国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ
調査及び立法考査局農林環境課 田仲 絢子
主な経歴
- 平成27年4月 入館(総合職)、調査及び立法考査局国会レファレンス課
- 平成29年4月 調査及び立法考査局農林環境課(令和2年7月~副主査)
- 令和3年10月 総務部総務課(係長)
- 令和6年4月 調査及び立法考査局農林環境課(副主査)
はじめに
大学・大学院では日本史(古代)を専攻していました。学生時代に過去の文献を通して当時の社会や文化を学んできた経験から、資料や情報を後世に伝えていくという役割に魅力を感じたため、当館を志望しました。説明会などで職場の雰囲気に好感を持ったことも志望のきっかけの1つでした。
現在担当している業務
当館の基本的役割の1つである「国会活動の補佐」を主に担う調査及び立法考査局で、立法調査業務に従事しています。調査及び立法考査局には、担当分野が異なる11の「調査課」があり、現在在籍している農林環境課は、農林水産分野と環境分野を担当しています。課の業務の中心は、国会議員等からの依頼に応じて行う調査です。依頼された事項について、館の所蔵資料等を活用して調べ、内容を整理して報告書にまとめたり、読み手が要点を把握しやすいように関連資料を選んで提供したりしています。調査した内容について、国会議員に対面で説明を行うこともあります。
依頼に基づく調査の他に、国会で議論になりそうなテーマについて前もって調査し、その成果を刊行物として提供することも行っています。
担当業務のやりがい・魅力
最大のやりがいは、業務の成果が国政審議に活用されることです。例えば、調査依頼への回答や執筆した刊行物の内容は、国会質疑などで取り上げられることがあります。このような形で業務の成果が役に立っているという実感が得られることは、業務を行う上で大きな励みになります。
1番の魅力は、当館の豊富な所蔵資料に日々触れられることです。担当業務では、専門誌など流通範囲が限られた資料を利用することも少なくなく、様々な資料を扱う機会があります。私の場合、学生時代の専攻とは分野が異なることもあって、この仕事をしていなければ手に取る機会がなかったかもしれない資料に出会うことも多いです。膨大な図書や新聞・雑誌の中から、依頼者が求める情報を的確に探し出せたり、興味深い事実を発見したりしたときには、喜びもひとしおです。
さらに、日々の業務を通じて専門的な知識を蓄積でき、情報収集力などの向上も図れることや、業務内容が社会や国政の動向に影響されるため、日々変化がある仕事であることも魅力に感じています。
当館職員を目指す方へ
当館には、国会活動の補佐や国内外の図書館との交流など、国立・国会の図書館ならではの役割や業務があります。業務内容や職員のバックグラウンドは多様であるため、日々の業務や職員同士の交流を行う中で、様々な経験や知見を得ることができます。また、研修や有志の勉強会、自己研さん等により、自分の興味関心に沿って学びを深められる環境も整っていると感じています。幅広い人材に活躍の場がある当館で、皆さんと共に働ける日を楽しみにしています。