるかもしれない。・教科書が入ってこないとさほど使われないかもしれない。 視覚障害者等の利用のための取組 ・LibrariEの画面に、「読み上げが必要な方のために」というボタンを置き、音声読み上げで利用できる画面を提供していただいた。・昨年、オンライン授業をする教員から、学生に対して、自宅から電子書籍を利用する方法を案内してほしいと依頼され、スクリーンリーダーを用いた利用方法を説明した。・電子図書館のパソコン操作に慣れないと、音声読み上げで読書するのは難しいだろう。 電子図書館事業者に求めること ・読み上げを希望する電子書籍にたどり着くまでの画面が、スクリーンリーダーに対応していないので、マウスに頼る操作だけではなく、音声で読み上げが可能な画面構成にしてほしい。 視覚障害者等の図書館利用 ・出版社にデータの提供について問い合わせる。・サピエ図書館や国立国会図書館等の視覚障害者等用データの所蔵を確認する。 部署間の連携 ・学生から図書館に所蔵の問い合わせがあり、入手ができない場合は、支援センターに製作の申請をしてもらう。 ●立命館大学 電子図書館 MeL KinoDen 視覚障害者等の利用 ・ほとんど使われていないだろう。 視覚障害者等の利用のための取組 ・図書館で紙の本のテキストデータ化の依頼を受けた本が、MeLに入っているということがあった。そのPDFがスクリーンリーダーで音声読み上げできなかったため、MeLから出版社に連絡していただき、全文のテキストを提供していただいた。 電子図書館事業者に求めること ・MeLについて、ボタンが画像なので、スクリーンリーダーで判断できない。・タブキーを押していったときに、動かなくなる部分があったので、改善を要望した。・Kinodenについて、画像PDFなので、スクリーンリーダーで読み上げられない。・昨年、音声読み上げ機能が実装されたことの連絡がなかった。 視覚障害者等の図書館利用 ・障害学生もかなり紙の本を利用しており、OCRをかけたものを提供する場合と、校正したものを提供する場合がある。 部署間の連携 ・教科書は障害学生支援室で、それ以外は図書館でと分けて支援している。・一般の電子書籍まではチェックしていない。 学校図書館 ●矢板小学校 電子図書館 LibrariE & TRC-DL 視覚障害者等の利用 ・国語の授業で電子図書館の昔話を読んだり、言葉の学習として聞いたり、ブックトークのように聞いたりしている。 視覚障害者等の利用のための取組 ・特別支援学級の児童には検索が難しいので、その児童が好きそうな本を教員が検索しておき、検索履歴から児童が選べるようにしている。 電子図書館事業者に求めること ・絵のボタン(ピクトグラム)があるとよい。 視覚障害者等の図書館利用 ・図書室に行って電子図書館の本と同じ本を見せて、電子図書と紙の本をつなげることをしている。どっちの本も好きになってもらいたい。 部署間の連携 ・教員は研修の時間を取れるが、加配教員はすぐに帰るので、研修の時間を取りづらい。 別紙3-1)電子図書館事業者へのヒアリング結果(全般・コンテンツ) ●Kinoden 開発業者 システム:(株)インフォシティ ウェブサイト:(株)インフォシティ ビューア:(株)インフォシティ 音声エンジン:事業者は(株)インフォシティ。音声エンジンは利用ブラウザに準ずる。 提供先 公立図書館 大学図書館 企業図書館 研究施設等 LMSとの連携 行っている 利用制限 敷地外(公立図書館においては敷地外、学校においては校外、大学においてはキャンパス外)でも利用可能 利用動向 コンテンツのジャンル:図書館の種別によって利用動向は異なるが、学術書を中心に、実用書や語学書等の一般書もよく利用されている。時間帯:昼12時頃、夜22時頃に利用が多い傾向にあるが、24時間利用できるため、深夜や早朝にも一定数の利用がある。利用者の属性:統計データ上になく、不明。その他:公共図書館では、別途提供している無料アプリケーションもよく利用されている。 図書館員にもとめるICTスキル なし 閲覧ビューア ブラウザ スマホ・タブレットのネイティブアプリ コンテンツの価格設定 買い切り型 サブスクリプション コンテンツのデータ形式 EPUBリフロー EPUBフィックス PDF(画像+テキスト) PDF(画像のみ) コンテンツの配信方法 ストリーミング ダウンロード ※PDFダウンロードページ数には制限あり 教育関連コンテンツ 大学の講義指定教科書 大学の講義指定参考資料 学習参考書 辞典、事典 イベント等での複数名での閲覧可否 著作権に関わる為、ケースバイケース ●LibrariE & TRC-DL 開発業者 システム:DNP・日本ユニシス ウェブサイト:DNP・日本ユニシス ビューア:DNP・日本ユニシス・ボイジャー 音声エンジン:エーアイ /AI Talk 提供先 公立図書館 大学図書館 学校図書館 法人のお客様 LMSとの連携 検討中 利用制限 敷地外(公立図書館においては敷地外、学校においては校外、大学においてはキャンパス外)でも利用可能。顧客意向で制限がある場合もある。 利用動向 コンテンツのジャンル:文学に加えて児童書、絵本の貸出が多い。コロナ禍以降巣ごもりのライフスタイルを反映して、断捨離、レシピ本等家事関連の本が貸出ランキングの上位に入っている。時間帯:図書館休館日や夜間のほか平日の朝8時台の朝読時間帯の利用も多い。利用者の属性:図書館利用者層とほぼ同じ。加えて20代〜40代の子育て世代の女性が多い。コンテンツの形式:リフロー、フィックスだけではなく、リッチ、動画、音声等様々なコンテンツタイプに対応。 図書館員にもとめるICTスキル なし 閲覧ビューア ブラウザ コンテンツの価格設定 買い切り型 有期限型 有期限+回数制限付き(2年間52回等) サブスクリプション その他(セット商品、パッケージ商品、年度契約、マルチライセンス) コンテンツのデータ形式 HTML EPUBリフロー EPUBフィックス PDF(画像+テキスト) PDF(画像のみ) 動画コンテンツ 音声コンテンツ リファラー認証による外部ウェブコンテンツ リッチコンテンツ コンテンツの配信方法 ストリーミング 教育関連コンテンツ 学習参考書 イベント等での複数名での閲覧可否 著作権法の範囲であれば原則問題ないが事業者としての方針をご案内するケースはある。 ●Maruzen eBook Library 開発業者 システム:丸善雄松堂 ウェブサイト:丸善雄松堂 ビューア:丸善雄松堂 音声エンジン:エーアイ /AI Talk 提供先 大学図書館 企業図書館 病院・研究施設等 海外の大学図書館 LMSとの連携 行っている 利用制限 敷地外(公立図書館においては敷地外、学校においては校外、大学においてはキャンパス外)でも利用可能 利用動向 コンテンツのジャンル:学術系のジャンル及び学生向けジャンル コンテンツの形式:EPUBによる読上げ可能タイトル、動画コンテンツ 図書館員にもとめるICTスキル なし  閲覧ビューア ブラウザ コンテンツの価格設定 買い切り型 サブスクリプション コンテンツのデータ形式 EPUBリフロー EPUBフィックス PDF(画像+テキスト) PDF(画像のみ) 動画コンテンツ 音声コンテンツ オーディオブック コンテンツの配信方法 ストリーミング ダウンロード ※PDFダウンロードページ数には制限あり 教育関連コンテンツ 大学の講義指定教科書 学習参考書 辞典、事典 雑誌 イベント等での複数名での閲覧可否 契約内容によって、タイトルごとに異なる ●OverDrive Japan 開発業者 システム:OverDrive ウェブサイト:OverDrive ビューア:OverDrive、株式会社ACCESS 音声エンジン:スクリーンリーダーで設定した音声エンジン 提供先 公立図書館 大学図書館 学校図書館 LMSとの連携 行っている 利用制限 敷地外(公立図書館においては敷地外、学校においては校外、大学においてはキャンパス外)でも利用可能 利用動向 コンテンツのジャンル:ライトユーザーは雑誌、実用書、児童書等を使っている、ヘビーユーザは、小説をシリーズで読まれたり多種のコンテンツを利用されている。 時間帯:金曜日〜日曜日の利用が多い傾向あり。 利用者の属性:30代〜50代の利用者層が多く、直近は10代の利用が伸びている。 図書館員にもとめるICTスキル ブラウザについての用語知識_キャッシュ等。 閲覧ビューア ブラウザ スマホ・タブレットのネイティブアプリ コンテンツの価格設定 買い切り型 有期限型 有期限+回数制限付き(2年間52回等) サブスクリプション コンテンツのデータ形式 HTML EPUBリフロー EPUBフィックス 動画コンテンツ 音声コンテンツ コンテンツの配信方法 ストリーミング ダウンロード 教育関連コンテンツ イベント等での複数名での閲覧可否 契約内容によって、タイトルごとに異なる 別紙3-2)電子図書館事業者へのヒアリング結果(アクセシビリティ機能1) Kinoden ●アクセシビリティ機能 テキストサイトの提供 音声読み上げ ○ 文字拡大 ○ 色反転・文字背景の色変更 ○(アプリ版のみ) フォントの変更 ○(アプリ版のみ) 文字間・行間の調整 ○(アプリ版のみ) 縦横切り替え ルビ付与 わかち書き ハイライト ○ 点字ディスプレイ表示 ○ ※対応コンテンツは限定的。また、利用者側でどのタイトルが対応しているかの確認はできない。 その他 ●音声読み上げに実装されている機能 詳細読み ○ 目次から各章や節にとぶ ○ 一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする ○ 声質の変更 ○ 読みの速さの変更 ○ ●スクリーンリーダーでの操作 メモをつける △ しおりをはさむ △ 本文検索 △ LibrariE & TRC-DL ●アクセシビリティ機能 テキストサイトの提供 ○ 音声読み上げ ○ 文字拡大 ○ 色反転・文字背景の色変更 ○ フォントの変更 △ 文字間・行間の調整 縦横切り替え △ ルビ付与 わかち書き ハイライト ○ 点字ディスプレイ表示 その他 点字データの提供ほか(データダウンロード機能の応用)。 ●音声読み上げに実装されている機能 詳細読み 目次から各章や節にとぶ ○ 一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする ○ 声質の変更 ○ 読みの速さの変更 ○ ●スクリーンリーダーでの操作 メモをつける △ しおりをはさむ ○ 本文検索 △ Maruzen eBook Library ●アクセシビリティ機能 テキストサイトの提供 音声読み上げ ○ 文字拡大 ○ 色反転・文字背景の色変更 ○ フォントの変更 文字間・行間の調整 縦横切り替え ルビ付与 わかち書き ハイライト ○ 点字ディスプレイ表示 その他 ●音声読み上げに実装されている機能 詳細読み 目次から各章や節にとぶ ○ 一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする 声質の変更 ○ 読みの速さの変更 ○ ●スクリーンリーダーでの操作 メモをつける △ しおりをはさむ △ 本文検索 △ OverDrive Japan ●アクセシビリティ機能 テキストサイトの提供 音声読み上げ ○ 文字拡大 ○ 色反転・文字背景の色変更 ○ フォントの変更 ○ 文字間・行間の調整 ○ 縦横切り替え ルビ付与 わかち書き ハイライト ○ 点字ディスプレイ表示 ○ その他 ●音声読み上げに実装されている機能 詳細読み ○ 目次から各章や節にとぶ ○ 一定の幅を単位に読み飛ばしたり戻ったりする ○ 声質の変更 ○ 読みの速さの変更 ○ ●スクリーンリーダーでの操作 メモをつける △ しおりをはさむ △ 本文検索 △ 別紙3-3)電子図書館事業者へのヒアリング結果(アクセシビリティ機能2) ●Kinoden ウェブアクセシビリティへの対応 検討中 アクセシビリティ機能の利用者 電子図書館の利用登録をしている人の全て 全タイトル数 約50,000点 音声読み上げ機能に対応しているタイトル数 約5,000点(EPUBリフロー形式で、且つ出版社が読み上げを許諾したタイトル数) アクセシビリティ機能での絞り込み検索 対応を検討中 音声読み上げ機能に対応することに対して、著作権者・出版社から許諾 出版者から許諾をとっている 著作権法37条に基づいて制作したコンテンツの登録・配信機能 別目的の機能ではあるが転用は可能 ※PDFやEPUBの独自ファイルをアップロードする機能はあるが、実際に配信可能かは要相談。 視覚障害者等の利用 導入館が電子図書館を障害がある利用者へ案内準備している段階 視覚障害者等の利用促進のために行っていること 幅広いコンテンツの収集、ユーザーインターフェースの改善等。 視覚障害者等の利用促進のために図書館に求めること 図書館からの管理機能のアクセシビリティに関する改善要望の有無 これまでに要望があり対応を検討している ●LibrariE & TRC-DL ウェブアクセシビリティへの対応 JIS X 8341-3:2016のAAに準拠している アクセシビリティ機能の利用者 電子図書館の利用登録をしている人の全て 全タイトル数 約10万2千タイトル(和書) 約170万タイトル(洋書) 音声読み上げ機能に対応しているタイトル数 約2万3千タイトル アクセシビリティ機能での絞り込み検索 アクセシビリティ機能としてまとめて可能 音声読み上げ機能に対応することに対して、著作権者・出版社から許諾 電子取次が出版者から許諾をとっている(商慣習として確認を行うが原則著作権法で問題ない範囲と認識している。) 著作権法37条に基づいて制作したコンテンツの登録・配信機能 別目的の機能ではあるが転用は可能 視覚障害者等の利用 電子図書館導入館及び障害者サービス団体から、利用しているときいている 視覚障害者等の利用促進のために行っていること 非来館型サービスとしての普及啓発。 視覚障害者等の利用促進のために図書館に求めること 図書館HPの電子図書館の入り口であるバナーの認識しやすさ。 図書館からの管理機能のアクセシビリティに関する改善要望の有無 これまでに要望があり対応を検討している ●Maruzen eBook Library ウェブアクセシビリティへの対応 検討中 アクセシビリティ機能の利用者 電子図書館の利用登録をしている人の全て 全タイトル数 約12万タイトル 音声読み上げ機能に対応しているタイトル数 約4,000 アクセシビリティ機能での絞り込み検索 アクセシビリティ機能としてまとめて可能 音声読み上げ機能に対応することに対して、著作権者・出版社から許諾 出版者から許諾をとっている 著作権法37条に基づいて制作したコンテンツの登録・配信機能 ない 視覚障害者等の利用 電子図書館導入館から、利用しているときいている 視覚障害者等の利用促進のために行っていること 視覚障害者等の利用促進のために図書館に求めること 操作方法の補助など人的資源 図書館からの管理機能のアクセシビリティに関する改善要望の有無 これまでに要望があり対応を検討している ●OverDrive Japan ウェブアクセシビリティへの対応 WCAGに適合するように設計している アクセシビリティ機能の利用者 電子図書館の利用登録をしている人の全て 全タイトル数 約370万コンテンツ 音声読み上げ機能に対応しているタイトル数 ※洋書のため明確数提示が難しい アクセシビリティ機能での絞り込み検索 不可 音声読み上げ機能に対応することに対して、著作権者・出版社から許諾 出版者から許諾をとっている 著作権法37条に基づいて制作したコンテンツの登録・配信機能 ない 視覚障害者等の利用 電子図書館導入館から、利用しているときいている 視覚障害者等の利用促進のために行っていること 図書館へのサポートを介しての利用者サポート。 視覚障害者等の利用促進のために図書館に求めること 図書館からの管理機能のアクセシビリティに関する改善要望の有無 これまでに要望があり対応を検討している 別紙4)電子書籍サービスの本文の音声読み上げのパターン ●パターン1 方法 電子書籍コンテンツ(PDF、DRMフリーのEPUBリフロー、支援技術の利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)を端末にダウンロードし、デバイスのOSのスクリーンリーダーや、サードパーティのスクリーンリーダーで読み上げる 閲覧ビューア PDFビューア 音声出力 スクリーンリーダー ベンダーのメリット ・ソーシャル DRMをコンテンツに付与することで不正利用を抑止できる。 ベンダーのデメリット ・コンテンツはベンダーの管理下になく、改ざん、漏洩等の不正利用の防止が困難。・コンテンツの制作に大きな追加コストを要するわけではないが、不正利用による流通を防止しようとすると、技術と投資を要する。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・アクセシビリティの担保可能性が最も高い。・使い慣れた閲覧ビューアと支援技術で読むことができる。・点字ディスプレイでの出力等が可能。・スクリーンリーダーの詳細読み機能によって誤読や同音異義語の確認が可能。・文字情報を取得できるため自分が執筆するときの引用が可能。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・コンテンツ製作の段階で、出版社が適切に構造化などをしていない場合、ユーザーが意図した通りに読み進むことが困難。 ●パターン2 方法 ウェブアプリで電子書籍コンテンツ(DRMフリー又は支援技術の利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)をオンラインで開き、デバイスのOSのスクリーンリーダーや、サードパーティのスクリーンリーダーで読み上げる 閲覧ビューア ブラウザ 音声出力 スクリーンリーダー ベンダーのメリット ・ブラウザでコンテンツを開くので、コンテンツはベンダーの管理下にある。・コンテンツの制作、不正利用による流通の防止に追加コストを要しない。 ベンダーのデメリット ・コンテンツの制作に大きな追加コストを要するわけではないが、不正利用による流通を防止しようとすると、技術と投資を要する。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・アクセシビリティの担保可能性が高い。・使い慣れた閲覧ビューアと支援技術で読むことができる。・点字ディスプレイでの出力等が可能。・スクリーンリーダーの詳細読み機能によって誤読や同音異義語の確認が可能。・文字情報を取得できるため自分が執筆するときの引用が可能。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・使用したいスクリーンリーダーとウェブアプリの組み合わせに注意を要する。 ●パターン3 方法 PCのネイティブアプリで電子書籍コンテンツ(DRMフリー又はサードパーティのスクリーンリーダーの利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)を開き、サードパーティのスクリーンリーダーで読み上げる。 閲覧ビューア 独自アプリ 音声出力 スクリーンリーダー ベンダーのメリット ・電子書籍ストアが提供するアプリでコンテンツを開くので、コンテンツはベンダーの管理下にある。・コンテンツの制作、不正利用による流通の防止に追加コストを要しない。 ベンダーのデメリット ・ネイティブアプリがデバイスのOSが提供するスクリーンリーダーをサポートする必要がある。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・ユーザーが使い慣れたスクリーンリーダーで利用することができる。・スクリーンリーダーの詳細読み機能によって誤読や同音異義語の確認が可能。・文字情報を取得できるため自分が執筆するときの引用が可能。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・使用したいスクリーンリーダーとネイティブアプリの組み合わせに注意を要する。 ●パターン4 方法 ウェブアプリで電子書籍コンテンツ(DRMフリーまたは支援技術の利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)をオンラインで開き、ウェブアプリがWeb Speech APIを使用して、OSで使用可能な音声合成エンジンへ直接出力することで読み上げる。 閲覧ビューア ブラウザ 音声出力 Speech API直接出力 ベンダーのメリット ・ブラウザでコンテンツを開くので、コンテンツはベンダーの管理下にある。・コンテンツの制作、不正利用による流通の防止に追加コストを要しない。 ベンダーのデメリット ・ウェブアプリが音声合成エンジンへの出力をサポートする必要がある。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・電子書籍コンテンツの音声読み上げ以外は、ユーザーが使い慣れたスクリーンリーダーで利用することができる。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・ウェブアプリが詳細読みやナビゲーションなど、再生コントロールの機能を十分に持っていない場合、必要な読み上げの操作ができない。・多くの場合でユーザーが使用しているサードパーティ製のスクリーンリーダーと音声エンジンが変わるため、イントネーションや誤読に対する慣れがない環境で読むことになり、内容の理解しにくさ、読みにくさの感覚を生じる。 ●パターン5 方法 PCのネイティブアプリで電子書籍コンテンツ(DRMフリー又は支援技術の利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)を開き、電子書籍アプリが、OSで使用可能な音声合成エンジンへ直接出力して読み上げる。 閲覧ビューア 独自アプリ 音声出力 Speech API直接出力 ベンダーのメリット ・電子書籍ストアが提供するアプリでコンテンツを開くので、コンテンツはベンダーの管理下にある。・コンテンツの制作、不正利用による流通の防止に追加コストを要しない。 ベンダーのデメリット ・ネイティブアプリが音声合成エンジンへの出力をサポートする必要がある。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・電子書籍コンテンツの音声読み上げ以外は、ユーザーが使い慣れたスクリーンリーダーで利用することができる。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・電子書籍アプリが詳細読みやナビゲーションなど、再生コントロールの機能を十分に持っていない場合、必要な読み上げの操作ができない。・多くの場合でユーザーが使用しているサードパーティ製のスクリーンリーダーと音声エンジンが変わるため、イントネーションや誤読に対する慣れがない環境で読むことになり、内容の理解しにくさ、読みにくさの感覚を生じる。 ●パターン6 方法 モバイル端末のネイティブアプリで電子書籍コンテンツ(DRMフリー又は支援技術の利用を阻害しないDRMつきEPUBリフロー)を開き、デバイスのOSのスクリーンリーダーで読み上げる。 閲覧ビューア 独自アプリ 音声出力 スクリーンリーダー ベンダーのメリット ・アプリストアが提供するアプリでコンテンツを開くので、コンテンツはベンダーの管理下にある。・アプリがOS標準のビューコントロールを実装することで、アプリ側で特別な対応をすることなく、スクリーンリーダーでの読み上げが可能となる。 ベンダーのデメリット ・スクリーンリーダーによる読み上げを可能にするには、ネイティブアプリがOS標準のビューコントロールを実装する必要がある。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・使い慣れたスクリーンリーダーで、自分の意図に沿って再生、停止、詳細読みを行えるため、アクセシビリティは高い。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・電子書籍アプリが、スクリーンリーダーの詳細読みに対応していない場合、また、ナビゲーション機能などの再生コントロールの機能を持っていない場合、必要な読み上げの操作ができない。 ●パターン7 方法 ウェブアプリで電子書籍コンテンツを開き、サーバ上の音声合成エンジンで合成した音声を、ストリーミングで読み上げる。 閲覧ビューア ブラウザ 音声出力 サーバで音声合成 ベンダーのメリット ・電子書籍コンテンツのセキュリティの担保可能性が最も高い。・テキスト情報を使った処理がサーバサイドで完結するため、テキストの抽出は音声認識以外の方法では不可能。 ベンダーのデメリット ・サーバ上に音声合成とストリーミングを追加するといったシステムの制作コストが高い。・音声読み上げの誤読や多言語に対応しようとすると、読み上げの辞書登録や音声エンジンの追加が必要になる。 スクリーンリーダーユーザのメリット ・コンテンツ本文の音声読み上げ以外は、ユーザーが使い慣れたスクリーンリーダーで利用することができる。・文学作品などのように、最初から最後に向かって直線状に読み進むジャンルの読書に適する。 スクリーンリーダーユーザのデメリット ・ウェブアプリが詳細読みやナビゲーションなど、再生コントロールの機能を十分に持っていない場合、必要な読み上げの操作ができない。・多くの場合でユーザーが使用しているサードパーティ製のスクリーンリーダーと音声エンジンが変わるため、イントネーションや誤読に対する慣れがない環境で読むことになり、内容の理解しにくさ、読みにくさの感覚を生じる。・コントロールに対する応答が悪く、音途切れ等を生じる。・通信量が多い。・詳細読み機能による同音異義語の判別ができない。・音声読み上げが誤読した場合の確認ができない。 別紙5)電子図書館に対する障害者団体からの意見  電子図書館事業者の協力により、当検討会に参加している障害者団体向けにトライアル環境(令和3年12月1日〜12月24日、各団体5アカウント)を提供いただいた。トライアル後に提出された障害者団体からの意見を以下にまとめる(事務局において、趣旨が明確になるように文言を調整し、テーマごとに順序を入れ替える等を行った)。なお、トライアル実施者の利用環境はまちまちであり、そのために操作に困難が生じている可能性があることに留意が必要である。 1.対象電子図書館 * Kinoden(株式会社紀伊國屋書店) * LibrariE & TRC-DL(株式会社図書館流通センター) * Maruzen eBook Library(丸善雄松堂株式会社) * OverDrive Japan(株式会社メディアドゥ) 2.意見 2−1.日本視覚障害者団体連合 利用環境:全員スクリーンリーダーを使用 2−1−1.Kinoden @全般 * PCによる利用が比較的分かりやすかった。 * トップページは、人気の検索キーワードや図書のタイトル名が並んでおり、ログインやMy本棚を開く部分が分かりにくい。 * 見出しが適切に付与されていないためページ内の構造を正確に理解しスムーズに移動することができない。特に「音声読み上げ対応コンテンツ」の中で閲覧数の多い書籍や「新着書籍」には見出し要素でマークアップして直接そこへ移動できるようにしてほしい。 * 「ボタン」としか読み上げないところがあり、何のボタンか分からない。 * iPhoneでは、PCとは異なって、フォーカスが合わずログインできなかったり、書籍の詳細を開けなかったり、書籍閲覧画面の「メニュー」ボタンにフォーカスを合わせられなかった。 A検索 * 「蔵書検索」のエディットボックスにキーワードを入れて大まかな検索を行ったとき、検索結果の画面に見出しがつけられていない。ヘッダーの絞り込みをするためのブロックが終わり、検索結果の件数などを表示する箇所の上辺りに、「検索結果」という一文を加え、ここを見出し1に設定してはどうだろうか。 * 検索結果のリストは、本のタイトルに見出しタグをつけたほうが移動しやすい。 B閲覧 * 図書閲覧画面では、「メニュー」ボタンを選択して開き、「音声読み上げ」や「文字サイズ変更」のボタンを選択する方式になっているが、視覚障害者目線ではよく使う項目なので、「メニュー」を開かずにアクセスできると直感的に利用できるのではないか。 * 音声読み上げ対応のコンテンツは、リーダーアプリで一通りの読み上げ操作が可能だった。 * 数式の読み上げはまだ課題があるものの、そのほかの文章については理解できた。 * 合成音声での読み上げは、聴きやすい。人によって別の音質がいいという人もいるかもしれないので、選択できるとよい。 * 目次からのジャンプ、スライダーバー(ページの全体量、現在のページの位置を示す棒線)での移動はできた。 * 読み上げ開始位置が、前の続きからになっていると便利だ。 * 一部を引用したいと思ってもできないので、文字での表示をしてほしい。 * 書籍の一覧画面の「書籍の検索」と、図書閲覧画面上部にある「本文の検索」に素早くアクセスできた。しかし、図書閲覧画面で本文を読み上げることができなかった(本文のエリアにフォーカスが当たらない)ので、検索した箇所を読むことができなかった。 2−1−2.LibrariE & TRC-DL @全般 * アクセスに問題はなかった。 * 音声読み上げ専用ページがあり、検索、ログイン、借りるなどの操作が一通り音声読み上げで行えた。 * テキスト版サイトは大変使いやすい。具体的には、1)リンクの配置が整理されており、今の画面で何ができるか推測しやすい。2)本文を読み上げるまでに必要な操作数が少ない。3)ログインに失敗した際のメッセージが読み上げられる。一方、通常版はリンクの項目が多く、「借りる」や「試し読み」ボタンを選択するまで煩雑な操作が必要であった。 * PCによる利用の場合はページ左上の「テキスト版サイトへ」を選択できたが、iPhoneでは、「テキスト版サイトへ」リンクにたどり着けなかった42。 * ページ内の見出しに適切な見出し要素(h1,h2など)がマークアップされていてページ内をスムーズに移動することができた。 * 説明ページは、PC-TalkerとInternetエクスプローラーを例にしているが、現在では、Microsoft Edgeか、Chromeなどのほうが適切と思われる。 Aログインフォーム * IDとパスワードを入力するフォームと直前のラベルが関連付けられているのでタブキーでフォーカスを移動したときに入力すべき項目名を適切に読み上げた。どこに何を入力すればよいか明確でよかった。 * パスワードを表示する機能があると、入力したパスワードを確認してからログインボタンを押せるのでより安心だ。 * パスワードを忘れた場合の対応方法について説明したページへのリンクがあるとより安心だ。 B閲覧 * リフロー・音声読み上げ対応コンテンツはプレーヤー画面が立ち上がり、各操作が可能だった。 * リフローのみの表記のコンテンツは、読み上げさせることができなかった。 * リフロー・音声読み上げタイプの借りた図書を読むプレーヤー画面は、各コマンドにショートカットが割り当てられており、操作した際の効果音もあるので使いやすかった。 * 一部を引用したいと思ってもできないので、文字での表示をしてほしい。 * 音声読み上げは、音質の変更、読み上げ速度の調整、しおりを付けることができ、便利だ。 2−1−3.Maruzen eBook Library @全般 * アクセスに問題はなかった。 * メニューがシンプルに設定されていて操作しやすい。 * iPhoneでは、図書の検索から閲覧画面の表示まで問題なく操作することができた。 * PCによる利用では、書籍の一覧から本を選択し一覧画面に表示させるまでの手順が煩雑であった。 A機関認証 * 認証フォームについて、IDやパスワードを入力するフォームと直前のラベルが関連付けられていないため、タブキーでフォーカスを移動したときに入力すべき項目名を読み上げない。ユーザーはどこに何を入力すればいいのか十分に理解できないために誤入力してしまう可能性がある。 B検索 * 「検索結果」という見出しがないため、どこからが検索結果なのか理解しにくい。検索フォームと検索結果の間に「検索結果」という見出しを設けて適切な見出し要素でマークアップすることを提案する。 * 検索結果として表示されるタイトルの直前にリンクがあり数字を読み上げる。リンク先がどのページなのか予測できずクリックするのが不安だ。クリックしてみると書籍詳細ページだったので、書籍タイトルと同じリンクにまとめるとよい。 C書籍詳細ページ * 書籍タイトルの直前に、アルファベットと記号の羅列が読み上げられるが、何を意味しているのかわからない。非常に長く意味が分からないので読み上げないようにしてほしい。 D閲覧 * 読み上げを意味する「読上」ボタンが「どくじょう」と読み上げられてしまうため、初心者に混乱をきたす恐れがある。 * リフロー型の音声読み上げ対応コンテンツは、ボタンに移動するショートカット「Bキー」で読み上げ開始・停止の箇所に移動できるようにし、そのボタンにカーソルがあるときは、スペースキーで再生・停止できるようにしてはどうか。 * 1文節あるいは数秒単位で前に戻る、次に進むボタンを設置してほしい。戻る・進む単位の選択、読み上げ速度の変更、しおりを付ける機能とその一覧機能などがほしい。 * リーダー設定では、ページめくりの時間や見た目のカスタマイズはできるようだが、読み上げ関連のカスタマイズはできないようだった。少なくとも音声読み上げではそれらの機能は見つけられなかった。 * データのダウンロードは問題なくできた。 * iPhoneでは、図書閲覧画面はPCよりも快適に閲覧できた。 2−1−4.OverDrive Japan @全般 * アクセスできた。 Aサインイン * iPhoneでは、ログイン画面がポップアップ表示され、フォーカスが上手く当たらないことがあった。ログインに失敗した際のメッセージが読み上げられない上に、ログインIDの入力欄が見つからず再ログインできなくなることがあった。 * 「ライブラリを選択する」というラベルに対してテキスト入力欄が設置されていてまず混乱した。さらに入力を始めると選択肢が出てきて再度混乱した。選択式(ラジオボタンやセレクトボックス)、ライブラリ名を直接入力させるのかどちらかに寄せたほうが理解しやすい。 * ライブラリ選択後のカード番号及びパスワード入力についてはフォームとラベルの関連付けがされていたのでどこに何を入力するか明確でよかった。 Bトップページ(サインイン後) * 見出しが適切にマークアップされているのでページ内をスムーズに移動したり、新刊やクリスマス特集などの書籍一覧を確実に理解したりできて非常によい。 * 各タイトルに共通して配置されている「情報」「借りる」「ウィッシュリストに入れる」のボタンについて、書籍タイトルと紐づけられていて「銀河鉄道の夜を借りる」のように読み上げるので、借りたい本を確実に借りたり、ウィッシュリストに確実に入れることができて非常に良い。 * PCによる利用では、新着図書の一覧にすぐ辿りつくことができたので、文字入力による検索が苦手でも利用しやすいだろう。 * 図書名を2度繰り返して読み上げる。 * 書籍を借りるボタンを押した後、ダイアログが表示されるが、スクリーンリーダーとキーボードで確実に操作ができ借りることができた。完了後の画面でも貸出期限やあと何冊借りることができるかなどの情報を読むことができ非常に良い。 C閲覧 * 図書閲覧画面では、画面読み上げソフトを用いる場合、画面上部のメニューバーや画面下部のページ送りバーの表示からフォーカスが移動せず、本文を読んだりページを送ったりすることができなかった。 * 弱視者が画面表示を拡大して利用する場合でも、メニューバーとページ送りバーが消えるまでの秒数が早すぎて、使いづらい(バーの内容を把握する前に消えてしまう)ことが懸念されるのではないかと思う。 * 書籍コンテンツは画像で読めなかったが、「閲覧をやめる」ボタンは読み上げ・操作ともに問題なかった。 * 「フルスクリーン」や「目次」「しおり」などのインタフェースについて、ラベルとボタンが分かれてしまっていて関連付けができていないため誤って操作をしてしまった。ラベルとボタンを関連付けるとよいと思う。 * フルスクリーンボタンを押したところ「フルスクリーンを解除するにはエスケープを押します」という趣旨の読み上げがされた。親切でとても良い。 * オーディオブックは、再生速度の調整、経過時間や残り時間の確認、早送りや巻き戻しに当たる操作ができる、「章の始め」などのジャンプ機能があることなど、扱いやすい。 * オーディオブック以外は読むことができなかった。 2−1−5.その他  総論になるが、晴眼者向けの電子図書館のサイトそのままのレイアウトでPC-Talkerのような画面読み上げソフトに対応させることは現実的でないように思う。どうしても、読み上げソフト利用者にとって理解しにくい順序で読み上げられたり、表示・非表示が切り替わる部分の非表示部分が表示されたりするためである。  例えば、図書閲覧画面では「目次」の欄はボタンを選択してドロワー(画面の端からせり出すようにして現れる画面部品)を表示させ、一覧表示された目次項目を選択する手順で移動する。  今回の試用において、画面読み上げソフトを利用している場合、目次の欄を表示させていないのにも関わらず、目次の一覧を読み上げてしまう場面が多くあった。閲覧画面の文字サイズ変更などを行える「メニュー」覧についても同様であった。  以上のことから、「メニュー」ドロワーの表示・非表示を切り替えるオプション設定の設置や、キーボードショートカットによる基本的な再生制御機能を実装する事で、使いやすさが向上するのではないかと思われる。  なお、操作メニューを表示すると本文の表示領域が少なくなるという問題が生じるが、画面読み上げソフトを利用する利用者の場合はあまり問題にならないと思われる。 2−2.日本弱視者ネットワーク 利用環境:スクリーンリーダーを使用、PCやiPhoneの拡大機能を利用 2−2−1.Kinoden @全般 * 詳細画面で、画面を拡大した後、画面を移動しようとすると、表示されないエリアがある。 * ブラウザで読むと、電波の関係か、途中からアクセスできなくなることがあった。 * ウェブ上の検索で詳細の設定が検索枠の右上方にあるため、気付くまでに時間がかかった。 A閲覧 * 書籍を表示させたときに、右側に丸いボタンが表示されるが、出たり出なかったりする。どのように表示させてよいのか困った。 * HPからアクセスして内容を読もうとして開いたが、ぐるぐる回って開かなかった。ただ、音声で読むことができるようで、最初のページだけ読ませた。 * 音声読み上げのスピード調整などの設定方法が分からない。 * 画面が固まって、次のページに進めないことがある。 * 拡大はできるが、拡大したときにページのスクロールが必要で、1画面上で文字が折り返せない * 書籍を表示させて文字を拡大表示した後、画面を2本指で移動しなければならない。iOSユーザーには慣れないので、ストレスを感じた。 * 文字サイズは、もっと大きな文字を表示できるようにしてほしい。ピンチアウトで文字を拡大した場合、画面から文字があふれて読みにくくなる。 Bアプリケーション * 設定の操作画面の文字が小さい。最大の300%より一段階大きな倍率が欲しい。 * 設定画面をVoiceOverで読ませたが、読まないところがある。拡大と音声の両方を同時に使いたいので、VoiceOverでも読めるとありがたい。 * 白黒反転にして、ゴシック系の文字で読んだが、読みやすい。 * 外出先で読書することが多いので、アプリで読む方が良い。 * ブラウザよりアプリの方が、文字サイズやフォント、反転表示の操作がわかりやすく、細かく設定できるようだった。 2−2−2.LibrariE & TRC-DL @全般 * 継続して使いたい。 * 全体の動作は概ね軽快である。一般的な書籍販売サイトのようなUIで、使いやすい。 * 画面全体の文字サイズや色設定を変更できることは良い。 * 接続の画面はわかりやすい * ログインまでは、スクリーンリーダーで順調にできた。 * 詳細検索でリフローや音声対応、対応する端末の指定ができるところがよい。 * メニューやポップアップ、ボタンなどの説明が直感的で分かりやすい。 * 全体的にコントラストがよく、検索画面、自分の借りている本や予約などの情報がわかりやすい。 * 検索も読み上げもうまくいった。 A閲覧 * リフロー表示は読みやすいが、ページをめくる動作の後の画面の切り替わりがはっきりしないため、ページが変わったのかどうかが分かりにくい(設定で変更可能かもしれないが)。 * 設定内容の文字が薄く小さいので使いづらかった。 * 設定画面でフォントを大きくすると、メニューの文字も大きくなるのはよい。 * 最初、読書時の設定のボタンがあることに気がつかず、ウェブの白黒反転や文字拡大で読書時にも適応されると思った。読書時の設定ボタンが、もっと目立つと良い。 * 拡大はできるが、拡大したときにページのスクロールが必要で、1画面上で文字が折り返せない。 * 拡大倍率が低すぎて、iPadの拡大機能を使わないと楽には読めず、せっかくリフローなのに、自分で動かして読まなければならなかった。もっと高倍率まで設定できると良い。 * VoiceOverでは読めない。 * 文字を大にしても本の文字が小さくて読めない。 * iPadでピンチアウトで拡大しようとしても動きが悪い。 * 設定の項目がわかりにくい。 2−2−3.Maruzen eBook Library @全般 * 直感的な操作が難しい。 * ウェブのデザインが、全体的に線が細く、操作する気になれなかった。 * 次にどのボタンを押したり、メニューを選んだりすればよいのかが分かりにくい。 Aログイン * IDとpwをどこに入力するのか、わからなかった。 B閲覧 * 目次しか見ることができず、本文の閲覧ができなかった。 * ビューワーの操作が分かりにくい。 * フリックでページ移動ができない。左に表示されている目次から読みたい部分を選ぶのかもしれないが、文字が小さくて選ぶことができない。 * 音声読み上げの音質が良くなく、聞きづらい。 * ピンチ操作で拡大できないのは不便。 * 文字を最大にしても、小さい。 * 拡大はできるが、拡大したときにページのスクロールが必要で、1画面上で文字が折り返せない * 共有とエクスポートという用語が分かりにくい。 * 設定画面が見にくい。 2−2−4.OverDrive Japan @全般 * 操作は比較的シンプル。 * URLをクリックしたところ、ネットリーダーを使用していたせいか、エラー表示が出た。ただ、次には進めた。 * 画面全体の文字サイズが大きくできないので、本のタイトルから探すのが難しい。 Aログイン * ログイン画面が分かりにくい。 B閲覧 * 「借りる」を押して音声読み上げをしようとしたが、読み上げなかった。 * 読み上げについて、漢字の読み方がおかしい。 * フォーマットの種類や賞などの細かな検索ができる点が良い。ただし、選択肢の多いリストは文字が小さく表示され、読みにくい。 * 白黒反転があると良い。 * コントラストが良くて読みやすい反面、長時間見ていると疲れを感じる。 * 「借りる」の後の説明がくどい。読むまでに何度かボタンを押さなければならず、面倒。 * ブラウザで読む場合、文字の大きさが3段階しかない。もう少し細かくあると良い。 * ビューワーで、上部に表示されるアイコンが小さくて操作できない。 * 拡大の大きさが、小さい。 * 拡大はできるが、拡大したときにページのスクロールが必要で、1画面上で文字が折り返せない * フォントの種類を選べるとよい。 * ブラウザで読む場合、設定や目次などのアイコンが表示される時間が短く、すぐに消えてしまう。そのため、何度もやり直すことになり、理解するのに時間がかかる。 * 設定の画面が見にくい。 2−2−5.その他 * 普段kindle本をkindle端末やiPhoneを用いて文字を拡大して資格試験の本や話題の本を読んでいる。今回の電子図書は文字の拡大がある程度可能だが、拡大したときに1画面上で文字が折り返すことができず極めて読み辛い。そういう意味では、どのサイトも使い勝手に大差はない。 * 設定の画面がわかりやすいものであってほしい。 * 操作がVoiceOverで読めるとよい。 * 拡大の率がもっと多いと良い。 * 読み上げ可能なものは、VoiceOverで読めると良い。 * 拡大と音声を同時に使う人もいるということを知っていただきたい。 * 全体的にブラウザで読むよりアプリの方が細かな設定で読みやすくできるように感じた。自分は操作説明を全て読んで利用を開始するより、使いながら覚えるタイプの人間で、アイコンの中には絵を見てもどんな意味なのかわからないものがあるので「設定」とか「目次」などの文字も一緒に表示してくれるとありがたい。浮かび上がってすぐ消えてしまうような表示は気がつかないことがあるので、やめてほしい。おそらく人それぞれ使いやすい電子書籍アプリが違うと思うので、できればどこの電子図書館で借りた本でも、自分の最適環境を作れるアプリで読めるとよい。 * とにかく電子書籍のタイトルが増えてほしい。自分は読みたい本があるとき、図書館で借りる、電子書籍購入、紙の本の購入の順番で考える。 * 今回、電子図書館を初めて知った。図書館に行くことは好きだが、現在コロナの影響で入館時に検温や氏名の記入、貸出機の使用などがあり、自分では場所がわからなかったり、暗くて記入ができなかったりして、せっかく非接触にしているのに、人の手を借りなければならず、なんとなく利用しにくくなっている。電子書籍が自宅で借りられたらよいと思った。 * 自治体に居住、在勤、在学していない人(施設に入所している方や、コロナでホテルや病院で療養の方など)が利用できるとよいと思う。 * ロービジョンの私にはLibrariE & TRC-DLが最も直感的に使うことができた。 2−3.DPI日本会議 利用環境:片手でPC、スマートフォンの使用 2−3−1.Kinoden * ネットブラウザの場合、プリセットの文字サイズでは読むことが難しい(スマートフォンの場合は最小サイズでも十分読むことは可能)。 * 文字サイズの倍率の値が細かすぎて調整が困難な上、新たな本を開くたびに倍率を操作しなくてはならないことが不便(ユーザーごとの標準サイズを予め設定できる機能があるとよい)。 * タイムアウトになるまでの時間が短い。 * 一度本を閉じても、続きのページから表示されるとよい。 * 本を開いている最中、メニューバーを表示するためにはページ内を左クリック(タップ)する必要がある。その範囲が不明確かつ限定されているため、誤ってページをめくってしまうことがあった。 * 音声読み上げの範囲について、現状は改行ごとになっている。一行ごとに選択できる機能もあるとよい(前後の繰り返しの確認が容易となる)。 * トップページ及び検索ページに表示されるボタンは、スマートフォンでもタップしやすい大きさだった。 2−3−2.LibrariE & TRC-DL * 閲覧時、色反転機能など、ユーザーの障害や利用する環境による読みやすさに対応する機能が用意されている * トップページ及び検索ページに表示されるボタンは、スマートフォンでもタップしやすい大きさだった。 2−3−3.Maruzen eBook Library * PCブラウザの場合プリセットの文字表示サイズだと小さすぎて読むのが難しい。 * 現物の本がそのままスキャンされているのか、拡大しないと文字の判別が困難なものがあった。 * ページをめくるたびにPC十字キーでの操作ができなくなるので、スクロールを行う上でストレスを生じる。 * 一度本を閉じても、続きのページから表示されるとよい。 2−3−4.OverDrive Japan * PCブラウザ、スマートフォンともにプリセットの文字表記サイズでも十分に読みやすい(背景の外枠が黒なので、文字が他のサイトよりも映えて見える) * クリック(タップ)だけでページをめくることができ、かつその範囲を指定できる。誤操作をする恐れが少ないので、安心して利用できる * 閲覧時、上部に表示されるメニューバーのボタンの間隔が狭すぎて、誤操作を生じる。 * しおりの設定がワンタッチでできると便利。 * スマートフォンで操作する場合、トップページ(検索ページ)に表示されるボタンが小さく、タップしづらい。 2−3−5.その他 * 今回スマートフォンでの電子書籍の閲覧を初めて試みた。自分のように手に障害(不随意運動)がある場合ページをめくるスライドの操作が確実に実行できないことがあったため、ややストレスは拭いきれない(タップで操作できるのが理想)。 * スマートフォンの場合、ページの移行などの操作を音声で行う機能もあるとよい。 * 今回全てのサービスに共通して、次のページへ移行する際にあまりにシームレスに進んでしまうため、誤ってページをめくってしまったこと又はめくりすぎてしまったことに気づきにくい(音やモーションによってページが移行したことを強調する必要もあるかと思います→読書をしているという感覚も味わえる) * 今回利用した中でブラウザ、スマートフォンともに最も書籍の閲覧がしやすかったのは「Over Drive Japan」でした 2−4.日本発達障害ネットワーク 2−4−1.Kinoden @全般 * 操作手順は、さほど難しくなかった。 * 全体に分かりづらく、読み進めるのに努力が必要だった。 * 読みたい本をどう探せばよいのか分かりにくい。(読み上げ対応から探せるとよい。) A閲覧 * 読み上げモードの途中で読み上げ速度を変更すると、画面がフリーズする。 * 拡大表示したときの上下方向のスライドが難しく、すぐに左右に動いてしまう。 * 読み上げモードの際、英数字が横向きになっていた。 * 再生速度が0.5倍から2倍速で選べて良かった。 * 必要な情報は収集できるが、感情がこもっていないので主人公の気持ちは伝わりにくい。 * 合成音のままで、人間らしく読まれていない。 * イントネーションが異なり、文字を読めない人は意味を間違えるかもしれない。 * 読み間違いがある。 * 困難単語や専門用語の意味を説明する【*アスタリスクマーク】が読まれず、いきなり普通の文章と同じように読み上げられた。目は見えるが文字の読みにくい人(読めない人)には、段落内の専門用語説明だと分かるが、目の見えない人にとってはいきなり文章形態が変わるので、戸惑うと思う。 * 単語の補足説明()を読み上げずに読んでいる。目は見えるが文字の読みにくい人(読めない人)には、前の単語の補足だと理解できるが、目の見えない人には意味が伝わらない。 * 読み上げ機能で段落ごとにまとめてハイライトされるので結構長く、途中で再生速度を変えるとまた段落の初めから読み上げが始まるので、内容によってゆっくり聞きたい部分での再生速度の変更が面倒になった。 Bヘルプ * ヘルプの動画の説明文が動画と重なって読みにくい。よくわからないうちに終わってしまって何回も見直した。 2−4−2.LibrariE & TRC-DL @全般 * 操作手順はわかりやすかった。 * トップページが親しみやすく、操作方法も分かりやすい。(「テーマジャンル別」「文字の大きさ・背景色」を選択できるのがよい)読み上げも朗読なので、感情豊かでよい。「うごく絵本」など利用したい。 * 設定も自分に合うように変えられた。 A閲覧 * 本を読むという面では特に問題はなかったが、ただ画面で見られるというもの以上ではなかった。 * ページめくりの方法がわかりにくく、何冊か本文にたどりつけず返却してしまった。 * 試し読みができて良い。 * ページを開いてから設定機能がうまく使えなかった。 * メモ機能は使いこなすと便利そうだが、読み上げしているときに停止を押すとメモ機能が出てきてしまい、消そうとすると読み上げがオンオフになって、また同じところを読み始めたりして困った。読み上げを一度とめて再度読み上げをスタートさせると、またページの頭から読み上げが始まってしまう。 * デジタル音声もイントネーションの違和感が少ない。 * 人の声で読み上げている本は、感情が入って分かりやすい。登場人物や効果音によって、人の声が変わり、状況把握しやすい。 * 動く絵本は、良かった。 * 読み間違いがある。 Bヘルプ * 利用ガイドはわかりやすかった。 2−4−3.Maruzen eBook Library @全般 * 操作手順がわかりにくく、読み上げできる本を探すまでに、時間がかかった。 * 全般に使い方が分かりづらかった。 A閲覧 * 見開きと単ページのきりかえや拡大表示などのボタンはわかりやすかったが、拡大するとスクロールバーが隠れてしまうので、ページを動かすのが大変だった。 * 読み上げ機能を停止して、また再開すると続きから読み上げを再開してくれるのは嬉しい。 * デジタル音声の違和感が少ない。 * 合成音声は、人間らしく読み上げていた。 * 英単語の読み間違いや、商標名のローマ字読みがあった。 * 環境設定で「文字サイズ」「色反転」「男声・女声」を選択できるのが良い。  * 読み上げの途中で、文字の拡大や読み上げ速度の変更がよくわからなかった。 * 読み上げ機能が立ち上がるまでに少し時間がかかる。 * 動画コンテンツは良かった。 Bヘルプ * 利用ガイドもよくわからない。 2−4−4.OverDrive Japan @全般 * 4種類の中では、最もユーザーフレンドリーで、考えずに使うことができた。 * スマホ操作と同じなので使いやすかった。 * 操作手順が分かりにくい。 * 読みたい本を選びやすい。 Aコレクション内容 * 子供向けの本が豊富。 * 実用書が多く、気軽に利用できそう。 B閲覧 * ページめくりはスライドできたので、スムースだった。めくる速さも変えることができて良かった。 * 拡大表示しても、画面をスライドして動かせるので良かった。 * 読み上げ機能の操作のしかたが分からなかった。(読み上げ対応から選べるとよい。) * 音声付き電子書籍は使い方がよくわからなかった。 * 音声読み上げ書籍を試すことはできなかった。 * ビデオ視聴は良かったが、タイトルが英語だと日本語訳なのか字幕なのか分かりにくい。 * オーディオブックは良かった。ただ、表紙のまま音声が聞こえるだけなので、ページごとに挿絵や文字が確認できる音声読み上げを試したかった。 * オーディオブックはサンプルを試聴したが、とてもわかりやすかった。さすがオーディオブックだと思った。 * 「ナレーション付き電子書籍」に興味があったが、視聴できなかった。 * 子供向けのビデオでは日本語訳だったので、安心して視聴できた。しかし、大人向けのビデオ視聴を試したら原語(英語)のままだった。原語日本語訳字幕を選択できると良い。(選択肢があったかもしれないが、ビデオ視聴画面は英語表記の為、操作がわかりにくい) Cヘルプ 「ヘルプ」の日本語翻訳機能を向上してほしい。 2−4−5.その他 * 子ども向けの本は、特に読み間違いがないようにしてほしい。(自閉スペクトラム症の子どもは、一度間違えて覚えてしまうと、修正することが難しい。) * 読字障害の人は文字を目で追うことが難しいので、読み上げている部分が分かるようにハイライトがあるとよい。デジタル音声より朗読のほうが聴きやすい。 * 電子書籍に不慣れな人もアクセスしやすいように、操作方法を分かりやすくしてほしい。 * コンテンツを増やしたり、読み上げ機能の精度を上げるための予算をきちんと確保してほしい。 * スマホで読書する人が増えている。ページめくりと縦スクロールが選択できると良い。 * PC等の操作に不慣れな方もいるので、読みやすさや聞きやすさに加え、操作しやすさも工夫してほしい。 * 読み上げ書籍は、いかに人間らしく読み上げているかが大切。 * 感情、間合い、抑揚に注意しながら、違和感ないイントネーションで読み上げて頂けると嬉しい。 * 民間の電子書籍レンタルは利用しているが、今回のような形式は初めての為、全体的に操作の手間がかかった。 * Kinodenは、読み上げの部分のハイライトの範囲が長く、デジタル音声で違和感があった。学校で使っているデジタル教科書の読み上げ機能は、ハイライトの部分が短く読んでいるがすぐ分かるし、朗読に近く聞きやすい。読み上げ機能というとデジタル教科書のイメージが強いので、平坦なデジタル音声は聞きづらい感じがする。 * ある市で配られているタブレットには、絵本が読み放題!知育アプリPIBO「読み放題」というアプリが入っていて、絵本の表紙が全部見られて、読みたい本をタップすると本が開き、スライドすると1ページずつめくれて、勝手に読んでくれるので、字が読むことが苦手な子も、低学年の子も楽しんで好きな本を選んで読むことができるので好評。 ・ 本を読むということについて慣れていると考えている人間でも、今回のサービスを利用するに当たり、努力が必要だった。紙の本を読むことが難しい子ども達に、このサービスを提示してすぐに使いこなせるとは思えなかった。前出の、知育アプリPIBO「読み放題」のように、選択すればとりあえず読んでくれたり、自分で読みたくなればルビが出てきたり、分からない単語が出てきたら意味を示してくれたり、人工知能的な輔助が必要と思う。 * 読み上げの正確さや自然さは、対象年齢にあわせて検討してほしい。 * 幼児や小学生には特に正確さが大切。子どもが利用してよかったと思えれば、長く利用を続けていくことになると思うので、子どもにも分かるような使い方説明があればよいと思う。  以上、協力いただいた電子図書館事業者及びトライアルの参加者に記して謝意を表明する。 別紙6)読書困難者に対するアンケート調査(ウェブフォーム)単純集計表 Q1. 性別をお知らせください。(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 男性 219 62.4% 2 女性 132 37.6% Q2. 年齢をお知らせください。/歳 回答数 歳 全体 351 平均値(歳) 50.49 最小値(歳) 20.00 最大値(歳) 96.00 Q3. 職業を以下からひとつ選んでください。(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 会社勤務(一般社員) 124 35.3% 2 会社勤務(管理職) 29 8.3% 3 会社経営(経営者・役員) 10 2.8% 4 公務員・教職員・非営利団体職員 14 4.0% 5 派遣社員・契約社員 15 4.3% 6 自営業(商工サービス) 16 4.6% 7 SOHO 5 1.4% 8 農林漁業 3 0.9% 9 専門職(弁護士・税理士等・医療関連) 3 0.9% 10 パート・アルバイト 28 8.0% 11 専業主婦・主夫 31 8.8% 12 学生 3 0.9% 13 無職 64 18.2% 14 その他の職業 6 1.7% Q4. 現在お住まいの場所で誰と一緒に暮らしていますか。(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 妻・夫・パートナー 207 59.0% 2 父親・母親 71 20.2% 3 兄弟姉妹 31 8.8% 4 子(未就学) 33 9.4% 5 子(小・中学生) 35 10.0% 6 子(高校生) 19 5.4% 7 子(18歳以上、高校生は除く) 54 15.4% 8 祖父母 3 0.9% 9 その他の親族 7 2.0% 10 その他友人・知人 6 1.7% 11 一人暮らし 59 16.8% Q5. 世帯での税込年収(総支給額)をお知らせください。(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 〜200万円未満 41 11.7% 2 200万円以上400万円未満 66 18.8% 3 400万円以上600万円未満 69 19.7% 4 600万円以上800万円未満 53 15.1% 5 800万円以上1,000万円未満 37 10.5% 6 1,000万円以上1,200万円未満 18 5.1% 7 1,200万円以上1,400万円未満 4 1.1% 8 1,400万円以上 11 3.1% 9 わからない 52 14.8% Q6. お住まいの都道府県をお知らせください。(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 北海道 14 4.0% 2 青森県 2 0.6% 3 岩手県 4 1.1% 4 宮城県 13 3.7% 5 秋田県 3 0.9% 6 山形県 5 1.4% 7 福島県 10 2.8% 8 茨城県 8 2.3% 9 栃木県 5 1.4% 10 群馬県 2 0.6% 11 埼玉県 17 4.8% 12 千葉県 21 6.0% 13 東京都 52 14.8% 14 神奈川県 38 10.8% 15 新潟県 5 1.4% 16 富山県 4 1.1% 17 石川県 4 1.1% 18 福井県 2 0.6% 19 山梨県 3 0.9% 20 長野県 7 2.0% 21 岐阜県 11 3.1% 22 静岡県 12 3.4% 23 愛知県 3 0.9% 24 三重県 3 0.9% 25 滋賀県 10 2.8% 26 京都府 27 7.7% 27 大阪府 21 6.0% 28 兵庫県 5 1.4% 29 奈良県 3 0.9% 30 和歌山県 1 0.3% 31 鳥取県 3 0.9% 32 島根県 3 0.9% 33 岡山県 2 0.6% 34 広島県 1 0.3% 35 山口県 1 0.3% 36 徳島県 1 0.3% 37 香川県 12 3.4% 38 愛媛県 1 0.3% 39 高知県 2 0.6% 40 福岡県 2 0.6% 41 佐賀県 3 0.9% 42 長崎県 4 1.1% 43 熊本県 2 0.6% 44 大分県 5 1.4% 45 宮崎県 0 0.0% 46 鹿児島県 4 1.1% 47 沖縄県 3 0.9% Q7. 最終学歴を教えてください。(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 中学校 15 4.3% 2 高校(旧制中学校、実業学校、師範学校、女学校を含む) 95 27.1% 3 短大・高専・旧制高校・専門学校 64 18.2% 4 大学 140 39.9% 5 大学院(博士課程前期修了(修士)) 24 6.8% 6 大学院(博士課程後期修了(博士)) 12 3.4% 7 その他 1 0.3% Q8. この1年間どのくらいの冊数の本や雑誌などを読みましたか?(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 読んでいない 81 23.1% 2 1冊 25 7.1% 3 2〜3冊 69 19.7% 4 4〜5冊 42 12.0% 5 6〜10冊 47 13.4% 6 11〜20冊 31 8.8% 7 21冊以上 56 16.0% Q9. これまでに、自分が読むことができる形式(紙、電子書籍など)で本が入手できずに読むのを諦めたことはありますか?(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 よくある 51 14.5% 2 ときどきある 127 36.2% 3 ほとんどない 103 29.3% 4 まったくない 70 19.9% Q10. 今後、読みたい本のジャンルはどれですか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 文学・思想 119 33.9% 2 社会・政治・法律 79 22.5% 3 歴史・地理 120 34.2% 4 ビジネス・経済・金融 93 26.5% 5 医学・自然科学 55 15.7% 6 コンピュータ・IT 60 17.1% 7 アート・建築 40 11.4% 8 趣味・実用 125 35.6% 9 スポーツ・アウトドア 45 12.8% 10 資格・検定・就職 38 10.8% 11 暮らし・健康・子育て 69 19.7% 12 旅行ガイド・マップ 98 27.9% 13 語学・辞事典 37 10.5% 14 教育・学参・受験 25 7.1% 15 絵本・児童書 25 7.1% 16 マンガ・コミック 76 21.7% 17 特にない 26 7.4% 18 その他 1 0.3% Q11. どういう目的で本を読みたいと思いますか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 学校の勉強のため 44 12.5% 2 仕事のため 84 23.9% 3 資格取得のため 60 17.1% 4 日常生活に必要な情報を得るため 149 42.5% 5 友だちや知人と話題を共有するため 49 14.0% 6 趣味・娯楽のため 202 57.5% 7 調査・研究のため 40 11.4% 8 その他 8 2.3% Q12. 読書に不自由を感じる理由は以下のいずれですか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 手や腕が不自由 72 20.5% 2 視覚障害 154 43.9% 3 ディスレクシア 58 16.5% 4 その他 82 23.4% Q13. 障害者手帳を持っていますか。持っている場合は、取得してから何年になりますか?(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 持っていない 261 74.4% 2 取得してから1年以内 28 8.0% 3 取得してから2〜5年 31 8.8% 4 取得してから6〜10年 15 4.3% 5 取得してから11年〜20年 9 2.6% 6 取得してから21年以上 7 2.0% Q14. 今後、電子版の書籍に備えてほしい機能はどれですか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 文章を音声で読み上げる機能 130 37.0% 2 文字を一文字ずつ説明する機能(詳細読み) 35 10.0% 3 点字ディスプレイへの出力表示 30 8.5% 4 文字の拡大 161 45.9% 5 文字間・行間の調整 66 18.8% 6 読みやすいフォントへの変更 96 27.4% 7 色反転 22 6.3% 8 ハイライト 27 7.7% 9 縦横の変換 20 5.7% 10 単語と単語の間にスペースを入れる機能(わかち書き) 23 6.6% 11 単語へのルビの付与 28 8.0% 12 その他 17 4.8% Q15. この1年間で、公共図書館を利用しましたか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 利用しなかった 174 49.6% 2 本を借りるために利用した 113 32.2% 3 音楽CDを借りるために利用した 39 11.1% 4 デイジー図書またはカセットテープ図書を借りるために利用した 27 7.7% 5 調べ物をするために利用した 48 13.7% 6 図書館員に質問するために利用した 14 4.0% 7 対面朗読をしてもらうために利用した 10 2.8% 8 朗読会や講演会などのイベントに参加するために利用した 9 2.6% 9 上記以外の理由で利用した場合はその理由を記入してください 3 0.9% Q16. この1年間で、点字図書館を使ったことがありますか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 利用しなかった 270 76.9% 2 点字図書を借りるために利用した 23 6.6% 3 デイジー図書またはカセットテープ図書を借りるために利用した 25 7.1% 4 本を対面朗読してもらうために利用した 16 4.6% 5 書類などの代読代筆サービスを利用した 20 5.7% 6 パソコンの使い方を学ぶために利用した 11 3.1% 7 生活の相談のために利用した 5 1.4% 8 サークル活動に参加するために利用した 9 2.6% 9 上記以外の理由で利用した場合はその理由を記入してください 1 0.3% Q17. サピエ図書館の本を利用したことはありますか?(単一回答) 回答数 % 全体 351 100.0 1 ある 36 10.3% 2 ない 189 53.8% 3 それが何かわからない 126 35.9% Q18. サピエ図書館の本はどのように利用しますか?(複数回答可) 回答数 % 全体 36 100.0 1 自分でダウンロードしてデイジー再生機器で読む 27 75.0% 2 自分でダウンロードして点字ディスプレイで読む 5 13.9% 3 自分でダウンロードしてマイブックなどのPCソフトで読む 7 19.4% 4 自分でダウンロードしてボイス・オブ・デイジーなどのスマホアプリで読む 6 16.7% 5 オンラインリクエスト機能を利用して点字図書館や公共図書館に貸出を依頼する 6 16.7% 6 電話で点字図書館や公共図書館に貸出を依頼する 0 0.0% 7 その他 0 0.0% Q19. これまでにどのような形式で本を読みましたか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 紙に印刷されている本 247 70.4% 2 電子書籍(EPUB等) 142 40.5% 3 オーディオブック 60 17.1% 4 紙の点字 25 7.1% 5 点字データ 9 2.6% 6 音声DAISY 20 5.7% 7 テキストDAISY 12 3.4% 8 マルチメディアDAISY 8 2.3% 9 テキストファイル・ワードファイル 32 9.1% 10 PDF 48 13.7% 11 その他 3 0.9% Q20. 今後、本をどの形式で読みたいですか?(複数回答可) 回答数 % 全体 351 100.0 1 紙に印刷されている本 243 69.2% 2 電子書籍(EPUB等) 145 41.3% 3 オーディオブック 70 19.9% 4 紙の点字 20 5.7% 5 点字データ 18 5.1% 6 音声DAISY 27 7.7% 7 テキストDAISY 12 3.4% 8 マルチメディアDAISY 17 4.8% 9 テキストファイル・ワードファイル 31 8.8% 10 PDF 50 14.2% 11 その他 5 1.4% 別紙7)障害者団体に対するアンケート調査(郵送、メール、ウェブフォーム)単純集計表 *質問によっては無回答のものもあった。割合については、無回答も含めた総回答数(739)を分母として求めている。 回答方法 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 ウェブ 230 31.10% 73 29.10% 46 28.40% 48 40.70% 32 31.10% 2 郵送(紙) 371 50.20% 66 26.30% 90 55.60% 69 58.50% 70 68.00% 3 郵送(点字) 65 8.80% 55 21.90% 9 5.60% 1 0.80% 0 0.00% 4 メール 71 9.60% 55 21.90% 17 10.50% 0 0.00% 1 1.00% 5 メール(点字) 2 0.30% 2 0.80% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% Q1. この質問に回答しているのは読書に困難があるご本人ですか?(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 本人 549 74.30% 237 94.40% 146 90.10% 108 91.50% 28 27.20% 2 家族 144 19.50% 4 1.60% 10 6.20% 3 2.50% 71 68.90% 3 介助者 20 2.70% 6 2.40% 2 1.20% 2 1.70% 3 2.90% 4 その他 21 2.80% 2 0.80% 2 1.20% 4 3.40% 1 1.00% 0 無回答 5 0.70% 2 0.80% 2 1.20% 1 0.80% 0 0.00% Q2. あなたの性別をお知らせください。(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 男性 478 64.70% 151 60.20% 87 53.70% 86 72.90% 83 80.60% 2 女性 256 34.60% 98 39.00% 75 46.30% 32 27.10% 20 19.40% 0 無回答 5 0.70% 2 0.80% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% Q3. あなたの年齢をお知らせください。/歳 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 平均値(歳) 57 62 58 59 26 最小値(歳) 6 20 21 19 6 最大値(歳) 87 87 80 84 83 Q4. あなたの職業を以下からひとつ選んでください。(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 会社勤務(一般社員) 62 8.40% 14 5.60% 19 11.70% 8 6.80% 12 11.70% 2 会社勤務(管理職) 10 1.40% 1 0.40% 2 1.20% 7 5.90% 0 0.00% 3 会社経営(経営者・役員) 8 1.10% 2 0.80% 2 1.20% 3 2.50% 0 0.00% 4 公務員・教職員・非営利団体職員 61 8.30% 24 9.60% 15 9.30% 15 12.70% 1 1.00% 5 派遣社員・契約社員 28 3.80% 3 1.20% 3 1.90% 2 1.70% 9 8.70% 6 自営業(商工サービス) 39 5.30% 25 10.00% 9 5.60% 3 2.50% 0 0.00% 7 自営業(農林漁業) 9 1.20% 5 2.00% 1 0.60% 4 3.40% 0 0.00% 8 SOHO(フリーランス) 2 0.30% 2 0.80% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 9 専門職(弁護士・税理士等・医療関連) 72 9.70% 47 18.70% 23 14.20% 2 1.70% 0 0.00% 10 パート・アルバイト 44 6.00% 11 4.40% 15 9.30% 4 3.40% 7 6.80% 11 福祉的就労 47 6.40% 10 4.00% 7 4.30% 10 8.50% 8 7.80% 12 専業主婦・主夫 44 6.00% 22 8.80% 15 9.30% 2 1.70% 0 0.00% 13 児童・生徒・学生 84 11.40% 0 0.00% 1 0.60% 1 0.80% 52 50.50% 14 就労準備中 14 1.90% 4 1.60% 2 1.20% 1 0.80% 2 1.90% 15 無職 158 21.40% 58 23.10% 37 22.80% 43 36.40% 8 7.80% 16 その他の職業 48 6.50% 20 8.00% 11 6.80% 13 11.00% 4 3.90% 0 無回答 9 1.20% 3 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% Q5. あなたは現在お住まいの場所で誰と一緒に暮らしていますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 配偶者・パートナー 309 41.80% 143 57.00% 88 54.30% 49 41.50% 7 6.80% 2 父親・母親 233 31.50% 28 11.20% 30 18.50% 21 17.80% 86 83.50% 3 兄弟姉妹 105 14.20% 13 5.20% 13 8.00% 8 6.80% 50 48.50% 4 子(未就学) 8 1.10% 3 1.20% 2 1.20% 2 1.70% 1 1.00% 5 子(小・中学生) 32 4.30% 8 3.20% 12 7.40% 5 4.20% 1 1.00% 6 子(高校生) 19 2.60% 3 1.20% 9 5.60% 2 1.70% 2 1.90% 7 子(18歳以上、高校生は除く) 99 13.40% 55 21.90% 23 14.20% 11 9.30% 2 1.90% 8 祖父母 24 3.20% 4 1.60% 2 1.20% 0 0.00% 13 12.60% 9 その他の親族 17 2.30% 6 2.40% 3 1.90% 6 5.10% 1 1.00% 10 その他友人・知人 6 0.80% 1 0.40% 2 1.20% 2 1.70% 2 1.90% 11 一人暮らし 170 23.00% 66 26.30% 39 24.10% 44 37.30% 10 9.70% 0 無回答 10 1.40% 3 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 1 1.00% Q6. お住まいの都道府県をお知らせください。(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 北海道 22 3.00% 8 3.20% 7 4.30% 4 3.40% 1 1.00% 2 青森県 7 0.90% 4 1.60% 1 0.60% 2 1.70% 0 0.00% 3 岩手県 12 1.60% 7 2.80% 2 1.20% 2 1.70% 0 0.00% 4 宮城県 20 2.70% 7 2.80% 10 6.20% 3 2.50% 0 0.00% 5 秋田県 6 0.80% 3 1.20% 3 1.90% 1 0.80% 0 0.00% 6 山形県 4 0.50% 1 0.40% 0 0.00% 3 2.50% 0 0.00% 7 福島県 12 1.60% 1 0.40% 3 1.90% 6 5.10% 2 1.90% 8 茨城県 22 3.00% 5 2.00% 6 3.70% 4 3.40% 0 0.00% 9 栃木県 11 1.50% 6 2.40% 1 0.60% 0 0.00% 3 2.90% 10 群馬県 11 1.50% 0 0.00% 2 1.20% 4 3.40% 4 3.90% 11 埼玉県 31 4.20% 12 4.80% 11 6.80% 1 0.80% 4 3.90% 12 千葉県 32 4.30% 9 3.60% 8 4.90% 1 0.80% 6 5.80% 13 東京都 72 9.70% 27 10.80% 24 14.80% 6 5.10% 8 7.80% 14 神奈川県 48 6.50% 16 6.40% 13 8.00% 4 3.40% 6 5.80% 15 新潟県 24 3.20% 4 1.60% 1 0.60% 3 2.50% 6 5.80% 16 富山県 8 1.10% 1 0.40% 4 2.50% 1 0.80% 1 1.00% 17 石川県 4 0.50% 2 0.80% 0 0.00% 1 0.80% 0 0.00% 18 福井県 9 1.20% 4 1.60% 4 2.50% 1 0.80% 0 0.00% 19 山梨県 8 1.10% 4 1.60% 1 0.60% 1 0.80% 0 0.00% 20 長野県 10 1.40% 3 1.20% 2 1.20% 1 0.80% 4 3.90% 21 岐阜県 12 1.60% 4 1.60% 2 1.20% 2 1.70% 2 1.90% 22 静岡県 26 3.50% 6 2.40% 3 1.90% 7 5.90% 9 8.70% 23 愛知県 36 4.90% 18 7.20% 1 0.60% 6 5.10% 5 4.90% 24 三重県 7 0.90% 2 0.80% 2 1.20% 2 1.70% 0 0.00% 25 滋賀県 13 1.80% 6 2.40% 2 1.20% 0 0.00% 2 1.90% 26 京都府 7 0.90% 1 0.40% 1 0.60% 5 4.20% 0 0.00% 27 大阪府 32 4.30% 11 4.40% 9 5.60% 7 5.90% 3 2.90% 28 兵庫県 46 6.20% 6 2.40% 4 2.50% 4 3.40% 16 15.50% 29 奈良県 10 1.40% 2 0.80% 1 0.60% 2 1.70% 2 1.90% 30 和歌山県 3 0.40% 0 0.00% 1 0.60% 2 1.70% 0 0.00% 31 鳥取県 9 1.20% 4 1.60% 3 1.90% 1 0.80% 1 1.00% 32 島根県 6 0.80% 4 1.60% 2 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 33 岡山県 18 2.40% 12 4.80% 1 0.60% 0 0.00% 4 3.90% 34 広島県 20 2.70% 6 2.40% 8 4.90% 2 1.70% 1 1.00% 35 山口県 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 5 4.20% 0 0.00% 36 徳島県 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 37 香川県 6 0.80% 2 0.80% 3 1.90% 0 0.00% 0 0.00% 38 愛媛県 10 1.40% 2 0.80% 5 3.10% 1 0.80% 0 0.00% 39 高知県 5 0.70% 3 1.20% 1 0.60% 3 2.50% 0 0.00% 40 福岡県 36 4.90% 9 3.60% 3 1.90% 0 0.00% 11 10.70% 41 佐賀県 7 0.90% 5 2.00% 1 0.60% 8 6.80% 0 0.00% 42 長崎県 20 2.70% 9 3.60% 2 1.20% 1 0.80% 1 1.00% 43 熊本県 6 0.80% 1 0.40% 2 1.20% 3 2.50% 0 0.00% 44 大分県 9 1.20% 4 1.60% 0 0.00% 3 2.50% 0 0.00% 45 宮崎県 8 1.10% 3 1.20% 1 0.60% 2 1.70% 1 1.00% 46 鹿児島県 2 0.30% 0 0.00% 1 0.60% 1 0.80% 0 0.00% 47 沖縄県 4 0.50% 4 1.60% 0 0.00% 2 1.70% 0 0.00% 0 無回答 8 1.10% 3 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% Q7. あなたの最終学歴を教えてください(小学校のみ在学中を含む)。(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 小学校 25 3.40% 0 0.00% 0 0.00% 1 0.80% 17 16.50% 2 中学校 46 6.20% 1 0.40% 6 3.70% 12 10.20% 15 14.60% 3 高校(旧制中学校、実業学校、師範学校、女学校を含む) 237 32.10% 67 26.70% 39 24.10% 52 44.10% 38 36.90% 4 短大・高専・旧制高校・専門学校(旧制高校を含む) 198 26.80% 101 40.20% 55 34.00% 10 8.50% 16 15.50% 5 大学 159 21.50% 44 17.50% 51 31.50% 33 28.00% 11 10.70% 6 大学院(博士課程前期修了(修士)) 14 1.90% 6 2.40% 3 1.90% 3 2.50% 1 1.00% 7 大学院(博士課程後期修了(博士)) 1 0.10% 1 0.40% 6 3.70% 0 0.00% 0 0.00% 8 その他 44 6.00% 24 9.60% 0 0.00% 6 5.10% 4 3.90% 0 無回答 15 2.00% 7 2.80% 2 1.20% 1 0.80% 1 1.00% Q8. あなたの障害の種類は以下のいずれですか?(複数回答可) 回答数 % 全体 739 100 1 目が見えない(全盲) 251 34.00% 2 目が見えにくい(ロービジョン) 162 21.90% 3 手や腕が不自由(上肢障害や全身性障害等) 118 16.00% 4 読み書きに困難がある(ディスレクシア) 103 13.90% 5 その他 122 16.50% 6 無回答 13 1.80% Q9. 設問8で選択した障害が発生したのは何歳の頃ですか?/歳(NU) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 平均値(歳) 13 14 16 13 7 最小値(歳) 0 0 0 0 0 最大値(歳) 69 63 65 69 50 中央値(歳) 6 6.5 2 3 6 最頻値 0 0 0 0 6 Q10. あなたは障害者手帳を持っていますか。持っている場合は、取得してから何年になりますか?(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 持っていない 98 13.30% 3 1.20% 6 3.70% 1 0.80% 44 42.70% 2 取得してから1年以内 9 1.20% 1 0.40% 1 0.60% 0 0.00% 4 3.90% 3 取得してから2〜5年 36 4.90% 3 1.20% 9 5.60% 2 1.70% 12 11.70% 4 取得してから6〜10年 50 6.80% 7 2.80% 8 4.90% 2 1.70% 19 18.40% 5 取得してから11年〜20年 81 11.00% 18 7.20% 24 14.80% 11 9.30% 15 14.60% 6 取得してから21年以上 453 61.30% 214 85.30% 114 70.40% 102 86.40% 9 8.70% 0 無回答 12 1.60% 5 2.00% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% Q11. あなたが情報を得るための手段として以下のいずれが重要ですか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 点字 224 30.30% 185 73.70% 35 21.60% 3 2.50% 1 1.00% 2 デイジー図書 293 39.60% 195 77.70% 84 51.90% 9 7.60% 6 5.80% 3 書籍・新聞・雑誌 271 36.70% 49 19.50% 57 35.20% 85 72.00% 36 35.00% 4 パソコン 490 66.30% 168 66.90% 99 61.10% 89 75.40% 68 66.00% 5 携帯電話 229 31.00% 90 35.90% 42 25.90% 42 35.60% 32 31.10% 6 スマートフォン・タブレット端末 473 64.00% 120 47.80% 119 73.50% 73 61.90% 89 86.40% 7 ファックス 43 5.80% 8 3.20% 8 4.90% 18 15.30% 3 2.90% 8 テレビ(一般放送) 529 71.60% 173 68.90% 128 79.00% 96 81.40% 65 63.10% 9 手話放送・文字放送 8 1.10% 3 1.20% 2 1.20% 1 0.80% 1 1.00% 10 ラジオ 366 49.50% 191 76.10% 96 59.30% 55 46.60% 14 13.60% 11 家族・友人・介助者 395 53.50% 156 62.20% 82 50.60% 64 54.20% 60 58.30% 12 無回答 22 3.00% 6 2.40% 4 2.50% 1 0.80% 0 0.00% Q12. あなたは、この1年間どのくらいの冊数の本や雑誌などを読みましたか?(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 読んでいない 153 20.70% 22 8.80% 41 25.30% 26 22.00% 38 36.90% 2 1冊 38 5.10% 5 2.00% 5 3.10% 9 7.60% 8 7.80% 3 2〜3冊 109 14.70% 20 8.00% 19 11.70% 32 27.10% 20 19.40% 4 4〜5冊 59 8.00% 14 5.60% 13 8.00% 13 11.00% 11 10.70% 5 6〜10冊 92 12.40% 33 13.10% 18 11.10% 20 16.90% 11 10.70% 6 11〜20冊 63 8.50% 25 10.00% 17 10.50% 9 7.60% 7 6.80% 7 21冊以上 189 25.60% 123 49.00% 42 25.90% 6 5.10% 6 5.80% 0 無回答 36 4.90% 9 3.60% 7 4.30% 3 2.50% 2 1.90% Q13. あなたが今後、読みたい本のジャンルはどれですか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 小説・エッセイ 450 60.90% 193 76.90% 120 74.10% 68 57.60% 40 38.80% 2 文学・思想 221 29.90% 120 47.80% 61 37.70% 26 22.00% 7 6.80% 3 社会・政治・法律 191 25.80% 89 35.50% 47 29.00% 36 30.50% 7 6.80% 4 歴史・地理 231 31.30% 110 43.80% 56 34.60% 33 28.00% 13 12.60% 5 ビジネス・経済・金融 118 16.00% 48 19.10% 32 19.80% 21 17.80% 7 6.80% 6 医学・自然科学 231 31.30% 136 54.20% 56 34.60% 14 11.90% 11 10.70% 7 コンピュータ・IT 177 24.00% 95 37.80% 39 24.10% 18 15.30% 11 10.70% 8 アート・建築 59 8.00% 17 6.80% 10 6.20% 12 10.20% 14 13.60% 9 趣味・実用 305 41.30% 124 49.40% 63 38.90% 50 42.40% 36 35.00% 10 スポーツ・アウトドア 135 18.30% 68 27.10% 21 13.00% 19 16.10% 15 14.60% 11 資格・検定・就職 78 10.60% 28 11.20% 25 15.40% 9 7.60% 8 7.80% 12 暮らし・健康・子育て 174 23.50% 93 37.10% 52 32.10% 15 12.70% 6 5.80% 13 旅行ガイド・マップ 208 28.10% 83 33.10% 55 34.00% 40 33.90% 19 18.40% 14 語学・辞事典 107 14.50% 50 19.90% 29 17.90% 13 11.00% 6 5.80% 15 教育・学習参考書・受験 74 10.00% 30 12.00% 19 11.70% 1 0.80% 14 13.60% 16 絵本・児童書 87 11.80% 33 13.10% 21 13.00% 8 6.80% 15 14.60% 17 マンガ・コミック 204 27.60% 38 15.10% 43 26.50% 25 21.20% 59 57.30% 18 特にない 31 4.20% 4 1.60% 8 4.90% 6 5.10% 7 6.80% 19 その他 35 4.70% 7 2.80% 2 1.20% 0 0.00% 1 1.00% 0 無回答 36 4.90% 9 3.60% 6 3.70% 3 2.50% 2 1.90% Q14. あなたはどういう目的で本を読みたいと思いますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 学校の勉強のため 50 6.80% 8 3.20% 2 1.20% 0 0.00% 22 21.40% 2 仕事のため 208 28.10% 100 39.80% 55 34.00% 40 33.90% 9 8.70% 3 資格取得のため 72 9.70% 20 8.00% 24 14.80% 12 10.20% 10 9.70% 4 日常生活に必要な情報を得るため 418 56.60% 182 72.50% 99 61.10% 80 67.80% 35 34.00% 5 友だちや知人と話題を共有するため 272 36.80% 133 53.00% 62 38.30% 42 35.60% 24 23.30% 6 趣味・娯楽のため 548 74.20% 185 73.70% 116 71.60% 89 75.40% 88 85.40% 7 調査・研究のため 110 14.90% 51 20.30% 20 12.30% 16 13.60% 10 9.70% 8 その他 45 6.10% 5 2.00% 0 0.00% 2 1.70% 0 0.00% 0 無回答 40 5.40% 9 3.60% 9 5.60% 3 2.50% 2 1.90% Q15. あなたはこれまでに、自分が読むことができる形式(紙、電子書籍など)で本が入手できずに読むのを諦めたことはありますか?(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 よくある 146 19.80% 56 22.30% 37 22.80% 18 15.30% 26 25.20% 2 ときどきある 231 31.30% 113 45.00% 66 40.70% 24 20.30% 24 23.30% 3 ほとんどない 217 29.40% 59 23.50% 42 25.90% 41 34.70% 32 31.10% 4 まったくない 101 13.70% 12 4.80% 11 6.80% 31 26.30% 17 16.50% 0 無回答 44 6.00% 11 4.40% 6 3.70% 4 3.40% 4 3.90% Q16. あなたは、これまでにどのような形式で本を読みましたか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 紙に印刷されている本 439 59.40% 59 23.50% 99 61.10% 99 83.90% 91 88.30% 2 電子書籍(EPUB等) 223 30.20% 63 25.10% 45 27.80% 46 39.00% 45 43.70% 3 オーディオブック 135 18.30% 79 31.50% 35 21.60% 6 5.10% 12 11.70% 4 紙の点字 218 29.50% 176 70.10% 39 24.10% 4 3.40% 1 1.00% 5 点字データ 132 17.90% 110 43.80% 20 12.30% 2 1.70% 0 0.00% 6 音声デイジー 339 45.90% 217 86.50% 101 62.30% 9 7.60% 14 13.60% 7 テキストデイジー 158 21.40% 109 43.40% 44 27.20% 4 3.40% 2 1.90% 8 マルチメディアデイジー 82 11.10% 51 20.30% 17 10.50% 2 1.70% 10 9.70% 9 テキストファイル・ワードファイル 159 21.50% 94 37.50% 36 22.20% 19 16.10% 6 5.80% 10 PDF 141 19.10% 49 19.50% 34 21.00% 31 26.30% 18 17.50% 11 その他 41 5.50% 4 1.60% 2 1.20% 0 0.00% 2 1.90% 0 無回答 41 5.50% 9 3.60% 8 4.90% 6 5.10% 3 2.90% Q17. あなたは、今後、本をどのような形式で読みたいですか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 紙に印刷されている本 299 40.50% 23 9.20% 65 40.10% 73 61.90% 61 59.20% 2 電子書籍(EPUB等) 347 47.00% 98 39.00% 80 49.40% 68 57.60% 63 61.20% 3 オーディオブック 204 27.60% 95 37.80% 62 38.30% 20 16.90% 25 24.30% 4 紙の点字 156 21.10% 129 51.40% 26 16.00% 2 1.70% 1 1.00% 5 点字データ 123 16.60% 110 43.80% 12 7.40% 2 1.70% 0 0.00% 6 音声デイジー 339 45.90% 207 82.50% 102 63.00% 16 13.60% 16 15.50% 7 テキストデイジー 152 20.60% 105 41.80% 37 22.80% 6 5.10% 5 4.90% 8 マルチメディアデイジー 112 15.20% 63 25.10% 28 17.30% 7 5.90% 13 12.60% 9 テキストファイル・ワードファイル 152 20.60% 92 36.70% 32 19.80% 18 15.30% 7 6.80% 10 PDF 105 14.20% 31 12.40% 28 17.30% 24 20.30% 15 14.60% 11 その他 22 3.00% 6 2.40% 2 1.20% 0 0.00% 1 1.00% 0 無回答 40 5.40% 11 4.40% 5 3.10% 4 3.40% 3 2.90% Q18. あなたが今後、電子版の書籍に備えてほしい機能はどれですか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 文章を音声で読み上げる機能 509 68.90% 215 85.70% 124 76.50% 72 61.00% 64 62.10% 2 文字を一文字ずつ説明する機能(詳細読み) 212 28.70% 138 55.00% 45 27.80% 13 11.00% 15 14.60% 3 点字ディスプレイへの出力表示 124 16.80% 103 41.00% 16 9.90% 4 3.40% 2 1.90% 4 文字の拡大 209 28.30% 4 1.60% 85 52.50% 49 41.50% 45 43.70% 5 文字間・行間の調整 170 23.00% 14 5.60% 51 31.50% 29 24.60% 53 51.50% 6 読みやすいフォントへの変更 193 26.10% 14 5.60% 71 43.80% 25 21.20% 50 48.50% 7 色反転 91 12.30% 7 2.80% 56 34.60% 3 2.50% 16 15.50% 8 ハイライト 49 6.60% 6 2.40% 18 11.10% 4 3.40% 17 16.50% 9 縦横の変換 75 10.10% 6 2.40% 27 16.70% 9 7.60% 20 19.40% 10 単語と単語の間にスペースを入れる機能(わかち書き) 76 10.30% 30 12.00% 12 7.40% 6 5.10% 24 23.30% 11 単語へのルビの付与 125 16.90% 35 13.90% 19 11.70% 16 13.60% 41 39.80% 12 その他 50 6.80% 6 2.40% 2 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 0 無回答 72 9.70% 20 8.00% 9 5.60% 11 9.30% 3 2.90% Q19. あなたが本や文書などを読むとき、以下の電子機器のいずれかを不可欠としていますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 画面拡大ソフト(画面や文字を拡大するソフト) 150 20.30% 5 2.00% 70 43.20% 31 26.30% 30 29.10% 2 色反転機能 76 10.30% 8 3.20% 50 30.90% 2 1.70% 9 8.70% 3 スクリーンリーダー(画面読み上げソフト) 274 37.10% 167 66.50% 65 40.10% 17 14.40% 25 24.30% 4 点字ディスプレイ 108 14.60% 92 36.70% 13 8.00% 3 2.50% 2 1.90% 5 デイジー再生機器(プレクストークやブレイズETなど) 294 39.80% 200 79.70% 85 52.50% 6 5.10% 4 3.90% 6 いずれも利用しない 233 31.50% 9 3.60% 23 14.20% 71 60.20% 60 58.30% 0 無回答 53 7.20% 14 5.60% 10 6.20% 6 5.10% 4 3.90% Q20. パソコンやスマートフォンを利用するときに、以下のいずれの機器を使用することはありますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 キーボード 483 65.40% 180 71.70% 108 66.70% 66 55.90% 68 66.00% 2 マウス 296 40.10% 8 3.20% 77 47.50% 76 64.40% 66 64.10% 3 タッチパネル 297 40.20% 49 19.50% 68 42.00% 53 44.90% 74 71.80% 4 点字ディスプレイ 6 0.80% 2 0.80% 1 0.60% 2 1.70% 1 1.00% 5 トラックボール 28 3.80% 1 0.40% 4 2.50% 12 10.20% 8 7.80% 6 視線入力装置 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 0 0.00% 7 その他 8 1.10% 4 1.60% 1 0.60% 2 1.70% 0 0.00% 0 無回答 104 14.10% 44 17.50% 21 13.00% 8 6.80% 7 6.80% Q21. あなたは、この1年間で、図書館(公共図書館・大学図書館・学校図書館)を利用しましたか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 利用しなかった 359 48.60% 94 37.50% 86 53.10% 72 61.00% 58 56.30% 2 本を借りるために利用した 201 27.20% 66 26.30% 32 19.80% 34 28.80% 40 38.80% 3 音楽CDを借りるために利用した 42 5.70% 21 8.40% 11 6.80% 4 3.40% 2 1.90% 4 デイジー図書またはカセットテープ図書を借りるために利用した 145 19.60% 103 41.00% 41 25.30% 2 1.70% 1 1.00% 5 調べ物をするために利用した 98 13.30% 34 13.50% 12 7.40% 22 18.60% 13 12.60% 6 図書館員に質問するために利用した 32 4.30% 22 8.80% 6 3.70% 2 1.70% 3 2.90% 7 対面朗読をしてもらうために利用した 27 3.70% 25 10.00% 2 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 8 朗読会や講演会などのイベントに参加するために利用した 40 5.40% 26 10.40% 5 3.10% 5 4.20% 5 4.90% 9 上記以外の理由で利用した場合はその理由を記入してください 34 4.60% 4 1.60% 1 0.60% 0 0.00% 0 0.00% 0 無回答 51 6.90% 20 8.00% 9 5.60% 4 3.40% 2 1.90% Q22. あなたは、この1年間で、点字図書館を使ったことがありますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 利用しなかった 425 57.50% 56 22.30% 77 47.50% 106 89.80% 98 95.10% 2 点字図書を借りるために利用した 106 14.30% 92 36.70% 10 6.20% 1 0.80% 1 1.00% 3 デイジー図書またはカセットテープ図書を借りるために利用した 206 27.90% 143 57.00% 56 34.60% 5 4.20% 1 1.00% 4 本を対面朗読してもらうために利用した 17 2.30% 14 5.60% 3 1.90% 1 0.80% 0 0.00% 5 書類などの代読代筆サービスを利用した 16 2.20% 11 4.40% 5 3.10% 1 0.80% 0 0.00% 6 パソコンの使い方を学ぶために利用した 35 4.70% 21 8.40% 13 8.00% 0 0.00% 1 1.00% 7 生活の相談のために利用した 19 2.60% 12 4.80% 7 4.30% 0 0.00% 0 0.00% 8 サークル活動に参加するために利用した 45 6.10% 32 12.70% 12 7.40% 1 0.80% 0 0.00% 9 上記以外の理由で利用した場合はその理由を記入してください 1 0.10% 3 1.20% 2 1.20% 0 0.00% 0 0.00% 0 無回答 39 5.30% 27 10.80% 15 9.30% 6 5.10% 3 2.90% Q23. あなたは、サピエ図書館の本を利用したことはありますか?(単一回答) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 ある 280 37.90% 185 73.70% 83 51.20% 6 5.10% 6 5.80% 2 ない 200 27.10% 48 19.10% 49 30.20% 49 41.50% 28 27.20% 3 それが何かわからない 216 29.20% 4 1.60% 23 14.20% 59 50.00% 67 65.00% 0 無回答 43 5.80% 14 5.60% 7 4.30% 4 3.40% 2 1.90% Q24. あなたは、サピエ図書館の本はどのように利用しますか?(複数回答可) 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 自分でダウンロードしてデイジー再生機器で読む 201 27.20% 130 51.80% 55 34.00% 9 7.60% 6 5.80% 2 自分でダウンロードして点字ディスプレイで読む 65 8.80% 58 23.10% 7 4.30% 0 0.00% 0 0.00% 3 自分でダウンロードしてマイブックなどのPCソフトで読む 136 18.40% 88 35.10% 27 16.70% 12 10.20% 9 8.70% 4 自分でダウンロードしてボイス・オブ・デイジーなどのスマホアプリで読む 81 11.00% 41 16.30% 26 16.00% 6 5.10% 4 3.90% 5 オンラインリクエスト機能を利用して点字図書館や公共図書館に貸出を依頼する 77 10.40% 52 20.70% 16 9.90% 4 3.40% 3 2.90% 6 電話で点字図書館や公共図書館に貸出を依頼する 78 10.60% 59 23.50% 15 9.30% 6 5.10% 0 0.00% 7 その他 138 18.70% 4 1.60% 4 2.50% 2 1.70% 4 3.90% 0 無回答 274 37.10% 45 17.90% 49 30.20% 54 45.80% 50 48.50% Q25. 図書館で提供されている電子図書館を使ったことがありますか? 全体 全盲 弱視 全身障害・上肢障害 ディスレクシア 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 回答数 % 全体 739 100 251 100 162 100 118 100 103 100 1 ある 79 10.70% 43 17.10% 18 11.10% 4 3.40% 4 3.90% 2 ない 461 62.40% 142 56.60% 105 64.80% 86 72.90% 70 68.00% 3 それがなにかわからない 147 19.90% 48 19.10% 33 20.40% 20 16.90% 25 24.30% 0 無回答 52 7.00% 18 7.20% 6 3.70% 8 6.80% 4 3.90% 注 1 「製品及びサービスのアクセシビリティ要件に関する2019年4月17日の欧州議会及びEU理事会指令(EU)2019/882」の概要及び抄訳は以下の資料に掲載されている。濱野恵「EUのアクセシビリティ指令」『外国の立法』(287)2021年(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11643920/1)(参照 2022-4-25).  同指令の「附属書 I 製品及びサービスのアクセシビリティ要件」において、各サービスが備えるべき一般的な要件とともに、電子書籍については、個別に以下の要件が定められている。 (i) 電子書籍にテキストに加えて音声が含まれている場合には、テキストと音声が同期して提供されるようにすること。 (ii) 電子書籍のデジタルファイルが支援技術の正常な動作を妨げないようにすること。 (iii) コンテンツへのアクセス、ファイルコンテンツ及び動的レイアウトを含むレイアウトの操作、コンテンツ表示における構造、柔軟性及び選択を確保すること。 (iv) 知覚可能で、理解可能で、操作可能で、かつ堅牢な方法による、コンテンツの代替的な再現及び様々な支援技術との相互運用性を可能にすること。 (v) メタデータを通じてアクセシビリティ機能について情報提供することで、電子書籍を見つけることができるようにすること。 (vi) デジタル著作権管理措置がアクセシビリティ機能を阻害しないようにすること。 2 電子出版制作・流通協議会「電子図書館(電子書籍貸出サービス)実施図書館(2022年01月01)」(https://aebs.or.jp/Electronic_library_introduction_record.html)(参照 2022-4-25). 3 文部科学省「学術情報基盤実態調査 / 令和2年度大学図書館編」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/jouhoukiban/1266792.htm) (参照 2022-4-25). 4 植村八潮・野口武悟『学校図書館における電子書籍利用環境構築のための実証的研究成果報告書』 (https://aebs.or.jp/pdf/An_empirical_research_report_for_building_an_e-book_use_environment_in_a_school_library_DLversion.pdf) (参照 2022-4-25). 5 なお、公立図書館及び学校図書館における電子図書館の導入状況については、47都道府県、1788市区町村の教育委員会を対象として行った以下の調査によれば、115自治体の公立図書館、28自治体の学校図書館(全ての公立学校で導入しているのが7自治体、一部の公立学校で導入しているのが21自治体)で電子図書館が導入されているとの結果であった。令和2年度「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」調査報告書(令和3年3月)(https://www.mext.go.jp/content/20210610-mxt_chisui02-000008064_0201.pdf) (参照 2022-4-25). 6 国立国会図書館総務部企画課「電子書籍サービスのスクリーンリーダー対応状況について」『カレントアウェアネス-E』(394)2020年(https://current.ndl.go.jp/e2280) (参照 2022-4-25). 7 アクセシブルな電子書籍等とは、基本計画が「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」としているものである。「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」は、読書バリアフリー法第2条第3項が「電子書籍その他の書籍に相当する文字,音声,点字等の電磁的記録(中略)であって,電子計算機等を利用して視覚障害者等がその内容を容易に認識することができるもの」と規定している。 8 特定電子書籍等とは、基本計画に定義されているように、著作権法第37条第2項又は第3項本文の規定により製作されるアクセシブルな電子書籍等を指す。 9 ウェブに用いる技術の標準化を行う団体W3C(World Wide Web Consortium)が作成しているガイドライン。(https://www.w3.org/TR/wcag-3.0/)(参照 2022-4-25). 10 W3Cによって作成されたガイドラインWCAG2.0が国際規格化されたもの。以下のサイトで要約の無料閲覧が可能(本文は有料)。(https://www.iso.org/standard/58625.html) (参照 2022-4-25). 11 W3Cが作成したブラウザやビューア等のユーザーエージェントをアクセシブルなものとするためのガイドライン。2015年にアップデートされたUAAG 2.0が最新。User Agent Accessibility Guidelines (https://www.w3.org/TR/UAAG20/)(参照 2022-4-25). 日本語訳 (https://imagedrive.github.io/TR/UAAG20/)(参照 2022-4-25). 12 W3Cが作成したアクセシビリティの高いEPUBを作るためのガイドライン。(https://www.w3.org/Submission/2017/SUBM-epub-a11y-20170125/) (参照 2022-4-25). 日本語訳(https://imagedrive.github.io/Submission/epub-a11y/) (参照 2022-4-25). 13 W3Cが公表しているEPUBのアクセシビリティに関するガイドラインEPUB Accesibilityが2021年に国際規格化されたもの。EPUBをアクセシブルといえる状態にするためのコンテンツの要件及び検索においてアクセシブルなEPUBを見つけられるようにするためのアクセシビリティに関するメタデータの要件が規定されている。 以下のサイトで要約の無料閲覧が可能(本文は有料)。(https://www.iso.org/standard/76860.html) (参照 2022-4-25). 14 公的機関のウェブアクセシビリティの確保・維持・向上の支援を目的として総務省によって作成されたガイドライン。最新は2016年版。(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/guideline.html) (参照 2022-4-25). 15 上記の国際規格ISO/IEC 40500をJIS化したもの。以下のサイトに登録(無料)をし、JIS検索でJIS規格番号「X8341-3」を指定すると閲覧可能。(https://www.jisc.go.jp/) (参照 2022-4-25). 16 経済産業省が令和3年5月に公開した「読書バリアフリー環境に向けた電子書籍市場の拡大等に関する調査報告書」の中で令和5年度に検討を行うとしているEPUBリフロー形式の基準。(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/2021dokubarireport.html) (参照 2022-4-25). 17 一般社団法人情報処理学会のWGにおいて、EPUBアクセシビリティに関する国際規格であるISO/IEC23761:2021の一致規格としてJIS化が進められており、2022年3月現在、作業段階3(JIS案に対する意見受付を実施している)にある。「JIS策定予定(一覧表)(制定案)」p.15参照。(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/jisnintei/seiteian_202203.pdf) (参照 2022-4-25). 18 電子図書館の種別については、以下の報告書の「電子図書館の類型及びサービス例」に依った。植村八潮、野口武悟、電子出版作成・流通協議会編『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告20210』一般社団法人電子出版作成・流通協議会、2021年。 19 TRC-DLには通常版サイトとテキスト版サイトとがあり、アクセシビリティポリシーとしてJIS X 8341-3:2016のAAに準拠していることが明記されているのはテキスト版サイトのみである。通常版サイトがAAに準拠していることは、TRCからの情報提供に基づく。 20 前掲書 21 アルファベットを正しく聞き取らせるため、そのアルファベットで始まる単語で説明すること。例えばAはAlpha、BはBravoという単語で音声読み上げする。 22 OverDrive and Accessibility (https://company.cdn.overdrive.com/policies/accessibility.htm) (参照 2022-4-25). 23 Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 (https://www.w3.org/TR/WCAG22/) (参照 2022-4-25). 24 カナダの非営利団体。障害者によるアクセシビリティテストやアクセシビリティの調査を行うためのプラットフォームを提供している。(https://makeitfable.com/) (参照 2022-4-25). 25 Announcing accessibility enhancements in the Libby app, December 16, 2021(https://company.overdrive.com/2021/12/16/announcing-accessibility-enhancements-in-the-libby-app/) (参照 2022-4-25). 26 CHE COS'? MLOL (https://www.medialibrary.it/pagine/pagina.aspx?id=27) (参照 2022-4-25). 27 Accessibilit? (https://www.medialibrary.it/pagine/pagina.aspx?id=787) (参照 2022-4-25). 28 出版社の標準化団体EDItEURが、書籍の電子商取引のために管理しているXMLスキーマ。アクセシビリティメタデータの規定が含まれている。。(https://www.editeur.org/files/ONIX%20for%20books%20-%20code%20lists/ONIX_BookProduct_Codelists_Issue_47.html#codelist196) (参照 2022-4-25). 29 ウェブの構造化を目的としたメタデータスキーマ。Schema.org (https://schema.org/) (参照 2022-4-25). 30 Accessibility check (https://www.fondazionelia.org/en/services/accessibility-check/) (参照 2022-4-25). 31 LIA財団(https://www.fondazionelia.org) (参照 2022-4-25). LIA財団が認定したアクセシブルな書籍はLIA財団のウェブサイトから検索可能である。Catalogo(https://catalogo.fondazionelia.org/) (参照 2022-4-25). 32 VitalSource (https://www.vitalsource.com/) (参照 2022-4-25). 33 VitalSource Accessibility (https://7a980745.flowpaper.com/AccessibilityBooklet/#page=1) (参照 2022-4-25). 34 Global Certified Accessible (https://bornaccessible.benetech.org/global-certified-accessible/) (参照 2022-4-25). 35 Benetech (https://benetech.org/) (参照 2022-4-25). 36 Certified Publishers (https://bornaccessible.benetech.org/certified-publishers/) (参照 2022-4-25). 37 「図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査(令和元年度)」(https://current.ndl.go.jp/FY2019_research) (参照 2022-4-25). 令和2年度にも同様の調査を行ったが、新型コロナウイルス感染症の流行により例年とは異なる傾向が見られたために、ここでは令和元年度調査を比較対象とした。 38 『令和2年通信利用動向調査報告書(世帯編)』(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202000_001.pdf) (参照 2022-4-25). 39 前掲書 40 前掲書 41 視覚障害と聴覚障害(盲ろう)、聴覚障害、知的障害、精神障害の識字、読書については以下の資料を参照。全国盲ろう者協会 編著『盲ろう者への通訳・介助 : 「光」と「音」を伝えるための方法と技術』読書工房, 2008. 服部泰子「聴覚障害生徒の読書力向上をめざした取り組み」『ろう教育科学』51(4) 2010.2 スローコミュニケーション編『「わかりやすさ」をつくる13のポイント : 知的障害のある人向けの情報提供』スローコミュニケーション, 2019. 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター『平成18年度地域におけるインターネット・パソコンを利用した障害者情報支援に関する調査研究事業報告書』(https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/it2006/kikitori3.html) (参照 2022-4-25). 42 株式会社図書館流通センターより、「テキスト版サイトは、スマートフォンとタブレットでの利用には対応していないため、これらの端末で通常版サイトを開いた際にはテキスト版サイトへのリンクは表示されない」という趣旨の参考情報が寄せられた。