国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ
関西館アジア情報課 伊勢田 梨名
主な経歴
- 平成26年4月 入館(総合職)、利用者サービス部サービス運営課
- 平成28年4月 調査及び立法考査局政治議会課
- 平成30年4月 関西館アジア情報課(令和元年7月~副主査、令和3年4月~係長)
はじめに
私は、学生時代に政治学を専攻しており、公務員として社会を下支えするような仕事に興味を抱いていました。ある時、大学で開催された国立国会図書館の採用説明会に参加したことがきっかけで当館の業務に関心を持ち、多様な情報へのアクセスを整備し、将来にわたって保障していくという役割に魅力を感じて、受験しました。
現在担当している業務
アジア情報課では、関西館にある「アジア情報室」というアジアに関する専門資料室を運営しながら、収集する資料の選書、書誌作成、利用者からの質問に回答するレファレンス、調べものに役立つ情報をまとめたwebページの公開・更新等、アジアの資料や情報に関する幅広い業務に従事しています。
担当業務のやりがい・魅力
アジア情報室は、日本でも有数規模のアジア言語資料を所蔵しており、「アジア資料・情報の拠点」としての役割を担っています。その中でも私は、東南アジアを中心に複数地域の言語資料を担当しています。日々、インドネシア語、タイ語、ビルマ語等々、多様な言語の資料に触れられる面白さを感じながら、研修等を通じて語学知識の向上に努め、利用者へ的確に資料や情報を届けられるよう取り組んでいます。
また、アジアに関する専門資料室として、知見やノウハウ等の「情報発信」にも力を注いでいます。例えば、図書館員の方々等を対象とした研修を定期的に開催しており、私自身は、令和3年度に「アジア情報研修」や「ビルマ語書誌作成勉強会」の講師を担当しました。参加者の方にとって少しでも役立つ内容にするにはどうしたらよいか、研修内容の検討は試行錯誤しながらでしたが、研修後には参加者の方から様々な感想をいただいて励みになりました。
その他にも、季刊誌『アジア情報室通報』の発行や、調べものに役立つ情報をまとめた「リサーチ・ナビ」のページの公開・更新等、様々な方法で情報発信に取り組んでいます。『アジア情報室通報』で私は、シンガポールのシンクタンクについての記事や、タイ出張時に得られた知見についての記事の執筆を担当しましたが、職員それぞれの経験、知識や関心分野を情報発信の形で役立てられるという点にも、面白さを感じていただけるのではないかと思います。
当館職員を目指す方へ
「一歩一歩」。
最初に配属された部署で先輩にかけてもらい、以来大切にしている言葉です。
私は、大学でアジア言語を専攻してはいませんでしたが、学生時代の学びは、現在所属しているアジア情報課での選書や刊行物執筆に役立つことがあります。これまでの経験を大切に、仕事の中でも学び続けることで、一歩一歩、進んでいけるのではないかと感じています。
皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。