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第3回納本制度審議会ネットワーク系電子出版物小委員会議事録

日時:
平成15年1月28日(火)午後3時~4時30分
場所:
国立国会図書館 新館2階大会議室
出席者:
納本制度審議会ネットワーク系電子出版物小委員会委員・専門委員(敬称略)
委員:公文俊平(小委員長)、合庭惇、内田晴康
専門委員:奥住啓介、杉本重雄、戸田愼一
要約:
(1)第2回小委員会資料の改訂案について大筋で了承した。
(2)納本制度審議会への報告事項のまとめ(案)について内容を確認し、今後、委員・専門委員で調整しながらまとめていくことで合意した。
会次第:
1. 第2回ネットワーク系電子出版物小委員会資料についての改訂(案)について
2. 納本制度審議会への報告事項のまとめ(案)について
配布資料:
(資料1)第2回ネットワーク系電子出版物小委員会資料についての改訂(案)
(資料2)納本制度審議会への報告事項のまとめ(案)(抄)
(資料3)関係法規集(抄)
(資料4)納本制度審議会ネットワーク系電子出版物小委員会所属委員・専門委員名簿

議事内容:
-会の進め方について及び資料説明-
小委員長:  時間になりましたので小委員会を開催します。本日の会の進行ですが、お手元のアジェンダに沿って進めたいと思います。次第の1は、前回の委員会で収集する範囲と方法について検討しましたが、それに関連することであり、四つあります。
 一つ目は、インターネット系と非インターネット系の区分について、確認すべきことがあります。
 二つ目としましては前回事務局に再整理をお願いしました「収集すべき範囲及び方法について」の審議をお願いします。
 三つ目は、権利処理の方法についてです。
 四つ目として、利用形態の想定があります。
 次に、次第の2ですが、この3月に予定されています次回の審議会において、「納本制度審議会議事運営規則」第12条に規定している当委員会の調査審議の経過及び結果の報告をいたしたいので、「報告事項まとめ(案)」について審議を行います。これは、本日の審議結果を反映して、内容をまとめることになりますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上の順序で進めますが、資料につきましては、第2回ネットワーク系電子出版物小委員会資料についての改訂案、及び報告事項まとめ案、この二つを一括して事務局から説明してもらいます。
事務局: 〔配布資料に基づき、説明〕
 
1. 第2回ネットワーク系電子出版物小委員会資料についての改訂(案)について
(1)インターネット情報への限定について
小委員長:  それでは審議をお願いしたい。はじめに改訂案について。まず、収集する対象はインターネット情報に限定してよいか。
委員:  インターネット情報への限定でいいと思います。
 ただ、この小委員会は「ネットワーク系電子出版物小委員会」という名称ですけれども、今後放送のデジタル化で電子出版に該当するものも出てきます。この際「ネットワーク系電子出版物」という名称をやめ、インターネット上の電子情報を収集するということを明確にしたほうがよいのではないかと思います。
小委員長:  小委員会の名前も含めてミッションを変えるということですね。
専門委員:  今おっしゃったことですが、将来放送がネットワーク上に乗ると、今インターネットと呼んでいるネットワークと放送系の乗っかっているネットワークが一緒になってしまい、全く区別がつかなくなる懸念があります。インターネットの定義が広がって、また難しくなるかもしれない。
委員:  私のところではインターネット放送をやって、それをデータベース化しています。そういうのも集めるのかどうかを考えないといけない。
 ネットワーク上の情報は「物」ではなく、小委員会資料の中でも「物」として所有権の移転ができないとあります。それなのにネットワーク系電子出版物と言ってきているので、呼び名を変えたほうがよいと思います。
専門委員:  インターネットは固有名詞であることが気になります。我々が意図しているものがインターネットという言葉で言い切れているのかどうか。一般的な用語を使うほうがよいかもしれません。
小委員長:  出版物という表現は何らかの形で残したほうがよいと思います。インターネットの情報をすべて集めるわけではない。多数の人に公開することを前提にしている情報と、限られた範囲の人が見ることを前提とした情報は明らかに質が違っていて、インターネットには両方が混在しています。紙の時代には出版「物」ですが、パブリッシュされたものという意味です。
委員:  出版物という言葉が今議論されている情報と合うかどうかは疑問ですが、もともと納本制度では出版物を対象にしていたので、出版物という概念を広げてネットワーク上の情報も出版物概念に取り込めないかという発想でこの委員会は始まっています。現実に検討してみると、いわゆる出版物とは相当違うものを相手にしています。内容的には違いがあるのを前提に評価すべきだと思います。委員会の名前がネットワーク系電子出版物小委員会となっているのはそういう歴史的な経緯があると思います。
 放送を収集対象に含めると、放送事業者の持つ著作隣接権の処理の話をしなければならなくなります。番組については放送事業者が隣接権を持っていて、複製や再放送を制限する権利があります。収集するために複製するのであれば隣接権の処理をどうするかという論点が増えます。放送以外に収集対象を限ったほうが整理はしやすい。
小委員長:  今はインターネット情報への限定ということで放送は除くという了解ができるけれども、10年後はそれでよいかどうか。
専門委員:  最近はユビキタス・コンピューティングというのが流行していまして、インターネットでなくてもいいのでないかという話もありますが、当面はインターネットに限定してよい。今回の委員会では、これしかないインターネット情報でよいと思う。
 「ネットワーク系電子出版物」という言葉を変えるというのは、ここの議論では難しいという気がしています。
委員:  今の意見でよい。納本制度とは別枠で収集することになったらどこかで名称変更したらよいと思います。
 ただ、今回の報告書では商業出版を対象とするという意識がありません。しかし、今後の対応を考えると商業出版も視野に収めておくべきだと思います。今、放送事業者の著作隣接権の話が出ましたが、出版社も隣接権の主張をしているので対応が難しくなるかもしれないですが。
小委員長:  第一点については御意見をくみながら、インターネット情報に限定するということでよろしいか。
全出席委員:  異議なし。
 
(2)収集する範囲と方法について
小委員長:  第二点の再整理についての審議ですけれども、委員の方からの御意見には改訂案の考え方を修正する必要があることから表現上の問題までいろいろあるかと思いますが、御自由にお願いします。
専門委員: 資料2のほうで御説明いただいた定義の問題で、例えば「国・地方公共団体」に独立行政法人は入るのかどうかなど発行主体の定義は明確にしていただければと思います。こういうものは影響が大きいと思うので、配慮していただきたい。
 次に、内容で分けるというところで、「学術的情報」とそれ以外と御説明いただきましたが、ピンと来ません。学術的なものという概念を明確にしないと混乱が起こるのではないかと思います。
 もう一つ、質問ですが、当館施設内ネットワークで公開する際の「収集したネットワーク系電子出版物がプログラムの著作物に該当しない場合」というのは意味が分かりません。
事務局:  まず定義ですけれども、たしかに現段階では曖昧で、特に発行主体についてはまだアイデアにとどまっています。実際に現在収集の実験を行っているので、それを踏まえ今後具体的に詰めていきたい。
 次に学術系情報は更に不明確と申しますか、従来の図書館資料にあたるものをすべて集められればよいとは言えますけれども、図書館資料かどうかを判別するのが難しいため、実質的にすべてを集めることになりかねません。そのため、ここでは優先順位をつけるということで学術的なものを挙げています。発行主体に基づく定義とは区別したいですが、具体的には学協会による電子出版物などを明確に区切って、紛れのないものを定めていきたい。
 「プログラムの著作物」についてですが、著作権法上で公衆送信権の侵害に当たるかどうかということで、「プログラムの著作物」に該当する場合は、著作権者の許諾なく当館施設内ネットワークを通して公開すると著作権侵害となります。収集に関しては複製権の問題がありますが、利用に際しても別途考慮する必要がある点として指摘しました。
専門委員:  表にある「その他」とはインターネット・アーカイブが集めているようなところだと思いますが、夏のIFLA(国際図書館連盟)の会議で国立図書館とインターネット・アーカイブが共同のミーティングを持ったと聞いています。それとは関係するのですか。
事務局:  インターネット・アーカイブが国立図書館とウェブ・アーカイビングのコンソーシアムを作るという提案を2002年8月のIFLA大会で行いました。3年契約でウェブ・アーカイビングをするためのロボットを開発するという提案で、その必要費用の3億円程度を分担するというものです。
 その時に関心を示していたのは米国で、米国議会図書館はインターネット・アーカイブと技術的な提携を行っています。フランスもオンライン出版物の収集を手がけており、英国も関心を示しています。国立図書館にもいろいろコレクションのポリシーがありまして、スウェーデンのようにすべてのウェブ情報を集めるポリシーのところもあれば、選択的に集めるところもあります。
 この1月にはパリの国立図書館で再度提案を検討する会議が行われました。性能の高いロボットが必要なので、それを開発することを目標とし、国立図書館として必要な事項を開発の中に盛り込んでいくために要望を作っているところです。例えば作成したソフトウェアをオープンソースにしていくとか、あるいはバルクでも手間をかけずに収集できるようにしていく等を要望して、契約の案を詰めています。
 日本からは、現在実験プロジェクトを立ち上げており、納本制度の検討も行っている状況で、今は館としてコンソーシアムについての検討をしていないので参加についての決定には時間がかかるだろうと発言しました。
 分担金の問題もあり、当初の段階では参加できない国もあります。今年8月のIFLAで更に具体化されると思います。
小委員長:  表層ウェブ・深層ウェブという概念を捨て、「無償で自由にアクセスできる情報」と「アクセスが技術的に制限されている情報」にするということ自体は特に問題ありませんか。
専門委員:  二つに分けて対応を変えるのは、そうせざるをえないところだと思います。ただし、文章では「自由にアクセスできる情報」と「アクセスが技術的に制限されている情報」とあるが、これは完全に二律背反でない。他方、表では「無償で」が入り、「技術的」が入らない。言葉の調整をしていただかないと何で区分しているのかがはっきりしません。有償・無償というところで区分しているのか、それともユーザー認証をするかしないかなのか。何を基準に二つに区分しているかを明示的に説明する必要があります。無償・有償が区分の軸ならそのように明確に書いたほうが誤解が少ない。
事務局:  この資料の考え方はユーザー認証です。もちろん有償・無償ということも出てきますが、軸としては制限なくアクセスできるかどうかで整理しました。
小委員長:  そこははっきり説明しておけばよい。問題は、発行主体、内容、この区分の適否ということになります。
委員:  小委員会の取りまとめ方ですが、先ほど出た国・学術等はここで具体的に定義する必要があるのか、それとも審議会に報告して後で概念規定をすればいいのか。今の御意見もそのまままとめて出すような形で審議会に報告しておいて、学術とか国等の定義は今後の課題でいいのですか。
小委員長:  「公衆が自由にアクセスできる情報を自動的に収集する案」はとらないというのがポイントで、その次に主体で言うと「国・地方公共団体等」が念頭にあってそこは全部、それ以外のところでも「学術的情報」といったところはとりたい。
 「国・地方公共団体」にどこまで含めるのか、例えばNPOを含めるのかといったことは、いずれはもっと細かく決めるけれども、ここでは方向を出したということです。
 2についてはそれでよいか。
全出席委員:  異議なし。
 
(3)権利処理について
小委員長:  3の権利処理について。
委員:  著作権の問題を検討することについて、可能性があれば著作権制限という手法がいいと思うけれども、審議会で方向性を出しても文化庁のほうが駄目といえばおしまいなので、国立国会図書館だけで収集方針を決められればその方がよい。文化庁への目途があればよいが、その可能性はどうですか。
事務局:  実際上その部分について詰めているわけではなく、可能性は明確ではありません。方法論的に考えますと、パッケージ系については著作権は権利者と発行者の協議によって処理していることを勘案し、ただし書きで書いたとおり、発行者に著作権処理を委ねる方法も考えられると記しています。現行納本制度と同じように、著作権処理規定を設けず通知・送信義務を規定するだけでことがすむかどうかはまだ明らかでありません。
小委員長:  収集という場合に、インターネット上にある情報であればURLを知るだけで通常は充分ですね。中身の情報そのものまで送ってくださいというのとURLを介してアクセスする場合は何か違うでしょうか。国立国会図書館の中に物理的に移っている場合と法律的に違うのですか。
委員:  検索エンジンだと場所情報だけです。ここで収集するということはコンテントを全部こちらのサーバに持ってくるという行為だと思う。法的な問題は分かりませんけれども、技術的にもロボットの機能は違います。
小委員長:  ここでは持ってくることを考えているのですか。
事務局:  当館に移す形で持ってくると考えます。
小委員長:  そうしなければならない理由は何でしょう。
事務局:  図書館においては蓄積・保存を考えなくてはいけないので、流れているものを固定して蓄積・保存し、当館の施設の中に蓄える必要があります。
小委員長:  今はURLを送っておいて、将来消すときには中身を送ってもらい固定するというというやり方もできますか。
委員:  そうしたゲートウェイではファイルノットファウンドになります。そういうことがないように、またウェブ情報は日々更新されるので、集めると定義された情報に関しては通知されたら館が取りに行き、固定してサーバに保存しておく必要があるということでしょう。
小委員長:  送信という場合は中身まで送ってもらうということですね。通知からある時点で送信に切り換えられますか。
事務局:  デンマークの事例では更新に際しても通知義務を課していましたが、更新ごとに発行者から通知することでは実効性が保てないという問題がありました。
 データベース等に関しては商業利用が終わったときに納入させることもIFLAの「納本法制定のためのガイドライン」等で触れられていますが、実効性に欠けるので、発行時点での通知を考えています。
 当館の目的として、利用を前提にした収集を掲げておりますので、この案のようにしてあります。
事務局:  通知義務を課す場合、発行者は館に発行を通知するとともに必要に応じて館が当該電子出版物を収集保存するために必要なパスワードその他の情報を提供する。この通知に基づいて館が機械的に収集する。送信義務は発行者が館にコンテント自体を送ってくるというものです。
小委員長:  会員登録なりパスワードなりが必要であるものの場合、館が収集したものを利用する際には登録などが要らないのでしょうか。
委員:  それは利用形態の問題でしょう。
委員:  権利処理のところで、送信義務で発行者に対して送信義務を課し、著作権を有している著作者がいる場合には著作権を制限するとありますが、法律的には送信する義務を負っている主体が誰なのか。その上で権利者が出てきた場合に権利制限をどうするのですか。
 誰からでも情報を持ってきて収集できると思われかねません。
事務局:  ここでも改訂案では簡単に書いておりますが、案によって著作権制限についても違ってきます。
 「公衆が自由にアクセスできる情報を自動的に収集する案」では当館がロボットで複製することを考え、収集に関しては著作権のうちの複製権を制限することを想定しています。この案にはいろいろな問題点があると考えています。利用に関する著作権問題については別途検討します。
 次に「通知又は送信に基づく収集案」では、通知していただいたものを当館がロボット等で収集する場合、同様に複製権の制限を考えるケースが出てきます。発行者から送信していただいて当館のコンピュータの記憶装置に固定される場合は、著作権制限の必要はないと考えています。
 改訂案に述べている発行者と著作者の間の権利処理ですが、これはまだアイデアにとどまっています。従来の出版物と同様、発行者に著作権者の権利を処理していただいて、館としては著作権に関与しないというラフなアイデアです。
小委員長:  今の説明で御趣旨は理解したということでよろしいか。
全出席委員:  異議なし。
 
(4)利用形態
小委員長:  利用形態に行きましょう。
委員:  利用形態は大体この3種になると思います。館内でのスタンドアロンの公開であれば、収集したものすべてについて収集後すぐにできると思いますが、将来的にはインターネット上の情報ですからネットワーク上で提供されるのが望ましい。
 収集したものがすぐ利用できるとか、あるいは何年か経ってから利用できるというように情報提供側と取り決めをすることも含めて書いたほうがよい。
専門委員:  ところで、資料にスタンドアロンでの利用とあるが、サーバ・クライアントではスタンドアロンにならない。ネットワークに接続しないで1台だけでやっていくものをスタンドアロンと通常いうのではないかと思います。ネットワークに接続している端末一台のみで提供するというイメージでよいですか。
委員:  CD-ROM閲覧室でチェンジャーをつないでスタンドアロンと称しているイメージでいいか。
事務局:  御指摘の点、直しておきます。
専門委員:  公開のタイミングが大事なところだろうと思います。固定のタイミングにも関連します。データベースでもサービスをやめた時点で、固定し図書館が受け取ることも考えられます。従来の出版物は出版時点が固定された時点でしたが、ケースバイケースで考えることが必要になります。
小委員長:  本来無償で自由に公開していたもので消滅したものが国立国会図書館にはあって、後は引き継いで自由に見られるのはいいと思いますが、もともとパスワードをかけていたものをメンテナンスをやめたからといって制限なしに見てよいのかどうかが次の問題でしょう。誰でも使っていいというのはまずいかもしれない。
事務局:  御指摘の、年限を限って保管しておき後で公開するという方法は、この資料を作成する際にも考慮していなかったわけではなく、あり得ると考えていました。経済産業省から出ている中間論点整理における「データベースを保護すべき期間」も斟酌する必要があるかもしれません。
小委員長:  今回の小委員会では、ここにある合計4通りの利用形態のうち、これで行こうということまで決める必要はなく、分け方を提示してみるということです。それでは以上を踏まえて報告をまとめるということでよろしゅうございますか。
全出席委員:  異議なし。
 
2. 納本制度審議会への報告事項のまとめ(案)について
小委員長:  次第の2に移りますが、構成を御検討いただきたい。
委員:  今までの議論もいろいろと問題点が出てきていますけれど、案の概略と長所、問題点の抽出をやって、これを「まとめ」にして、この先審議会で何らかの問題を解決しなさいと投げかけるのであれば、一つ一つチェックしなくても問題を書きこんでもらっていけばよいと思いますが、その考えでよろしいか。
事務局:  ただいまのお話で結構です。
委員:  アメリカの議会図書館が関係して、インターネット・アーカイブでいろいろやっていますが、アメリカの著作権法ではフェアユースの考え方があって、著作権の生きている現行のページを収集・公開できます。日本でもフェアユース的な考え方を働かせるようなことはできますか。
委員:  著作権法には既にフェアユースの考え方が取り入れられているという人もいますが、限定的に列挙した範囲で著作権が制限されているという考え方が主流だと思います。フェアユースの考え方だと融通性が高いので、著作権法の改正をしないで収集することも可能ですが、日本ではそこまでは行っていません。よってここでは何らかの明文の規定を設けるという方向でまとめられているのだと思います。
小委員長:  インターネット・アーカイブでは著作権者の許諾なしに勝手にやっているわけですね。
専門委員:  経済産業省でデータベースの法的保護の議論がありまして、先ほどのご発言にありましたフェアユースを入れていくという動きがあります。国立国会図書館でやることに関しては、フェアユースが適用されるということになれば状況が大分変わると思います。アメリカの動きによるが、どのくらいかかるかは分かりません。今年になって新しい法案が一つ出たが、まだ議論しているところです。
 一番に気になるのは技術的に可能かどうかということで、データベース作るのをやめた20年後とか25年後にシステムが動くかどうか。データがあるのは分かっていても、再現できるのか。今までは大体駄目でした。技術的なところが対応できるかが疑問で、収集対象にデータベースを取り込むと、ほとんど使えないのではないかと思います。
小委員長:  公開をしなくとも保存のために媒体を変えていかないといけないのは恐ろしい。
 アメリカの流れというのはDMCA(The Digital Millennium Copyright Act)に対する反省が次第に強まっていると考えていいですか。
専門委員:  どうも製作者の方の政治的パワーで歪められているという気がします。
 そもそも何十年も持たせるデータがあるのか疑問です。
 なお、企業のインターネットのホームページはダイナミックなので集められないケースが多い。フラッシュやジャバなどは非常に難しい。
事務局:  本日資料2として「まとめ案」を提出しましたけれども、案に盛り込まれていない事項についても何点か御指摘がございました。御指摘されたことをどう盛り込むかも含めて、今後調整しながらまとめていくということでよろしいですか。
小委員長:  お願いします。それでは今日は終わりとさせていただきたい。今後はメール等でやりとりしながら続けたいと思います。どうぞよろしく。
(閉会)

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