ホーム > 採用情報 > 先輩からのメッセージ > 利用者サービス部サービス運営課 大沼 太兵衛(平成18年度入館)(令和2年度職員採用説明会(令和3年3月開催))

国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ

利用者サービス部サービス運営課  大沼 太兵衛

  • 【主な経歴】
  • 平成18年4月 入館(Ⅰ種)、主題情報部参考企画課
  • 平成21年7月 総務部企画課(平成23年7月~ 副主査)
  • 平成23年8月 フランス国立古文書学校
  • 平成25年10月 利用者サービス部音楽映像資料課(平成25年10月~ 副主査、平成26年4月~ 係長)
  • 平成28年4月 利用者サービス部サービス運営課(平成28年4月~ 副主査、平成30年7月~ 主査、令和2年4月~ 主査兼係長)
  • ※平成28年4月~平成30年3月 育児休業

はじめに

大学時代は美術史専攻でした。当館を目指した最大の理由は、国内のあらゆる刊行物が集まる知識の一大拠点であり、さらにその膨大な資料をもとに国政審議のサポートを中立的立場で行う唯一無二の存在である点に魅力を感じたためです。入館まではパソコンすら持っていないアナログ学生でしたが、その後、資料の大規模デジタル化プロジェクトや留学先での研究で、デジタルの世界に深く関わっていくことになるとは知る由もありませんでした。

現在担当している業務

東京本館のインフォメーションカウンターやフロアで利用者対応(閲覧室の案内から簡易なレファレンスまで)を行うほか、利用に関する案内・広報(掲示物、パンフレット、ウェブサイトの作成等)にも携わっています。当館は所蔵資料の構成が複雑であり、利用の仕組み(資料の検索・申込み方法など)も公共図書館と比べて特殊な点が多いため、こうした館内での人的支援や分かりやすい利用案内が欠かせません。そのような利用者対応の最前線の業務を担当しています。

担当業務のやりがい・魅力

現在の業務の魅力の一つは、図書館の来館サービスを現場で体感することができる点にあります。利用者サービスは図書館の基本の柱の一つですが、バックヤードの業務に専念していると、どうしても利用者の顔は見えづらくなりがちです。当館の主要なステークホルダーである利用者を抽象的な概念ではなく最前線で知ることができる部署であると言えます。時として対人サービスならではの難しさもありますが、人助けにやりがいを見出せる人には魅力的な業務かもしれません。

また、本稿を執筆している令和2年度は新型コロナウイルスへの対応に奔走した一年でした。臨時休館の時期を経て抽選予約制による来館サービスの再開、サービス内容の変更、日々の消毒など、今年度は検討・対応すべきことが次々に押し寄せ、普通の年とはまた違った取り組みがいのある一年間だったと思います。

長期在外研究

国立国会図書館には長期在外研究員という留学制度があります。私は入館時からの念願がかない、平成23年から平成25年にかけてフランス国立古文書学校の修士課程へ派遣され、古文書からデジタル技術まで、幅広く研鑽を積むことが出来ました。留学は専門知識を深めるだけでなく、視野や海外の人脈を広げる大きなチャンスでもあります。その他にも短期の在外研究や国内大学院への派遣制度もあるので、関心のある方は検討されると良いでしょう。

2年間の育児休業

配偶者(民間勤務)の留学に帯同するため、平成28年~平成29年度の2年間、育児休業を取得し、海外(米国・ドイツ)で子育てに専念しつつ個人的に語学等の勉強を進めていました。当館には育児休業以外にも次世代育成支援のための様々な制度があり、子育てとの両立という点では比較的働きやすい職場だと思います。

当館職員を目指す方へ

調査業務であれ司書業務であれ、当館の仕事の多くには一定の専門性が要求されますが、一方で当館職員は公務員として数年おきの異動が宿命づけられている立場でもあります。ジェネラリストとスペシャリストの狭間でどのように自分の能力や適性をいかしたキャリアを築いていけるか、ということは当館職員の永遠の課題と言えるかもしれません。そのような現状を踏まえた上で、これを多様な経験を積むことができるチャンスと捉え、様々な業務に積極的に取り組もうとする意欲ある皆さんと一緒に働くことができれば幸いです。