ご挨拶
国立国会図書館は、平成25(2013)年3月、フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France)との間で、図書館活動の各分野における包括的な協力協定を締結し、順次、取り組んできております。その一環として、このたび共同電子展示会を企画し、ここに日仏両国の国立図書館のコレクションの中から、19世紀半ば以来の多年にわたる両国交流の歴史を反映する資料を精選し、インターネット上で公開することといたしました。
そのうち、国立国会図書館の展示は、「近代日本とフランス―憧れ、出会い、交流」と題し、安政5(1858)年の日仏修好通商条約締結に始まる両国の交流を、政治、産業、文学、芸術、生活スタイル、サブカルチャー等の各分野にわたって紹介しております。本年6月、日本の近代化遺産として「富岡製糸場と絹産業遺産群」がユネスコ世界文化遺産に登録されたことは記憶に新しく、近代的な製糸場の建設・操業にあたりフランスの技術が導入されたように、フランスが日本の近代化に及ぼした影響は大きなものがあります。また、フランスの文化は、芸術から生活スタイルに至るまで、日本において憧れの対象であり続けてきたことも、よく知られているところです。
同時に公開されるフランス国立図書館の「フランスと日本 ひとつの出会い 1850-1914」と題する展示と合わせてご覧いただき、相互に大きな影響を与え合ってきた日仏両国の交流の歩みを振り返っていただく機会になれば幸いです。
東京に日仏会館が設立されて90周年という意義深い年にスタートする、この共同電子展示会の公開に当たり、日仏文化交流の今後ますますの隆盛を心から祈念して、ご挨拶といたします。
平成26(2014)年12月
国立国会図書館長 大滝則忠
フランス国立図書館「フランスと日本 ひとつの出会い 1850-1914」