小説家。学習院から札幌農学校に進み、キリスト教に入信。明治36(1903)年からアメリカ留学中、信仰に動揺をきたし、社会主義思想にふれ、クロポトキンの無政府主義にも傾倒した。3年間の留学後、欧州をまわって帰国。43年「白樺」に参加、執筆活動を始める。作品に『生れ出づる悩み』(1918)、『或る女』(1919)、『惜みなく愛は奪ふ』(1920)など。第一次大戦後の社会状況下で有産階級であることに苦悩を深め、『宣言一つ』(1922)を発表、農場解放などを行ったが、翌年、波多野秋子と心中した。
『實験室』 有島武郎 [著] 有島武郎
『有島武郎全集 第1巻』 叢文閣
『或る女 下卷』 有島武郎 著 新潮社