布施辰治は、明治後期から人権擁護のために活躍した弁護士・社会活動家である。米騒動や三・一五(共産党弾圧)事件をはじめ、主に小作争議、労働争議、部落解放運動などに関する事件の弁護活動に尽力し、自由法曹団(1921年結成)の中心的存在であった。
この憲法改正私案は、布施が普選運動を契機に思索を重ねた「君民同治の理想」の観点から、日本の民主主義化と国体護持の調整を試みたものである。第1章で主権在民を明記した上で、第3章に天皇制の規定を置いている。他に、議会を一院二部制とすること、議会の開会を予算中心と決算中心の年2回制とすること、兵役に代わる国民の義務として勤労奉仕を規定したこと、などが特色として挙げられる。
資料名 | 憲法改正(私案) 布施辰治起案 |
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年月日 | |
資料番号 | 入江俊郎文書 11(「憲法改正参考書類(憲法問題調査委員会資料)」の内) |
所蔵 | 国立国会図書館 |
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注記 |