歌舞伎俳優。父は江戸の市村座主十二代目市村羽左衛門。嘉永2(1849)年市村座で初舞台、4年十三代目市村羽左衛門を継ぎ、17年間市村座の座元を務める。明治元(1868)年五代目尾上菊五郎を襲名し、九代目市川団十郎、初代市川左団次とともに「団菊左」と称された。立役から女方までこなし、黙阿弥の手による世話物を多く演じた。家の芸として『戻橋』『土蜘』など「新古演劇十種」を制定。