「呪いのビデオ」を見た者は、1週間後に死ぬ。
映画化されて世界的にヒットした、鈴木光司氏のホラー小説『リング』シリーズでは、この世に恨みを抱いて死んだ超能力者・山村貞子の怨念が、ビデオテープに「念写」され、映像を見た者を呪い殺します。作中で、貞子の母・志津子は透視や念写の能力をもつ超能力者として、父・伊熊平八郎は志津子の能力の研究をスキャンダル視され大学を追放された学者として描かれます。この貞子の両親のモデルとされるのが、明治時代末、学界やマスメディアを騒がせた「千里眼」と呼ばれる超能力者たちと、その研究に取り組んだ東京帝国大学助教授・福来友吉博士です。
本展示では、当時の実験記録から事件の経過をたどるとともに、同時代の科学者たちの見解や社会の反応を紹介します。
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第1章 千里眼実験を読む