関西館開館20周年記念企画展示「万博タイムトラベル」
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関西館では、開館20周年を記念した展示会「万博タイムトラベル」を開催します。
万博-万国博覧会の歴史は近代オリンピックよりも古く、19世紀中頃のイギリスで初めて開催されて以来、170年にわたって継承されてきました。参加国の拡大、国際博覧会条約の成立、植民地展示の廃止、そして文化多様性時代への適応を経て今日に至った万博は、その時代を映す鏡であり、世界の潮流を知るための道標とも言われています。2025年大阪・関西万博を控えた今、当館所蔵の資料約150点を通して万博の歴史を辿り世界の変遷を眺めることで、万博のあり方と魅力、そしてこれからの展望に想いを馳せてみませんか?
また、関連イベントとして、佐野真由子氏(京都大学大学院教育学研究科教授)による講演会「万博学のすすめ」をオンラインで実施します。ぜひご聴講ください。
開催予定が変更になる場合があります。当ページなどでの最新情報及び【重要】新型コロナウイルス感染拡大防止のためのお願い(関西館)の内容をあらかじめご確認の上でご来館ください。
入館時の検温、館内でのマスクの着用・手指消毒にご理解とご協力をお願いします。
展示資料例
※【 】内は当館請求記号第1章 万博の黎明期(1851年~1927年)
『Palais de Cristal : Journal Illustré de l'Exposition de 1851 et du Progrès des Arts Industriels』 No.1-No.23, 1851.5.7 - 1851.10.11.【Z51-P785】
1851年ロンドン万博の期間中、週刊で発行されたフランス語のジャーナル。フランスの利益となる他国の展示物の紹介や、世界の芸術や技術においてフランスが占める位置を産業界に知らせることなどが刊行の目的とされています。イラストとともに、展示品や会場の様子も掲載されています。画像は、展示会場である水晶宮の外観(左側)と内観(右側)です。
『仏国巴里万国大博覧会報告書』[農商務省], 明治23【特70-462】
1889年パリ万博への参加に関する報告書。開催までの経緯や、参加国、会場、経費、出品といった概要のほか、諸外国の出品物に対する論評や日本からの参加についてなどがまとめられています。画像は、手描きの会場全景図。日本のアピールや貿易促進を参加の目的として挙げており、そのためには、欧州諸国に倣った形ではなく、「純然たる日本風の家屋を建設し以て我出品物の展示本館」とすることで注目を集めることが有効であるとしています。
第2章 世界大戦を挟んで(1928年~1960年)
巴里万国博覧会協会 編『一九三七年「近代生活ニ於ケル美術ト工芸」巴里万国博覧会協会事務報告』巴里万国博覧会協会, 昭和14【776-36】
1937年パリ万博の報告書。会場は、エッフェル塔を挟んで、ドイツ館、ソ連館が向かい合っていました。左のドイツ館は、ナチス・ドイツの党章であるハーケンクロイツ(鉤十字)に鷲を掲げ(設計:アルベルト・シュペーア)、右のソ連館の頂には、鎌とハンマーを振りかざす「労働者とコルホーズ女性像」がそびえています(設計:ボリス・イオファン)。両館が対峙する様子は、当時の対立関係を象徴しているかのようにも見えます。
『万博』12月號(通巻第19号), 紀元二千六百年記念日本万国博覧会事務局, 1937【Z3-1369】
1940年に初の日本開催となるはずだった紀元2600年記念日本万国博覧会。この開催に向けて発行された雑誌『万博』では、開催準備の様子や海外の万博に関する情報が伝えられました。1937年12月号では、テーマ館である建国記念館(後に「肇国記念館」へ改称)のコンペ結果や、万博のポスター図案の当選作品が写真付きで紹介されています。
第3章 戦後の社会から未来へ(1960年~)
『日本万国博覧会 : 公式ガイド』日本万国博覧会協会, 1970【D7-12】
日本万国博覧会協会作成の1970年大阪万博の公式ガイドブック。350ページ以上に及ぶボリュームで、冒頭の皇太子殿下御挨拶に始まり、会場図やパビリオン・展示内容・催し物の紹介のほか、万博の歴史や近畿地方の周辺観光情報、万博用語集、さらに巻末には資料集として日本万国博覧会協会役職員名簿も掲載されるなど、充実した内容となっています。7か国語の簡単な挨拶が載っており、世界中から集まる来場者へのもてなしが意識されていることが分かります。
中国建筑工业出版社 编『二〇一〇年上海世博会建筑 = Architecture at Expo 2010 Shanghai China』中国建筑工业出版社, 2010.5【D7-C16】
上海万博で建設されたパビリオンの写真と概要、図面を収録した資料。「より良い都市、より良い生活」がテーマだった上海万博では、参加国がそれぞれに最新の建築技術を駆使してテーマに沿ったパビリオンを建設しました。しかし、万博後にはほとんどが解体されてしまうため、建物と技術を後世に残す目的で展示資料が発行されました。日本館は、蚕のまゆのような特徴的な外観から「紫蚕島」と呼ばれ、太陽光を各層に取り入れたり、雨水を溜めて冷房に利用したり、建物の外壁に太陽電池を組み込んだ膜を貼るなど、環境に配慮した設計でテーマを体現したものでした。館内の展示では、遣唐使を日中交流の原点として、日本が中国文化を取り入れながら発展してきた様子などが紹介されました。
第4章 万博研究
吉田光邦 編『図説万国博覧会史 : 1851-1942』思文閣出版, 1985.3【D7-66】
科学技術史学者の吉田光邦(1921-1991)を中心に多分野の研究者が参加した万国博覧会研究会による図説集。およそ1940年代までの万博について、「会場鳥瞰」「会場平面図」「回遊する人々」といったテーマ別に、各種の絵図が豊富に掲載されています。1851年ロンドン万博の水晶宮をはじめとする絵図からは、巨大な祭典である万博が開催されたその時々の興奮が伝わってきます。日本館を通して演出された日本的イメージや幻の万博など、日本についても取り上げられています。
佐野真由子 編『万博学 : 万国博覧会という、世界を把握する方法』佐野真由子ほか [執筆]. 思文閣出版, 2020.8【D7-M30】
万国博覧会を対象にした共同研究の約10年間の成果で、歴史学、博物館学、建築学など多様な分野の28人による32本の論考が収録されています。共同研究の目的は「万国博覧会の様々な側面に着眼し、掘り下げたその先に、19世紀から今日に至る人類世界の歩みを捉えること」とされており、万博史の新たな時代区分の提示や、博覧会国際事務局(BIE)や国際制度から見た万博、1970年大阪万博の多面的考察など内容は多岐にわたります。研究素材としての万博の射程の広さが感じられる、新時代の万博研究の成果が収められた1冊。
日時 |
2023年 1月19日(木) ~2月14日(火) 9時30分~18時00分 ※日曜・祝日を除く |
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会場 |
国立国会図書館 関西館 地下1階 大会議室
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参加費 | 無料 |
お問い合わせ先 | 電話:0774-98-1341 (関西館資料案内 9時30分~17時00分) |