第9代伊藤平左衛門。尾張藩作事方を務めた工匠の棟梁の家柄で、父親の下で木工を修業し、18歳で高野山の金堂建築に従事。明治維新後に洋風建築を学び、また清国の古刹を巡り、日本の古来の建築様式や技法の中に取り入れた。内国勧業博覧会、パリの万国博覧会等に出品し賞を受ける。生涯にわたり多数の建築物を手掛けたが、洋風建築の代表作は旧見付学校(静岡県)、旧愛知県庁舎、旧三重県庁舎、社寺建築には東本願寺御影堂、旧築地本願寺などがある。明治29年帝室技芸員を拝命。