はじめに

皆様、こんばんは。
今宵お集まりいただいたのは、探偵小説の歴史と魅力を紐解く物語にお連れするためです。私とともに明治から昭和にかけての探偵小説をたどるこの物語をお読みになれば、きっと翻訳と創作の歴史、キャラクターやトリックの魅力を解明できるはず。
…私の名前?…「名もなき探偵」とでもお呼びください。
それでは、探偵小説の世界へご案内いたしましょう。



「探偵小説」とは、欧米の”detective novel”が輸入された明治期から、「推理小説」という言葉が戦後に普及するまで特に広く使われていた言葉です。海外作品の翻訳、翻案から始まった探偵小説は、やがて日本でオリジナルの作品が創作される時代を迎えます。その当時は、探偵が事件の謎を解いていく作品のみならず、怪奇・幻想風の作品なども「探偵小説」とされることがありました。本展示では「探偵小説」と呼ばれた作品を中心に取り上げ、ご紹介します。

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  • 今回紹介する資料は、国立国会図書館の前身の帝国図書館時代から長く所蔵していた人気の資料が多く、資料の傷みやページの欠落などが一部みられます。どうぞご了承ください。
  • 「本の万華鏡」第35回は2024年7月に公開しました。内容は公開当時の情報に基づきます。

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日本における探偵小説の始まり



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