大蔵書家の寄贈を受けた徳島藩の「阿波国文庫」

蜂須賀家

(はちすかけ)


蜂須賀家

蜂須賀氏は尾張国出身。始祖とされる正利の子、蜂須賀正勝(小六)(1526-1586)は織田信長の武将となった。豊臣秀吉との関係は『太閤記』などで有名。その子家政が秀吉から阿波(徳島)を与えられ、その子至鎮(よししげ)(1586-1620)が徳島藩の初代藩主となった。明治維新によって、第16代藩主茂韶(もちあき)は版籍奉還し、徳島藩の歴史は終わった。

蔵書印

「不忍文庫」を遺贈されていることから、両方の印がある蔵書が多い。
「阿波国文庫」印は、単郭と二重郭の2種類が存在する。

印影のよみ・大きさ

「阿波国文庫」(あわのくにぶんこ):61x18mm

印影撮影資料
蔵書について

徳島藩は藩に仕えた儒者、柴野栗山(しばのりつざん)(1736~1807)旧蔵の漢籍を所蔵していたが、12代藩主斉昌(なりまさ)(1795~1859)が国学・国典の師と仰いだ屋代弘賢(1758~1841)の死後、その蔵書「不忍文庫」の大半を遺贈された。当時、日本最大の個人蔵書家と言われた屋代弘賢の旧蔵書が加わったことにより、「阿波国文庫」は質量ともに充実した。数万冊の所蔵があったと言われる。明治維新後、3万冊あまりは徳島師範学校を経て徳島県立光慶図書館(現在の徳島県立図書館)に移管されたが、昭和20年(1945)の空襲と火災で失われた。そのほか、明治維新の際に家臣に分与されたもの、蜂須賀侯爵家が所蔵し第2次大戦後売却されたものなどがある。

電子展示会

「蔵書印の世界」は国立国会図書館の電子展示会です。 電子展示会の各コンテンツでは、国立国会図書館所蔵の様々なユニークな資料について、わかりやすい解説を加え紹介しています。

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