解説
文芸評論家。昭和4(1929)年雑誌『改造』の懸賞論文「様々なる意匠」で文壇に登場し、翌年から『文芸春秋』に文芸時評の連載を開始。8(1933)年『文学界』創刊に参加し、「私小説論」(1935)を発表、14(1939)年には『ドストエフスキイの生活』を刊行した。戦時中は同時代文学から離れ古典芸術に傾倒し、「無常といふ事」(1942-43)等を著した。戦後でも審美的な姿勢は変わらず、『モオツァルト』(1946)、『ゴッホの手紙』(1951-52)、『近代絵画』(1954-58)を著し、晩年は大著『本居宣長』(1965-76)を完成させた。日本において本格的な近代批評を初めて確立した人物として評価されている。42(1967)年に文化勲章を受章。
関連資料