医学の権威は漢詩文のコレクター

土肥鶚軒

(どひがっけん)

1866-1931(慶応2年-昭和6年)


名前

本名は慶蔵。鶚軒は号。

職業

医学者

人物

越前府中(現福井県武生市)生まれ。家は越前藩の藩医で、五世石渡宗伯の次男。明治22年(1889)、叔父土肥淳朴の養子となり土肥姓となる。
明治13年(1880)に東京外国語学校に入学、明治18年(1885)東京帝国大学医学部予科に入り、明治24年(1891)に同大医科大学を卒業、附属第一医院外科医局に入局した。明治26年(1893)から5年間欧州へ留学、皮膚科学、黴毒学などを修めた。帰朝後は東京帝国大学助教授、続いて教授となり、明治32年(1898)には34歳で博士となる、皮膚泌尿器科を担当し、大正15年(1925)に退職した。66歳で歿。
『世界黴毒史』(1907)など専門医学書を著作。一方で漢詩文に造詣が深かった。

印影のよみ・大きさ

「鶚軒文庫」(がっけんぶんこ):54x16mm
「鶚軒所獲」(がっけんしょかく):25x24mm
「土肥慶藏之印」(どひけいぞうのいん):22x21mm

印影撮影資料

印影撮影資料

蔵書について

蔵書は多分野にわたった。妻が三井財閥の一族出身だったこともあり、没後蔵書は三井文庫の所蔵となる。戦後、漢詩文の部は国立国会図書館が昭和25年(1950)に購入、医学・本草の部は東京大学が入手、残りの多くはカリフォルニア大学バークレー校が購入した。
国立国会図書館の所蔵は、江戸期の著作を中心する漢詩文集3,434点(7,898冊)。「鶚軒文庫」として有数のコレクションをなしている。

肖像

土肥慶蔵先生生誕百年記念会編『土肥慶蔵先生生誕百年記念会誌』(土肥慶蔵先生生誕百年記念会 1967)【494.8-D593

参考文献

『鶚軒文庫蔵書目録(和漢書分類目録)』革装ペン書き 昭和4年(1929)製本
『鶚軒文庫日本詩文書目録』大正年間の写本

関連ウェブサイト

電子展示会

「蔵書印の世界」は国立国会図書館の電子展示会です。 電子展示会の各コンテンツでは、国立国会図書館所蔵の様々なユニークな資料について、わかりやすい解説を加え紹介しています。

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