ホーム > 採用情報 > 先輩からのメッセージ > 調査及び立法考査局憲法課 大湖 彬史(平成28年度入館)(令和5年度業務説明会(令和5年10月~令和6年1月開催))

国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ

調査及び立法考査局憲法課 大湖 彬史

主な経歴

  • 平成28年4月 入館(総合職)、調査及び立法考査局国会レファレンス課
  • 平成29年4月 調査及び立法考査局行政法務課
  • 令和2年4月 出向(衆議院法制局)
  • 令和4年7月 調査及び立法考査局憲法課(副主査)

はじめに

大学時代、法学部で公務員試験や法科大学院入学に向けて漠然と勉強していたときに、偶然インターネット上で当館の採用試験を知りました。「ここもとりあえず受験してみるか……」と軽い気持ちで採用パンフレットを眺めているうちに、壮大な使命の下に知的基盤として国会活動を補佐し、国民の活動に貢献する当館の活動に興味を持ち、真剣に受験を考えるようになりました。

振り返れば、あの時当館の採用ページにアクセスできて良かったと思います。このメッセージ(業務体験談)が皆様の参考になれば幸いです。

現在担当している業務

これまで、出向(後述)を除けば調査及び立法考査局(職員は単に「局」と呼ぶことが多いため、以下でも「局」と言います。)でキャリアを積んできました。局は、「立法府のブレーン」「議員のための情報センター」として、収集資料等を基に国会議員の活動を調査・情報面から補佐します。

私が現在所属している憲法課は、局に11ある分野別の調査担当課の一つとして、憲法制定過程、違憲審査制、国民投票制度、皇室制度といったテーマを所管しています。憲法課では、所管するテーマについて、調査依頼への回答や刊行物の執筆といった国会活動を補佐するための業務に従事しています。

担当業務のやりがい・魅力

一つ目は、業務の成果が直接的・間接的に国会活動に役立つということです。

委員会の審査など国会論戦の場で、調査回答や刊行物等の調査の成果が取り上げられることがあります。また、そのような場で議論するための前提知識・参考情報として調査の成果が利用されることもあります。調査の過程で情報収集が困難なときもあれば情報過多で分析・体系化に難儀するときもありますが、調査の成果に御納得いただけたときは、当館の使命にわずかながらでも貢献できたのではないか、と感慨深くなります。

二つ目は、自身の能力開発です。

局では、調査のために、専門書や新聞・雑誌記事などの各種データベースといった専門的な知識にアクセスできる環境が整備されています(刊行物の作成に当たって、国内又は国外で現地調査を行って関係者から話を聞く機会もあります。)。そして、これらを活かして情報を丁寧に収集した上で、論理的かつ平明な回答結果・刊行物を用意することが求められます。日々の業務の過程で、国内外の法制度に関する知識のみならず論理的思考力や丹念さも身に着けることができると思います(私自身はまだまだ半人前ですが……。)。

出向の経験

令和2(2020)年4月から令和4(2022)年6月まで、2年3か月間、衆議院法制局に出向しました。衆議院法制局は、議員立法(議員による法律案の発議)を補佐する機関で、当館とは立法府の機関としての共通点があります。

国会活動に関する幅広い視点を有するきっかけになったと同時に、法的思考力や遠慮のない議論の重要性も実感できました。外から当館を相対的に見る機会にもなり、貴重な経験だったと感じています。

当館職員を目指す方へ

国内外の状況が絶えず変化する中で質・満足度共に高い調査結果を出すためには、好奇心をもって丁寧かつ論理的に情報の収集・分析に臨むことが重要であると感じています。また、局の同僚や先輩・上司に限らず、交流する機会を持った職員は、皆、意欲的に業務に臨んでいます。

国立国会図書館は、知的基盤として実に多様な業務を担っており、このメッセージを御覧になった皆様の好奇心や向上心を満たす職場だと思います。皆様と共に働ける日を心待ちにしています。