古来、日本の沿岸には津波が数多く来襲し、各地に大きな被害をもたらしました。人々はその苦難を乗り越えて、津波の恐ろしさや被害を後世に伝え、子孫を津波から守り、被害軽減を図るために多くの記録を残してきました。今回の「本の万華鏡」では、国立国会図書館の蔵書の中から、津波災害の記録資料や文学者が残した津波を題材とした作品などを紹介します。
第1章では、明治三陸地震津波、昭和三陸沖地震に当たり、国や地方自治体で刊行した被害調査や救援活動の記録を中心に紹介します。また、後年、残された記録をもとに編さんされた町史など、津波の記憶を風化させずに次世代へ伝えようとする資料も取り上げます。第2章では津波災害をテーマとした物語や随筆などを紹介します。
※本文中の地震の名称、解説は『理科年表』(平成23年 国立天文台編【Z43-469】)によりました。ただし、三陸地震津波と三陸沖地震については明治と昭和の区別をわかりやすくするために「明治三陸地震津波」、「昭和三陸沖地震」としています。
国立国会図書館では「ひなぎく─国立国会図書館東日本大震災アーカイブ」を開設し、被災地への資料提供・資料相談、国立国会図書館作成の各種文献・情報、震災関連リンク集(外部機関)などをご案内しています。
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第1章 津波の記録