吉田茂書翰 牧野伸顕宛
【封筒表】
牧野父上様 急展
【封筒裏】
十二月一日 吉田 茂
【本文】
拝啓 松平康昌侯談にては大勢如何とも致難しと申居、木戸、近ヱ公と幣原男会談、木戸は時機既に遅しとて会談を断はり、近ヱ公は遅きも兎も角今夜八時に松平侯邸にて会見可致との事に候。右之次第にて今午後の御前会議も相当重要のものと存せられ、東郷は其部下に最早倒閣以外に開戦を阻止する方法なしと申居る由、了解の出来ぬほと日々急転致居候様に有之、事情は一度松平康昌侯に直接御聞ただし相成候ては如何かと存候。不取敢
十二月一日 吉田茂
牧野父上様