第2部 文化の日仏交流

第1章 文学

幕末から明治初期にかけての日仏交流は、実学の分野から始まった。しかし、普仏戦争におけるフランスの敗北を背景に、フランスの影響は英国、米国、ドイツ等のそれと比較して次第に低下していく。一方で、文学や芸術の分野では、数多くの作家や作品が日本に紹介され、人々のフランスへの憧れを掻き立てた。本章では、自らの目でフランスを見つめた作家たちの体験記と邦訳されたフランス文学作品を通して、日本人の抱くフランスへの憧憬の系譜をたどる。