史料にみる日本の近代 -開国から戦後政治までの軌跡-

吉田茂書翰 牧野伸顕宛

吉田茂書翰 牧野伸顕宛



【封筒表】

牧野父上様 親展

【封筒裏】

五月三日 吉田 茂

【本文】

拝啓、其後御不沙汰仕候、先以而愈々御機嫌に被為入奉大慶候、扨而自由党も第一党たる地位を失ひ候処、此際に処しては淡々たる心境にて負け振のよいところを見するか大切、政権之推移は自然に委ね候様に挙党一致其心得にて社会党をして出易からしむるやうに仕向候様仕居候、尚又過日清水枢相より大使信任状等に付御懸念の次第も拝承致候、法制局側に多少の違見も有之候得共可成従前の型を追ひ御名の外外務大臣丈の副署と致候、議会も廿日頃召集(技術的に其前召集六ヶ敷との議会側答申に基き)其前に総辞職の事に仕居候、月末には閑散と可相成、書余は拝晤万縷之心得に御座候、頓首
五月三日 茂
牧野父上様
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