1 ポツダム宣言の非軍事化原則とGHQの任務
1941(昭和16)年8月14日発表された大西洋憲章には、第二次世界大戦後において世界平和を回復するための指導原則として、民主的政治体制の確立と侵略国の非軍事化が示されていた。そして、4年後の1945年8月14日、日本が受諾したポツダム宣言にもまた、日本の「民主化」と「非軍事化」が規定され、そのうち、後者に関しては、軍国主義者の追放、戦争遂行能力の破砕、軍隊の完全武装解除、軍需産業の禁止などの措置が明記されていた。さらに、米国政府の「初期対日方針」にも、ポツダム宣言と同様、武装解除などの具体的措置を実施すべきことが、連合国最高司令官として日本占領政策の遂行にあたるマッカーサーに対して指示されていた。なお、マッカーサーに「情報」として伝えられた「日本の統治体制の改革(SWNCC228)」は、「政府の文民部門が軍部に優越するよう」憲法を改正すべきだとし、軍の存在を前提とする米国政府の考え方が示されていた。