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第2回納本制度審議会納入出版物の最良版に関する小委員会会議録

日時:
平成12年8月3日(月)午後2時~4時
場所:
国立国会図書館 本館3階総務課会議室
出席者:
納入出版物の最良版に関する小委員会所属委員・専門委員
合庭小委員長、奥住専門委員、児玉専門委員、浜野専門委員、事務局

議事録:
小委員長:  第2回納入出版物の最良版に関する小委員会を始めます。まず、配布資料の確認を事務局からお願いします。
事務局: 〔以下、配布資料について確認〕
小委員長:  前回の会議録については、何かありましたら事務局に申し出てください。では、本日の議題である納入すべきパッケージ系電子出版物の「最良版」についての小委員会報告について、節ごとに議論しましょう。事務局から説明をお願いします。
事務局: 〔以下、納入出版物の最良版に関する小委員会報告(案)中、第1節「「最良版」の規定とその趣旨」について説明〕
小委員長:  第1節の4「「最良版」と「再版」の関係」のところに、最良版の規定の適用が問題となる事例として、最初にペーパーバックのみで出版され、その後にハードカバーも発行された場合、とありますが、これは欧米の出版界を念頭に置いたのですか。
事務局:  事例として適切さに欠けるかもしれませんが、一応理論的に考えて、あくまで発行の時期を異にして再版された場合という事例です。
小委員長:  通常だとハードカバーが先に出て、それからペーパーバックが出ますから、逆にしたほうがいいかもしれません。学術書だとそうなんですが、エンターテインメント系だとこういう形態もあるのでしょうか。
専門委員:  それは例外的ですね。
事務局:  パッケージ系の方が事例としては分かりやすいと思いますので映像系で説明すると、最初にLDとビデオカセットテープで出たのが、内容が変更されてDVDとLDとビデオカセットテープで出るような場合には、最良版の規定の趣旨から言えば、その三者で最良版を選ぶということだと思います。
小委員長:  その議論を導き出すためですね。他に何かお気づきの点はありますか。
専門委員:  先日、アメリカの映像アーカイブを回ってきたのですが、ビデオカセットテープは、クオリティを維持しても10年くらいしかもたないと聞きました。ビデオカセットテープが最良版であっても、将来には最良版が最良版でなくなってしまうので、DVDがあればDVD、その次にレーザーディスクとビデオカセットテープというようにして、時差があっても、そのように入れたほうがいいですね。10年経ったらテープはあきらめたほうがいいと言っていました。3つあったらどれでもではなくて、できるならDVD、レーザーディスク、ビデオカセットテープといった順番を明記したほうがいいのではないでしょうか。
専門委員:  そのことは、第4節に保存性の問題ということで出てきています。保存に適するものということで解決するのではないでしょうか。それと、現時点ではビデオカセットテープが先に出ていますが、もう少しするとDVDが先に出たり、同時期に出たりすることもあり得ると思います。
小委員長:  最良版の定義として、保存の問題についてはっきり触れられていましたか。
事務局:  明確には触れられていません。
専門委員:  保存は別項にありますけど、最良版を定義するときに、条件として保存性を具体的に書き加えたほうがいいですね。
専門委員:  第1節でいう「最良版」は、本の問題ですよね。
小委員長:  ただ、8ページの最後のところでアメリカの議会図書館の最良版を参考にしています。
専門委員:  ここに書かれていることが、パッケージ系電子出版物の発行者に分かるかどうかということがあります。本を対象にした最良版の趣旨とか、あるいは現行の最良版の規定と趣旨とかいうふうに書いた方が分かりやすいのではないでしょうか。
事務局:  確かにおっしゃるとおりなんですが、現行の出版物だけの話ではなく、パッケージ系電子出版物を含めた一般理論であるという趣旨で書かれているので、代表的な事例としては図書などを想定しているのですが、最良版に該当すれば、その他の版の納入を免除する、それは納本の目的に最も適するもの、図書館の長期保存と利用に資するものに該当するという規定の趣旨を踏まえていけば、最終的な議論として押えられるのではないでしょうか。
小委員長:  今のところははっきり分かるようにした方がいいですね。このままだと、図書資料について書いているように聞こえます。
専門委員:  私も読んだ時に、第1節については図書資料だけだと思っていました。ここは「全部含む」としたほうがよい。
事務局:  パッケージ系にもわたるような記述を付加したいと思います。小委員長と相談の上、最終的に修正を加えたところをチェックしていただきたいと思います。
小委員長:  アメリカの例では、あらゆるものについて触れているので、それを参考にしてください。第1節はよろしいでしょうか。では、第2節の説明をお願いします。
事務局: 〔以下、同資料中、第2節「現行の納入対象出版物と「最良版」について」について説明〕
小委員長:  この部分は現行の話ですからいいですね。次の第3節がいよいよ新しいところですね。
事務局: 〔以下、同資料中、第3節「パッケージ系電子出版物の類型と発行の特徴について」について説明〕
専門委員:  「(2)映像を記録したパッケージ系電子出版物」の事例のところに「シネマスコープ」とありますが、「ワイド版」とした方が分かりやすいのでは。
専門委員:  ヨーロッパ版とかいろいろあるんですよね。
小委員長:  「シネマスコープ」は商標登録ですか。そうすると、「ワイド版」の表現のほうがいいですね。
 それから、発行の特徴として「音を記録したパッケージ系電子出版物」、「映像を記録したパッケージ系電子出版物」、「その他のパッケージ系電子出版物」という書き方になっていますが、これでいいでしょうか。
事務局:  録音資料というと、レコードが入ってしまい、パッケージ系電子出版物としては収まりが悪い。映像資料というと、映画フィルムが同様に入ってしまうので、こう書かれています。
小委員長:  マルチメディアはどこに入るのですか。
事務局:  基本的に音だけのものであれば「(1)音を記録したパッケージ系電子出版物」のところ、映像を主とするものであれば「(2)映像を記録したパッケージ系電子出版物」のところになります。音も映像もあるものは、例えばゲーム系のものは「(3)その他のパッケージ系電子出版物」のところで類型化されます。
小委員長:  パッケージ系電子出版物を、音を記録した、映像を記録した、と分ける意味がないような気がするのですが。
事務局:  そうすると、全部パッケージ系電子出版物にひとくくりになってしまうんですが、ただ発行の特徴の違いはあるんです。
専門委員:  確かに発行の形態は音と映像では違いますね。
専門委員:  例えばソニーはMDでも出していますので、ソニー系のものなどはもっとたくさんの媒体で出ますね。
専門委員:  カセットテープは最近はほとんどないです。
小委員長:  ただ、朗読の世界では、まだカセットテープがあります。
専門委員:  国立国会図書館でも外国資料は集めているわけですよね。外国でしか出ていない映像資料が山ほどありますが、そういうのは無視して収集しないのか、日本のものだけを収集するのですか。
小委員長:  納本制度は日本で発行されたものの収集ですね。
事務局:  外国の資料については、納本制度以外で対応します。国内で発行されたものが納本制度の対象です。外国資料については購入で収集することになります。
小委員長:  ナショナルジオグラフィックソサエティのビデオでも、日本で日本版が出れば、それは納本対象になる。
専門委員:  著作権の所在ではなく、あくまでもパッケージ系電子出版物の発行元で考えるということですね。
小委員長:  ではこの「発行の特徴」のところは、メディアの例示をもう少し増やすということで、基本的にはこれでいいですか。
専門委員:  アプリケーション系というのは、ソフトウェアを意味しているのですか。アプリケーションというのは業界の人ならわかりますが一般の人は分かりにくいのでは。
小委員長:  これにはOSも含まれるんですよね。
専門委員:  実はゲーム系も、アプリケーション系に含まれるんですよね。分け方としてどうするのか、厳しいところがあります。
事務局:  はっきり区別がされていればいいのですが。コンテント系には何が入るのかとよく聞かれます。
小委員長:  その疑問からすると、発行の特徴のところは発行形態の特徴ということで、アプリケーションやコンテントとかの話ではなく、メディアの話をしたほうがいいのでは。その他のところはお任せして、修正したら見せてもらいましょう。
 次は、第4節のパッケージ系電子出版物の「最良版」とその決定基準についてです。
事務局: 〔以下、同資料中、第4節「パッケージ系電子出版物の「最良版」とその決定基準について」について説明〕
小委員長:  ここの部分は、もし、第3節の発行形態の書き方を変えるとなると、同様に変更が必要となってやっかいですね。
事務局:  同じようにあわせることになります。
小委員長:  アメリカの議会図書館の最良版のところは、写真やその他の静止画像とか音楽作品とかの出版物ごとに決めていますので、参考にしてみては。
専門委員:  決定基準の6「利用機器が標準化されていないものよりされているもの」は、「利用機器の規格が普及していないものより普及しているもの」と書いたほうがいいのではないですか。必ずしも標準化しているものが普及しているとは限らない。
専門委員:  私もそれに賛成です。標準化というと、ISO、JISなどきりがないんです。業界規格が一番ですね。規格化されているけれど標準化されていないものも入っている。
専門委員:  利用機器の規格が普及しているものにしたほうがよい。 専門委員:最終的に市場で大勢を占めているものとすると語弊があるけれど、いいものはいいんですよね。規格が普及していないと使われない。
小委員長:  プレイステーションとセガサターンと両方出たときにはどうなりますか。
専門委員:  それは媒体のパッケージが違いますよね。つまり、プレステとセガサターンとでどこが違うかというと、まず中身が違う。
小委員長:  中身が違うのなら両方納入されるわけですね。そうすると、「利用機器の規格が普及していないものより普及しているもの」には具体的には何が入るのでしょう。
専門委員:  マック版よりウィンドウズ版ですか。
小委員長:  それは両方入れるのではないですか。
事務局:  例えば、電子ブックで出ているもの(8センチ)でもパソコンで対応できるものがありますが。
専門委員:  それは納入者にお任せしてはどうでしょうか。8センチと15センチでどこが違うかといえば、おそらくパッケージそのもののデザインが違うんですよね。
小委員長:  電子ブックの場合、検索ソフトはハード側にあるんですよね。電子ブックはそのままだとコンピュータに差し込んでも通常は読めないんです。
事務局:  検索用ソフトを新たに入れないといけないですね。
専門委員:  電子ブックのほうはハードとソフトがくっついてるんですが、そこがやっぱり違うと思います。
小委員長:  12センチのCD-ROMが納入されれば、8センチの電子ブックは納入されなくていいということですか。電子ブックのみで出されるものもありますね。
専門委員:  普及という意味を広く解釈して、例えばウィンドウズとマックでは両方、プレステとファミコンも両方普及していますから両方を納入してもらう。ベータとVHSはかつて両方普及していましたが、結果的にはVHSのみになってしまいましたからね。
小委員長:  そうなるとこの6番はなんのための基準としてあるのでしょうか。
専門委員:  特殊なものだけということになりますか。
専門委員:  特殊機械用のソフトも出てきているけれど、納入されても動かないんですよね。例えば、シャープやソニーが出している電子辞書などもパッケージ系になるんですか。すごい勢いで売れていますよね。
小委員長:  ああいうものは納本対象にならないのでしょうか。
事務局:  難しいところですね。納本対象にならないと考えたほうがいいと思います。
小委員長:  そうすると、チップに音楽を録音して売るというのは。
事務局:  特別な装置と一体化して市場に出回っているなら、出版物とは言えないですね。チップだけが単独で出回っている場合は出版物であるといえます。
小委員長:  ハードウェアにプレインストールされているものは、パッケージ系電子出版物とは言わないということにすれば。
専門委員:  使ってみると本の広辞苑よりよほど便利です。百科辞典などではこういう一体化したものが主流になるでしょう。
小委員長:  今後、出版物がああいう形態でしか出なくなるようなこともあるかもしれませんね。
専門委員:  百科辞典は特にそうですね。
専門委員:  ここは、「利用機器が一般に普及されているもの、されていないもの」という感じではどうでしょう。
小委員長:  その問題と同時に、利用機器に出版情報があらかじめインストールされて売られているものがたくさんありますが。
事務局:  出版事情、発行事情が変化してそういう形でしか発行されなくなれば、ある程度対応できるようにしていかなくてはならないですね。今の段階ではなかなか。
小委員長:  今主流ではないとしても、来年には主流になっているかもわからない。
事務局:  規格が普及していないものよりしているもののところで議論になっていますので、ウィンドウズとマックを両方納入するという方向性についてはどうでしょうか。どういう形が望ましいのか結果を出していただきたいんです。最後のところに、社会情勢、出版事情の変化に応じて基準を見直さなければならないとは書かれていますが、ある程度対応できるようにしておきたい。
小委員長:  10月の施行まで時期が迫っているから確定しないといけないですね。基準の見直しを定期的に行うという一文を入れることは可能ですか。
事務局:  可能ですが、今度の施行に当たって関係団体へ説明するときに、ウィンドウズ版とマック版の両方ある場合にどちらが納入対象ですかと聞かれたときに、当面の基準として必要です。10月1日の施行までのとりあえずの基準にしておいて、議論があったときには見直すということは当然やっていかないといけないと思います。
小委員長:  ウィンドウズ版とマック版の場合、ハイブリッドが出ていれば問題ないですが、両方出していてどちらですかと聞かれたときに、両方入れてくださいというのは、どこで読むのですか。
事務局:  今の段階では、とりあえず、なお書きのところで別の問題だということにしていますのでいいんですが、ウィンドウズ版、マック版のどちらかに決めようといったときには、6番の基準で分けなければならないかと。
小委員長:  両方とも普及しているから両方入れてくださいと考えられますね。
事務局:  そういうふうに考えるのか、より普及している方と考えるかです。
専門委員:  そうすると、基本的に機器やプラットフォームの話も6番で解決した方が早いのではないですか。納入する人が普及度を選択できるようにすればいい。つまり、実際問題としてマック版、UNIX版、ソラリス版、ウィンドウズ版などがあってもしょうがないでしょう。どれか一つあればいいんですよね。
小委員長:  文化財の保護ということになるとどうでしょう。
事務局:  そのときに参考にしていただければと思いまして、プラットフォームの異なるパッケージ系電子出版物の事例を参考として列記しておきました。
専門委員:  そうすると逆に6番がいらなくなるのではないですか。もしプラットフォームが違っても、これだけの分を納めてください、という話をされているんですよね。
小委員長:  そうするとこの参考資料として出された「プラットフォームの異なるパッケージ系電子出版物の事例」というのはどういうふうに見ればいいんですか。
事務局:  これらについては、プログラムが異なると考えることもできるし、最終的にある機能を達成する同一の作品と考えることも可能だと思うんです。その議論のために、実例を検討材料として出しました。文化財の蓄積という観点から見れば、あらゆるものを集めておくというのが、金銭の問題などを度外視すれば、理想ではあります。一方、利用提供いう点から見れば、いろいろとりそろえて博物館のようにならない限り、資料がスムーズに提供できないということも、現実としてあるんです。実務上、納入者も、利用提供する国立国会図書館も双方が困らない分け方ができるかどうかなのですが。
小委員長:  広辞苑でいうと、POWER Mac版とウィンドウズ版とEPWING対応版で、どれか一つ選ぶことになるのですか。検索ソフトは違いますが、元データは同じですね。
専門委員:  シャープの出した『広辞苑』も入れたらどうですか。あれは、本と同様に持ち運べて便利なんです。最近はあらゆるメーカーが出しています。
専門委員:  文化的遺産といわれれば、全部納入するほうがいいですね。何かのとき、紛失したときに備えておける。または、どれでもいいけれど、納めるときにこういうバージョンがあると言ってもらって、何かあったときに問い合わせるというふうにするのはどうですか。
小委員長:  OSが違ったら全部納入ですよね。
専門委員:  そうすると大変だと思います。
小委員長:  パッケージ系電子出版物はこの時代の数ページを飾るものですから、大事にとっておく。あとは何でも全部オンラインでできるようになってしまうでしょう。
専門委員:  インターネットのデッドメディアというところもありますよね。あまり多くてもう書ききれないんです。
専門委員:  国立国会図書館で閲覧する場合、マックしかないということはないですか。
事務局:  マックも備えてあります。部屋によっては確かにまだ台数が少ないのでないかもしれません。
小委員長:  納入する人にどちらなのか示さないといけないですね。マックにするかウィンドウズにするか、両方なのか。
専門委員:  機能とか見た目とかインターフェイスとかは、ウィンドウズ版とマック版とでだいぶ違うんですよ。フォントの出方とか。
専門委員:  だったら全部納本していただくのでしょうね。
専門委員:  そのことを書いておけばいいんですよね。同じタイトルで出ていたものでも、機能もインターフェイスも違っていたら納本すると。
事務局:  それは、6ページのなお書きの部分にあります。
小委員長:  そうすると基準のところにこれを反映させなくてもいいんですか。
事務局:  前提として、最良版の基準を適用しないという部分となります。
小委員長:  説明はできるんですね。
事務局:  今の方向で議論を押さえれば可能です。
小委員長:  ところで、プラットフォームの定義は何ですか。ウィンドウズとマックならOSですね。「ことえり」とかEB、電子ブックなどは?
事務局:  第3回納本制度審議会でお示しした事例の最後のところに、プラットフォームの用語解説をしてあります。
小委員長:  では、それを再び引用しましょうか。今出たような議論を集約するような形でまとめましょう。
事務局:  基本的にはなお書きのところで別々の出版物として扱うと記述するという方向でいいでしょうか。
専門委員:  なお書きで、「最良版の基準を適用しないものとするような形でいく」と、「すべて納めてください」と入れておく方がいいかもしれません。括弧書きとして、プラットフォームの違いはすべて納本すると。
小委員長:  8番の「コピープロテクトされているものよりされていないもの」ですが、基準として出す必要はありますか。まず、問題はハードウェアでもコピープロテクトしている例がありますね。
専門委員:  コピープロテクトを迂回することはだめだという法律があります。特段の事情がないとできない。図書館の場合はできるのですか。
専門委員:  図書館はできるとなっています。基本的に最近はほとんどがコピープロテクトがかかっていますから、これからデジタルになればなるほど。ただ、この基準は外したほうがいい。
事務局:  ただ、ほとんどがコピープロテクトされているのであれば、基準を上からずっと当てはめていきますと、結局両方が残りますね。同じタイトルで、コピープロテクトされているものとされていないものが出されることはあまりないそうです。
専門委員:  今はないですが、コンピュータソフトウェアで2回やると自動的にだめになるのがあったんです。
小委員長:  CD-ROMもそういうことはできましたか。
専門委員:  5回目までいじくると、そのDVDが動かなくなるというものがあるんです。
専門委員:  そういうものがあるからコピープロテクトというのがあるのだけれど、今はそんなソフトはないですね。
専門委員:  あっても意味がないなら、基準から外した方がいい。
専門委員:  1回1回ハードディスクにインストールしないと動かないものについてはどうするんですか。
事務局:  見せ方はこれから検討しますが、今の段階では限定的利用のみです。
小委員長:  では、この8番の基準は削りますか。
専門委員:  現実にメディア変換がおきた場合にはまた新しいメディアで出されるでしょう。
専門委員:  基準の1に磁気テープより磁気ディスク、光ディスクとありますが、DVDは磁気ディスクではないんですか。
専門委員:  パッケージ化されているのは光ディスクです。
専門委員:  電子辞書はチップと理解してもいいんですか。
小委員長:  チップです。ペーパーチップ。
専門委員:  富士フィルムがデジタルカメラとMP3が一体となったものを出しました。
小委員長:  それからアメリカではロケットE-BOOKというものがはやっています。
専門委員:  保存性のいい何とか、というようにあいまいに書いておけばどうでしょう。
小委員長:  記録媒体で保存性のより優れたものとか。
専門委員:  むしろ、磁気ディスクよりも光ディスクその他の保存性ある媒体としたほうが。そうしたらどちらか選べるわけです。
 事務局:  磁気テープより光ディスクその他の保存性に優れたもの。
専門委員:  そうです。
小委員長:  では基準についてはよろしいですか。
事務局:  音を記録したパッケージ系電子出版物のところに、DVDオーディオが出るということで、DVDと書いたんですが、これは入れておいて問題はないですか。
専門委員:  まだ規格が決まっていませんが、決まれば必ず出ますよ。まだゆれているんです。
事務局:  8月頃に発売されるのではないかと書いてあったのですが。
専門委員:  決まっていないんです。
小委員長:  それでは、最後の「おわりに」のところは何かありますか。
事務局: 〔以下、同資料中、「おわりに」について説明〕
小委員長:  この小委員会報告は報告書としてできあがると公開するんですか。
事務局:  公開する予定です。この報告書に基づいて次の審議会で小委員長から報告をしていただいて、それを元にして事前に会長と諮って答申案が作成されることになります。
小委員長:  答申案としては第4節のところだけですか。
事務局:  第4節のところだけでよろしいかどうかまだはっきりしていませんけれど、第4節だけでは議論の中身が分かりにくいと思われますので、この小委員会報告書を添付した形で答申が出されるのではないかと思います。答申が決定されれば出版物として周知します。もちろん、ホームページにも掲載されることになると思います。
小委員長:  そうすると、今、国立国会図書館は関連団体と協議していますが、その団体にこれがわたるのですか。
事務局:  必要であれば答申とアメリカの事例を参考資料として付けた状態で1冊にしてお渡しします。
小委員長:  そうすると引用している例、他にもいい例があるのではないかと思いますので、余裕があれば差し替えてください。『タイタニック』や『マトリックス』等はいいと思いますが。
事務局:  基本的には最近出たもの、それで今出回っているもので有名なものという形でもう一回検討してみます。
専門委員:  アメリカを回って納得したのは、特にデジタル系のアーカイブというのは、機材のアーカイブがまず前提で、それがとても大変で、最良のものを入れるためには最良の機材のチューニングが必要なんです。いいものを持ってきても、その予算的手当てがないと、結局集めても見れないですね。次から次へ新しいもののスピードに合わせて開発していくわけですよね。3年前の機材でもかけても動かない。
専門委員:  FMタウンズも製造されていない。
小委員長:  見られないんですね。
専門委員:  集めてもみられないものもあるのでは。
小委員長:  最良版を決めても、最良版を最良の状態で再生利用するための環境整備が望ましい、というようなことをこの小委員会として言いましょうか。
専門委員:  最良版についてというタイトルで出すのであれば、それを入れておかないと。最良に見えないと、何のための最良版なのかということになりますよね。
専門委員:  本来は受ける側にそれだけの整備が必要ですよね。
小委員長:  ところで、納本制度に従わないと過料で罰せられますが、納入したものが最良版でなかった場合は過料はどうするのですか。
事務局:  最良版の納入義務規定なので、最良版を入れないと納入したとはいえないと規定上は解されます。最良版でないものを持ってきても、納入義務の履行にはなりません。
専門委員:  あとの手続の問題はよろしいですよね。例えば最良版かどうかの確認だとか、データベースの管理だとかの手続。
事務局:  それは納入者の団体の方ともまたこれからも協議しますが、基本的には納入されたものについては確実に書誌を作成します。まだ十分対応しきれないところもありますが、全国書誌という形でできる限り早く迅速に提供できればと思っています。実際には平成14年度以降になってしまう部分もありますけれども。
専門委員:  パッケージ系電子出版物の納本の開始時期はいつごろになるのですか。
事務局:  10月1日以降に発行されたものになります。それまでに答申をいただいて、法規類の整備を行い、パンフレットやホームページで関係団体の方へお知らせしたいと思っています。
小委員長:  書籍の場合はカバーははずしますよね。パッケージ系電子出版物はどうするのですか。シュリンクパックは破りますよね。
事務局:  破ります。
専門委員:  箱単位では保存するんですよね。
事務局:  箱単位では保存します。付録があれば添付して保存します。
小委員長:  では、今日議論すべきことはこれで終わりですね。それに関連して何か御報告していただくようなことはありますか。
事務局: 〔以下、パッケージ系電子出版物の納入及び利用に関する合意書(案)の内容を説明。〕
小委員長:  ところで、最良版の最良の状態での保存について、議論する場はあるんですか。
専門委員:  基準を作って何年に1回というように見直していかないと、利用者が怒るような状態になってしまいますね。OSが古くて動かないというようなときは。
小委員長:  集める以上はやってもらわないと。
事務局:  これについては以前から御意見が出ていますけれど、納本制度審議会の審議事項です。納本制度調査会の答申にも保存の問題が書いてあります。今後の課題として、利用機器の問題、保存の問題については審議会で引き続き検討していただければと思います。
小委員長:  「おわりに」のところで利用機器の問題、保存の問題に触れましょう。国立国会図書館には、納める人の気持ちを考えて、是非今後の御検討をお願いしたい。出版者は、来館者に利用され、文化に寄与することになるということで納本制度に従っているのでしょうから。
 それでは、今日は予定した時間も参りましたので終わります。これで小委員会の役割も終了したということで、あとは、事務局からFAXなりで修正をお送りください。
事務局:  最終的には、今日御指摘いただいた点を修正して小委員長に見ていただいて、みなさんにまた御連絡いたします。それから次の審議会に提出することになります。
小委員長:  8月31日ですね。そういう段取りだそうです。小委員会は開催しませんけれども、よろしくお願いします。
〔閉会〕

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