史料にみる日本の近代 -開国から戦後政治までの軌跡-

西園寺公望書翰 桂太郎宛

西園寺公望書翰 桂太郎宛



【外封筒表】
第三十号 政友会と情意統合の件
石板第十七号四十四年二月七日

【封筒表】
東京芝三田一の四六 桂侯爵閣下 親展

【封筒裏】
東海道沼津字千本 西園寺公望

【本文】
拝啓 御懇書拝読候。早速御答可申上処、実は帰沼以来神経痛一層甚しく執筆になやみ一行も書くこと能はず。夫故欠敬候段御海恕を仰き候。此度の御決断は実に時機を得たるものにて、引て前途の政局に一生面を開きたることは些の疑をいれず。此上は御互に誠心誠意確乎断案を天下に示し候より外無之と考候。猶又目下の処も万緒疎通候様子にて、貴族院も別に御掛念は無之と被存候。猶拝眉の節縷々可相伺候。蓐中執筆に困難候為め閣筆于此候。疎略ながら御答迄如此候。草々頓首
二月七日  公望
桂首相閣下
賤恙も昨日来些か軽快に相成、今日初て筆を執り候仕合せ乍憚御心配被下間布候。
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