実業家。代々の近江商人である伊藤長兵衛(五代)の次男。生家は「紅長(べんちょう)」の屋号で耳付物小売商を営む地主。11歳で兄万次郎(後の長兵衛(六代))とともに行商を始める。幕末の動乱の中で巧みに商機をつかみ、巨利を得た。明治5 (1872) 年大阪に呉服太物商「紅忠(後の伊藤忠商事、丸紅)」を開店。17年伊藤本店と改称。18年伊藤外海(そとうみ)組を設立し、対米貿易を始める。29年日東合資を設立し、中国貿易に進出した。