腕試し問題(難易度3)

解析の問題 解答

円周率

A14 以下は、アルキメデスのたどった論理を少し現代的な表記にしてあります。
アルキメデスのたどった論理を少し現代的な表記にした図
図でO/A1B=√3>265/153A1O/A1B=2=306/153。また、1/cos30°=A1O/BO=A1A2/B?A2=A1A2/A2B、したがって(A1O+BO)/BO=(A1A2+A2B)/A2B=A1B/A2B。両辺にBO/A1Bを掛けてBO/A2B =(A1O+BO)/A1B > 306/153+265/153=571/153。直角三角形A2BOにピタゴラスの定理を使って、A2O2乗/A2B2乗=(A2B2乗+BO2乗)/A2B2乗=1+BO2乗/A2B2乗 > 1+(571/153)2乗 よりA2O/A2B > √{(153 2乗+ 571 2乗)}/153 > (591+1/8)/153となる。
アルキメデスは、この論法をA3B、A4B、A5Bにも適用して、
BO/A3B > (1162+1/8)/153 、A3O/A3B > (1172+1/8)/153、BO/A4B > (2334+1/4)/153、 A4O/A4B > (2332+1/4)/153、 BO/A5B > (4673+1/2)/153
を計算しました。この逆数をとって96倍しますと外接正96角形の周の長さをBOで割った値は
(96×A5B)/BO<(153×96)/(4673+1/2)=3+(667+1/2)/(4673+1/2)<3+1/7
となり、円周は外接正96角形の周より短いのでπ<3+1/7となります。

円の三等分

A15

円の三等分
対称性から、図の斜線部分Sの面積が円の面積ので1/6となる角度xを求めるとα=2xとなります。Sは扇形OABから直角三角形OBCを除いたものですが、扇形の面積はxをラジアンの単位とするとx/2、三角形OBCの面積はsin x・cos x/2=sin(2x)/4ですので、x/2-sin(2x)/4=π/6、すなわちx-sin(2x)/2=π/3という超越方程式を解くことになります。この方程式は数値的に求めるしかなく、表計算ソフトなどでx-sin(2x)/2=π/3となるxを探してみます。するとx=1.302662837が非常に近い値であることがわかります。これを「度」に直しますと、180x/π=74.637°になり、α=2x=149.274°という値が得られます。
ちなみに、このxに対しsin x=0.964267, cos x=0.264932, 1-cos x=0.735068となります。

円の三等分はほかにもいろいろな方法があります。以下に二つの例を挙げておきますので、3等分になっていることを確かめてみてください。

図A
図A
a=r/√3、b={(√2-1)/√3}r、c={1-(√6/3)}rとすると
S1=S2=S3
図B
図B
S1=S2=S3

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