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第14回納本制度審議会議事録

日時:
平成17年7月13日(水)午後2時~同2時50分
場所:
国立国会図書館 特別会議室
出席者:
合庭惇委員、朝倉邦造委員、安念潤司委員、衞藤瀋吉委員、公文俊平委員、見城美枝子委員、佐藤修委員、塩見昇委員、清水勲委員、百﨑英委員、紋谷暢男委員
会次第:
1. 委員の委嘱の報告
2. 納本制度審議会の目的及び構成
3. 代償金部会所属委員の指名の報告
4. 会長の選出
5. 会長あいさつ
6. 会長代理の指名
7. 国立国会図書館長あいさつ
8. 「インターネット情報の収集・利用に関する制度化基本方針(改訂第2版)」について(ウェブアーカイブ制度化推進本部長)
9. 今後の日程(案)について
10. 事務局からの報告
 平成16年度出版物納入状況、平成17年度代償金予算及び平成16年度代償金支出実績
11. 閉会
配布資料:
(資料1)納本制度審議会委員名簿
 付:平成17年6月20日付け官報該当部分(写し)
(資料2)納本制度審議会の概要
 [参考]納本制度審議会の構成(図)
(資料3)納本制度審議会規程(平成9年国立国会図書館規程第1号)
(資料4)納本制度審議会議事運営規則(平成11年6月7日納本制度審議会決定)
(資料5)第13回納本制度審議会議事録
(資料6)「インターネット情報の収集・利用に関する制度化基本方針(改訂第2版)」(平成17年5月24日国立国会図書館ウェブアーカイブ制度化推進本部)
 [参考(1)]同基本方針の改訂(新旧対照表)
 [参考(2)]インターネット情報の制度的収集対象(概念図)
(資料7)今後の日程(案)
(資料8)資料別納入実績(最近3年間)
(資料9)代償金の予算と支出実績(最近5年間)
(資料10)国立国会図書館法(抄)

議事録:
収集部長:  定刻となりましたので、第14回納本制度審議会を開催いたします。本日は、委員の皆様にはお忙しいところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。収集部長の吉永でございます。
 この5月末日をもって前期委員の任期が満了となり、6月1日付けで第4期目の審議会委員の委嘱を行わせていただきました。委嘱後の最初の審議会でございますので、会長が選出されますまでの間、私が進行役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は17名の委員中11名の方々に御出席をいただいておりますので、定足数は満たされております。
 それでは、お手元の第14回納本制度審議会次第に従いまして会を進めて参ります。
 なお、国立国会図書館(以下「館」という。)でも、国の方針にならい、夏季の服装については、軽装、いわゆる「クールビズ」ということにしておりますので、本審議会でも、どうぞ上着はお脱ぎください。
 はじめに、事務局から、配布資料の説明をいたします。
事務局: 〔配布資料について説明。〕
収集部長: 資料がお手元に全部揃っているかどうか御確認ください。
 
1 委員の委嘱の報告
収集部長:  まず、会次第の1といたしまして、委員の委嘱について御報告させていただきます。お手元の資料1の名簿のとおり、17名の皆様に今期2年間の委員をお願いいたしました。このうち16名の方は、前期から継続して委嘱させていただきました。また、社団法人日本図書館協会の理事長が交代されましたので、今回、理事長となられた塩見昇様に新たに委員をお願いしております。
 委員の委嘱等につきましては、資料1の後に6月20日付けの官報の写しも添付いたしましたので併せ御覧ください。
 なお、委員の任期は、2年とされておりますので、今期委嘱させていただいた皆様につきましては、平成19年5月31日まで委員をお願いすることとなります。委員の方に途中で交替があった場合にも、任期満了の日は変わりません。
 それでは、本日御出席の委員の方々を氏名の五十音順に、御紹介させていただきます。肩書は省略させていただきます。
 合庭惇様、朝倉邦造様、安念潤司様、衞藤瀋吉様、公文俊平様、見城美枝子様、佐藤修様、清水勲様、塩見昇様、百﨑英様、紋谷暢男様、以上の11名の方々が御出席の委員の皆様でございます。本日は、都合により、6名の委員の方が御欠席でございます。
 先ほど申し上げましたように、社団法人日本図書館協会理事長の塩見委員は、今回が本審議会への初めての御出席となります。せっかくの機会ですので、ごあいさついただければと思います。塩見委員、よろしくお願いいたします。
委員:  納本制度審議会へは初めての出席となります。塩見昇でございます。今年5月、社団法人日本図書館協会理事長に選出されまして、竹内悊前理事長の後任として本審議会へ出席することとなりました。私は、今年3月に大谷女子大学を退官いたしまして、少しゆっくりしようかとも思っておりましたが、この度、社団法人日本図書館協会理事長を務めることとなり、この委嘱も受けることになりました。
 納本図書館である館につきましては、関西在住ですのでこれまで頻繁に来られるわけではなかったのですが、図書館学の研究者といたしましても、また、国民の一人といたしましても、非常に関心をもっております。せっかくの機会ですので、精一杯務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
収集部長:  ありがとうございました。以上で、委員の委嘱の報告を終わります。
 
2 納本制度審議会の目的及び構成
収集部長:  次に、会次第の2に入ります。ほとんどの委員の方々が再任であり、皆様よく御存知のこととは思いますが、期が改まって最初の審議会ですので、この際、本審議会の目的、所掌事務、構成等につきましてあらためて御説明いたします。
 お手元の資料2と、その参考図を御覧ください。
 本審議会は、納本制度審議会規程に基づいて設置され、審議会の目的は、国立国会図書館法(以下「館法」という。)第10章及び第11章に規定された納本制度の改善及び適正な運用に資することであります。所掌事務は、納本制度に関する重要事項及び代償金額に関する事項について、国立国会図書館長(以下「館長」という。)の諮問を受けて調査審議し、又は意見を述べることでございます。
 審議会は、館長が学識経験者のうちから委嘱する委員20名以内で構成され、委員の任期は2年となっております。専門的事項の調査が必要なときは、館長は、専門委員を委嘱することができますが、現時点での委嘱はありません。審議会の会長は委員の互選により選出され、会長は、会長代理を指名することとなっております。審議会の定足数は過半数で、議事は出席委員の過半数をもって決することとなっております。可否同数のときは、会長の決するところによります。
 また、代償金額に関する事項を審議するため常設の機関として代償金部会が置かれます。代償金部会の部会長も所属委員の互選により選出され、部会長が部会長代理を指名いたします。
 このほか、審議会の会長は、特定の事項を調査審議する必要があると認めるときは小委員会を設置することができます。
 以上のことは、資料3の納本制度審議会規程及び資料4の納本制度審議会議事運営規則に定められております。
 審議会にはこれまで5回諮問が行われ、それぞれに対して5つの答申をいただきました。最近いただいた答申が平成16年12月9日の「ネットワーク系電子出版物の収集に関する制度の在り方について」です。この答申で示していただいた考え方に基づいて、現在、館では制度構築の作業に鋭意取り組んでいるところでございまして、その進捗状況については、3月の第13回審議会でも御報告いたしましたが、その際、いただいた御意見なども踏まえた上で基本方針の改訂をいたしましたので、改訂後の方針について、後ほどまた御説明申し上げることとなっております。
 なお、第13回審議会の議事録につきましては、出席された委員及び専門委員に御確認いただき、御了承を得た上で、既に館のホームページに掲載されております。お手元の配布資料5はそれと同じものです。万一誤植その他問題があれば、後日で結構ですので御指摘ください。
 
3 代償金部会所属委員の指名の報告
収集部長:  会次第3に入りまして、代償金部会所属委員の指名の御報告をさせていただきます。代償金部会所属委員は、委員委嘱と同日の6月1日付けで、資料1の名簿記載のとおり、合庭委員、朝倉委員、佐藤委員、清水委員及び紋谷委員の5名の方々に館長がお願い申し上げました。本日、審議会終了後、部会の開催も予定されているところでございます。よろしくお願いいたします。
 
4 会長の選出
収集部長:  それでは、会次第4の、会長の選出に入らせていただきます。この手続は、委員の方の互選となっております。どなたか御推薦をお願いいたします。
委員:  できましたら、前期に引き続き、衞藤委員に会長をお願いしたいと思います。
収集部長:  ただいま、衞藤委員を会長にとの御推薦がございましたが、他の委員の方はいかがでございましょうか。
委員一同:  異議なし。
収集部長:  御異議がないようですので、衞藤委員に決定いたしました。
 それでは、衞藤委員には、会長席への着席をお願いいたします。
 
5 会長あいさつ
会長:  至りませんが、今までに引き続き、委員の皆様の御協力、御助言を得まして、務めてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 また、今回から委員となられた塩見委員にも、よろしくお願いいたします。
 それでは、会を進めていきたいと思います。
 
6 会長代理の指名
会長:  続いて、会次第の6、会長代理の指名に移ります。会長代理には、公文委員を指名したいと考えますが、御異議ございませんか。
委員一同:  異議なし。
会長:  よろしゅうございますか。特に御異議がないようですので、公文委員にお願いすることに決定いたします。公文委員、よろしくお願いいたします。
 
7 国立国会図書館長のあいさつ
〔館長及び副館長、入室〕
会長:  会次第の第7にはいります。館長からあいさつをいただくことになっております。黒澤館長どうぞ。
館長:  館長の黒澤でございます。納本制度審議会が第4期を迎えるに当たり、ひとことごあいさつを申し上げます。
 まず、皆様には御多忙のところ、委員をお引き受けいただきまして、まことにありがとうございました。また、本日の審議会に御出席いただきまして本当にありがとうございました。
 衞藤先生をはじめ、多くの先生方には、前期から引き続いて委員をお願いしております。また、新たに委員をお引き受けいただきました塩見先生につきましては既にご紹介があったことと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。納本制度のより一層の充実、発展と適正な運用に資することが本審議会の目的でございます。この目的のため、委員の先生方には、御尽力くださいますようお願いいたします。
 前期の審議会では、まず、独立行政法人等の出版物の納入義務について、昨年2月に答申をいただき、これに基づいて館法が一部改正されました。既に、改正法の規定により、これらの法人からの納入が順調に行われており、このような短い間に改正が実現したのも、ひとえに本審議会で大変行き届いた調査審議を行っていただいた賜物と深く感謝申し上げる次第です。
 さらに、昨年12月には、ほぼ3年の長きにわたり調査審議をお願いいたしましたネットワーク系電子出版物をどのように収集していくべきかという難しい諮問に対して答申をいただきました。法律論のみならず、技術的な検討課題も山積し、国際的にも先行事例がほとんど見当たらない中で、熱心な調査審議を積み重ねられ、在るべき制度の骨格を示していただくことができました。
 この答申をもとに、現在、ネットワーク系の収集・利用に係る法制化の作業に取り組んでいるところであります。この点についても引き続き御助言・御協力を賜りますようお願いいたします。内容につきましては、この後、本日の議事次第にありますように、制度化推進本部長であります総務部長が説明する手筈となっているところであります。先例のないことでもあり、答申でお示しいただいた考え方は、今後、世界各国からも注目されるものになると確信しております。
 皆様には、今期もこの審議会の場で、忌憚のない御意見を賜り、納本制度の充実、円滑な運用に資するため、御審議くださいますようお願いいたします。
 館といたしましても、委員の皆様方の御指導、御叱正を賜りつつ、審議会の事務に当たらせていただく所存でございますので、何卒よろしくお願いいたします。
 最後に、梅雨明け間近か、酷しい暑さに向かう折、委員の皆様、御自愛の上、各方面で御活躍なされますよう祈念いたします。
 以上簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
会長:  ありがとうございました。優秀な委員の方々がそろっていらっしゃることですし、御期待にそえるようにできる限り努力いたします。
 それでは、館長、副館長が退出されます。
〔館長及び副館長、退出〕
 
8 「インターネット情報の収集・利用に関する制度化基本方針(改訂第2版)」について(ウェブアーカイブ制度化推進本部長)
会長:  会次第の8に入ります。
 昨年のネットワーク系の答申に基づき館がまとめられた「制度化基本方針」について、第13回の審議会で御説明いただきました。その際の私たちの意見等も踏まえて館の方で改訂を行われたとのことですので、あらためて報告を伺うことといたします。
本部長:  総務部長の生原と申します。ウェブアーカイブ制度化推進本部本部長を務めさせていただいております。
 前回、3月の第13回審議会におきまして、昨年12月に頂戴したネットワーク系電子出版物の収集に関する制度の在り方についての答申を受け館が作成いたしました「制度化基本方針」を説明させていただきました。
 本日は、その後の制度構築に向けた検討状況を御報告申し上げます。お手元の資料6「インターネット情報の収集・利用に関する制度化基本方針(改訂第2版)」、参考(1)同基本方針の改定(新旧対照表)を御覧ください。
 今回の基本方針改訂第2版で大きく変更した点は、包括的自動収集、いわゆるバルク収集の範囲を国、地方公共団体など公共性の高い機関の発信する情報に限ったことであります。
 前回3月の審議会においても多くの御意見を頂戴し、また各関係方面へ説明してその結果を踏まえて検討を進めていくということを申し上げましたが、その後、文化庁著作権課、法務省刑事局、法務省人権擁護局、衆議院法制局等と協議し、出版・著作権関係団体30数団体の方々に「納本制度に関する懇談会」の場で、あるいは個別に説明し、4月には、館ホームページ上で国民の皆様からの意見募集を実施いたしました。また、館法の改正を行う関係上、国会議員の先生方にも説明いたしました。
 その結果、実に多様な御意見を頂きました。有意義な計画であるから大いに進めるべきだという励ましの声、積極的推進論がある一方で、基本方針の想定する制度では著作権者の保護が不十分だという御意見もありました。特に、インターネットに流布している児童ポルノ、わいせつ、著作権侵害等の違法な情報を館が収集し、インターネットで提供することに対する懸念が多く表明されました。
 このため、インターネット上に現に存在する違法情報を収集対象から除くこととし、そのための方法として、バルク収集(包括的自動収集)を、公共性の高い機関のサイトにある情報に限ることとした次第です。
 参考(2)インターネット情報の制度的収集対象(概念図)を御覧ください。
 具体的には、ドメインで、政府(GO)、大学(AC)、団体(OR)、学校(ED)、地方公共団体(LG等)のサイトに限定してバルク収集を行うものとし、団体(OR)ドメインであっても、個人サイトを多く含むネットワークサービスは除くこととしております。
 一方、会社、個人などのサイトは、収集対象ではありますが、やむをえず選択的収集、すなわちバルクではなく個別に収集することとしています。なお、選択的収集においては、当該サイトの管理者に対し、収集することを事前に説明し、諾否を確認した上で収集することといたします。
 収集拒否、消去申出、インターネット提供拒否等の仕組みが用意されていることは、当初の基本方針と変わっておりません。
 この基本方針改訂第2版を一応の到達点として制度案を策定し、目下、法案化の作業を進めております。当初、現在開会されている通常国会中にも法案の提出をと考えておりましたが、今しばらく時間がかかるというのが現下の状況であります。以上、3月の前回審議会以降の検討状況を御報告させていただきました。
会長:  ありがとうございました。この報告について、何か御質問はありますか。
委員:  素朴な質問ですが、学会等のホームページや、そこから発信されている情報は、ただいま御説明のあった基本方針では、どのドメインに当たるのですか。
本部長:  学会のサイトの多くは、団体(OR)ドメインだと思われます。
委員:  その場合には、学会等のホームページも収集対象に入るということですか。
本部長:  そういうことになります。
会長:  他に何か御意見はございませんか。特にないようですので、「インターネット情報の収集・利用に関する制度化基本方針(改訂第2版)」について、本審議会は了承したということとしたいと思います。
 
9 今後の日程(案)について
会長:  会次第の9に入ります。
 今後の日程について、事務局から説明をしていただきます。
事務局:  それでは、配布資料7を御覧ください。最初に収集部長から御説明申し上げましたように、前期委員の任期満了に伴い、6月1日付けで委員の委嘱を行いましたので、本日は、会長の選出など会の構成に必要な手続を行っていただきました。なお、代償金部会所属委員の皆様には、この審議会終了後、今しばらくお待ちいただいて、部会長の選出など、部会の構成を行っていただきます。
 現在のところ、諮問はございませんが、会長とも御相談しつつ、御報告が必要な場合には、随時審議会の開催をお願いする予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
会長:  今の事務局の説明について、何かございますか。はっきりとした予定はまだ決まっていないということのようです。
 確認としてお聞きしますが、代償金部会というのは、常置の機関なのですか。
事務局:  常置の機関でございます。
会長:  それでは、代償金について問題が起これば開催される可能性があるということですね。他の点については、よろしゅうございますか。
 特に御意見がないようですので、お手元の「納本制度審議会日程(案)」のとおり御了承いただいたこととします
 よろしくお願いいたします。
 
10 事務局からの報告
 平成16年度出版物納入状況、平成17年度代償金予算及び平成16年度代償金支出実績
会長:  続いて、会次第の10に移ります。事務局から、平成16年度の出版物納入状況等について報告があるそうです。よろしくお願いします。
事務局:  それでは、出版物納入実績及び代償金の予算と支出実績について、御報告いたします。
 出版物の納入状況等につきましては、前回、本年2月分までの数字に基づく仮の報告をさせていただきましたが、平成16年度分の統計がまとまりましたので、今回、あらためて正式な報告をさせていただきます。
 まず、納入実績でございますが、資料8を御覧ください。図書、逐次刊行物及びパッケージ系電子出版物について、納入冊数を示しております。
 平成16年度の冊数を平成15年度と比較しますと、図書では民間出版物が0.9%減、官庁出版物が1.7%減となっており、両者とも、若干の減少はあったものの、全体として約1.5%減と、ほぼ横ばいになっております。
 逐次刊行物では、官庁出版物について約15.5%の減少がありましたが、納入冊数の規模が大きい民間出版物が約2.2%の微増となっているので、全体としては、2.4%と若干の減少はありますが、こちらもほぼ横ばいとなっております。
 パッケージ系電子出版物につきましては、官庁出版物についてはほとんど変わりがなく、民間出版のものが7.6%増加したため、全体として6.7%の増加となっております。
 次に、代償金予算及び支出実績について御報告いたします。資料9を御覧ください。
 平成17年度予算は、昨年度と同額の3億9千万円余でございます。ちなみに平成13年度以来同額となっております。
 平成16年度の支出実績は、3億9,024万8,994円でございました。
 このうち、支出割合の高い資料についてみますと、図書が1億6千百万円余で全体の約41%、パッケージ系電子出版物が1億1千3百万円余で全体の約29%を占めております。
 前年度と比較いたしますと、逐次刊行物がおよそ3倍となり、パッケージ系電子出版物は約35%減少しております。逐次刊行物に支払いました代償金額が増えましたことは、雑誌、新聞のなかに高額のマイクロ資料等があったことなどによるものです。また、パッケージ系電子出版物に支払いました代償金の減少は、昨年度まで納入されておりました高額の資料が、刊行を終え、追録のみの納入に移行した事情などがございます。
 平成15年度の出版物納入状況等についての御報告は以上でございます。
 なお、平成16年度は、個別の代償金額決定に関する諮問はございませんでした。
会長:  ただ今の報告について、何か御質問等はありますか。
 それでは、まず私から質問があるのですが、資料8の資料別納入実績を見る限り、納入部数については毎年度同じというわけではないようですが、資料9をみると、平成13年度から平成17年度まで代償金予算が同額となっているのはなぜですか。
事務局:  まず、平成12年の館法改正により、一般に高額であるパッケージ系電子出版物が納入対象とされたことで、翌平成13年度から予算額が大幅に増えました。代償金予算額は、出版点数×出版物の平均価格÷2でおおよその額を算出しております。出版点数や平均価格については、多少の増減はあるものの、ここ数年間大幅な変動はありませんので、予算額の算出に当たっても大幅な増減はないということになります。
会長:  今年度、出版点数が増えたとしても、予算額は増えないのですか。
事務局:  代償金予算については、予算請求年度の2年前の実績の数字に基づく額を請求いたしますので、ほぼ変わらないということになります。
委員:  資料8のパッケージ系電子出版物にはどのようなものが含まれるのですか。
事務局:  DVD、CD、CD-ROMのような光ディスク、磁気ディスク、VHSのようなビデオカセット、ビデオディスク等が含まれます。
委員:  音楽用CD等の音楽資料も入っているのですか。
事務局:  音楽用CDにつきましては、資料8のパッケージ系には含まれていませんが、資料9の電子出版物には含まれております。館の統計上音楽用CDにつきましては、非図書資料として取り扱っております。一方、資料9のうち、電子出版物に関する数字は、審議会に御報告するために、非図書資料の中から、該当する分の額を括り出したものとなっております。
会長:  他に何か御質問はございますか。
委員:  資料9の代償金の支出実績ですが、平成16年度に逐次刊行物が大幅に増えています。このような増え方が続くとすると、代償金予算も増額の必要があるのではないですか。
事務局:  外国の逐次刊行物資料は値上がりが大きく、購入予算も逼迫しておりますが、国内刊行逐次刊行物につきましては、小売価格がそれ程高騰しているわけではありません。平成16年度に逐次刊行物の代償金額が大幅に増えましたのは、先ほど御説明申し上げましたように、雑誌、新聞のなかに高額のマイクロ資料等があったことなどによるもので、このような高額な資料が毎年納入されることはないと考えております。
委員:  逐次刊行物への支払額が増加して代償金額が不足したので、電子出版物の受入れを控えたということはないのですか。
事務局:  そういうことはございません。
委員:  資料8と資料9との関連についてですが、資料8の資料別納入実績には、代償金を必要とする資料と、代償金を支払う必要のない寄贈による資料とが含まれているのですね。
事務局:  そうです。
委員:  そうだとすると、資料9の代償金支出実績と結びつけて資料8の納入実績をみようとした場合には、資料8の方に、代償金を必要とする資料と必要としない資料とを区分して示しておいていただいた方が分かりやすいのではないかと思うのですが。
事務局:  確かに御指摘のとおりです。資料8でお示ししているのは、館が収集した国内刊行資料全体の実績でございます。もともと館の統計は、図書館資料を、図書、逐次刊行物及び非図書資料という三つの範疇に大別しています。パッケージ系電子出版物は、「非図書資料」の中に含まれますが、これが納入対象となった平成12年度分から「パッケージ系電子出版物」の納入点数を「非図書資料」から分けて報告することとなり、現在のような資料が作成されてきたという経緯がございます。一方、資料9の代償金支出実績は、文字通り代償金がどのように使われたかについて、事務的な統計の中から抽出した数字を編集した資料でございまして、こちらも、平成12年度分から「パッケージ系電子出版物」の代償金額を分けて報告しておりますが、こちらの代償金支出実績と資料8の納入実績とは対応していないところがございます。ただいまの御意見を参考にいたしまして、次回から、双方の資料の関連が分かるように工夫させていただきます。
収集部長:  統計の採取目的が異なるものですから、納入実績と代償金支出実績との関連が一目で分かるようにはなっていない点がございます。次回から、両者の関係に留意し、極力分かりやすい資料となるように検討いたします。
会長:  よろしゅうございますか。それでは、次に進みたいと思います。
 
11 閉会
会長:  以上をもちまして、第14回納本制度審議会の会次第はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会といたします。ありがとうございました。
 なお、先ほどの事務局の説明にありましたように、代償金部会所属委員に指名された5名の方につきましては、今しばらくお待ちいただきたいとのことです。よろしくお願いいたします。
〔午後2時50分終了〕

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