書庫の概要
国立国会図書館の資料は、東京本館、関西館、国際子ども図書館の3施設の書庫に分散して保管されています。大規模な資料の「保存」と「利用」を両立するため、すべての施設で閉架式という利用方法をとっています。閉架式とは蔵書の大部分を書庫に収め、利用者からの請求に応じて出納する方法です。
東京本館書庫
東京本館は、本館と新館の二つの建物に分かれており、それぞれ書庫を備えています。
本館の書庫は、2階分の高さを3層または2層に分割した、17層の積層書庫です(1~5層は地下部分)。新館の書庫はすべて地下に配置され、地下1階から8階まであります。
国立国会図書館東京本館断面図(黄色部分が書庫)
火災が発生した場合、書庫ではガス消火設備を使用して消火します。新館書庫では、浸水を防ぐため、地下の外壁と地上1階の床に防水を施しています。
貴重書書庫
貴重書書庫は、書庫の一画を気密扉で仕切って設置され、貴重書、準貴重書に指定された資料やそれに相当する資料を収めています。貴重書書庫内は空気圧を高めに設定して、扉開閉時の塵埃の進入を防止しています。内装は天井、壁、床をヒノキ合板で仕上げてあり、書架にはナラの合板を用いています。
資料の排架は横置きが原則で、和書は帙や桐箱に、洋書は保存箱に収納することを基本としています。人の出入りによる温度・湿度の変化を最小限に抑えるため、立ち入りを担当者に限定し、その際に専用スリッパを着用しています。
貴重書書庫
木製書架
マイクロ保存庫
原資料の代替物として作られたマイクロフィッシュ、マイクロフィルムのネガフィルムを保存する専用の書庫です。温度18℃、湿度25%前後で常に保たれています。マスター用カラーフィルムは保存庫内の自動防湿保管庫に収められています。
マイクロ保存庫
関西館書庫
- 関西館書庫(関西館バーチャルツアーへ)
- 国立国会図書館関西館書庫棟(PDF: 1.09MB)
国際子ども図書館書庫
国際子ども図書館レンガ棟には2階から上に6層の書庫があります。
国際子ども図書館レンガ棟断面図(黄色部分が書庫)
国際子ども図書館レンガ棟は外から見ると窓がありますが、書庫部分の窓は内部からふさぎ、内壁を設けています。これにより、光や温湿度などの外からの影響を受けづらくしています。
また、小さい床面積に少しでも多くの書架を設けるため、すべての書架に集密書架を使用しています。
火災が発生した場合、書庫ではガス消火設備を使用して消火します。
平成27(2015)年に完成したアーチ棟では、地下1階から地下2階を書庫とし、書庫内に紙芝居用の書架を設けています。
参考資料
- 国立国会図書館の書庫 第1回 東京本館(PDF: 3.41KB)
国立国会図書館月報 (579) 2009.6. 17~19 - 国立国会図書館の書庫 第2回 関西館・国際子ども図書館(PDF: 3.43MB)
国立国会図書館月報 (580) 2009.7. 20~21 - 国立国会図書館の書庫 第3回 書庫環境を整える(1)(PDF: 2.72MB)
国立国会図書館月報 (581) 2009.8. 26~27 - 国立国会図書館の書庫 第6回 書庫の中の書庫 貴重書庫(PDF: 2.1MB)
国立国会図書館月報 (584) 2009.11. 14~15