明治初期の外交官たち
明治2年7月8日(1869年8月15日)、太政官の一省として外務省が創設されました。外務卿には沢宣嘉、外務大輔には寺島宗則が就任します。太政官制は復古的な官制ですが、律令制度の時代には外務省は存在しませんでした。外務省は太政官制下で初めて、外交事務を専門に扱う独立機関となりました。
明治3年には、外務省は本格的に在外使臣制度について検討を始めます。少弁務使としてヨーロッパに派遣されたのが最初の外交官・鮫島尚信です。その後アメリカに森有礼が少弁務使として派遣されました。
本省の整備と並行して在外公使館の開設準備が進められました。明治4年に領事職が置かれ、翌年には特命全権公使の職位が加わります。
では、各国の明治初期の外交官を紹介しましょう。
明治初期の外交代表は条約改正の交渉実務をはじめ、外交実務の研究、留学生の調査監督、在留日本人の世話、政府お雇外国人との契約交渉等の職務がありました。激務の中、初代外交官として赴任した鮫島はパリで客死しました。