国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ
利用者サービス部人文課 石川 美幸
主な経歴
- 平成23年4月 入館(II種)、関西館電子図書館課
- 平成25年7月 関西館文献提供課
- 平成29年4月 実務研修(福島県立図書館)(平成30年7月~副主査)
- 平成31年4月 総務部人事課(係長)
- 令和3年4月 利用者サービス部人文課(副主査)
はじめに
学生時代、立ち寄った就職センターで、国立国会図書館の情報を探している方がいました。そんな就職先があるんだ、と偶然に知ったのが、当館を志した最初のきっかけです。
当時大学では西洋古代哲学史を専攻しており、プラトンの著作中のソクラテスに関して卒業論文を書きました。紀元前に書かれた著作を扱っていましたので、文書・情報を保存することの大切さを感じていたところ、収集した資料を永く保存し、後世に伝えるという国立国会図書館の役割に共感し、受験しました。
現在担当している業務
現在は、利用者サービス部人文課に所属しています。人文課には、人文総合情報室・地図室・古典籍資料室という3つの専門室がありますが、そのうちの人文総合情報室を担当する係で働いています。主な業務は人文科学及び図書館情報学分野に関するレファレンス、選書等です。
担当業務のやりがい・魅力
日々の業務のうち、最も多くの時間をかけているのがレファレンスです。調べものをされている方をお手伝いし、求める情報への橋渡しをするのがレファレンス業務と言えるかと思います。
当館においては、納本制度等により収集された膨大な資料や各種データベースを活用できる、というのが一つの特徴です。ただし、適切な情報にたどり着くためには職員一人一人の発想、ひらめきも大切で、その場で持っている資料を活かした案内ができるかどうかは自分次第、という緊張感があります。学生時代に学んだことや入館後に身に着けたスキルだけでなく、趣味の活動や身近な人々との会話の中にヒントが含まれていることもあります。自分が持っている知識・考え(回答への道筋を組み立てる力)と国立国会図書館の資源すべてを使って利用者の方のお手伝いをするというのが非常に大きなやりがいです。
さらに、当館では過去から収集してきた資料を未来の世代にまで伝えていくべく保存しているところですが、レファレンスの現場ではそれらが今を生きる人々に活用していただいている場面に立ち会うことが出来ます。図書館員自身が調査研究を行う訳ではありませんが、蓄積された情報が、研究者や個人の方の知りたいという気持ちに応えて、新しい意味を持ったり、役立ったりしていく中に貢献できることは魅力を感じる部分です。
当館職員を目指す方へ
当館に興味を持っていただき、ありがとうございます。 入館以降、就職前に想像したような仕事とそうでない仕事のどちらにも携わりましたが、いずれにおいても図書館の業務は充実した楽しいものであると感じています。また実際に働く中で、生活とのバランスのとりやすい職場でもあると実感しているところです。国立国会図書館には、外部への出向を含めて多岐にわたる業務がありますが、当館の役割に共感してくださった方であれば、どこであってもやりがいを感じていただけるのではないかと思います。
ご関心のあるみなさまとご一緒できると嬉しいです。