1. 小委員長あいさつ |
小委員長から開会のあいさつがあり、引き続き、事務局から配布資料の確認を行い、小委員会の任務、スケジュール等を説明した。 |
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2. オンライン資料の制度的収集に係る論点について |
(1)オンライン資料の流通の現状について、事務局から資料3に沿って説明を行い、それに基づいて意見交換が行われた。主な内容は以下のとおり。 |
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○資料3「電子出版例示リスト」について |
諮問に沿った形でいうと、今回収集対象とすべきものは、「オンライン出版」「オンライン出版販売」というタイプで分けられたものになるだろうという見通しでよいのか。あるいは、この点について小委員会で議論した方がよいのか。これだけ多様なオンライン出版が流通しており、諮問に沿った形ということでは、ある切り口を持つ必要があるだろう。(小委員長)
- どういったタイプのものが収集の対象になるのかということを、この小委員会で審議していただきたいと考えている。本資料は、諮問の趣旨に沿った形で対象の検討を行う際に具体的な例示があった方が議論しやすいのではないかと考え、提示した。(事務局)
- リストに掲載されているほとんどは紙媒体が元にあるものであることに関して
- 納入の対象となるオンライン出版は何かという論点の中で、紙と電子の両方があるものをどうするのかという議論が前提としてあって、その上で具体的に何が対象となるのかを考えていかなければならない。(専門委員)
- 紙とオンライン出版が同時に出版される「パラレルパブリッシング」や、過去に冊子体で出したものを電子化する「遡及電子化」などのように、紙媒体で発行されているため納本制度の網にはかかってくるものを、どのように扱っていくのかという議論は大事であろう。(小委員長)
- パラレルパブリッシングに関しては、例えば今年の3月に発行された『電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究』レポートでは、冊子体とウェブ版では中身が少し違っている。インタビューを受けた人から、冊子体への掲載はよいがウェブ版での名前の公開は差し控えてほしいという要望があった。協議の結果、微細な変更なので、名前を伏せて「担当者」と記載してウェブ版を公開した。こういった事例から、紙媒体がすでにあるので電子版は必要ないということにはならないと思われる。両方とも収集する必要があるだろう。(委員)
- 紙媒体が元であるものが主体であることは、今回の諮問が対象としている「図書・ 逐次刊行物等に相当するもの」であると言えるが、はたしてこれだけでよいのかという疑問もある。「図書・逐次刊行物等」からはみ出したものを、どうするのかという問題がある。(専門委員)
- 国立国会図書館としても、将来的には収集しなければならないことを早くから認識していて、色々なプロジェクトをやっているところではあるが、「図書・逐次刊行物等に相当する情報」という範囲だけでも、なかなかに難しいところがある。(小委員長)
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○「図書」という言葉の定義について |
- 国立国会図書館法の規定中に記載されているのか。(委員)
- 記載されていない。(事務局)
- 「冊子体」については色々な定義がある。図書館情報学の分野では、ある一定の定義がされているし、また、海外では「本というのはテキスト部分と装丁部分からなって…」というような定義付けがされている。日本ではどのような定義があるのか。(小委員長)
- あえて言うならば、出版物の中で、館法第24条の各号に例示されている小冊子や逐次刊行物、楽譜、地図、映画フィルム等を除いた、単行の資料が「図書」ではないかと類推される。(事務局)
- 「刊行される」というのは一般的な定義の中に入ってくるのか。第24条各号に例示されている小冊子や逐次刊行物等を除く、「刊行された冊子」が図書であると理解してよいのか。それとも、刊行されたかどうかは関係ないのか。(委員)
- 納本制度は出版物を対象にしているので、「出版されている」ということは前提になる。(事務局)
- 元々は1960年代にユネスコ総会で採択された勧告の中に、「book(図書)」の定義として「49 ページ以上の印刷された非定期刊行物」とあって、それが現在、ISO 9707になっている。各国でbookについての統計を採る時の最低限のルールだから、単に「49ページ以上」と定義するに留まっている。その下には「pamphlet(小冊子)」がある。(専門委員)
- 小冊子とそれ以上のものを分けるということか。(委員)
- ドイツやフランスでは、49ページ以上のものを検閲対象としたという歴史的な背景もある。(小委員長)
- 国立国会図書館の扱いでは、便宜的に10ページ未満の小冊子をパンフレットとしている。(事務局)
- 1981年に日本図書コードおよびISBNを導入しようとした際には、2ページ以上の冊子にISBNを付与するという論議があったが、出版界から強い異議が出た。また、当時の時代背景もあって、労組のパンフレットや機関紙といったものを国立国会図書館が収集するのであれば、国家統制につながるのではないかという論議もあり、2ページ以上という話はすぐに消えてしまった。(委員)
- 伝統的な媒体である冊子体ですら、こういう状況なので、オンライン出版についても定義は簡単にはできないだろう。(小委員長)
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○諮問にいう「図書、逐次刊行物等に相当する情報」の「等」という概念について |
- 「等」は何を意味するのか。(委員)
- 先ほどの話にもあったが、パンフレットと図書・逐次刊行物の境界線が明確にこうだと区分し難いということがある。また、地図や楽譜の内、一枚ものは図書・逐次刊行物と区別しているが、冊子体の場合には、図書・逐次刊行物と同様に扱われることもあり、その辺りを広くカバーできるように「等」という表現にしている。(事務局)
- 「館法第24条第1号、第3号に類するようなもの」という意味の「等」であるということか。(委員)
- そのような理解でよいと思う。(事務局)
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○諮問が対象としている「オンライン資料」の制度的枠組みについて |
- 館法第24条各号に加える形で、納本制度の枠組みの中に置く想定なのか。それとも、従来の冊子体を中心とした納本制度の枠組みでは捉えきれない、新しいオンライン出版という形態が出てきていることに対して、何らかの新しい対応を国会図書館としていかなければならないのか。(小委員長)
- 第24条第1項に掲げられている図書・逐次刊行物等というのは、あくまでも対象となるオンライン出版をイメージしてもらうために、現在の納本制度が対象としている類型を参考として掲げたものである。(事務局)
- パッケージ系電子出版物は、第24条第9号を追加する形で納本制度の枠組みで収集が行われるようになった経緯がある。今回のオンライン資料を制度的に収集することを国立国会図書館法に反映させる場合、この第24条に追加する形で処理することになるのか、それともまったく違う条項を予定されているのか。納本制度に縛られた議論をする必要があるのかどうか。(小委員長)
- 〔配布資料p.20に基づき、国・地方公共団体等の発信するインターネット資料の収集に関する国立国会図書館法の改正について説明。〕納本制度に組み入れないことは平成16年の納本制度審議会答申ですでに提言されていることであり、有体物と無体物で明確に区分するという整理は、今後も行った方がよいと考えている。(事務局)
- 当小委員会での検討結果を法律に反映させる場合は、政府系のインターネット資料の場合と同様に、25条の下に新たな条項が作られるという形になるのか。(小委員長)
- 現在の納本制度も第10章が「国、地方公共団体、独立行政法人等」、第11章が「その他の者」となっている。これに対応する形で、国等の部分を先取りして「第11章の2」として、7月の館法改正が行われた。民間の出版者が発行したものを収集する場合は、「第11章の3」を追加する形になるかと思われる。(事務局)
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○「ネットワーク系電子出版物」、「オンライン資料」等の概念に関して |
- 概念上色々な表現がされているが、例えば地上デジタル放送を利用した電子書籍のデータ配信は、放送でありオンラインではない。今後はネットワークでもオンラインでもない、新しい技術がどんどん出てくる可能性が高いので、オンラインだけを対象にするのでは不足ではないか。(専門委員)
- アマゾンのキンドルが携帯電話のキャリアを利用して配本するというケースもある。(小委員長)
- その場合は、基本的にサーバがあって、そこから取ってくる形になるので、ネットワークが携帯になるだけだが、放送の場合はデータが流しっ放しにされて結果的にテレビの中にすべてのデータが蓄積されていて、その中でユーザーが読みたいものだけ読むという形になるので、インターネットのやり方とは少し異なっている。(専門委員)
- 通信と放送の境界が、ハード面でもこれからますます曖昧になってくる。同じコンテンツでも放送、ネットワーク両方で流れるということが起こってくる。システムで対象かどうか区別するのは現実的ではないと思われる。(専門委員)
- データベースプロバイダを利用する際は、IDやパスワードの入力が求められており、インターネットを介していても一種の専用回線状態となっている。地デジの場合も同様ではないか。(小委員長)
- 地デジの場合は、必ずしもリアルタイムではない。(専門委員)
- 「オンライン」や「インターネット等」という言葉は、将来のことを考えると避けた方がよいのか。(小委員長)
- 放送に関しても、あるチャンネル1か月分をハードディスクに全部納めてしまい、それを中でマージして使うということはルール的に実現できている。家までは放送で来るが、家で蓄積されたものはネットと同じように使うということが出てくるので、システムで分けるのはどうか、という気がしている。(専門委員)
- ゴールとしての法制度の形は、国立国会図書館法第25条の3のような形に収束していく可能性が高いとすれば、およそあらゆる情報が対象になってくると読める。諮問内容は制度の在り方について聞いているのだから、最終ゴールを聞いているようだが、対象物は図書・逐次刊行物等に相当する情報となっている。この点については、あまり限定的に読まなくてもよいということになるのか。仮に限定的に考えなくてもよいとして、システムでも限定しないということになると、あらゆる経路をたどってきた、どんな情報でも対象になりかねないと思われるが、この点についてはいかがか。(委員)
- とりあえず来年の3月までにすべてを制度に組み入れることは困難であるから、まずは従来の納本制度の中で蓄積された、図書・逐次刊行物等に相当するような情報を第一段階としてやっていく、というのが諮問の主旨であると考える。(小委員長)
- 国立国会図書館における電子出版物収集の検討経緯として、平成11年の納本制度調査会答申では、パッケージ系電子出版物とネットワーク系電子出版物の両方を検討して、当時はパッケージ系だけを法律によって収集することになった。その後、インターネット等における情報量が飛躍的に増大したことに伴い、ネットワーク系電子出版物について平成15年、16年の納本制度審議会において再度審議を行い、制度の枠組みが示された。しかし、ネットワーク系電子出版物という概念は非常に広く、放送も含めた民間のあらゆる情報を収集することは実質上かなり困難なこともあり、実際に制度に落とし込んでいく段階において、何が現実的かということを検討してきた結果、今年7月の政府系のウェブサイトについて収集を行うという形で法律が制定された。この次の段階として、民間のウェブサイトすべてという選択肢や、放送も含めた、本来の意味でのネットワーク系電子出版物すべてを収集するという考え方もないわけではないが、そこまでを今すぐに実現することは困難である。そこで、段階的に進めていく場合、国立国会図書館の任務として、まずは図書・逐次刊行物等に相当する情報が大きな部分であると思われるので、今回このような諮問をするに至った、と理解している。(事務局)
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○小委員会の報告書と法制度化のプロセスで、関係者との協議についてはどのようなスケジュールで考えているのか。出版社へ検討内容をフィードバックするタイミングも必要なので伺いたい。(専門委員) |
- スケジュールについても念頭におきながら論点整理を行っていきたい。(小委員長)
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(2)事務局から資料4「オンライン資料の制度的収集に係る論点整理(案)」に基づき、論点の概略説明を行った。 |
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〔10分間休憩〕 |
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(3)引き続き、事務局から各論点ごとに机上配布資料の「課題管理メモ」に沿って説明を行い、論点に基づく質疑応答が行われた。主な内容は以下のとおり。 |
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【論点1 全体的事項】 |
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○事務局で報告書案を作成の上で、各委員、専門委員から意見を頂きたい。(小委員長) |
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【論点2 オンライン出版の定義、類型】 |
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○インターネットを通じて提供されるものを収集するということであれば、「インターネット等」という表現でも良いが、来年には地上デジタル放送を通じて、従来の出版物に相当するものが配信されることになっている。もう少し抽象的な表現の方が良いとも考えられる。(専門委員) |
- その場合、事務局案にある「電気通信ネットワーク」という言葉で、放送まで読み込むのは難しいであろう。「インターネット等を介して、発売・頒布され…」という表現にすることも考えられる。(小委員長)
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○今回の諮問は、多様なネットワーク情報の内、部分的なものを対象としているが、報告書の方針としては、全体の多様な情報を収集することを前提として今回は一部という構成とするのか、そのような前提を付さずに今回対象となるもののみの報告とするのかの検討が必要である。(専門委員) |
- 「魔法のiらんど」など、いわゆる出版社には限定しないのではないか。(委員)
- 定義は別にして、収集すべき範囲を検討する必要があると考える。(事務局)
- 当委員会の報告では、今後の通信インフラ等を考慮する必要はないと考える。(小委員長)
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○純然たる質問として、図書、逐次刊行物等と限定するよりも、自動的に何でも集める方が選択するよりも効率的ではないのか。出版社等から送付してもらうとして、実効性がどれだけあるのか。(委員)
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- 今回対象とする図書等に相当する情報は、IDとパスワードなどによって保護がかけられているものも多く、自動的な収集には向かないと考えられる。事務局としては、送信・送付が主な手段と考えるが、両方の方法が採れると良いと考えている。(事務局)
- 今回の対象である図書等に限って言えば、その対象範囲が従来の出版者と重なるところが大きく、国立国会図書館での収集の対象であると認識してもらえる可能性は高いと考える。(専門委員)
- 従来の納本は取次を介して納本していたことで、その実効性が保たれてきた。オンライン資料についても、それに代わる仕組みを考える必要があると思われる。印刷用の最終データは、印刷会社が保有している。場合によっては、印刷会社を通じて収集するのも手段の1つと考える。(小委員長)
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○諮問には「編集過程を経つつ」という言葉があるが、これはどう考えるのか。(委員)
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- 編集過程という言葉は、適切であろうか。紙の世界ではそうであったが、電子でも当てはまるのだろうか。むしろ「校了」を重んじたいと考えている。(小委員長)
- 大手の出版社であれば、電子出版についても編集過程を経ているとみて良いと考える。また、ケータイ小説は、勝手に送ってくるようだが、書くことができるシステムがあるから送ってくる。そのシステムが編集といえるのではないか。(専門委員)
- 「従来の編集過程」を編集者等が関与して、一定の信頼性を付与する行為だとすると、著者が送付するのみで、管理者が読むこともないケータイ小説は、「従来の出版と同様の編集」とは言えない。しかし、読者からのフィードバックによって、修正されていくというシステムを、編集と解釈できないわけでもないと思う。(専門委員)
- ケータイ小説の執筆の規約にも、内容が公序良俗に反してはいけないなどの規定があり、それに反すると管理者が削除等を行う。少なくともプロセスは経ている。(委員)
- この編集過程云々というのは、責任のある人から出たものを送ってほしいということではないか。ウェブ上にあった作品の送信を依頼しようとしても、何処の誰が掲載しているのかが分からないのでは、困るであろう。(専門委員)
- まずは、従来の出版社の提供するものからという理解か。(委員)
- 検討していくと境界があいまいになる。今までも、各組織の境界線上のものが保存されずに抜け落ちているところがある。しかも、新しい文化というものはその部分から起こることが多い。個人的には国立国会図書館は今までと違う領域へ範囲を拡大する必要があると考えている。今回については、諮問に沿ってどのようにまとめるかが重要だと理解している。(専門委員)
- 「図書館は成長する有機体である」という言葉がある。将来、様々なメディアを扱う必要が出てくるであろう。その可能性を閉じているわけではない。今、存在しているものを収集する必要がある。次の報告までは、その範囲に限定したい。(事務局)
- 送信してもらうとしても、ネット上には様々なものが発信されている。送信元にプロバイダーのようなところも含めると、従来の出版物よりは広い範囲のものが集まる可能性はある。現在、商業的に電子出版しているところであれば、収集は可能ではないか。(小委員長)
- 出版社にデータはあるので、何らかの送信はできるであろう。(専門委員)
- この定義でケータイ小説は範囲に含まれるのか。(委員)
- 含まれると思われる。(事務局)
- 広義の編集であろう。(専門委員)
- プロの編集者の立場からすれば、ケータイ小説に編集といわれるものはなく、小説ですらないと言いたいところもあるが、プロの編集者の行為ばかりが編集という訳でない。また、今後の電子図書館を考えるとケータイ小説等も集めて行かないといけないと思う。(専門委員)
- ウィキペディアは今回の諮問の収集対象に入ると思うか。(委員)
- 入ると思う。(専門委員)
- この諮問の言葉は、紙での作業を思い描いてしまう。(専門委員)
- 従来も自費出版等の誤字の訂正すらしていなものも収集している。(委員)
- 何らかの編集があったというぐらいが良いのではないか。(専門委員)
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【論点3 流通状況(1)】 |
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○紙で出版されたものと、電子で出版されたものと、一見同じ内容のもののようであっても中身が微妙に異なっている場合がある。電子の図書雑誌とは別に紙の資料があるかないかということは、収集対象を考える上で考慮する必要はなく、電子で流通する図書や雑誌相当のものは収集するということで良いと思う。(小委員長)
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- 後で文庫版が出るのと変わりないと思われる。文庫版もその発行時に修正される場合はある。(専門委員)
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【論点4 流通状況(2)】 |
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○かつて出版されたものを遡及して電子化したものも同様で良いか。また、例えば青空文庫は全体を1つの収集対象ととらえるか、その中の個々の作品を別々のものと捉えるべきか。(小委員長) |
- データベースはそれを一つの塊の収集対象として捉えないといけないのか。青空文庫の場合、あくまで作品の1つ1つが、個々のコンテンツとして独立していると思う。新聞データベースはそれで1つの単位と思うが、書籍のデータベースの場合は独立した書籍の集合ではないか。(専門委員)
- ジャパンナレッジや、その中の東洋文庫や辞書はどうであろうか。(小委員長)
- ジャパンナレッジの場合、日本国語大辞典等の各辞書はそのデータベースが1つのコンテンツを構成する。辞書の場合はデータ1件1件独立しているとは言えない。(専門委員)
- 辞書はデータベースで1つの単位であるが、東洋文庫等は1冊ずつが単位となると考えられる。しかし、パッケージ系の場合は、複数の辞書を1度に検索できるようにしたコンテンツも1つの単位として捉える事ができたが、ネットワーク系ではそういう考え方はできないのではないか。(小委員長)
- データベース化されているものについては、リレーショナルの組み方などで、一概には言えないと思う。データというものは多様であるので、コストと技術的に可能な収集する範囲を議論すべきであろう。今回は出版社を中心とするということで良いのではないかと思う。最終的には全ての情報を集めるのが理想であるとは考えている。(専門委員)
- 収集は、個々のコンテンツを対象とするのか、データベースを対象とするのかは重要な問題であると考える。(小委員長)
- グーグル的な世界では、1行ずつに分解され、小説であっても著作の単位ごととは限らないということもある。ただ、今回については、データベース全体を対象とすることは難しいのではないか。国立国会図書館の検討として、まず、パッケージ系を集めるようにした、次のネットワーク系の中で出版社が提供するものを対象とする、ケータイ小説も範囲内であろうという考え方で、今回は良いのではないか。(委員)
- 結局、”0”と”1”に還元されてしまう世界だ。1作品という単位も、我々が仮に設けたもので、技術的な線引きはない。ケータイ小説は、小説ではないのかもしれないが、小説と名付けられているために、従来から国立国会図書館が収集してきたものとの親和性が高いので、集めるという考え方であろう。(専門委員)
- 将来について語ることは、現在を前提とするしかないできない。ケータイ小説についても小説か否かという従来の小説の概念の延長でしか考えることはできない。また、多くのコンセンサスもその方がとりやすい。小委員会へ降りてきた時点で、対象が狭くなっているとして、議論すべきである。(専門委員)
- それが良いと考えている。(専門委員)
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【論点5 流通状況(3)】 |
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○ウェブ新聞については、更新が頻繁で動的な出版物という考え方もあるが、ある時点で加筆修正がなくなり、ある種の校了となる。(小委員長) |
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○「事業者によって保存が行われない場合」ということを考慮して、定義付けする必要はあるのか。(委員)
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- 必ずしも、定義として入れる必要はないかもしれない。新聞事業者は、長期的な保存にも力を入れているために、そのようなことも記載した。(事務局)
- 全国紙の状況と、地方紙とでは状況が異なると思う。新聞発行であると認識している人が送ってくるという方法しかないのではないか。その人が最終版だと思ったら、それを送ってくる。(専門委員)
- その場合、アサヒコムと聞蔵は別物と考えるのか。それには違和感がある。(専門委員)
- 全国紙の地方版はウェブにもあるのか。(小委員長)
- バックナンバーまでは分からないが、アサヒコム等には地方版も掲載している。(専門委員)
- 最終版は聞蔵になるのだろう。共同通信等が配信したものが、地方紙に掲載されていたりするが、共に集めるのか。(専門委員)
- 仕方がないであろう。重複は生じると思われる。(専門委員)
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【論点6 送信と保存におけるフォーマット】 |
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○フォーマットを統一するのは現実的ではないと思われる。ビューアも含めて集める方が良いのではないか。(専門委員)
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- バラバラのものを集めるのは避けたい。何らかの統一的なフォーマットで収集するのに加えて、個別のフォーマットを収集するということは考えられる。(事務局)
- パッケージ系で収集されたものはどうなっているか。(専門委員)
- Windows3.1、MS-DOSのものは現在、ほとんど読み取りできない状況にある。オンラインの著作も、統一的なフォーマットに基づく収集でないと、20年から30年後には再現できないということになると考えられる。(事務局)
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○動的に見せているものを、PDF等に固定するのは、編集者としては認めがたい面がある。同一性保持権が保たれるのかという観点で議論したい。(専門委員)
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- 動的なものの同一性保持は、技術的に難しいのではないか。(専門委員)
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【その他】 |
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○配布の韓国電子出版協会の韓国電子出版物認証センターの資料について |
- 韓国では電子出版物のECN (eBook Certification Number)という認証が急増しているとのことである。認証の条件は、出版社が登録されていること、動画は不可で版面の7割が文字または絵であることで、2009年からは、ECNを導入すると付加価値税が免除されるようになった。その結果、2008年5月の段階で認証を受けたebookは5~7万件程度だったが、2009年11月18日現在では240万件に伸びた。また、韓国では今年、図書館法が改正され、電子出版物の国立図書館への納入が開始され、有償のものには補償金を支払うとのことである。(委員)
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○資料の著作権に関する記述で正確ではない部分の削除を願う。(委員)
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3. 予定審議事項、今後の日程等について |
今後の日程について、確認した。なお、議事録については要録としてホームページ上で公開することとした。 |
以上 |