解説
小説家。長い同人誌修行時代を経て、昭和3(1928)年『三田文学』に『鯉』、翌年『文芸都市』に『山椒魚』を発表し、文壇に登場する。5(1930)年には創作集『夜ふけと梅の花』『なつかしき現実』を出し、作家としての地位を確立する。『ジョン万次郎漂流記』(1937)で直木賞受賞。16(1941)年に陸軍徴用員としてシンガポールに派遣され、翌年帰国。戦後も旺盛な創作活動を続け、『本日休診』(1949-50)、『遥拝隊長』(1950)、『漂民宇三郎』(1954-55)、『珍品堂主人』(1959)を経て、原爆を題材とした大作『黒い雨』(1965-66)を発表した。41(1966)年に文化勲章を受章。
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