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第2回納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会議事要録

日時:
平成23年11月22日(火)午後4時00分~6時20分
場所:
国立国会図書館 本館4階総務課第一会議室
出席者:
福井健策小委員長、山本隆司委員、湯浅俊彦委員、植村八潮専門委員、大久保徹也専門委員、三瓶徹専門委員
会次第:
1. 第1回オンライン資料の補償に関する小委員会の議事要録の確認
2. オンライン資料の補償に係る論点について(継続)
配布資料:
(資料1)納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会所属委員及び専門委員名簿
(資料2)第1回納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会議事要録(稿)
(資料3)オンライン資料の補償に関する中間報告(案)
(資料4)国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)(抄)
(資料5)納本制度審議会規程(平成9年国立国会図書館規程第1号)
(資料6)納本制度審議会議事運営規則(平成11年6月7日制定)
(資料7)国立国会図書館法第二十五条の規定により納入する出版物の代償金額に関する件(昭和50年国立国会図書館告示第1号)
(別冊1)平成16年12月9日付け納本制度審議会答申
 「ネットワーク系電子出版物の収集に関する制度の在り方について」
(別冊2)平成22年6月7日付け納本制度審議会答申
 「オンライン資料の収集に関する制度の在り方について」
(途中配布)オンライン資料の補償に関する中間報告(案)
 ‐B群資料についての記述変更例-

議事概要:
(1)審議会への報告について
 第1回及び第2回の調査審議の経過及び結果を、中間報告として次回の納本制度審議会に報告する。
(2)オンライン資料の補償に関する中間報告(案)について
 事務局が提示した資料3を基に調査審議し、以下のとおりとなった。なお、B群資料については、C群資料の検討を受け、第1回小委員会の結果を再検討した。

1. C群資料(DRMのある有償出版物)
 オンライン資料の特性から従来の代償金のような補償は困難であり、複製費用及び利用による経済的損失に対する補償は、不要(すなわち無償)とするのが妥当であると考えられる。しかし、有償出版物に対する補償を無償とした場合、パッケージ系電子出版物との不均衡や、義務履行の形態が従来の出版物に比して単純でないことから、十分な収集ができない懸念がある。このため、制度の円滑な実施に向けて、政策的補償その他のインセンティブの付与を行う可能性があるとも考えられる。

【主な意見】
○これまでの答申で述べられてきた代償金の考え方を準用することは困難であるという原則を確認しておけば良い。
○従来の代償金のうち、出版に通常要すべき費用について、オンライン資料では何も補償はないとなると、十分な収集に支障をきたす恐れがある。
○出版社にとってのインセンティブとは必ずしも経済的なものに限るわけではなく、何らかのメリットということも考えられる。
○有償出版物については、現行の代償金の考え方との不均衡や納入方法の複雑さから、単に義務だから納入しなさい、ということではうまくいかない。ただし、ヒアリング等の事情調査も足りない中、今回は政策的補償の可能性に言及するにとどめ、今後より深い議論、調査をしていこうという論理である。

2. B群資料(DRMのない有償出版物)
 DRMに係る手続き費用を除いてC群資料と同様とする。

3. DRM等
 小委員会の報告書におけるDRMの定義では、フットプリント等のソーシャルDRMも、DRM等(i 長期にわたる保存、ii 保存のための複製、iii 複数の端末での閲覧のうち、少なくとも1つが不可能であるような制御・制限を行う措置)に含める。

【主な意見】
○フットプリントは従来、その心理的抑制効果で十分にDRMとしての効果を発揮してきたと思われ、現在もフットプリント等のみの有償出版物も数多く存在する。
○報告書でフットプリントをDRMとして扱うか否かは、国立国会図書館の収集に際して手続き費用を要するような作業があるか否かである。
○フットプリントといってもその内容は一様ではない。簡単に削除できるものもあるが、フットプリントを削除すると本文が利用できなくなるものもある。国立国会図書館が収集後にそのままの状態で利用や保存ができるとは限らない。

4. D群資料(DRMのある無償出版物)、非ダウンロード型資料及び専用端末型資料並びに代行納入に係る費用
 B群資料及びC群資料と同様、課題等を提示するにとどめ調査審議を継続する。

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