江戸開城の立役者
(かつかいしゅう)
1823-1899(文政6年-明治32年)
名は義邦。安房守を維新後、安芳(やすよし)と変えて字とした。通称は麟太郎。海舟は号。
幕末明治の政治家
江戸本所亀沢町に生まれる。安政2年(1855)蕃書翻訳係に採用され、のち長崎に設立の海軍伝習所に派遣された。万延元年(1860)、遣米使節の随行艦咸臨丸を指揮して太平洋を横断。海軍操練所では広く諸藩の人材を教育し、幕府海軍の育成に尽力した。幕府側と倒幕側の間に立ち、西郷隆盛と会見して江戸開城したことは有名。維新後は海軍卿・枢密顧問官などを歴任した。著書に『開国起源』『吹塵録』など多数。
ほかに、「物部義邦」の別印と「海舟」などが知られている。
「物部義邦」(もののべよしくに):21x21mm
「勝安芳」(かつやすよし):30x19mm
「海軍弘通」(かいぐんぐつう):39x38mm
海舟旧蔵書は南葵文庫に収められていたが、大正13年(1924)同文庫廃止とともに勝家に返され、昭和3年(1928)に清明文庫として再生した。しかし第2次世界大戦後、それらの資料は分散した。現在でも勝海舟旧蔵書は古書店に現れることがある。
当館所蔵の「勝海舟関係文書」は400点余、稿本・書翰・書籍・蘭文写本等からなる。当館の勝海舟関係文書は昭和26年(1951)に購入したもの。
『近世名士写真 其2』(近世名士写真頒布会 昭和10)【427-53】