国立国会図書館におけるDOI付与
国立国会図書館は、ジャパンリンクセンター(JaLC)(外部サイトへリンク)の共同運営機関として、国立国会図書館がデジタル化した資料等にDOIを付与するなどの取組を進めています。
DOIとは
DOIは、Digital Object Identifierの頭文字で、コンテンツの電子データに付与される国際的な識別子です。ブラウザ等に入力するとコンテンツの所在情報(URI)に変換されるので、それを使ってコンテンツにリンクを張ることで、リンク切れを防ぐことができます。
DOIの登録機関(Registration Agency)は世界に10機関あります。そのうちの1つが、事務局を科学技術振興機構(JST)が務め、当館を含む4つの国内学術機関で共同運営するジャパンリンクセンター(JaLC)(外部サイトへリンク)です。従来、日本ではDOIを付与されるコンテンツが少数にとどまっており、特に日本語で書かれたコンテンツへの永続的なアクセスと利便性の向上が、情報発信力向上の点からも望まれていました。ジャパンリンクセンターが、日本におけるDOI普及促進の役割を果たすことが期待されています。
DOIについてのより詳しい情報は、ジャパンリンクセンターの各種資料のページや国際DOI財団のDOIハンドブックをご覧ください。
DOIの体系・機能
DOIは、各機関固有のプレフィックスと、個々のコンテンツを特定するサフィックスとを「/」(スラッシュ記号)で繋いだ形になっています。DOIの前に、「https://doi.org」を付けることにより、URLとして機能します。
DOIは、次のようにデジタルオブジェクトが存在するURLに変換されます。
上記の変換は、ブラウザに入力することで確認可能です。すなわち、「URIとしてのDOI」を入力すると、「デジタルオブジェクトが存在するURL」にリダイレクト(転送)されます。なお、ジャパンリンクセンター(JaLC)トップページにある「DOI search」では、URLの形にせず、DOIそのものを入力しても、上記変換が実行されます。
国立国会図書館が果たす役割 ①
国立国会図書館がデジタル化した資料等に、国立国会図書館のプレフィックスを用いたDOIを付与します。国立国会図書館で付与するDOIは、国立国会図書館のプレフィックス‘10.11501’に、国立国会図書館が独自にデジタル資料に付与している永続的識別子をサフィックスとして組み合わせた形です。
このDOIは、次のように国立国会図書館デジタルコレクションの書誌詳細画面URLに変換されます。
国立国会図書館のプレフィックスを用いたDOIは、国立国会図書館デジタルコレクション、国立国会図書館サーチの書誌詳細画面によって確認することができます。
国立国会図書館では、以下の資料群にDOIを付与しています。令和6年6月までに付与した点数は約382万点です。当館がDOIを付与した資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで提供しています。
資料種別 | 収録コンテンツ | DOI付与開始時期 |
---|---|---|
図書 | 明治期以降、1995年までに受け入れた図書 | 平成30年7月 1 |
雑誌 | 国内刊行雑誌のうち、劣化した雑誌や学術雑誌等(刊行後5年以上経過したもの) | 平成30年10月 1 |
古典籍資料(貴重書等) | 貴重書・準貴重書、江戸期以前の和漢書等 | 平成27年2月 |
博士論文 | 1987~2000年に国内の大学から送付を受けた論文 (博士論文に付与されたDOIのリスト(令和6年5月2日時点)tsv形式(zip): 12.3MB)) |
平成26年3月 |
官報 | 1883(明治16)年7月2日(創刊)から1952(昭和27)年4月30日に発行された官報 | 平成30年10月 |
憲政資料 | 幕末から昭和までの日本の政治家・官僚・軍人などが所蔵していた書簡・書類・日記等 | 平成30年2月 |
録音資料 | カセットテープ、ソノシート等(付属する冊子等を含む) | 令和元年6月 |
映像資料 | レーザーディスク等(付属する冊子等を含む) | 令和元年6月 |
脚本 | 日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムから寄贈された1980年以前の放送脚本(テレビ・ラジオ番組の脚本・台本)の一部 | 平成30年2月 |
手稿譜 | 明治期以降の日本人作曲家の手稿譜及びその関連資料の一部 | 平成30年7月 |
地図 | 明治期から1967(昭和42)年までに国内で刊行された地図資料 | 令和2年9月 |
特殊デジタルコレクション | 一括で国立国会図書館に寄贈、収蔵されるなど資料群としての由来があり、ひとまとまりで維持・管理されてきたもの | 令和元年6月 |
日系移民関係資料 | 中南米、北米、ハワイ等において個人からの寄贈や購入等により収集した日本人移民関係の資料の一部 | 令和5年5月 |
1. 国立国会図書館が刊行した資料へのDOI付与は、平成27年2月から開始。
資料群の詳細及びデジタル化点数については、「国立国会図書館デジタルコレクションについて 4.資料の概要説明」をご覧ください。
資料種別 | 収録コンテンツ | DOI付与開始時期 |
---|---|---|
電子書籍・電子雑誌 | 国立国会図書館刊行物 | 平成27年2月 |
国立国会図書館が果たす役割 ②
オンライン資料収集制度(eデポ)等によって国立国会図書館が収集したオンライン資料・インターネット公表博士論文に、収集した時点で(出版者により、出版者自身の)DOIが付与されていた場合、それを格納し、国立国会図書館デジタルコレクションや国立国会図書館サーチで提供します。また、そのDOIに、国立国会図書館デジタルコレクションの書誌詳細画面のURLを関連づけます。この関連づけは、ジャパンリンクセンターの「マルチプルレゾリューション」という機能によるものです。
マルチプルレゾリューションとなっているDOIにアクセスすると、それに関連づけられたURLと国立国会図書館デジタルコレクションのページのURLの両方が中間ページに表示され、複数のアクセス手段(URL)の選択が可能になります。
同様に、国立国会図書館がデジタル化した博士論文のDOIを機関リポジトリ等の外部機関が使用した場合も、マルチプルレゾルーションが設定されます。
なお、マルチプルレゾリューションの対象は、ジャパンリンクセンターで付与したDOIのみです。その他の登録機関で付与したDOIは、マルチプルレゾリューションとはなりませんのでご注意ください。
制約事項(タイムラグについて)
国立国会図書館が付与するDOIに関するタイムラグ
国立国会図書館デジタルコレクション、国立国会図書館サーチでは、新規に登録された資料にDOIを表示しますが、そのDOIから書誌詳細画面のURLに変換される(有効化)までにはタイムラグがあります。つまり、「国立国会図書館デジタルコレクション、国立国会図書館サーチではDOIが表示されているのに、そのDOIをブラウザに入力しても書誌詳細画面のURLに変換されない」という期間が数日間生じます。
外部機関(大学等)が付与するDOIに関するタイムラグ
機関リポジトリやJAIRO等でのDOI表示から、国立国会図書館デジタルコレクション書誌詳細画面のURLへの関連付け(マルチプルレゾリューション)が成立するまでにはタイムラグがあります。国立国会図書館での確認・登録作業が終わったものから順次、この関連付けが成立していきます。
※マルチプルレゾリューションについては、「国立国会図書館が果たす役割 ②」をご覧ください。
お問い合わせ先
- ジャパンリンクセンターやDOI全般について
ジャパンリンクセンター事務局(外部サイトへリンク)へお問い合わせください。 - 国立国会図書館におけるDOI付与について
国立国会図書館 電子情報部電子情報流通課標準化推進係
メールアドレス:ndldoi
※国立国会図書館は、国立国会図書館がデジタル化した資料等にDOIを付与しています。デジタル化する資料は、国立国会図書館の資料デジタル化基本計画に基づき決定しています。個別の資料へのDOI付与に関するお問い合わせには対応できませんのでご了承ください。