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平成28年度第1回納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会議事要録

日時:
平成29年3月16日(木)午後3時~午後3時45分
場所:
国立国会図書館本館3階総務課第一会議室
出席者:
福井健策小委員長
植村八潮委員、遠藤薫委員、斎藤誠委員、永江朗委員、根本彰委員、佐々木隆一専門委員、三瓶徹専門委員、樋口清一専門委員
会次第:
  1. 電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業の現状について
配布資料:
  • (資料1)納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会所属委員及び専門委員名簿(五十音順)
  • (資料2)電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業について(平成29年3月)
  • (資料3)電子書籍・電子雑誌収集実証実験第2段階における枠組み
  • (資料4)電子書籍・電子雑誌収集実証実験第2段階における枠組みに対する主な意見
  • (参考資料1)平成27年度第1回納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会資料3「電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業の意義・経緯」
  • (参考資料2)同資料4「国立国会図書館の想定する実証実験のための技術的枠組」
  • (参考資料3)同資料5「電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業についての補足説明資料」
議事概要:

資料2、資料3及び資料4に基づいて、事務局から、平成27年12月1日に開始された電子書籍・電子雑誌収集実証実験事業の現状について説明を行い、質疑応答が行われた後、今後も実証実験事業を着実に進めることで了解が得られた。主な発言は以下のとおりである。

  • オンライン資料の収集に関する館法改正はすでに行われており、附則に基づいて有償等の場合の納入義務が免除されている状態である。法の趣旨に照らして免除状態を永続化させるのは望ましくないので、課題の解決策を見出す必要がある。
  • 納入した有償オンライン資料については、館内の利用提供に限定されることに出版界の納得が得られるかどうかが重要である。国立国会図書館内での閲覧提供は民間の有償サービスを利用することとし、その代わりに出版社側はDRMを外したデータを納入し、それをダークアーカイブとすることも一つの選択肢である。
  • 収集と保存が国立国会図書館の重要な役割。閲覧させることが利用であるという前提で議論がされているが、調査研究のためのメタデータの提供だけでも利用と言えるのではないか。閲覧提供の部分については民間に任せ、収集したコンテンツはダークアーカイブとして民間での提供がなくなった場合に利用させればよいのではないか。
  • ダークアーカイブの発想は理解するが、永久に利用提供できないものの収集に対して公的資金を使うことについて懸念もある。
  • 国立国会図書館は、住民への利用提供を主目的とする公共図書館とは役割が異なる面があるので、収集後一定期間利用を制限するというエンバーゴの考え方も許容されるのではないか。
  • 実証実験においては、利用が前面に出過ぎているように思える。オンライン資料についても収集後すぐに利用できるようにすべきかは、更に議論すべきであると考える。
  • 実証実験に参加している出版社とそうでない出版社で知識や情報に大きな差がある。国立国会図書館がオンライン資料を収集・保存することは出版社にとってもメリットがあるはずであり、国立国会図書館は更に出版界全体の理解を進めていく努力が必要である。
  • 文化庁の文化審議会においては、アーカイブを作りやすくするために著作権者の権利制限を進めていくという大きな流れがある。国立国会図書館のオンライン資料の収集制度においても、その流れとリンクしていく必要がある。また、出版社だけではなく、権利者としての著作権者の意向にも注視すべきである。

(以上)

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