近代における出版産業の発達に伴い、広く読まれ大きな話題を呼んだ出版物、いわゆる「ベストセラー」が誕生するに至りました。今回の展示では、明治時代から現在に至るベストセラーについて、出版社などの「つくる側」に焦点を当て、その歩みを振り返ります。雑誌記事・新聞広告なども紹介します。
第1章では、日本における出版産業が発達・確立していった、明治時代から第二次世界大戦前までを取り上げます。第2章では、文学全集など教養的なベストセラーが存在する一方、「カッパブックス」に象徴される新しい戦略も出現した、第二次世界大戦後から1960年代までを扱います。最後に第3章では、メディアミックスなどの大掛かりな戦略がベストセラー発生と不可分になり、多くのミリオンセラーが生まれるようになった、1970年代以降の状況を概観します。
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第1章 ベストセラー前史