コラム

「美し国」フランスへの憧れ

フランスには、「美し国」=“Douce France”の美称がある。中世の武勲詩『ロランの歌』に由来(古語では“Dulce France”)し、舒明天皇の国見の故事(万葉集第二歌)からとった訳語であるが、フランスの美しい風土や文化を連想させる名訳である。文化大国フランスが日本に与えた影響は、本編で紹介したような政治思想、産業技術、文学、芸術等だけでなく、生活文化や大衆文化といった分野においても著しい。むしろ「憧れ」という面では、こうした身近な文物の役割が大きかったと言えよう。本コラムでは、それらの中から「料理」、「ファッション」、「映画」、「レビューとシャンソン」の4分野を取り上げる。