関西館建設の歴史
平成3年8月 「国立国会図書館関西館(仮称)設立に関する第二次基本構想」策定
第二次基本構想の策定
昭和63年8月に公表した第一次基本構想を基礎として調査と研究が進められ、また、関西館の設立計画にかかわる特に重要な事項について、広く各界の学識経験者から意見を聴取するため、特別顧問制度が設けられ、特別顧問会議が開催された。これらの検討結果を取りまとめ、平成3年8月、「国立国会図書館関西館(仮称)設立に関する第二次基本構想」が策定された。
第二次基本構想の概要
関西館の位置づけや基本機能について第一次基本構想の考え方を基礎としつつ、21世紀の国立国会図書館像、東京本館と関西館の役割分担、情報資源の共有、国際社会への寄与、関西館における国会サービス等について、より具体的な内容・方針を提示している。まず、国立国会図書館が取り組むべき課題として、 (1)現行のサービスおよび業務の高度化と効率化、(2)情報ニーズの変化と技術革新に対応した新しいサービスの提供、(3)施設およびコンピュータ・システムの容量限界の根本的な解決、を挙げ、これらの課題を解決し、21世紀において国立国会図書館が総合的な情報提供機関としての役割を果たすため、大規模かつ最新のニューテクノロジーを活用した施設として関西館を構想している。
関西館の基本的な役割としては、文献情報の発信、世界的なサービスの提供、新しい図書館協力の推進、の3点を挙げ、次のサービスを想定している。(1)文献情報センターとして、複写・図書館間貸出等による文献の提供、全文データベースによる電子文献の提供、各種データベースの利用中継、アジア太平洋文献情報センターによる文献提供、(2)内外の立法情報、書誌・所在情報、日本情報の提供などの図書館情報ネットワークサービス、(3)図書館情報分野の研究開発支援や国際的な研修・交流、国際協力プロジェクトの推進、(4)メディア変換、共同保存利用プロジェクト、保存修復センターなどによる情報資源の蓄積。
また、納本制度の拡充、メディア変換(マイクロ化・電子化)、共同保存利用プロジェクト等により関西館コレクションを構築し、業務やサービスによっては、行政部門・学界・産業界等との連携・協力を図るなどして、効率的・合理的な経営手法を導入するとしている。